ヤリスクロスの燃費が知りたい！グレードや2WD・4WDごとの違いも解説
ヤリスクロスは、トヨタのコンパクトカー「ヤリス」の派生モデルとした誕生したSUVです。SUVは他のボディタイプよりも走行性能が高いことから、燃費性能が低いのではと思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ヤリスクロスのカタログ燃費、高い燃費性能を発揮できる理由、燃費性能以外の魅力を紹介します。競合のSUVも紹介しますので、最後まで読むことで、ヤリスクロス以外の選択肢も広がるでしょう。
※目次※
・ヤリスクロスのカタログ燃費（WLTCモード）は、17.1km/L~30.8km/L。
・ヤリスクロスの優れた燃費性能を維持するには、定期的なメンテナンス、運転の工夫、エコタイヤの活用が大切。
・燃費性能以外の要素も重視するのであれば、他のSUVとも比較しよう。
ヤリスクロスのカタログ燃費は？
車を維持する上で、重視したいことのひとつが燃費性能です。ヤリスクロスのようなSUVは、走破性を重視することで燃費性能が犠牲になっているように感じる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、ガソリンモデルとハイブリッドモデル、それぞれの燃費性能を紹介します。
（参考：『ヤリスクロス（トヨタ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
ヤリスクロス燃費はエンジンの仕様と駆動方式で異なる
ヤリスクロスのカタログ燃費（WLTCモード）は、17.1km/L~30.8km/Lです。燃費性能は、パワートレインおよび駆動方式によって異なります。
ヤリスクロスのエンジンは、ハイブリッドモデルとガソリンモデルどちらも同じM15A型のエンジンです。ハイブリッドモデルは、優れたハイブリッドシステムを組み合わせることで、圧倒的な燃費性能を発揮します。
燃費性能を優先するのであれば、ガソリンモデルよりもハイブリッドモデル、4WDやE-Fourよりも2WDモデルがおすすめです。
ガソリンモデルの燃費
ガソリンモデルのグレードは、5つあります。全て同じエンジンを搭載し、燃費改善対策が行われていますが、グレードによって燃費が異なるため違いを確認しましょう。
以下は、グレード別の燃費一覧です。ガソリンモデルの中で、燃費性能を重視するのであればグレードXの2WDモデルを選びましょう。
|
グレード |
GR SPORT |
Z“Adventure”／Z |
G |
X |
|
燃費 （WLTCモード・km/L） |
17.6 |
17.1~18.3 |
18.1~19.4 |
18.4~19.8 |
ハイブリッドモデルの燃費
ハイブリッドモデルのグレード展開は、ガソリンモデルと変わりません。以下は、グレード別の燃費一覧です。燃費性能を重視してグレードを選ぶのであれば、グレードXの2WDモデルを選びましょう。
|
グレード |
GR SPORT |
Z“Adventure”／Z |
G |
X |
|
燃費 （WLTCモード・km/L） |
25.0 |
26.0~27.8 |
28.1~30.2 |
28.7~30.8 |
ヤリスの燃費との違い
トヨタは、ヤリスクロスの兄弟車「ヤリス」もラインアップしています。ヤリスもヤリスクロスと同じく、クラストップレベルの燃費性能を持つ車です。以下に、ヤリスの燃費を紹介します。
|
モデル |
ハイブリッドモデル |
ガソリンモデル |
||
|
駆動方式 |
2WD |
E-Four |
2WD |
4WD |
|
燃費 （WLTCモード・km/L） |
35.4~36.0 |
30.2 |
19.0~21.3 |
19.1 |
ヤリスクロスに比べてボディサイズが小さく、車両重量も軽いことから、ヤリスのほうが燃費性能に優れています。
ヤリスクロスの燃費性能が優れている理由
ヤリスクロスは力強い走りが魅力のSUVでありながら、なぜ燃費性能に優れているのでしょうか。燃費性能が良いのは、コンパクト化・軽量化したエンジンを搭載し、空気抵抗の少ないボディデザインを採用したためです。それぞれ詳しく解説します。
