スカイライン クロスオーバーに新型登場?後継モデルや最終モデルを振り返る
スカイライン クロスオーバーは、日産から2009年から2016年まで販売されていたクロスオーバーSUVです。ベースとなるスカイラインの美しいFRスタイルを、そのままSUVにしたようなデザインには、今も根強い人気があります。
世界的なSUVブームもあり復活が期待されているモデルですが、2023年10月にインフィニティから気になるコンセプトカーが発表され、新型モデル登場の期待が高まっています。
※目次※
1. 新型の情報が気になるスカイライン クロスオーバーとは?
2. スカイライン クロスオーバーの後継モデルは「インフィニティ QX50」
3. スカイライン クロスオーバーの新型モデルは発売される?
4. スカイライン クロスオーバーをグレードごとに振り返ろう
・スカイライン クロスオーバーは、スカイラインの名前が付くモデルの中で唯一のSUV。FRクーペのようなデザインは根強い人気を誇っていた
・日産の海外向けブランドのインフィニティから、後継モデルであるQX50が販売されたが、国内未導入のため次期モデルに期待が寄せられている
・ここ数年のSUVブームもあって、他メーカーからも多くのSUVモデルが展開されている。スカイラインクロスオーバーと比較して目的の車種を見つけよう
新型の情報が気になるスカイライン クロスオーバーとは?
スカイライン クロスオーバーは、スカイラインの名前が付くモデルの中で唯一のSUVです。昨今の高級SUVブームの先駆けとも言えるモデルで、ラグジュアリーなFRクーペをそのままSUVにしたような形は斬新でした。
一部のファンからは根強い人気を誇っていましたが、スカイライン クロスオーバーというモデル名は、1世代のみで生産終了になっています。
スカイライン クロスオーバーは日産のSUV
スカイライン クロスオーバーは日産で2009年から2016年まで発売されていたSUVモデルです。もともとは北米で「インフィニティEX37」の車名で販売されたものです。インフィニティとは日産の北米高級車ブランドです。
スカイライン クロスオーバーのエンジンは「3.7L V型6気筒DOHC(VQ37VHR型)」が搭載されており、最高出力243kW(330ps)/7,000rpm、最大トルク361N・m(36.8kgf・m)/5,200rpmという高いスペックを誇ります。
トランスミッションはMTモード付きの7速AT、駆動方式もFRと4WDの2種類が用意されており、運転する方、それぞれに合った理想の走りを追求できるモデルと言えます。
内装はブラウン・ブラックのどちらかをベースとした配色で、アナログ時計が設置されているなどレトロかつエレガントな雰囲気が特徴です。シートはリモコン操作ひとつで角度を調節できるため快適さも良好です。
一方でエクステリアはクロスオーバーSUVらしいモダンなデザインでありながら、外形はシャープさも持ち合わせています。内外装ともにクロスオーバーSUVの名にふさわしい高級感があるでしょう。
1世代で生産終了を迎えた
スカイライン クロスオーバーは確かなスペックとオリジナリティのある高級感を持っています。しかし、スカイライン クロスオーバーの売れ行きは低迷が続き、2016年に販売が終了し、残念ながら1世代で終わりました。
生産を終了した理由には、「3.7Lという排気量のために自動車税が高くなる」「新車価格が400万~500万と高額である」「宣伝活動も少なかった」などといった原因が考えられます。
また当時、スカイラインはセダンかクーペが主流でした。それらのイメージがSUVとマッチしなかったなども原因のひとつと言えるでしょう。
スカイライン クロスオーバーの後継モデルは「インフィニティ QX50」
スカイライン クロスオーバーは1世代のみで生産終了となってしまいましたが、インフィニティには「QX50」という後継モデルが登場しています。インフィニティは国内には正式導入されていないブランドのため、日本ではほぼ見かけることのないモデルです。
2019年にモデルチェンジし、2020年にはクーペSUVの「QX55」がデビューしています。
インフィニティは日産の海外向け高級ブランド
インフィニティとは、日産が海外向けに展開しているプレミアムブランドです。1989年にアメリカ合衆国で自動車の販売を開始し、その後は主に北米を中心に展開し、東アジアや一部ヨーロッパなどへと市場を拡大しています。
最近では、2013年に日本で販売された13代目のスカイラインが、インフィニティのエンブレムを装着して販売されたことで、国内での知名度も向上しました。
2014年から海外で販売を開始
インフィニティ QX50は2014年から販売を開始しました。初代QX50は当初、インフィニティ EXとして2007年末から販売されていましたが、2014年に販売戦略上のネーミング統一化に伴い現在のQX50というモデル名に変更されました。
2019年にはモデルチェンジし、よりインフィニティらしい大人の洗練された雰囲気をまとった力強くエレガントなデザインになっています。
2020年にはQX50の姉妹車として、クーペスタイルのSUVモデルとなる「QX55」もデビューしています。
入手方法は逆輸入もしくは中古車購入
インフィニティは主に北米を中心に展開されている高級車ブランドで、日本には正式導入されていません。そのため、国内ではインフィニティブランドの車を目にする機会は少ないでしょう。手に入れたい場合は逆輸入するか、中古車として流通しているものを購入するかのどちらかになります。
個人で逆輸入しようとすると手続きが大変ですが、2019年からは日産系カスタムブランドの「IMPUL」でインフィニティの国内販売を開始しています。
スカイライン クロスオーバーの新型モデルは発売される?
