車検に通らないマフラーとは?主な原因や対策を紹介
車のマフラーは、エンジンの稼働で発生する有害な排気ガスを、無害化して車外へ排出するための重要な部品です。エンジン音を低減するための役割も担っています。
マフラーは法律による規定があるため、カスタマイズを考えている場合「車検に通らないのでは」と不安になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、車検に通らないマフラーとはどのようなものかを解説します。車検に通らない原因やカスタマイズするときの注意点なども紹介しますので、車種に合うマフラーを選び、車検に通るよう対策しましょう。
※目次※
・車のマフラーは、有害な排気ガスを無害化して車外に排出することに加え、エンジンの騒音を防ぎながら出力の低下を防ぐ役割がある。
・マフラーが車検に通らない原因には、マフラーの劣化や基準値外のマフラーを装着している場合などが挙げられる。
・純正品や認定品のマフラーでも車検に通らない場合があるため、購入時や車検前にはしっかりチェックすることが大切。
マフラーの役割について確かめておこう
車検に通らない理由が車のマフラーにある場合、何が原因なのかを考える必要があります。そのためには、マフラーの役割をしっかり把握しておくことが大切です。ここでは、車のマフラーがどのような役割を担っているのかを詳しく解説します。
排ガスを抑制して無害化する
車のエンジンを稼働すると、高温高圧の排気ガスが発生します。マフラーの役割は、その排気ガスに含まれる有害物質を無害化することです。環境保護に寄与する機能から、車を快適に運用するためには欠かせません。
また、排気ガスの温度と圧力を下げ、排出する際に出る音を抑制する役割もあります。音を抑制する方法は、膨張式・吸音式・共鳴式のいずれかです。
エンジン出力の低下を防ぐ
マフラーには、エンジン機能を調整する役割もあります。マフラーの太さや長さを変更すれば、トルクとエンジン出力の調整が可能です。
例えば、細くて長いマフラーを装着した場合は、低回転域に適したトルクとエンジン出力に変わります。抜けが悪くなると抵抗がかかり、エンジン内の燃焼室にも圧力がかかるため、トルク値が高くなる仕組みです。
反対に、太くて短いマフラーは抜けが良いため、出力とトルクは高回転域に敵します。低回転域でのトルク値は下がりますが、馬力は上がる構造です。マフラーの形状によって出力やトルクが変われば、乗り心地も変わります。
車検をクリアするためのマフラー選び
車のマフラーは、経年劣化によって穴が開いてしまった場合や、エンジンの排出効率を高めて馬力を上げたい場合などに交換できます。「交換を機にマフラーをカスタマイズしたいけれど、車検に通らないのは困る」という人もいるでしょう。
ここでは、どのようなマフラーを選べば車検に通るのかを解説します。
近接排気騒音が基準値内に収まっている
車検に通るためには、近接排気騒音が一定の基準値内に収まっている必要があります。近接排気騒音とは、停車時に排気管から出る騒音です。
騒音の音量レベルは、道路運送車両法における「道路運送車両の保安基準」で定められています。エンジンの設置位置によって基準値が決められており、それを超えると公道を走行できません。
例えば、車両後部にエンジンを有する乗用車であれば近接排気騒音の基準値は95dB、それ以外の乗用車は91dBです。乗合車・貨物車の場合は、車両総重量や最高出力に応じて、92dB~94dBに定められています。
また、これは車種ごとに上限値を定めた絶対値規制です。交換用マフラーを備えた車両の場合は、新車時の騒音から悪化しないことを確認する相対値規制も適用されます。
取り付け位置が基準を満たしている
マフラーは、排気音だけでなく取り付けの位置に関しても明確な規定が設けられています。1999年1月1日以降に生産された車は「最低地上高9cm以上」「フロアラインから10mm以上突出しないこと」が基準です。
フロアラインは、国土交通省により下記のように定義されています。
『「フロア・ライン」とは、下記の方法によって決定されるラインをいう。 フロア・ラインとは、垂直軸と母線のなす角度が30°である円錐を、積載状態にある 自動車の外部表面に、できるだけ低い位置で連続的に接触させたときの自動車の外部表面と円錐との接点の幾何学的軌跡をいう。』
(引用:『道路運送車両の保安基準の細目を定める告示『国土交通省』)
また、排気管の端部に丸みが付いた2.5mm以上の曲率半径を有していれば、10mmを超えていても車検に通ります。
触媒が適切に装着されている
触媒は、有害物質を浄化するためにマフラーに組み込まれている部品です。触媒が適切に装着されていないと大気に有害物質が排出され、人体や環境に悪影響を及ぼします。
また、車検では一酸化炭素と炭化水素の数値を計測するため、触媒が装着されていないと合格しません。マフラーをカスタマイズする際に触媒を外す方もいますが、外している、もしくは適切に装着できていない場合は車検に通らないため注意しましょう。
マフラーが理由で車検に通らないときの主な原因
車のマフラーは、排出音の抑制や有害物質の無害化など、重要な役割を担う部品です。しかし、カスタマイズによる騒音といった問題もあることから、車検では特に厳しくチェックされます。ここでは、マフラーが車検に通らないときの主な原因を見ていきましょう。
車検に対応していないマフラーを装着している
車検に通らないときは、車検に対応していないマフラーを装着している可能性があります。純正品ではなく社外マフラーを選ぶ場合は、マフラーに「認定品」や「対応品」と書かれているものを装着しましょう。
これらの製品は、車検の基準に則して製造されていますが、明記されていない製品は車検に通りません。
「日本自動車スポーツマフラー協会(JASMA)」が販売しているマフラーは、車検対応品の基準よりもさらに厳しい基準で販売されている認定品のためおすすめです。
サイレンサーが適切に装着されていない
