気づけばいつもギリギリ車検!?ギリギリ車検で考えられるリスクと損していること
毎日仕事や忙しさに追われてしまい、車検の有効期限ギリギリになって動き出すという人も多いのではないでしょうか。また、ギリギリで車検を通した方がお得になるといった話を聞いたことがあるかもしれません。
しかし車検が近づいてきたら、余裕を持って受けることがおすすめです。そこで今回は、ギリギリで受ける車検で考えられるリスクについてご紹介していきます。この記事を読めば、損をしないで車検を受けられるようになります。
※目次※
・ギリギリの車検になってしまうと焦るどころか、公道を走れなくなるリスクも
・一部で噂されている「車検はギリギリの方がお得」は根拠のないウソ
・高品質な車検をリーズナブルな価格で受けるためにも、早めに見積もりをとろう
ギリギリ車検はやっぱりリスク大!
毎回車検を受けるのがギリギリになってしまうという人もいるでしょう。年に何度もあるわけではないため、うっかり有効期限を忘れてしまう場合もあります。しかし、ギリギリになって車検を受けることで損をすることもあります。ここでは、考えられるリスクについてご紹介します。
車検切れで公道を走れなくなってしまう
そもそも車検とは、車が保安基準に適合しているかどうかを検査するものです。定期的なメンテナンスのように「受けた方が良い」ものではなく、道路運送車両法の第58条によって「受けるべき検査」として定められています。
そのため、車検切れの状態の車を公道で走らせることはできません。ただし、指定工場に持っていく必要がある時のように、どうしても車検のない状態で走らせる必要がある場合は、仮ナンバー取得後数日間のみ、車検切れの車でも公道を運転できるようになります。
悪くするとレッカー代がかかるうえ、代車もない
手続きが面倒だという理由でレッカー移動を考える人もいるかもしれません。しかし、車検切れの車をレッカー車で運ぶ場合でも、仮ナンバーの取得は必要です。また、レッカー移動の料金は相場が高く、通常の車検よりも費用がかさんでしまいます。
無事に指定工場などの業者に車検切れの車を運ぶことができたとしても、まだまだ問題は山積みです。一般的に車検は数日間を要することがほとんどですが、ギリギリの車検になってしまうと代車が用意されてないといったリスクも十分に考えられます。
車検証がない!車検を受けられないケース
いざ車検を受けようと思っても、手元に車検証がなければどうしようもできません。もし車検証を紛失した場合は、再発行の手続きが必要です。ナンバープレートを管轄する陸運局、もしくは軽自動車検査協会にて手続きをすることになります。
車検証の再発行には、「身分証明書」、「再交付申請書」、「認印」、「(汚損など車検証が手元にあれば)車検証の原本」が必要です。また、平日のみの受付となっているため、本人が仕事などで申請が難しい場合は、代理人やディーラーなどの業者を通すこともできます。
車検が切れていることを知らずに運転すると刑事処分と免停が待っている
先にもご紹介した通り、車検の切れた車を公道で走らせてはいけません。
車検が切れた車を公道で走らせた場合は「無車検車運行」となり、違反点数6点、30日間の免許停止、6か月以下の懲役または30万以下の罰金が科せられます。また、自賠責保険が切れた車を公道で走らせた場合は「無保険運行」となり、違反点数6点、30日間の免許停止、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられることになります。
無車検運行および無保険運行の場合、違反点数12点、90日間の免許停止、1年6か月以下の懲役または80万円以下の罰金が科せられます。仮に車検切れの状態で運転した場合、上記のような罰則が科されます。また、免許停止処分などの前歴があれば、さらに厳しい罰則が科されることもあります。
車検点検・検査がおざなりに……
車の状態を見てもらう機会だからこそ、信頼のおける業者に依頼したいと考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、車検がギリギリになってしまえば妥協した業者選びをしなければならないこともあります。業者によっては整備の技術に疑問点の残るところもあるため、車検の点検・検査がおざなりになってしまうかもしれません。
車高などを改造していると長期間車に乗れないことも。
車の安全基準を満たす範囲でボディ外寸や乗車定員の変更を行った場合、「構造変更」と呼ばれる手続きをする必要があります。車高などの改造車でも車検に通すことができ、申請をするためには陸運支局または自動車検査登録事務所にて行います。
ただし、計画性を持って構造変更を行わなければ、車検の有効期限を過ぎることもあり注意が必要です。車検ギリギリに手続きをすると長期間車に乗れないことも出てくるため、車検に合わせながら余裕を持って申請の準備に取り掛かりましょう。
車検の誤解!ギリギリ車検で得すること・損すること
結論から申し上げると、車検をギリギリに受けることで得することはありません。しかし、一部では認識の違いから、間違った情報を受け取っている人もいるのも事実です。では、なぜそのような誤解を招いてしまっているのでしょうか。車検をギリギリに受けることで生じてしまう真実についてご紹介します。
ギリギリだと安くて高品質な車検を受けられないことも!
