車検費用の相場は?内訳から安く抑える方法、必要な手続きまで徹底解説
車検費用は、なぜ高いのでしょうか?多くの車所有者が頭を悩ませるこの問題について、徹底的に解説します。法定費用から整備費用まで、車検にかかる費用の内訳を詳しく見ていきましょう。
また、車種や業者によって異なる費用の傾向や、賢く費用を抑えるコツも紹介します。この記事を参考に、自分に合った車検業者を選択しましょう。
※目次※
・車検費用は、法定費用と業者の基本料金(検査料・技術料)から構成されている。
・車検費用は、軽自動車は5万円~8万円、普通車は6万円~10万円、輸入車は国産車の1.2倍~1.5倍が一般的な相場である。
・車検費用を抑えるには、実車確認での詳細見積もりや複数業者の比較、必要な整備内容の見極めなどが重要である。
車検費用の基本構成と内訳
車検費用は、法定費用や業者の基本料金などの要素で構成されています。車種や検査場所によって、具体的な費用は大きく異なるのが一般的です。まずは、法定費用の詳細や車検業者による基本料金の内訳、整備費用の種類などを見ていきましょう。
車検における法定費用の詳細と金額
車検の法定費用は、自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料の3項目から構成されており、車検時に支払う必要があります。法定費用は車検を実施する場所にかかわらず、定められた金額がかかるのが特徴です。
普通乗用車(1t超1.5t以下)の継続検査の場合、自動車重量税が2万4,600円、自賠責保険料が1万7,650円(24か月)、検査手数料(持ち込み検査)が合計2,300円となります。
法定費用は、車両重量や自賠責保険の契約期間によって金額が変動しますが、普通乗用車では合計4万円~5万円程度であることが多いでしょう。
車検における基本料金(検査料・技術料)の仕組み
車検基本料金は、点検整備費用・検査代行料・書類作成費などが含まれ、各車検業者が独自に設定しているのが特徴です。一般的な国産車の場合、基本料金の相場は1万円~9万円程度となりますが、高級車や輸入車は部品代が高額なため料金も上昇します。
ディーラーは比較的高額である一方、車検専門店やガソリンスタンドは安価な傾向です。また、走行距離が多い車両は消耗部品の交換が必要となる可能性が高く、費用が増加することがあります。
車検における整備費用の種類
整備費用の主な項目には、以下があります。
・エンジンオイル交換
・ブレーキパッド交換
・タイヤ交換
・ライト交換
・ワイパー交換
・発炎筒交換
これらの交換時期は、メーカーの推奨基準に従って判断されるのが一般的です。日常的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、突発的な高額整備を防げるでしょう。
整備内容に不安がある場合は、複数の業者から見積もりを取得して比較検討することをおすすめします。
車種別の車検費用相場!軽自動車から輸入車まで
車検費用は、軽自動車から輸入車まで、車種によって大きく異なります。各車種の特徴や費用の相場を把握することで、適切な維持管理計画が立てられるでしょう。具体的な費用の違いと、その要因について詳しく解説していきます。
軽自動車・普通車の車検費用相場
軽自動車の車検費用は5万円~8万円程度、普通車は6万円~10万円程度が相場となっており、主に自動車重量税や依頼先の違いが影響します。
軽自動車は自動車重量税が一律で、部品・消耗品の価格も比較的安価のため、タイヤやエンジンオイルの交換費用も抑えやすいでしょう。
車検費用は、車両の状態・整備内容によって変動するので、日頃からの適切なメンテナンスと定期的な点検により、追加整備を最小限に抑えることが重要です。
ミニバン・SUVの車検費用相場
ミニバンやSUVは車両重量が重いため、自動車重量税が高額になりやすく、車検費用も高くなる傾向にあります。2t以上のミニバンの場合、法定費用が6万円程度、基本整備料金が2万円程度で、合計で約8万円が目安です。
車体サイズが大きいため部品交換費用も高くなりますが、日頃からの適切なメンテナンスで部品の劣化を防げば、費用を抑えられます。具体的な金額は、見積もりを取得して確認するのがおすすめです。
輸入車の車検費用相場
輸入車の車検費用は、一般的に国産車の1.5倍程度となります。車両重量が重いことによる自動車重量税の増加と、構造の複雑さによる整備時間の延長が主な要因です。
特殊な部品を使用する機会が多く、部品代も高額になりやすいため、技術料も上がる傾向にあります。
近年は輸入車専門の整備工場も増えており、ディーラーよりも安価なオプションも増えているようです。複数の業者から見積もりを取得し、比較検討することで、より適切な価格での車検が可能となるでしょう。