サイレンサーが付いていない、もしくは取り付け方が間違っている場合も車検は通りません。サイレンサーとは、排気ガスの排出音を抑制するためにマフラーに組み込まれている部品です。サイレンサーを装着すると、10dB~20dBほど音量を小さくできます。
車検はサイレンサーの有無に加え、取り付け方も検査対象です。サイレンサーはマフラーに固定する必要があり、簡単に取り外せる、ねじで止められているような装着方法では合格しません。
溶接またはリベット接合を用いて、容易に取り外せないようしっかりと取り付けましょう。
サイレンサーの装着は、元々装着していたマフラーの音が劣化によって大きくなった場合、中古で購入した車の音が大き過ぎる場合に音量を下げるためにも有効です。
マフラーの劣化が進んでいる
排気漏れが発生しているのも、車検に通らない原因のひとつです。マフラーは新品時から徐々に劣化していきます。長年乗り続けている車であれば、さびによる腐食や走行中に物が当たることにより、物理的に穴が空いてしまうこともあるでしょう。
穴が空いていると排気ガスが漏れてしまうため、早急に対応する必要があります。マフラー自体を交換する方法もありますが、穴だけを補修するのであれば安く対応できるでしょう。
認証プレートが付いていない
交換用マフラーに認証プレートが付いていない場合も車検に通りません。交換用マフラーには、事前認証制度があります。
これは、国土交通省が登録した正式な機関がマフラーの性能を確認し「性能等確認済表示」を示する制度です。認証プレートは、確認済みのマフラーに付いています。
認証を受けていないマフラーの装着は法律違反です。車検にも通らないため、マフラーを交換する際には認証プレートが付いているかを確認しましょう。
認証プレートが付いているマフラーでも、適合外の車種があります。車に合わないマフラーを装着している場合も車検には通りません。
純正品や認定品のマフラーを使用する際の注意点
交換用マフラーは、純正品や認定品を選べば基本的には車検に通ります。しかし、純正品や認定品であっても車検に通らないケースがあるため、合格と不合格のラインをしっかり把握しましょう。
ここでは、純正品や認定品のマフラーを装着しているのに車検に通らないときの注意点を紹介します。
マフラーの検査基準をチェックしておく
マフラーの検査基準は、定期的に改定されています。排気ガスの排出音による騒音被害が問題になっていることが要因です。検査基準は車の年式によって異なり、年式の新しい車であればあるほど厳しい基準が設けられています。
例えば、2008年12月には2010年4月以降に製造される自動車に「騒音低減機構を容易に除去できる構造の禁止」「仕様過程車および並行輸入車等のマフラーに対する加速走行騒音防止機能の義務付け」が定められました。
証明書や純正刻印の有無を確かめておく
検査基準に適合しているマフラーを装着していても、2010年4月以降に製造された車の場合は事前認証制度によって認められた証明書が必要です。証明書がない場合は車検に通らないため、車検前に車の年式と証明書を確認しておきましょう。
また、純正品のマフラーにはメーカー名が刻印されています。この刻印が消えている場合も、純正品であることが確認できないため車検に通りません。
車検に通るためのマフラー対策
「マフラーの保安基準に適していない」「車種に適合した製品ではなかった」ことが分かった場合は、車検に通るための対策が必要です。車種に適合した純正品や認証品への交換が理想ですが、車検が迫っているのであれば応急処置で対処する方法もあります。
ここでは、車検前にできるマフラー対策を見てみましょう。
応急処置を施す
マフラーに穴が開いてしまっている場合は、穴を埋める応急処置を取りましょう。穴を補修すれば安全基準を満たせるため、車検に通る可能性も高まります。
しかし、応急処置はあくまでもその場しのぎです。マフラー自体の品質は改善しないため、車検に通ってもすぐに状態が悪くなる可能性もあります。今後のことを考えると、補修よりも交換がおすすめです。
構造変更を申請する
マフラーのはみ出しが原因で基準に達していない場合は「構造変更申請」を行う方法もあります。これは、定められた安全基準内で車体の外寸や排気量などを変えることです。
しかし、マフラーを社外品に換えた状態で構造変更申請を兼ねて車検を依頼すると、業者によっては断られるケースもあります。国土交通省が定めた保安基準が厳しくなることで業者の判断も厳しくなっているため、改造車を受け入れない所もあるるからです。
純正品やJASMA認定品のマフラーに取り換える
車検に通るためには、純正品や認定品のマフラーに交換するのがおすすめです。純正品の場合は車種に適合したもの、認定品を選ぶ場合はJASMA製品を選びましょう。
JASMA認定品のマフラーは、道路運送車両の保安基準よりも厳しい自主基準を通過し、審査・登録・認定されています。
JASMA認定プレートは、2010年3月31日までに製造された車両に対応するものと2010年4月以降に製造された車に対応するものがあるため、車の年式とプレートを確認してから装着しましょう。
まとめ
車の排気音を楽しみたい方にとってマフラーのカスタマイズは魅力的ですが、騒音対策により車検基準は年々厳しくなっています。国土交通省が定めた道路運送車両の保安基準を満たさなければ、車検は通りません。
車検に通るためには、車種や年式に適合した純正品もしくは認定品のマフラーを装着する必要があります。マフラーの取り付け方が間違っている場合や劣化により穴が開いている場合も合格しないため、車検前にしっかりチェックしましょう。
▼ライタープロフィール
中村浩紀 なかむらひろき
クルマ記事に特化したライター
現在4台の車を所有(アルファード・プリウス・レクサスUX・コペン)。クルマ系のメディアでさまざまなジャンルの記事を執筆し、2024年1月までに300記事以上の実績をもっている。
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