スカイライン クロスオーバーの生産終了から今年で7年が経ちます。近年はSUVブームもあり、世界中の自動車メーカーからSUVモデルが登場しているため、スカイライン クロスオーバーの復活に期待が寄せられています。
2023年10月には、日産からインフィニティブランドのコンセプトカー4台が発表されました。その中の、クロスオーバーSUVである「インフィニティビジョンQxe」が、QX50の後継車ではないかともいわれています。
スカイライン クロスオーバーのBEVに期待が集まる
2023年10月25日に発表されたインフィニティの4台のコンセプトカーは、ファストバックセダンのビジョンQeとクロスオーバーSUVのビジョンQxe、クロスオーバークーペのQX65、フラッグシップSUVのQX80です。
インフィニティは全ての市販車をBEVとする目標を掲げているため、スカイライン クロスオーバーの次期モデルはBEVモデルになると予想されています。
ベースモデルはアリアの「B9」か?
新型のスカイライン クロスオーバーは、日産のアリアがベースモデルになるのではないかといわれています。アリアは、日産が発売するSUVスタイルの100%電気自動車です。
アリアという言葉は、古代ヨーロッパ語圏における「威厳」「高貴」を意味しています。EVの特性を活かした力強い加速と滑らかな走り、静粛性を兼ね備え、インテリアはEV車らしくシンプルながら高級感あるデザインです。
現行スカイラインが廃止される可能性も否定できない
新型のスカイライン クロスオーバーは、現行のスカイラインがフルモデルチェンジする際に、置き換わる形で登場するのではないかといわれています。現行スカイラインのハイブリッドモデルは2022年5月に受注終了がアナウンスされました。
日産としてもここ数年のSUVブーム到来や、国内でのセダンタイプの需要低下などの影響があり、セダンから撤退しSUVにシフトしていくとみられています。
スカイライン クロスオーバーをグレードごとに振り返ろう
ここでは、2014年7月に販売したスカイライン クロスオーバーの最終モデルを紹介します。4つのグレードを比較できるように表にしました。新車価格は発売当時のものですが、残念ながら新車を手にすることはできません。
気になるグレードがある場合は、新車価格を参考に、中古車の状態を確認し、中古車価格と照らし合わせてみると良いでしょう。なお、販売台数が多くないため、市場に出回っている台数も少ないと言えます。
370GT
ベーシックなグレードであるスカイライン クロスオーバー370GTのスペックが以下の表です。ベーシックグレードにかかわらず、エンジンはどのグレードも同じものが搭載されています。そのため、走行性能は他のグレードと差はありません。
全長×全幅×全高 |
4,635×1,800×1,600mm |
ホイールベース |
2,800mm |
車重 |
1,750kg |
エンジン |
3.7L V型6気筒DOHC(VQ37VHR型) |
最高出力 |
330ps(243kW)/7,000rpm |
最大トルク |
36.8kg・m(361N・m)/5,200rpm |
燃費(JC08モード) |
9.2km/L |
新車価格 |
447万1,200円 |
駆動方式 |
FR |
トランスミッション |
7AT |
(型式DBA-J50の情報です)
370GT type P
スカイライン クロスオーバー 370GT type Pのスペックが以下の表です。スペックは370GTとほとんど変わりませんが、「最新のアラウンドビューモニターが搭載」「ステアリングが手動から電動になる」「シートがヒーター付きの本革になる」など、内装とエクステリアが370GTに比べアップしています。
全長×全幅×全高 |
4,635×1,800×1,600mm |
ホイールベース |
2,800mm |
車重 |
1,750kg |
エンジン |
3.7L V型6気筒DOHC(VQ37VHR型) |
最高出力 |
330ps(243kW)/7,000rpm |
最大トルク |
36.8kg・m(361N・m)/5,200rpm |
燃費(JC08モード) |
9.0km/L |
新車価格 |
518万4,000円 |
駆動方式 |
FR |
トランスミッション |
7M-ATx |
(型式DBA-J50の情報です)
370GT FOUR
4WDタイプのベーシックグレートとなる370GT FOURのスペックが以下の表です。駆動方式以外、370GTとスペックは変わりません。4WDになって重量が重くなることで若干、燃費性能が低下している点が特徴です。