業者別の特徴と車検費用の傾向
車検業者にはディーラーや認証工場などあり、自分で整備をするユーザー車検という選択肢もあります。それぞれの特徴や費用傾向を把握することで、最適な車検方法が見えてくるでしょう。以下では、各業者の特徴とメリットについて詳しく解説していきます。
ディーラーでの車検費用の傾向と特徴
ディーラー車検は、メーカー純正部品の使用と専門的な設備、高度な技術を持つ整備士による点検が特徴です。費用は軽自動車で約6万円から、普通車で約10万円からが相場となり、他の車検業者と比べて高額になる傾向があります。
決算期の3月や9月、または月末に予約すると、費用を抑えられる可能性があるでしょう。安心感のあるサービスが魅力ですが、予算に限りがある場合は他の選択肢も検討するのがおすすめです。
認証工場での車検費用の傾向と特徴
認証工場での車検は、ディーラーと比べて安価です。汎用部品の使用により、コストを抑えられます。
また、地域密着型のきめ細やかなサービスも特徴です。車検完了まで数日を要する場合があることから、多くの認証工場では代車の無料貸し出しを行っています。
一方で、個人経営が多いため、業者によって実力差があることも少なくありません。信頼できる工場を選ぶには、口コミ・評判の確認が重要です。
ユーザー車検の車検費用と特徴
ユーザー車検とは、自分で車を持ち込んで検査を受ける方法です。整備工場への手数料が不要で、法定費用だけで車検を受けられるため大幅に費用を削減できます。
ただし、車整備の専門知識と技術が必要で、時間と労力がかかる点に注意が必要です。十分な知識・技術がないと、車検に通らない可能性も高くなります。
車の整備に詳しく時間に余裕がある人や、コスト削減を重視する人に適している一方で、車の知識が乏しい人・時間的制約のある人には不向きです。
車検費用を抑えるための5つの方法
車検費用を抑えるポイントは、適切な見積もり比較から整備内容の見極めまで多岐にわたります。費用を大きく左右する要素を理解することで、賢い選択が可能になるでしょう。ここでは、車検費用を抑える具体的な方法について詳しく解説していきます。
【車検費用を抑える方法.1】実車確認で詳細な見積もりを出す
車検の実車確認では、専門家が車の状態を直接チェックし、ブレーキパッドの摩耗度やタイヤの溝の深さなど細部まで確認します。
経年車や走行距離の多い車両では、予想外の整備が必要となる場合があり、インターネットでの概算見積もりとは大きく異なることも少なくありません。
複数の業者から見積もりを取得して比較検討することで、自身のニーズに合った最適な車検プランを選択できます。実車確認は時間を要しますが、想定外の出費・トラブルを防ぐためにも重要です。
【車検費用を抑える方法.2】複数の見積もりを比較する
見積もり比較では、主に以下を細かくチェックします。
・基本料金
・整備内容
・部品の種類(純正品かリサイクル品か)
・代車サービスの有無
・車検後の保証内容と期間
・必要な整備項目、不要な項目の確認
見積もりの不明点は質問し、自動車点検基準に基づいた点検・整備が行われることを確認しましょう。契約前には、必要書類の準備や車内の片付け、洗車なども忘れずに行います。
【車検費用を抑える方法.3】整備内容の確認と必要性を見極める
点検整備記録簿とメンテナンスノートを活用することで、車検時の整備内容を把握できます。
・点検整備記録簿:過去の整備履歴や消耗部品の交換時期を確認
・メンテナンスノート:法定点検以外の点検整備で必要な情報の確認
これらの資料を参考に車の状態を正確に把握することで、不要な費用を抑えつつ、必要な整備を適切に選択できます。点検整備記録簿は、「生涯記録簿」として長期保存するのがおすすめです。
【車検費用を抑える方法.4】車両状態に応じて乗り換えも検討する
一般的に、車齢10年超や走行距離10万kmを超えた普通車は、エンジンやミッションなどの主要部品の劣化リスクが高まり、修理頻度も増加する傾向にあります。
また、年間の維持費(税金・保険・燃料費)と修理費の合計が、新車購入時のローン返済額を上回る場合は、乗り換えの検討時期といえるでしょう。
ただし、乗り換えの判断は個々の状況によって異なるため、車の状態や使用頻度、経済的な余裕などを、総合的に考慮して決定することが重要です。
【車検費用を抑える方法.5】法定費用の負担が少ない車種を選ぶ
軽自動車は、自動車重量税が一律6,600円と、普通自動車と比べて大幅に安いのが特徴です。自賠責保険料もわずかではありますが、低く抑えられます。
また、エコカー減税対象のハイブリッド車や電気自動車は、自動車重量税が減税・免税されるので、費用を抑えたい人におすすめです。
