車のバッテリー上がりはどうすればいい?原因や復旧させる方法を解説!
ガソリン車やハイブリッド車に関わらず、バッテリー上がりは起こり得ます。ロードサービス出動理由で上位を占めている車のトラブルです。
外出先でバッテリー上がりになってしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。この記事では、ガソリン車の場合に焦点を合わせてバッテリー上がりの原因と復旧方法を解説します。万が一の場合に備えて、事前に予備知識を蓄えておきましょう。
※目次※
5.ジャンピングスタートで車のバッテリー上がりを復活する方法
6.バッテリー上がり以外にも車のエンジンがかからないケースはある
7.一時的にバッテリー上がりが解消されても車の点検整備を行おう
・車のバッテリー上がりとは、電装製品の使い方などで過放電状態となり、エンジンがかからなくなってしまった状態
・バッテリー上がりになった場合は、ロードサービスへ連絡したり、ケーブルや携帯機器を利用したりして対処しよう
・日頃から車両点検やメンテナンスを心掛けてバッテリー上がりを予防しよう
車のバッテリー上がりが起こるのはなぜ?
外出中に突然車が動かなくなってしまったら大変です。つい忙しくてメンテナンスを怠っていたり、何の注意もせずに車を使用したりしているのであれば、トラブルが生じかねません。
ガソリン車は、バッテリー上がりが生じるリスクが高いモデルです。バッテリーの仕組みや上がってしまう原因を把握しておきましょう。
バッテリーに蓄えた電気の残量が無くなって起こる
バッテリー上がりとは、車に搭載しているバッテリー内の電力が放電し尽くした状態を指します。エンジンが作動するためには電力が必要なため、バッテリー上がりになるとエンジンがかかりません。ヘッドライトも含め、電気系統すべてが作動不能となります。
バッテリー上がりの発生に多い事由は、室内灯やヘッドライトの消し忘れなど、エンジン停止時の電力消費によるものです。車に乗らない期間が長いほど、バッテリー上がりのリスクが高まります。
バッテリーはオルタネーターから充電されている
車に搭載しているバッテリーとは、車内の機器を動かすために必要な電気を蓄える装置です。エンジンの作動・ライト・カーナビ・エアコンなど、ほぼ全てに関係しています。
オルタネーターと呼ばれる機械は、エンジンの動力を利用して発電し、バッテリーに蓄えます。そのため、エンジン作動時はバッテリー上がりの心配はいりません。
車のバッテリー上がりを招くと起こる現象
車のトラブルが生じた場合は、予想される原因を知っておくと落ち着いて行動できます。バッテリー上がりの際に起こる現象を覚えておくことは、適切に対処するため大切です。代表的なバッテリー上がりの現象を覚えておきましょう。
エンジンがかからなくなる
バッテリーに蓄電している電気が何らかの理由で過放電となると電力不足状態となり、バッテリー上がりの現象が生じるようになります。すぐに分かる現象は、エンジンがかからなくなる、またはいつもに比べてかかりにくい状態が頻繁に生じる状態です。
一般的にエンジン始動の際は、セルモーターまたはスターターモーターを回転させます。その際に必要なのが電力です。いつもよりかかりにくいと感じたら、バッテリーをチェックしましょう。
ライトや電気製品が反応しなくなる
エンジンのかかりにくさ以外にも、パワーシートが作動しなかったり、パワーウィンドウの開閉が遅くなったりするのもバッテリー上がりの現象です。
通常、コックピット内の警告灯などメーター類は、エンジンが始動した際に点灯します。バッテリー上がりが近い場合、メーター類のライトが暗くなるまたは付かなくなるため、日頃から注意しておきましょう。
完全にエンジンがかからなくなるのを待つのではなく、早めにバッテリー状態を点検することが大切です。
車のバッテリーは何時間で上がってしまうのか?