全長×全幅×全高 |
4,635×1,800×1,600mm |
ホイールベース |
2,800mm |
車重 |
1,840kg |
エンジン |
3.7L V型6気筒DOHC(VQ37VHR型) |
最高出力 |
330ps(243kW)/7,000rpm |
最大トルク |
36.8kg・m(361N・m)/5,200rpm |
燃費(JC08モード) |
8.8km/L |
新車価格 |
475万2,000円 |
駆動方式 |
フルタイム4WD |
トランスミッション |
7M-ATx |
(型式DBA-NJ50の情報です)
370GT FOUR type P
最上級のグレードとなる370GT FOUR type Pのスペック表です。4WDに加えて内装とエクステリアも高品質になるため価格は最も高額です。予算に余裕のある方はご検討ください。
全長×全幅×全高 |
4,635×1,800×1,600mm |
ホイールベース |
2,800mm |
車重 |
1,860kg |
エンジン |
3.7L V型6気筒DOHC(VQ37VHR型) |
最高出力 |
330ps(243kW)/7,000rpm |
最大トルク |
36.8kg・m(361N・m)/5,200rpm |
燃費(JC08モード) |
8.8km/L |
新車価格 |
546万4,800円 |
駆動方式 |
フルタイム4WD |
トランスミッション |
7M-ATx |
(型式DBA-NJ50の情報です)
スカイライン クロスオーバーのライバル車5選
スカイライン クロスオーバーは2016年に生産終了となっているので、現在購入する方法としては中古車を購入する以外ありません。しかし近年はSUVブームもあって、他メーカーからもさまざまなモデルが登場しているので、比較してみて自分に合う車種を見つけてください。
ここでは、スカイライン クロスオーバーのライバルとなる5台を紹介します。
CX-5(マツダ)
現行モデルのCX-5は2017年2月にデビューしました。マツダのデザインコンセプト「魂動」を取り入れた、シンプルかつ洗練されたデザインの街で映える都市型SUVです。マツダ車全体に共通している、インテリアの質感の高さとスタイリッシュさも人気の高い要因のひとつです。
またパワートレインを、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンから選択できるのも特徴のひとつとなっています。
ここではディーゼルエンジンモデルのスペックを表にしました。
エンジン |
2.0L 直列4気筒 直噴DOHC ディーゼルターボ |
最高出力 |
190ps(140kW)/4,500rpm |
最大トルク |
45.9kg・m(450N・m)/2,000rpm |
燃費(WLTCモード) |
16.6km/L(4WD) |
中古相場 |
約145万円~約358万円 |
フォレスター(スバル)
現在販売されている5代目フォレスターは2018年7月に発売されました。現行フォレスターにはスタンダードモデル「Touring」、ハイグレードモデル「Advance」、よりアクティブさを際立たせた「X-BREAK」、スポーティーモデル「SPORT」、STIチューニングによる最上位グレード「STI Sport」の5モデルが展開されています。
最大の特徴は低重心な水平対向エンジンと、スバル独自の「シンメトリカルAWD」による走行性能と、「アイサイト」などによる安全性能を高次元で両立させているところです。
ここではハイグレードモデル「Advance」のスペックを表にしました。
エンジン |
2.0L 水平対向4気筒 直噴DOHC+モーター |
最高出力 |
145ps(107kW)/6,000rpm |
最大トルク |
19.2kg・m(188N・m)/4,000rpm |
燃費(WLTCモード) |
14.0km/L(4WD) |
中古相場 |
約176万円~約373万円 |
(参考:『ネクステージ:フォレスター(スバル)の中古車一覧』)
ハリアー(トヨタ)
トヨタ ハリアーは2020年6月に4代目モデルが販売されました。ハリアーには、「ハリアー」「ハリアーPHEV」「ハリアーハイブリッド」があります。ここでは 現行モデルである「ハリアーS」グレードのスペックを表にしました。
ボディのサイズ、形がスカイライン クロスオーバーと似ています。ハリアーのほうがスカイラインクロスオーバーより燃費が優れている一方、エンジンスペックはスカイラインクロスオーバーのほうがパワフルです。
