車のバッテリーを充電する方法は?バッテリー上がりの対処法やメンテナンスを紹介
運転しようと車に乗り込んだものの、エンジンがかからないという経験をした方もいるのではないでしょうか。エンジンが動かなくなる要因はさまざまですが、原因のひとつにバッテリーのトラブルがあります。バッテリーの不具合を解消する方法のひとつは、適切な充電です。
そこでこの記事では、車のバッテリーの充電方法について紹介します。バッテリーが上がったときの応急処置やメンテナンス方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
※目次※
4.車のバッテリー上がりで充電できないときはジャンピングスタートがおすすめ
6.車のバッテリーの充電に関するトラブルを防ぐためのメンテナンス方法
・車のバッテリーは電力供給と蓄電が主な役割。バッテリーの寿命や自然放電によるもの以外のバッテリー上がりは定期的な点検と適切な充電で予防できる。
・バッテリー充電は走行、家庭用充電器、専門店で可能。ジャンピングスタートを行うときは正しい手順と注意が重要!
・バッテリーの寿命は2年-3年が目安。定期的なメンテナンスと劣化サインの早期発見で突然のトラブルを防げる。
車バッテリーの主な役割と構造
車のバッテリーは、電装系統の要となる重要な部品です。電力の供給と蓄電などの役割があり、車のさまざまな機能を支えています。
車のバッテリーの仕組みを理解しておくと、適切な充電とメンテナンスが可能になり、バッテリー上がりの予防につながるでしょう。ここでは、車のバッテリーの主要な役割と基本的な構造について解説します。
電力を供給する
車のバッテリーは、電装系全体に電力を供給する重要なパーツのひとつです。エンジン停止中は、バッテリーが蓄えた電気を使ってヘッドライトやエアコン、ドライブレコーダーなどに電力を供給します。特に重要なのが、エンジン始動時のスターターモーターへの電力供給です。
一方で、エンジン稼働中は、オルタネーター(発電機)が発電した電気が直接電装系に供給されます。このように、バッテリーは車の電気系統において重要な役割を果たし、安定した電力供給を担っているのです。
電力を蓄える
車のバッテリーは、電力を蓄える役割も担っています。これは携帯電話の充電池に似た仕組みです。エンジン稼働中には、オルタネーターが発電した余剰電力をバッテリーに蓄えて、必要時に供給します。蓄電機能により、エンジン停止中や電力需要が高まる状況でも安定した電力供給が可能です。
一方で、渋滞中や信号待ちなどのエンジン回転数が低い状態では、オルタネーターの発電量が減少します。発電量が少ないときは、バッテリーが蓄えた電力を放出して車の機能を維持する仕組みです。
バッテリーの構造
車のバッテリーは、6つのセルから構成される鉛蓄電池です。各セルには、プラス極板(二酸化鉛)とマイナス極板(鉛)が交互に配置されており、間にセパレーターが挟まれています。
電解液には希硫酸を使用しており、化学反応を起こすことで電気エネルギーを蓄えたり放出したりできるのです。バッテリー上部にはプラスとマイナスの端子があり、一部のモデルには液面インジケーターも付いています。
車のバッテリーの充電が必要になる3つの要因
車のバッテリーは、エンジン始動や電装品の動作に不可欠なパーツです。ただし、さまざまな要因によって充電が必要になることもあります。
バッテリー充電が必要となる要因は、バッテリー上がり、バッテリーの電圧低下、バッテリーの点検忘れの3つです。これらの要因について理解しておくことで、バッテリートラブルを未然に防げるでしょう。
バッテリー上がり
バッテリー上がりが起こる原因は、大きく分けると3つです。まず、長期間車を使用しないことによる自然放電があります。1か月以上車を動かさないと、バッテリー容量の60%以上が放電し、エンジンが始動できなくなりやすくなります。
短距離や低速での走行もバッテリー上がりを起こす原因になります。特に8km未満の走行は「シビアコンディション」とされ、バッテリーへ強い負荷がかかるため注意が必要です。
また、ライト類の消し忘れも多い傾向です。エンジン停止中にヘッドライトや室内灯がついたままでいると、急速にバッテリーが消耗します。さらに、夏のエアコン使用時や冬の低温時はバッテリー上がりが起こりやすくなります。停車中や低速走行時に連続で使用する際には十分に注意しましょう。
バッテリーの電圧低下
