BMW Z3はなぜピエロの靴と呼ばれる？変遷や入手できるかについても解説
ドイツの自動車メーカーBMWは、世界中で親しまれています。現在、オープンスポーツモデルには「Z4」がありますが、前身は「ピエロの靴」という俗称を持つ「Z3」です。オープンボディの「ロードスター」の他、クーペボディの用意がありました。なぜそのような呼ばれ方をしたのか、疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、「Z3」の歴史や魅力とともにその理由を解説します。あわせてBMWの中古車を買う際のポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
※目次※
・「ピエロの靴」と呼ばれるBMW Z3のデザインは、特徴的なロングノーズとショートデッキが特徴的
・ピエロの靴の後継車「Z4」のグレードは「BMW Z4 sDrive20i M Sport」と「BMW Z4 M40i」
・BMWの中古車を買う際はポイントを押さえて車選びをしよう。品質が高く充実した保証をお求めならネクステージへ0台以上！正規輸入中古車
BMW Z3はなぜピエロの靴と呼ばれるのか
「BMW Z3」はオープンボディとクーペボディの2種類をラインアップしたスポーツモデルです。しかし、クーペボディのみ「ピエロの靴」と呼ばれています。それではなぜそのような俗称がついたのか、Z3の概要とともに紹介します。
BMW Z3は世界中で人気を集めたモデル
「BMW Z3」は1996年~2002年まで生産されていたモデルです。当時の世界的な2シーターオープンカーのブーム、先行モデルの「BMW Z1」に比べ「BMW Z3」は手が届きやすい価格であったことから日本国内でも注目され人気を得ました。
「BMW Z3」は日本のみならず、世界中でとても人気があり販売台数を伸ばしました。中でも人気の中心は、「BMW Z3ロードスター」と呼ばれるモデルです。5速MTのトランスミッションを搭載し、優れた加速力とドライビング性能が魅力で、駆け抜ける喜びや車を乗りこなす満足感を味わえるモデルと言えるでしょう。
BMW Z3のモデルラインアップ
「BMW Z3」にはオープンモデルとクーペモデルの2種類がラインアップされていました。オープンボディの方は「Z3 ロードスター」というモデル名で、中古車で「Z3」で検索すると多く見つかるのがこちらのタイプです。
エンジンは最終型の時点では2.2L/3.0Lの2種類のエンジンを搭載していました。Z3のボディはロングノーズであることに加えて、2シーターのショートデッキという構成です。この構成が「ピエロの靴」と呼ばれた「Z3 クーペ」のデザインに大きく起因することになります。
ピエロの靴と呼ばれたクーペモデルは賛否両論あり
「Z3 クーペ」は、一般的なクーペとは異なるボディデザインが特徴です。クーペと言えば、ルーフの頂点から後部まで滑らかに下がるような形が一般的と言えます。しかし「Z3 クーペ」はボディ後部までが平面が続き、後端ギリギリのところで崖のように切り下がるのが特徴です。また、リヤドアもハッチバックを採用していました。
このボディを横から見ると、まさに靴のような形状に見えるのです。「Z3」自体がロングノーズのボディであるため、余計にピエロが履く靴を連想させ「ピエロの靴」という俗称が付いたといわれています。
BMW Z3のモデルの変遷
1996年~2002年にわたって生産された「BMW Z3」は、生産時期により前期型と後期型に区分されます。製造年が1996年~1998年のものを前期型、1999年~2002年に製造されたものは後期型と呼ばれています。
ここでは、「BMW Z3」の変遷と前期型、後期型それぞれの特徴や違い、モデルラインアップなどについて詳しく見ていきましょう。
前期（～1999年式）型
前期型の初期モデルは、「BMW Z3ロードスター」です。ボディサイズが全長4,035mm、全幅1,690mm、全高1,275mm、エンジンは最高出力140ps、最大トルク18.3kgf・mを発生する1.9L直列4気筒DOHC16バルブを搭載しています。ミッションは5速MTとなっており、帆の開閉は手動式でした。