コンパクト化・軽量化を徹底したエンジン
ヤリスクロスは、ハイブリッドモデル・ガソリンモデルどちらも排気量1.5Lダイナミックフォースエンジンを搭載しています。このエンジンは、コンパクト化・軽量化を行うことで、高い動力性能・環境性能・燃費性能を発揮できるのが特徴です。
ロングストローク化、バルブ挟み角拡大などの高速燃焼技術を採用することで、燃費性能を犠牲にすることなく、高出力を発揮します。
空気抵抗を減らすフォルム
「軽く、小さく、扱いやすく」というコンセプトの通り、ヤリスクロスには軽量かつ高剛性のコンパクトボディが採用されています。
エンジン配置の見直しなど重量配分を最適化することで、低重心化を実現したのが特徴です。SUVらしい車高の高さはそのままに、軽快かつ安定した走りを味わえます。
外装パーツでは、空力性能をアップさせる形状のリアスポイラー、スタビライジングフィンを装着したことで、クラストップレベルの空気抵抗係数、燃費性能向上を実現しました。
ヤリスクロスの魅力は燃費だけに留まらない！
ヤリスクロスは燃費性能が高いことから、ガソリン代を抑えたい方にも適しています。燃費性能以外に優れた点はないのでしょうか。
ここでは、走行性能や室内空間の利便性、安全性能など、燃費性能以外の魅力を4つ紹介します。ヤリスクロスの魅力をより深く理解できるでしょう。
走破性の高い走行性能
ヤリスクロスのハイブリッドモデル（4WD）には、電気式4WDシステム「E-Four」が採用されています。
通常時は後輪にもトルクを配分してスムーズな発進をアシストし、滑りやすい路面では最適なトルク配分とすることで安定した発進が可能です。定常走行時は、前輪のみ駆動するよう制御することで、燃費性能を向上させています。
コンパクトサイズに設計されたことで、取り回しやすさに優れているのも特徴です。狭い道を走行する際、駐車する際に取り回しやすさを体感できるでしょう。
豊富な室内・荷室の機能
ヤリスクロスのリアシートは、4：2：4分割可倒式シートもしくは6：4分割可倒式シートを採用しています。
4：2：4分割可倒式シートの中央のみを倒すと、大人が4人乗った状態でも長い荷物を積載可能です。リアシートを全て倒せば、自転車も立てた状態で運べます。
荷室寸法は、高さ732mm~850mm、幅1,400mm、長さ820mmです。分割されたアジャスタブルデッキボードの位置を変えることで、荷室フロアの高さを2段階に調整できるため、大きさの異なる荷物を載せる際に役立ちます。
運転をサポートする安全性能
ヤリスクロスには、トヨタの衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」が備わっています。単眼カメラとミリ波レーダーを用いて前方の状況を認識し、ドライバーをサポートする機能です。
例えば、プリクラッシュセーフティーは、歩行者・自転車との衝突、交差点など出合い頭での衝突回避や被害軽減をサポートします。
プロアクティブドライビングアシストは、歩行者の飛び出しや横断など運転時のさまざまなリスクを先読みすることで、ドライバーの安心につなげるものです。
搭載される機能はグレードによって異なるため、グレード選択時は安全性能の内容をチェックしましょう。
ガソリンを電気に変換できる給電機能
ヤリスクロスは、メーカーオプションを使うことで荷室にAC100V電源（非常時給電システム付き）を設置できます。合計1,500Wまで使えるためスマートフォンの充電のみならず、ドライヤーやコーヒーメーカー、電気ストーブ、電気ケトルなども利用が可能です。
車を停止させた状態で、燃料残量警告灯が点灯するまで電気製品を利用できます。レジャーやアウトドアの他、非常時の電源確保に役立つ機能です。
ヤリスクロスと比較検討したいSUV
「ヤリスクロスのように燃費性能に優れたSUVはないのか」と思う方もいるのではないでしょうか。ここでは、ヤリスクロスとの比較におすすめのSUVを3車種紹介します。ヤリスクロスとは違った魅力があるため、択肢を広げて自分に合った車を探しましょう。
ホンダ ヴェゼル
ヴェゼルは、ハイブリッドモデルに「e:HEV」と称されるハイブリッドシステムを採用しています。