高級スポーティカーとしての走り性能やラグジュアリー感を求める方にはスカイライン クロスオーバーが適していますが、ハリアーの力強い走りにも定評があります。
エンジン |
2.0L 直列4気筒DOHC |
最高出力 |
171ps(126kW)/6.600rpm |
最大トルク |
21.1kg・m(207N・m)/4,800rpm |
燃費(WLTCモード) |
15.4km/L |
中古相場 |
約283万円~約481万円 |
(参考:『ハリアー(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
RX(レクサス)
セダンとSUVの良さを持つレクサスRXは、スカイライン クロスオーバーと同じく高級SUVです。RXシリーズにはRX350の他に、RX500hとRX450h、RX350hがありますが、RX350が最も購入しやすい価格です。
ラグジュアリーなインテリアはRX500hとRX450hと変わりませんが、エンジンがそれぞれ異なります。RX350は、2.4Lターボエンジンと世界トップレベルの伝達効率を達成した新型8速を採用しており、ターボエンジンらしいパワフルかつ、軽快な走りを体感できます。
RX350の中でも購入しやすい価格のグレードの「RX350バージョンL」を表にしました。
エンジン |
直列4気筒インタークーラー付きターボ |
最高出力 |
279ps(205kW)/6,000rpm |
最大トルク |
43.8kg・m(430N・m)/1,700~3,600rpm |
燃費(WLTCモード) |
11.8km/L |
中古相場 |
約310万円~約556万円 |
(参考: 『RX(レクサス)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
XC60(ボルボ)
ボルボならではのフロントグリルとヘッドライトが圧倒的な存在感を放つXC60ですが、2022年7月発売の現行モデルは全てハイブリッド車になり4つのグレードがあります。スカイライン クロスオーバーと比べて、若干ワイドで重厚感のあるボディが大きな特徴です。
クーペ寄りのスカイラインに比べ、ボルボはスポーティーな見た目に加えてインテリアはクロスカントリー風の要素も持っています。個人の好みによりますが、車両価格も689万円からということで、ボルボのほうが装備やインテリアなどに上質さを感じられるでしょう。
購入しやすい「XC60 プラスB5」を表にしました。
エンジン |
2L直列4気筒DOHCターボ+モーター |
最高出力 |
250ps(184kW)/5,400~5,700rpm |
最大トルク |
35.7kg・m(350N・m)/1,800~4,800rpm |
燃費(WLTCモード) |
12.5km/L |
中古相場 |
約359万円~約573万円 |
(参考: 『XC60(ボルボ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
まとめ
2009年に登場したスカイライン クロスオーバーは、ラグジュアリーなFRクーペをそのままSUVにしたような形が斬新で、一部のファンからは根強い人気を誇っていました。ここ数年の高級SUVブームの先駆けとも言えるモデルですが、残念ながら1世代のみで生産終了になっています。
しかし2023年10月に、インフィニティブランドのコンセプトカー4台が発表され、その中には後継車と思われるモデルも登場しているため、今後の展開と次期モデルに注目です。
▼ライタープロフィール
真鍋裕行
出版社勤務を経て2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立し、自動車雑誌、ウェブサイトなどに原稿を寄稿。編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで幅広くリポート。業務拡張につき2011年に会社を設立。自動車ジャーナリストとしての自動車メディアへの寄稿は続けつつ、メディアコンテンツの製作(雑誌、Web、アプリetc)に取り組んでいる。メディアコンテンツの製作ではオーナーや協力者のコミュニティを作ることを考えるなど、単純な製作で終わらないことを心掛ける。また、近年ではレースチームのディレクターやPRにも積極的に携わる。
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