バッテリーの電圧低下は、車の全体的な機能に影響を及ぼす重要な問題です。電圧とは、バッテリーから車内の電装系に電気を送り出す力のことを指します。
電圧が低下すると、エンジンの始動が困難になり、スターターモーターの回転が鈍くなるでしょう。また、ヘッドライトの明るさが落ち、ワイパーやパワーウィンドウの動きが遅くなるなど、運転に支障をきたす可能性があります。
バッテリーの標準電圧は12.5V~12.8Vです。12.5Vを下回る場合は充電しましょう。電圧測定は、バッテリーに直接つないで測るのがおすすめです。シガーソケットやOBD2コネクターから測定する方法は、初心者でも扱いが簡単ですが、配線によって電圧がわずかに下がるため、やや正確性に欠ける面もあります。
直接つないでしまえば配線を通る際のロスが発生しないので、より正確な電圧を測定可能です。常に接続して日常的に電圧を把握するための電圧計もありますが、点検などでバッテリーの電圧を計測する際も、直接つなぐタイプの計測方法を採用しています。
バッテリーの点検忘れ
現代の車のバッテリーは高性能化が進んでおり、メンテナンスフリーや充電制御車用などのモデルも登場するようになりました。これらのバッテリーは寿命直前まで性能を維持するため、点検を忘れてしまうこともあるでしょう。
しかし、カーナビやドライブレコーダーの普及により、電装系への負荷は増大しています。予期せぬバッテリー上がりのリスクが高まっているため、点検忘れにも注意が必要です。
定期的な点検を怠ると、突然エンジンがかからなくなる可能性があります。エンジンがかかりにくい、ヘッドライトが暗いなど、普段から劣化の兆候に注意しましょう。メンテナンスフリーバッテリーでも、バッテリー液の汚れなどで劣化具合を確認できます。
車のバッテリーの充電方法
車のバッテリーは、エンジン始動や電装品の動作に不可欠なパーツです。しかし、長期間の未使用や短距離走行などにより、充電不足に陥ることがあります。
車のバッテリーの主な充電方法は、走行による自然な充電、家庭用充電器の使用、ガソリンスタンドや整備工場などです。ここでは、それぞれの充電方法について詳しくまとめました。
走行による充電
車のバッテリーを充電する方法で最も一般的なのは、エンジンをかけて走行する方法です。通常、自動車はエンジン本体に設置された「オルタネーター(発電機)」をエンジンの力で回して発電を行い、自動的にバッテリーを充電します。
一般的には、毎週1回程度、30分~60分程度走行(30km/h~60km/h)すれば、バッテリーはほぼ満充電の状態になります。ただし、走行して充電を行うため、渋滞や市街地などアイドリングストップしてしまうような状況は避けるようにしましょう。
家庭用充電器の使用
家庭用バッテリー充電器は、車のバッテリーメンテナンスに効果的なアイテムです。特に車の使用頻度が低い場合、定期的な充電によってバッテリー上がりや劣化を防げるでしょう。
一般的な乗用車には12Vの充電器が適しています。充電器のプラス端子をバッテリーのプラス端子に、マイナス端子をマイナス端子に接続したら、電源を入れるだけで使用可能です。ただし、過充電はバッテリーの寿命を縮める可能性があるため、90%程度充電されたら使用を中止しましょう。
家庭用充電器は、カー用品店などで販売されているため、いざというときに役立つ道具として準備しておくと良いでしょう。
ガソリンスタンドや整備工場での充電
ガソリンスタンドや整備工場では、専用の充電器を使用した充電が可能です。家庭用充電器の取り扱いに不安がある方や充電器を所有していない方は、利用の検討をおすすめします。
完全に放電したバッテリーをフル充電するには約12時間かかるため、急を要する場合には適していません。また、充電設備がないガソリンスタンドや整備工場もあるため、事前の確認が必要です。
整備工場では、バッテリーのメンテナンスも依頼できます。専門家による充電やメンテナンスは、バッテリーの寿命を延ばし、突然のトラブルを防ぐ効果的な方法です。半年~1年の定期点検をおすすめします。
車のバッテリー上がりで充電できないときはジャンピングスタートがおすすめ
バッテリー上がりで充電できない緊急時に有効な方法が、ジャンピングスタートです。他の車のバッテリーを利用してエンジンを始動させる技術ですが、正しい手順と注意点を守る必要があります。ここでは、ジャンピングスタートの基本的な手順や注意点について解説します。
ジャンピングスタートとは?