1998年には2.8Lエンジンを搭載する「BMW Z3クーペ」がラインアップに加わりました。Z3クーペは、当初2.8L直列6気筒DOHCエンジンを搭載していましたが、マイナーチェンジで3.0L直列6気筒DOHCエンジンに換装しました。
エンジンラインアップが豊富なロードスターに比べるとクーペのエンジンは2種類のみとシンプルです。
Z3には他に、1997年に「BMW Z3 Mロードスター」と「BMW Z3 Mクーペ」というモデルを発表しています。
「M」とはBMWの子会社であるM社が開発を手掛けるモデルで、モータースポーツの知識が詰まっておりエンジン性能が高く価格も高額であることが特徴です。
Z3のコンパクトボディにMのパワフルなエンジンを搭載したBMW Z3 MロードスターとBMW Z3 Mクーペはユニークで個性的な車として注目を集めました。通常モデルよりも希少性が高く、中古市場では高値で安定しています。
後期（2000年式～）型
1998年~生産終了となる2002年までの後期型のモデルが「BMW Z3」です。最高出力150ps、最大トルク19.4kgf・mを発生する2L直列6気筒DOHC24バルブエンジンを搭載しています。エンジンが前期型では4気筒、後期型では6気筒を採用している点が主な違いです。
見た目にはほとんど変わりありませんが、エンジンパワーの出力向上に合わせ、後期型は全長4,035mm、全幅1,740mm、全高1,280mmとボディサイズがワイドになり、帆の開閉が電動式になりました。
その後も最高出力150ps、最大トルク19.4kgf・mを発生する2L直列6気筒DOHCエンジン、そして最高出力170ps、最大トルク21.4kgf・mを発生する2.2L直列6気筒DOHCエンジン、さらに最高出力231ps、最大トルク30.6kgf・mを発生する3L直列6気筒DOHCエンジンの3種が追加されました。
Z3は2002年に生産を修了し、後継となる「BMW Z4」が発表となりました。Z4は2023年3月時点における現行モデルです。
BMW Z3のデザイン
「BMW Z3」のデザインはスタイリッシュです。FRスポーツモデルが多く採用しているロングノーズ・ショートデッキと言えますが、デザインにはドイツに在住する日本人カーデザイナーの永島譲二氏が携わっています。ここではそんな「BMW Z3」のデザインのユニークなポイントを紹介します。
外装や内装は？
「BMW Z3」は、取り回しのしやすい小柄なボディとスポーティーでスタイリッシュな外装デザインが魅力です。象徴的なフロントノーズと短いホイールベースは、高い運動性能を生み、小回りの利く走りに一役買っています。
2シーターのコンパクトな室内には、荷物を置くスペースはなく、後部のトランクに入れることになります。オプションで用意される電動トップを選択した場合、トランクスペースが大きく制限されるため、荷物を入れるスペースを確保したい方は、シンプルな手動トップが向いています。
カスタムの種類は？
オープンカーの「BMW Z3」は、ヒーターの有無が重要です。近年のオープンカーではシートヒーターがほとんど標準装備されていますが、「BMW Z3」が製造されていた時代ではオプションになっている場合が多いでしょう。
また、先項で少し触れましたが、帆の部分が手動であるか、電動であるかも注目したいポイントです。電動はレアで、「BMW Z3」は手動でオープンします。そのため開閉したいタイミングでサッとできないといったもどかしさもあったようですが、電動トップの場合には、唯一の荷室スペースが狭くなります。スタイルに合った選択をしましょう。
BMW Z3「ピエロの靴」は入手可能？
「BMW Z3」は生産から20年以上が経過しているモデルのため、「メンテナンスにいくらかかるのだろう」「車検の費用や維持費は……」と金額面を心配される方も多いでしょう。
ここでは、「BMW Z3」を購入前に知っておきたい、気になる費用に関する部分を見ていきましょう。だいたい何にどれくらい費用がかかるかを分かっていると安心です。
ピエロの靴だけでなくZ3を手に入れるのは難しい
BMW Z3のクーペモデル「ピエロの靴」だけでなく、人気の高いロードスターモデルも生産終了から時間が経ち、入手が難しくなっています。2023年3月現在、ネクステージにおける中古車の取り扱いはありません。