車の日常使いをする中で、探し物をするときにエンジンを作動せず、室内灯だけを点けるという使い方をする場合もあると思います。その時に、すぐにバッテリー上がりが起きてしまう可能性は低いため心配はいりません。
あくまでも、この問題が起きるのは過放電状態となった時です。ここでは、どのくらいの時間でバッテリー上がりが起きてしまうのかを解説します。
上がってしまう目安
車のバッテリーが上がる代表的なケースと、目安の時間は以下の通りです。
原因 |
バッテリー上がりまでの目安時間 |
室内灯のつけっぱなし |
12時間 |
ハザードのつけっぱなし |
5時間~10時間 |
ACCモード(アクセサリーモード)の放置 |
4時間~5時間 |
ACCモードでテレビやオーディオの長時間利用 |
30分~ |
車に搭載しているバッテリーのスペックや劣化、蓄電残量など、状態によって目安の時間が前後することがありますので注意しましょう。
車の基本仕様として、エアコンをつける必要はないからエンジンを切ってACCモードで音楽を楽しむというような使い方をすることはできますが、これには限界があります。
日頃からエンジン作動時以外のバッテリーの使用を控えることで、バッテリー上がりのリスクを低減できるため参考にしてください。
冬季の放電には注意
冬の寒い日に、いつもよりエンジンがかかるまで時間がかかった、という経験をした方もいるのではないでしょうか。
バッテリーの中にあるバッテリー液は、温度が低いと性能が落ちる傾向があります。気温が下がりやすい冬季にバッテリーが上がってしまうトラブルが発生しやすいのは、これがひとつの要因です。
近年では、プッシュスタート式の車が増えてきたことからエンジン作動までの時間を気にする機会が減った、という方もいるかもしれません。
しかし、エンジン作動の仕組みが大きく変わったわけではないため、冬季に車を使用する際には注意が必要です。
車の走行中にバッテリー上がりしたときの対処法
車の走行中や外出時に、バッテリー上がりが発生した場合は何をすべきでしょうか。予期しない問題が発生した時に必ずやるべきことと対処法、注意点をそれぞれご紹介します。
問題が発生した場合は、慌てず落ち着いて次の行動を対処法を取ることで緊急時にも適切な対応が可能です。ぜひ参考にしてください。
安全な場所へ退避しましょう
車の走行中にトラブルが発生した自走できなくなった場合は、慌てずに次の行動を取ることをおすすめします。
トラブルが発生した段階で、できる限り広く安全な場所まで自走しながら「ハザードランプの点灯」「路肩に車寄せる」といった対処をしましょう。
高速道路でトラブルが発生した場合は、上記の対処に加え「発煙筒(車への引火の可能性がある場合は設置不要)と三角表示板を200m以上の距離からでも確認できる位置に設置」します。
これらの対処が終わり次第、ガードレールの外側などの安全な場所に避難して救助を待つようにしましょう。
(参考:https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/highway/)
6つの対処方法
車のトラブルが発生した場合は、救援を要請する必要があります。その代表的な方法は、以下の6点です。
・JAF(会員の場合無料、非会員は有料)
・自動車保険会社(ロードサービス込みの契約の場合)
・ディーラー(メーカーが違っても依頼は可能だが有料)
・近くの整備工場(有料)またはガソリンスタンド(有料)
・救護車とブースターケーブル接続
・自身で携帯スターターを接続
方法によって、費用が発生するものとしないものがあります。事前にJAFや自動車保険の契約内容を確認し、万一の時に備えて調べておきましょう。
ロードサービスでの注意点
バッテリーが上がった際、加入している自動車保険のロードサービスを使う場合に注意点があります。
近年、自動車保険のロードサービスにジャンピングのサポートが付帯されていることが多くあります。ただし契約内容によっては、年間のバッテリー上がりサポート回数制限や自宅でのジャンピングは対象外になっている場合があるため確認しておきましょう。
実際にトラブルが発生した時に慌てないよう、事前に契約内容の確認をしておくことで、安心してサポートを受けられます。
ジャンピングスタートで車のバッテリー上がりを復活する方法
バッテリー上がりの車をどのように復活をさせるかご存じでしょうか。
主な対処法は、救援車から電力の供給を受けてエンジンを作動させる「ジャンピングスタート」と、車の電力に対応したモバイルバッテリーの「ジャンプスターター」を使用する2点です。
ここでは、それぞれの特徴や手順を詳しく解説します。
ケーブルで作動させる場合
救援車とケーブルで繋ぎ、ジャンピングスタートでエンジンを作動させるための順番と方法は以下の通りです。
・救護車のプラス端子に赤ケーブル接続
・救援車のプラス端子に赤ケーブル接続
・救援車のマイナス端子に黒ケーブル接続
・救護車のマイナス(端子ではなく、エンジン金属部)に黒ケーブル接続
・救援車のエンジンをかける
・ジャンピングスタート終了後は、逆の手順で取り外す
注意点として、ハイブリッド車やPHEV車、電気自動車の多くは救援車側のエンジントラブルを招いてしまうため、救援車にすることができません。ジャンピングスタートの際には車種の確認も行うようにしましょう。