ジャンピングスタートは、バッテリー上がりの際に他の車のバッテリーを利用してエンジンを始動させる緊急対処法です。ブースターケーブルという専用のカー用品を使用します。
ブースターケーブルは、カー用品店やディーラーで購入が可能です。使用前にはケーブルの状態を確認し、サビなどがないことを確認しましょう。また、使用後は十分に乾燥させてから保管します。
ただし車の組み合わせによっては、ジャンピングスタートが使えないケースもあります。例えばトラックと乗用車の組み合わせは、バッテリーの電圧が異なるため、ジャンピングスタートが使えないので注意しましょう。
ジャンピングスタート手順1:ブースターケーブルをつなぐ
まずは、故障してしまった車と救援車を、ブースターケーブルでつなぎます。ブースターケーブルは、「赤」と「黒」の2種類です。赤のブースターケーブルをそれぞれのプラス端子に、そして黒のブースターケーブルを救援車のマイナス端子と、故障車のエンジンブロックに接続しアースを取りましょう。
ここで注意したいのは、赤のブースターケーブルとは異なり、黒のブースターケーブルは「故障車のエンジンブロック」に接続することです。マイナス端子につないでしまうと、故障の原因になるため、つながないようにしましょう。
ジャンピングスタート手順2:エンジンをかける
赤と黒のブースターケーブルが適切につなげられたら、エンジンを始動します。救援車がオートマチックであれば「パーキング」、マニュアルであれば「ニュートラル」に入れておき、サイドブレーキをしたままエンジンを始動しましょう。
そのまま救援者のエンジンを入れておき、回転数を1,500回転程度に保てたら、次に故障車のエンジンを始動します。無事にエンジンがかかったら、救援車のエンジンを停止し、エンジン始動の動作は完了です。
ジャンピングスタート手順3:ブースターケーブルを外す
最後にブースターケーブルを外しましょう。外し方には順番があるので注意が必要です。まずは黒のブースターケーブルを外します。故障車のエンジンブロック、救援車のマイナス端子の順番でケーブルを外しましょう。
黒のケーブルが外れたら、次に赤のブースターケーブルを処理します。黒の場合とは逆で、救援車のプラス端子、故障車のプラス端子の順番で外しましょう。ブースターケーブルが無事外せたら、ジャンピングスタートの全工程が終了です。
ジャンピングスタートをするときの注意点
車のバッテリーが上がってしまった際は、救援してくれる車があればジャンピングスタートを使ってエンジンを始動できます。しかし、やり方を間違えてしまった場合、バッテリーの故障につながる可能性もあります。
ここでは、ジャンピングスタートをするときに気をつけなければならない注意点をピックアップしました。トラブルの際は慌ててしまうものですが、間違えることのないよう確認しながら進めることが大切です。
使用する車の相性がある
ジャンピングスタートは使用する車の相性があることも覚えておきましょう。特に注意しなければいけないのは、ハイブリッド車がハイブリッドではない車にジャンピングスタートをすることです。この組み合わせだと相性が合わず、故障につながってしまうケースもあります。
ただしこれは組み合わせの問題であり、「ハイブリッド車が故障車、ガソリン車が救援車」となる場合はジャンピングスタートが可能です。問題なのは、「ハイブリッド車が救援車、ガソリン車が故障車」の場合。高確率でバッテリーが故障してしまうため、避けるようにしましょう。
バッテリー上がりを繰り返す可能性がある
ジャンピングスタートでエンジンが無事にかかっても、エンジンが再始動した直後ではまだ充電が十分にされていないため、すぐにエンジンを止めてしまうと電力不足で再始動できない可能性があります。