車を安全に走行させるために欠かせない車検ですが、その高額な費用に頭を悩まされている人もいるかもしれません。少なく見積もっても数万円はかかってしまうため、安くて品質の高い車検を受けることはできないか探っている人もいるかもしれません。
本当に少しでも車検費用を抑えたいなら、早めに見積もりをとって、予算を把握しておくことが大切です。早めに見積もりをとることができれば、その業者が自分にあっているかどうかを判断することができますが、車検をギリギリに受けることでそれが難しくなってしまいます。結果的に、車検費用が高額になるだけでなく、低品質な検査を受けることになるかもしれません。
次の車検の有効期限が伸びる?
車検をギリギリに受ける理由として「有効期限を伸ばしたい」という考え方です。よく勘違いをするドライバーもいますので、以下で詳しく解説します。車検の有効期限が9月1日で、車検を受けた日が8月10日だとします。
この例であれば、有効期限の約3週間前に車検を受けていることになります。では次回の車検は2年後の8月10日になるのかといえば、引き続き「9月1日のまま」です。そのため、どれだけ車検をギリギリに受けても有効期限が変わることはないのです。
ただし車検の有効期限が変わらないのは一般的に1か月前までです(指定整備工場での車検などの例外はあり)。そのため、有効期限の3か月前に受けてしまうと、次回の有効期限は、その2年後になるので注意しましょう。
自賠責保険がお得になるって本当?
車検を通すには自賠責保険に加入していることが前提です。そして、車検期間より1ヶ月ずらして契約することになります。これは、車検中整備不良で再検査となった場合に、自賠責保険が切れることを防ぐためです。
仮に、保安基準適合証を取得して車検の有効期限を数日遅らせることができたとしても、自賠責保険がお得になることはほとんどありません。また料金も高くないため、多少のリスクを冒してまでも行うべきことではないでしょう。
いつまでに持っていければ車検切れにならないの?
仕事や他の都合で、なかなか車検を受ける時間がないという人もいるでしょう。そんなとき、いつまで持っていけば車検切れのリスクを回避することができるのでしょうか。また、その際の注意点についても確認する必要があります。
通常の車検なら数日間かかることがほとんどですが、業者によっては「当日車検」を受け付けている業者もあります。そのため、満了日当日の午前中までに持っていきましょう。ただし、確実な方法ではないことだけは覚えておいてください。
車検の期限が明後日まで!どうしたらいい?
車検の有効期限が迫ってくると、どうしても焦ってしまうものです。とはいっても、数日残っているのであれば、冷静になって何をするべきなのかを考えてみましょう。仮に車検切れになっても公道で走らせなければ違反になることはありません。車検がギリギリになったときに確認しておきたいことについてご紹介します。
指定工場の民間車検やディーラー車検で予約可能か確認する
車検がギリギリになったとしても、焦らずにどこかで受け付けているところはないのか探してみることが大切です。指定工場の民間車検やディーラー車検など、車検を扱っている業者なら柔軟に対応してくれるところもあります。
ここでの注意点は、当日になっていきなり持ち込まないことです。近くに何店舗も点在しているなら問題ありませんが、連絡なしで断られると時間の無駄になってしまいます。受付可能かどうかを事前に電話などで予約しておきましょう。
必要な書類があるかどうか確認しよう!