携帯機器で作動させる場合
「ジャンプスターター」と呼ばれる、車載バッテリーの充電が可能なモバイルバッテリーでエンジンを作動させるための順番と方法は以下の通りです。
・救護車のプラス端子にジャンプスターターの赤ケーブル(プラスクランプ)接続
・救護車のマイナス端子にジャンプスターターの黒ケーブル(マイナスクランプ)接続
・充電完了後は、逆の手順で取り外し
ジャンプスターターは、モバイルバッテリーのため車載バッテリーの充電以外にもスマホの充電にも使用することができたりと、多用途のモデルもあります。用途に合わせて選んでも良いでしょう。
バッテリー上がり以外にも車のエンジンがかからないケースはある
車を動かす際、エンジンがかからないと真っ先にバッテリー上がりを疑ってしまうことも少なくないでしょう。
しかし、エンジンが作動しない原因となるのはこれだけではありません。エンジンが作動しなくても、全く別の問題が発生していることもあります。バッテリー上がりによく似た症状となる原因を3点見てみましょう。
Pレンジに入っていない
シフトレバーがPレンジ(パーキング)に入っていない場合、エンジンが作動しません。この使用はどのメーカーの車でも共通の仕様です。
近年は電子制御されている車種も増えており、シフトレバーをPレンジにしないままエンジンを切っても勝手にパーキングになる、アラートで知らせてくれるような車種もあります。
しかし、車種によってはこのような機能がない場合もあるため、エンジンが作動しない場合はまずシフトレバーがどの位置なのか確認してみましょう。
セルモーターの不具合
セルモーターとは、作動時にエンジンを回転させる役割のモーターです。これを動かすためには電力が必要となります。
セルモーターに問題が起きている場合、正常にエンジンを回転させられず、結果としてエンジンがかかりません。エンジンが作動することなくバッテリーにも問題がない場合は、セルモーターが故障している恐れがあります。
セルモーターに異常があるかは、ロードサービスや整備工場、ディーラーのプロによる点検を依頼しましょう。
燃料不足(ガス欠)
燃料不足(ガス欠)の場合も、エンジンは作動しません。ガス欠の時にエンジンを作動しようとすると、エンジンがかかりそうでかからないというような挙動を起こします。バッテリー上がりの症状と似ているため、誤認しないためにも給油量がどの程度あるか気にするようにしましょう。
車の給油量が減ると、メーターやインフォメーションディスプレイ内にガソリンが足りなくなってきたことを知らせるランプが点灯します。その場合は、なるべく早めの給油がおすすめです。
一時的にバッテリー上がりが解消されても車の点検整備を行おう
車のバッテリーが上がりをジャンピングスタートやジャンプスターターでエンジンを作動させることができても、念の為車の点検をすることをおすすめします。
なぜ、バッテリー上がりの問題が解消されても車の点検したほうが良いのでしょうか。ここから、バッテリー上がりが発生したことで起きてしまう問題について解説します。
バッテリー上がりは劣化に繋がる
バッテリー上がりを起こすと、バッテリーが大きく劣化することがあります。そうすると充電容量が減ってしまい、十分な能力を発揮することができません。
これによりバッテリー上がりを繰り返す、さらには状態が悪化し車の自走ができなくなってしまうということも想定されます。
バッテリーが上がった場合は、車のほかの部位でも異常が起きていないか詳しい車の点検を依頼しましょう。
交換のタイミング目安
スペックにもよりますが、バッテリーの寿命は2~5年程度といわれています。また、車の使用頻度や状況によっても寿命が変わることも珍しくありません。
バッテリー上が起きた場合は、劣化が原因で他の予期しない問題が発生する可能性があるため、新品への交換が推奨されています。
しかし、必ず交換をしなければならない訳ではないため、交換時期について実際の使用年数よりも現在の状況を見てバッテリー交換の時期を判断しましょう。
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例えば、遠方へのドライブ中バッテリー上がりになった場合も、ネクステージスタッフに連絡すれば保証が適用されるため安心です。万が一の場合にどこに連絡すれば良いかが分かっていれば、過度に不安を感じることなく、ドライブや旅行を楽しめます。
まとめ
楽しいドライブや旅行に出かけている際にトラブルが生じると、慌ててしまいます。突然車のエンジンがかからない場合はなおのこと不安に感じるのではないでしょうか。
車のエンジンがかからない理由のひとつは、バッテリー上がりです。バッテリー上がりの原因や兆候に目ざとくあり、できるだけトラブルが生じないよう日頃から注意しましょう。トラブルの際に安心できる保証を用意しているネクステージの利用も検討できます。
▼ライタープロフィール
田村陽子
自動車ライター
熊本県在住。これまで、国産車・輸入車・軽自動車・普通車など、20種類以上の車に乗った経験を活かしてクルマ系メディアでの執筆活動を行っている。車両整備士や車好きの友達が多く、情報交換により日々知識を向上している。