また、BMW公式の認定中古車にも在庫がないことから、手に入れるのは難しいと言えるでしょう。後継モデルのZ4を検討するのもひとつの方法です。
燃費
「BMW Z3」の燃費を調べると、次のようになっています。使用する燃料はハイオクです。（年式｜モデル・排気量｜燃費）
1996年8月~1998年11月｜アニバーサリー・2WD・1,900cc｜12.8 km/L
1997年3月~1998年11月｜ベースグレード・2WD・1,900cc｜10.2km/L
1998年5月~1998年11月｜2.8・2WD・2,800cc｜8.6km/L
2000年8月~2001年1月｜3.0i・2WD・3,000cc｜9.2km/L
2001年1月~2003年1月｜2.2i・2WD・2,200cc｜9.4km/L
※各モデルの駆動方式や排気量の組み合わせによっても違いがあるため、おおよその目安としてご覧ください。
維持費
維持費とは車に乗るために必要になる経費を指し、具体的には燃料代や税金、保険料、整備やメンテナンス代などが挙げられます。
気になる部分ではありますが、車種や車に乗る頻度、どこで整備を頼むかなど状況によって異なりはっきりとは言えないため、ここでは「BMW Z3」を維持する上で心配する方が多いであろう修理費に搾り、よく見られるトラブルごとの修理費用例を解説します。おおよその目安としてご覧ください。
・帆の故障／新品に張り替え→数10万円・リアスクリーンを交換→約5万円
・オーバークール／サーモスタット交換→数万円
・冷却水漏れ／ウォーターポンプやラジエーターの交換→それぞれ数万円
・アイドリング中のエンスト／クランクシャフトセンサーやカムシャフトセンサーの交換→それぞれ数万円
・触媒詰まりによる加速不良／修理→約20万円
・エンジン不調／タイミングベルト交換→数10万円
まず修理業者で見積もりを取り、金額を確認しましょう。
BMW Z3の後継車は現行モデルのZ4
「BMW Z3」は生産終了となりましたが、2008年（ドイツ本国）以降は「Z4」がその後を継いで現在に至っています。「Z4」は現在オープン専用モデルとなっています。しかし厳密にいえばクーペボディも存在すると言えます。「Z4」とシャシーを共用する実質的な兄弟車「トヨタ スープラ」がそれです。ともあれ、Z4もとても魅力的なスポーツモデルに違いはありません。その特徴やスペックを見ていきましょう。
BMW Z4 sDrive20i M Sport
「BMW Z4 sDrive20i M Sport」は「Z4」の標準的なポジションのグレードになります。「M Sports」とあるとおり、BMWのスポーツグレードである「M」に準ずるエアロパーツが標準で装備されています。
具体例を挙げると「フロント・エプロン」「リヤ・エプロン」「サイド・スカート」などになります。エンジンは2.0Lの直列4気筒DOHC（最高出力285kW（387ps）、最大トルク500N・m（51.0kgm））を採用。軽量かつ快活な走りを堪能できるオープンモデルと言えるでしょう。
BMW Z4 M40i
「BMW Z4 M40i」は「Z4」の最高グレードとなります。最大の特徴は3.0L直列6気筒DOHCエンジン（最高出力285kW（387ps）、最大トルク500N・m（51.0kgf・m）。「シルキー・シックス」と昔から言われているBMW謹製のエンジンがもたらす回転とパワーフィール、そして官能的なサウンドをオープンエアで堪能できるのが「BMW Z4 M40i」の最大の魅力と言えるかもしれません。
ちなみに「BMW Z4 sDrive20i M Sport」ではオプションの「M スポーツ・ディファレンシャル」や「Mスポーツ・ブレーキ」が標準装備となっていることも「BMW Z4 M40i」の特徴です。
BMWの中古車を購入する際の注意点
「BMW Z3」の魅力は色褪せませんが、20年以上前に製造が終了していることもあり、新車に出会う機会はほぼなく、購入するとなればやはり中古車を探すことになるでしょう。
中古車を購入する際にはいくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、年式と走行距離について解説します。
年式
年式が高い、新しい車ほど燃費が良い傾向がありますが、「BMW Z3」の場合あえてクラシックなモデルが欲しいという方も多いかもしれません。