車両重量が増えるほど自動車重量税は高くなるため、同じ車種でもグレードによって法定費用に差が生じることがあります。長期的な車検費用を考慮する場合は、購入時から法定費用の負担が少ない車種を選ぶとよいでしょう。
車検費用の地域差と季節変動
車検費用は、地域や時期によって変動が見られることがあります。都市部と地方では料金設定に差があるケースもあり、繁忙期と閑散期でも費用が変わってくることもあるでしょう。賢い予算計画のためにも、これらの傾向について把握することが大切です。
都市部と地方の車検費用の違いと要因
都市部では、地方よりも車検費用が安くなることがあります。都市部では車検業者が多いことから、業者間の価格競争が活発です。一方、地方では整備工場の選択肢が限られるため、価格が下がることはあまりありません。
ただし、整備士の人件費・土地の賃料などの運営コスト、設備投資による高品質なサービス提供が費用に反映されることから、都市部でも一概に安くなるとは限らない点には留意しておきましょう。
車検費用の季節変動要因とお得な時期の選び方
ディーラーに車検を依頼する場合、特に3月と9月の決算期は目標台数達成のため優遇を受けやすい傾向があります。また、月ごとの目標設定があるため、月末も比較的お得になりやすい時期です。
車検は、有効期限の1か月前(2025年4月より2か月前)から実施可能ですが、予約は早めに受け付けています。申し込み前に各ディーラーのWebサイトで、割引やメンテナンス特典をチェックしておくのがおすすめです。
時期を選んで予約することで、より良い条件で車検を受けられる可能性が高まります。
費用が気になる車検の流れと必要な手続き
最後に、車検の流れについて、初めての人にも分かりやすいよう解説していきます。必要な書類・準備物をしっかり確認することで、スムーズな車検が実現できるでしょう。以下、具体的な手順と注意点について詳しく説明します。
車検の予約から完了までの具体的な流れ
車検は、有効期間が切れる1か月前(2025年4月より2か月前)から実施可能です。予約をしたら、まず自動車点検基準に基づいた事前の点検整備を実施します。自身で対応できない項目は整備工場に依頼し、点検整備記録簿を作成しましょう。
検査当日は、車を検査場に持ち込み、窓口での書類確認後に検査コースで審査を受けます。合格したら継続検査受付窓口で必要書類を提出し、更新された自動車検査証と検査標章を受け取る流れです。検査標章は、フロントガラスの右上に貼り付けましょう。
車検に必要な書類と準備するものリスト
車検には、以下の書類が必要です。
・申請書
・自動車検査証
・⾃動⾞検査票
・自動車損害賠償責任保険証明書
・検査手数料
・自動車重量税納付書
・点検整備記録簿
・納税証明書
なお、すでに指定整備工場で検査が済んでいる場合、⾃動⾞検査票と点検整備記録簿の代わりに「保安基準適合証」を提出すれば、運輸支局への現車持ち込みが省けます。
車検後の注意点と次回車検までの適切な維持管理方法
車検後の適切な維持管理には、定期的な点検と消耗品の交換が欠かせません。エンジンオイルは1万5,000km走行または1年ごとに交換し、タイヤの空気圧は月1回チェックすることをおすすめします。
ブレーキパッドやブレーキシューの状態確認、バッテリーの点検も定期的に実施し、異常がある場合は早めに整備しましょう。また、次回車検に向けた計画的な資金準備も重要です。
日常的な丁寧な使用と定期メンテナンスにより、次回車検時の追加整備を最小限に抑えられるでしょう。
まとめ
車検費用は、法定費用と業者の基本料金(検査料・技術料)から構成されるのが基本です。車種や業者によって費用が異なり、軽自動車から輸入車まで幅広い相場があります。
ディーラー・認証工場などの業者を利用するか、ユーザー車検を行うかの選択も重要です。費用を抑えるには、複数見積もりの比較や整備内容の確認が欠かせません。初めてでもスムーズに受けられるよう、車検の流れと手続きを理解しておくことも大切です。
▼ライタープロフィール
鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
豊富なラインアップのネクステージ中古車情報をチェック!
いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
ネクステージでは、他店に負けない数多くの中古車をラインアップしていますので、中古車の購入を検討されている方は、ネクステージの公式Webサイト上で最新の在庫状況をチェックしてみてください。また中古車購入に際して、ネクステージ独自の保証もご準備しております。お気軽にお問い合わせください。