通常の車検ではしっかりとスケジュールを組んで、担当者から当日必要なものを言い渡されることがほとんどですが、当日車検の場合は事前に打ち合わせをすることができません。
車検当日に必要なものは、「自動車検査証(車検証)」、「自動車納税証明書」、「自賠責保険証明書」、「印鑑」の4点です。
この中でも特に忘れがちなのが、「自動車納税証明書」です。毎年5月に送られてくる自動車納税通知書に添付されているものですが、そのまま処分してしまう人も少なくありません。車検当日に慌てないためにも、車検証と一緒に保管しておきましょう。
車検ギリギリで車を売却すると売却額が下がってしまうことも
不要になった車であれば、売却も検討した方が良いかもしれません。わざわざ高額な車検費用を支払うよりは、手放してしまった方がお得です。実際に、車検の残日数に関係なく売却することが可能で、車検切れでも問題なく手放すことができます。
しかし、車検ギリギリで車を売却すると売却額が予想よりも低いことも。これは車検がどれだけ残っているかによって、本来の価格以上に買取額が高くなることもあり、その金額を前提にしている場合は低く感じてしまうということです。
また中古車を購入するユーザーは車検が残っている車を希望しているということもポイントです。ギリギリに売却するのではなく、有効期限を数ヶ月残して手放すことをおすすめします。
ギリギリ車検はもう卒業!車検で損しない流れ
何度もお伝えしますが、車検をギリギリに受けることで得することはありません。それどころか、大きく損をしてしまうこともあるため注意が必要です。次回の車検では有効期限が迫って焦ることがないように、余裕を持って行動しましょう。これ以上損をしないために知っておきたい車検の流れについてご紹介します。
3週間前までに値段交渉・予約
車検の内容には必要のない項目が含まれていることがあります。いま絶対に必要なのかどうか見極めながらまずはスタッフに相談しましょう。すべての内容に納得ができたら契約書にサインをして予約をすれば、後は車検当日を待つのみです。
予約日に車持ち込み・代車受け取り
予約日になったら、業者に車を持ち込みます。車検当日には、「自動車検査証(車検証)」、「自動車納税証明書」、「自賠責保険証明書」、「印鑑」を忘れないようにしましょう。また、通常の車検は数日間かかるのが一般的です。車が欠かせないという人は、事前に代車の予約も済ませておいてください。ただし、業者によっては代車サービスを提供していない業者もあります。
車検終了連絡を待ち車検費用支払・車の受け取り
車検が終わるのを待って、業者へと再び足を運びます。後は、車検費用の支払いを済ませれば、車を受け取ってすべて完了です。支払方法については「現金」「クレジットカード」「ローン」の3種類です。ただし、法定費用は現金支払いのみの対応となっていることがほとんどですので、事前に確認しておくと良いでしょう。
まとめ
車検をギリギリで受けることで得られるメリットはありません。お得に、そして賢く車検を受けるためには、計画性を持って行動することが大切です。また、車検後のトラブルを避けるためにも、信頼のおける業者に依頼するようにしましょう。
ネクステージでは高品質な車検・点検をリーズナブルな価格で提供しております。お客さま一人ひとりに合わせたプランをご提案しておりますので、安心して車検を受けられます。少しでも気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q.車検は期限ギリギリでも大丈夫?
A.車検の有効期限直前でも受検は可能です。ただし、期限ギリギリの車検を選ぶメリットは少ないでしょう。期限の前日に受けても1か月前に受けても、次回の車検有効期限は同じ日付に設定されるためです。 仮に現在の車検満了日が3月30日の場合、3月29日に受検しても3月1日に受検しても、次回の満了日は2年後の3月30日に設定されます。安全面を考慮する場合、余裕をもって車検を受けるのがよいでしょう。
Q.車検は何日前までに受けるほうがよいですか?
A.車検の受検は満了日の数週間前程度がベストタイミングとされています。ただし、整備工場やディーラーは時期によって予約が混み合うことがあるため、実際の予約は1か月前には済ませるのがおすすめです。 余裕をもって見積もりを取得しておくと、複数の業者の費用を比較検討する時間的余裕が生まれるでしょう。
Q.車検は満了日当日でも受けられますか?
A.車検は満了日当日でも受検可能です。ただし、当日に不合格となった場合、車検切れとなってしまうリスクがあるため、注意する必要があります。 一方で、車検を早めに受けすぎることも避けたほうがよいでしょう。満了日より2か月以上前に受検すると、次回の車検期間が短くなってしまうからです。車検期間の短縮を防ぐために、満了日の1か月前を目安に受検するとよいでしょう。
Q.車検は何日過ぎても大丈夫ですか?
A.車検切れの車については、公道走行が禁止されています。公道を走行した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金、さらに違反点数6点の加算と30日間の免許停止処分という重い罰則が課されるのです。 車検切れは自賠責保険の期限切れを伴うことが多く、無保険での運転による追加の罰則や、事故時の補償対象外などのリスクも発生します。車検切れに気付いた場合は、公道走行を避け、速やかに車検を受検しましょう。