中古車を購入する際には年式と走行距離のバランスをチェックすることをおすすめします。購入前には試乗して違和感がないか実際に運転してみることも大切です。
走行距離
走行距離に関してはできるだけ低走行車がおすすめですが、「BMW Z3」では、おそらく見つけにくいでしょう。また、高年式で走行距離も長い場合は、故障のリスクが高まるため避けたほうが無難です。反対に、年式に比べて走行距離があまりにも短すぎる場合にも注意が必要です。
メーターパネルに表示されるサービスインターバルインジケーターは、簡単にリセットができてしまいます。車を少しでも高く売ろうと、メーターを改ざんする悪徳業者もいるということも知っておきましょう。
多少走行距離が長い場合でも、メンテナンスや修理の履歴がきちんと残っている中古車ならば安心です。中古車を購入する際は、走行距離と年式の両方をチェックして適正かどうかを見極めましょう。
故障したときのことも考えておこう
購入後、故障などトラブルが起きた場合にどこに修理に出せば良いか心配される方も多いかと思います。親身になって相談にのってくれる誠実なお店にお願いしたいものです。定期点検や修理、車検などを行っている中古車販売店であれば長く付き合え安心でしょう。
外車であり、BMWの中でも生産台数が少ない「BMW Z3」を維持するにあたって、故障の際の費用や修理期間、部品調達や整備内容などについて不安を感じる方も多いかもしれません。
現在は、ほとんどの部品が国内でそろうため、海外から部品を取り寄せていたころに比べ費用も抑えられ整備も短期間で終了する場合が多くなっています。
BMWの中古車を探すならネクステージへ！
中古車販売のネクステージは国産車だけではなく輸入車も多数取り扱っております。豊富な在庫の中には、もちろんBMW車も多数用意しております。ネクステージの各店舗は全国ネットワークで繋がっているので、他店の在庫も簡単に検索が可能。お探しのBMW車をネットワーク内で吟味することが可能なので、より理想に近い1台を見つけることが容易です。
BMWの中古車を豊富に取り扱い
ネクステージの豊富な在庫の中にはBMW車も多数あります。他店の在庫を閲覧し、近くの店舗で商談することも可能。ネット未掲載車も多数あり、隠れた物件が見つかることもあります。
また、各中古車は買い取った時点でのキズなどを細かくチェックしており、お客様が購入後にがっかりするような事態を避けるよう最新の注意を払っております。そのため、他店の在庫も安心して購入検討に加えていただくことが可能です。
輸入車向けの保証もご用意
国産車とは違い、故障などが気になる輸入車ですが、ネクステージでは輸入車向けの保証を専用に用意しています。まず、ネクステージで購入した輸入車には、1ヶ月の間走行距離無制限の保証が無料でついています。
さらに心配な方向けに有料の保証も用意しています。正規ディーラーでの購入以外（ネクステージでは輸入車の正規ディーラーも展開しています）の中古車であれば、初年度登録から13年未満、かつ総走行距離10万kmの条件内で有料の保証プランに加入が可能です。保証期間中の無料点検やオイル交換、トラブル時のロードサービス等を内包したプランとなっています。保証期間も選べるため用途に応じた選択ができ、より安心した輸入車ライフを手助けいたします。
安心したBMW車ライフを送りたいなら、ネクステージでの購入をご検討ください。
まとめ
「BMW Z3」は、流通台数が少ない希少モデルです。平成の名車「BMW Z3」が気になっておられる方は、ぜひ早めのご検討をおすすめします。
ネクステージでは、車種ごとに専任バイヤーが中古車を集めており、状態の良い車がそろっております。車の修理・点検など購入後のサポート体制も整っていますので、安心してお任せください。
▼ライタープロフィール
北野晶夫
オートバイ雑誌と自動車WEB媒体の編集部員を経験後に独立し、フリーの記者・編集者となり現在に至る。
新車取材のほかチューニングカーやレースの取材等も行う。写真撮影も行い、撮影・執筆・編集と一連の制作を担当することが多い。読者のカーライフを応援できる記事づくりがモットー。
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