また、日常的に車を使用しているにもかかわらずバッテリー上がりを起こしてしまった場合には、バッテリーの劣化やオルタネーターと呼ばれる発電機の故障も考えられるので早めに業者に点検依頼をしましょう。
作業は慎重に行う
ブースターケーブルを使用する際には、接続の順序を守りましょう。赤ケーブルはプラス端子同士、黒ケーブルは救援車のマイナス端子と故障車のエンジンブロックをつなぎます。黒ケーブルを故障車のバッテリーマイナス端子に直接つなぐと、故障を招く恐れが高いでしょう。
また、作業中は火花が発生する可能性があるため、バッテリー付近での喫煙や火気の使用は避けましょう。安全のために、保護メガネや手袋の着用をおすすめします。
車のバッテリーの充電に関するトラブルを防ぐためのメンテナンス方法
車のバッテリーを長持ちさせ、充電トラブルを防ぐには、適切なメンテナンスが欠かせません。適切に取り扱うなら、快適なカーライフを過ごせるでしょう。ここでは、バッテリーの基本的なメンテナンス方法、交換のタイミング、劣化の兆候について解説します。
バッテリーの基本的なメンテナンス方法
車のバッテリーを長持ちさせるには、定期的なメンテナンスが欠かせません。主な点検方法として、外観点検と液量点検があります。外観点検では、バッテリーの変形や液漏れがないかを確かめましょう。さびが見つかった場合には、サンドペーパーやワイヤーブラシで取り除きます。
液量点検では、バッテリー液の量を確かめましょう。不足している場合は、専用の補充液を足します。ただし、最近は、液量点検が不要なメンテナンスフリーのバッテリーもあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
バッテリー内部の劣化は、外観から判断できません。内部を確かめるときは、バッテリーテスターなどの機器を用いて点検する必要があります。ただし、自分で確かめるのは難しいため、ディーラーや整備工場に相談するとよいでしょう。
バッテリーの交換サイクル
車のバッテリーの交換頻度は、2年~3年が目安です。ただし、バッテリーの寿命は使用環境や運転習慣によって大きく左右されます。
短距離走行が多い場合、バッテリーの劣化が早まる可能性が高いでしょう。同じように、極端な高温や低温にさらされる環境も、劣化しやすい傾向にあります。突然のバッテリー上がりを防ぐためにも、適切なタイミングでの交換を心がけましょう。
バッテリーが劣化したときのサイン
バッテリーの劣化は、車の動作にさまざまな影響を与えます。まず、アイドリングストップ機能が作動しなくなったり、エンジンがかかりにくくなったりした場合、バッテリーの充電量が減少しているかもしれません。
パワーウィンドウの動きが遅くなったときは、バッテリーからの電力供給が不足している可能性があります。使用に違和感を覚えたときは、早めの対応が重要です。放置すると、走行中に車が突然停止するリスクもあるので注意しましょう。
まとめ
バッテリーの充電状態は車の充電機能によって適正な状態が維持されますが、充電が必要な場合はバッテリー充電器を使用する方法があります。
それでもうまく充電ができないときはバッテリーやオルタネーターが故障している可能性があるので、ガソリンスタンドや整備工場で点検してもらうとよいでしょう。定期的な点検やバッテリー管理のもと、安心安全のカーライフを保ちましょう。
■ライタープロフィール
兒島裕和
2018年よりフリーランスのWebライターとして活動。車関係の記事を中心に、これまでに2,000本以上の記事を執筆。日本の普通自動車免許に加えて、EU圏内の自動車免許を2020年に取得。国内に加えて海外の自動車事情にも精通。
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