前後に発電用・走行用2つのモーターを配置し、発進時はエンジンを停止してモーターのみで駆動、高速走行時はエンジンの動力を直接タイヤへ伝えることで燃費向上を図っているのが特徴です。
燃費（WLTCモード）は、ハイブリッドモデルが22.0km/L~25.0km/L、ガソリンモデルが15.6km/L~17.0km/Lを発揮します。
（参考：『ヴェゼル（ホンダ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
日産 キックス
キックスは、100％モーターで駆動する第2世代e-POWERを採用しています。100％モーター駆動のため、始動すれば瞬時に最大トルクを発揮でき、レスポンスの良い運転を体感可能です。
発電のみに使うエンジンは、始動頻度を必要最小限に抑えて燃費性能を向上させています。キックスは全てハイブリッドモデルです。燃費（WLTCモード）は、19.2km/L~23.0km/Lを発揮します。
（参考：『キックス（日産）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
ダイハツ ロッキー
ロッキーは、160万円台から購入できる価格の安さが魅力のSUVです。ハイブリッドモデルにはe-SMART HYBRIDを採用し、エンジンを発電専用として駆動させるため、100％モーターの力で走行できます。
燃費（WLTCモード）は、ハイブリッドモデルが28.0km/L、ガソリンモデルが17.4km/L~20.7km/Lです。
また、ロッキーにはアクセルペダルの踏み戻し操作だけで、加減速できる走行モード「スマートペダル」が備わっています。スマートペダルを活用することで、燃費性能の向上が可能です。
（参考：『ロッキー（ダイハツ）の中古車一覧｜新車・中古車の【ネクステージ】』）
ヤリスクロスの燃費性能を高める工夫
ヤリスクロスは、競合車であるホンダ ヴェゼルや日産 キックス、ダイハツ ロッキーと比べ燃費性能に優れているものの、メンテナンス方法や運転方法によっては本来の燃費性能を発揮できない可能性があります。ここで紹介する工夫を実行し、燃費性能の向上を目指しましょう。
定期的にメンテナンスを行う
燃費性能に優れた車でも、メンテナンスを怠ると性能は徐々に低下します。特に燃費性能に影響を与えるのは、エンジンオイル、タイヤ、スパークプラグ、エアクリーナーです。これらを定期的に点検・交換し、燃費性能を維持しましょう。
燃費を向上したいのであれば、低燃費（エコ）タイヤの装着もおすすめです。低燃費（エコ）タイヤは、通常のタイヤよりも転がり抵抗が小さく、燃費向上が期待できます。
エコドライブを意識する
運転時はアクセルペダルの使い方に気を配りましょう。勢いよくアクセルペダルを踏むと、燃料を多く消費します。優しく踏んで緩やかに加速することで、10％以上の燃費向上も可能です。停止する際は、アクセルペダルから早めに足を離すよう心がけましょう。
燃費計を使って燃費情報を数値で把握するのもおすすめです。燃費計は、平均燃費・瞬間燃費・最高燃費などさまざまな情報を目で確認できるため、どの程度燃費向上しているのかが分かります。
まとめ
ヤリスクロスのカタログ燃費（WLTCモード）は、ガソリンモデルが17.1km/L~19.8km/L、ハイブリッドモデルが25.0km/L~30.8km/Lです。燃費性能を重視するのであれば、ハイブリッドモデルのグレードX（2WD）を選びましょう。
燃費性能に優れたヤリスクロスですが、高い性能を維持するには定期的なメンテナンスも大切です。エンジンブレーキを活用するなど日々の運転を工夫するだけでなく、エンジンオイル交換やタイヤの空気圧チェックなどメンテナンスも忘れずに行いましょう。
▼ライタープロフィール
畠山達也
自動車Webライター
自動車免許のほか、一級自動車整備士、フォークリフト運転免許などを保有するライター。自動車メーカーや部品業界に携わった際の知識や経験を活かし、Webメディアを通して「車の楽しさ」を発信している。
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