車検の項目一覧まとめ!車検を受ける前に確認しておこう!
車を所有する人には、2年に一度必ず訪れるのが車検。安全にカーライフを楽しむために車検が大切だということは理解していても、ただでさえ忙しい日々の中で車検の準備をし、車を持って行き……という作業は、正直言って大変ですよね。ましてや故障や不備が見つかり、更に手続きが大変になってしまったら悲惨です。
そこでこのページでは、車を車検に出す前に検査の項目を把握し、ご自分で事前チェックができるように、車検の項目を一覧にまとめてみました。事前チェックすることで、車検をスムーズに終えられるようにしましょう。
・車検でチェックされる項目を、まとめてチェックしておこう!
・事前にセルフチェックできる点検箇所もある!
・車検前だけでなく、普段からポイントを理解し、車の安全に気を付けよう!
【外装・内装】車検項目一覧まとめ
数ある車検の項目の中でも、日常的に車を使用する中で目にしたり触れたりすることが多く、私たちにとって最もわかりやすいカテゴリーが「外装・内装」です。車の「見た目」に表れる、内装・外装の項目について見ていきましょう。
灯火装置
灯火装置とは、いわゆる車のライト全般のことを指します。灯火装置には主に5種類で、暗くなった時につける「ヘッドライト」、他のドライバーに車幅を知らせるための「スモールランプ」、曲がる方向を他のドライバーや歩行者に知らせるための「ウィンカー」、ブレーキしたことを知らせるための「テールランプ」、後ろへ下がっていることを知らせるための「バックランプ」があります。
どの灯火装置も、車が安全に走るためには絶対に欠かせないものになっていますよね。ランプが機能しない車が走行していたら、他の車や歩行者との接触事故が起こる可能性は極めて高くなると言えます。このうちの1種類でも、たとえ片方でもランプが機能しないと大変危険ですので、普段からこの5種類のランプには注意を払いましょう。
タイヤ
車が走行するとそれだけタイヤには負担がかかります。タイヤは基本的に消耗品であり、一定以上摩耗するとタイヤ交換が必須になります。何かの衝撃でタイヤがパンクしてしまうと車は走行できなくなってしまいますので、常に安全な状態にキープしておきたいですよね。
目安として、タイヤの中で一番摩耗している溝部分が1.6ミリ以下になったら交換が必要なサインです。また、もし1.6ミリ以上あったとしても、ひび割れが目立つ場合には交換しておいた方が安心でしょう。
ガラス
フロントガラスと側面ガラスは、車の周囲の状況を確認する非常に重要な部分です。そのため、フロントガラスや側面ガラスにヒビが入っていたり、割れたりしている場合には交換が必要になります。
車のガラスは他の部分に比べて繊細ですから、他人の車からの飛び石などで損傷してしまうこともあり、壊れやすい部分と考えた方が良いでしょう。
また、色のつくシールなどを貼っていると周囲の確認がしづらくなってしまい事故につながる恐れもあるため、不正改造車とみなされてしまいます。車のガラスは透明で綺麗な状態を保ちましょう。
内装
内装の点検では、主に「違反しているもの、危険な状態のものがないか」を目で確認します。
バックミラーやシートベルトなど、安全上必要なものをはじめ、いざという時のための発煙筒、マニュアル車の場合はギアパターンも点検されます。
また、意外と見落としがちなのが、クラクションのボタンにホーンマークがついているかどうかということや、ヘッドレストがついているかということです。平成24年7月以降の登録された車は、前の席(運転席と助手席)にヘッドレストをつけることが義務付けられていますので、注意してください。
メーター周辺
メーター周辺のパネルには、いくつかの警告灯や表示灯が点滅する部分があります。これは、車になんらかの故障や不備があった場合に知らせるためのもので、何か一つでもランプが点灯している場合はすぐに確認と対応を行うことが必要になります。
例えばシートベルトを着けていない場合に点灯する「シートベルト非装着警告灯」や、ガソリンの残量が少ないことを知らせる「料残量警告灯」がメジャーですが、他にも点検を促す警告灯や表示灯が複数存在します。
普段から気をつけることはもちろんですが、車検前に改めてこのパネルで確認できる故障や不備がないかどうかを見ておきましょう。
【外回り検査】車検項目一覧まとめ
さて、次は「外回り検査」の項目一覧を見ていきましょう。外回り検査とはその名の通り外観をチェックするもので、「実際に運転手が操作した通りに車が機能しているかどうか」を確認するためのものです。車検時は、検査官が出した指示に合わせて操作することでチェックされます。
車台番号
車台番号とは、ナンバープレートの番号とは違い、車を管理するために割り当てられた番号です。一台一台の車に違う車台番号が割り振られており、車検時や保険関係のやり取りで必ず確認されるものになります。エンジンルーム内や運転席の座席下などにあり、数字とローマ字で構成されています。
ヘッドライト(ハイビーム・ロービーム)
道が暗い時に照らし、存在を他のドライバーや歩行者に知らせる役割を持っているヘッドライト。ヘッドライトは白色と決められており、明るさについてもルールがあります。元々は白いライトでも、レンズがくもったり黄ばんだりしたことにより変色していると、交換を求められてしまうこともあります。
スモールランプ
車幅を表すためのスモールランプ(クリアランスランプ)も点検します。小さくて目立たないランプですが、スモールランプにもヘッドライトと同じく色や光の強さに制限がありますので、注意してください。
ハザードランプ
三角の書かれた赤いボタンを押すと付くハザードランプは、感謝の意を伝えるものとしても使用することが多いと思います。しかし本来は周囲に非常時の停車などを知らせるためのもので、ハザードがつかないと非常に危険なことから、ここも車検でチェックが入ります。
ワイパー動作
フロントガラスやリアガラス(後ろのガラス)の雨や雪をよけるために使うワイパー。ワイパーが作動しないと、運転中に雨雪が降ってきた際に視界が無くなってしまい、非常に危険です。
ウィンカー(左右)
車が左右に曲がることを知らせるウィンカーは、他の車や歩行者との接触を避けるために大切なランプです。ウィンカーが点滅せずに、曲がることに気が付かず事故になってしまった……などという事態を避けるため、点灯するかきちんと確認します。
フォグランプ
フォグランプは、視界が悪い際に他の車に気づかれやすくするためのランプで、通常のランプの補助的な役割を持つものです。霧の発生が多い地域に住む人やアウトドアへよく出かける人などを除いては、あまり使用したことのない人も多いでしょう。
ウィンドウォッシャーの噴射
ウィンドウォッシャーは、車のフロントガラスやリアガラスの汚れが目立つ際に吹きかけるもの。視界が悪いと運転に支障が出るため、こちらもしっかりチェックしておきましょう。
バックギアランプ
バックギアランプは、その名の通り車をバックする際にギアチェンジすると付くランプですが、このランプは他の車や歩行者に対して「後ろに下がります」という合図になります。衝突防止のために、このランプも点検が必須です。
ストップランプ
ストップランプは車のブレーキを踏んだ際に付くもので、普段からよく使うランプです。車が連続して走っている時は前の車の動きをこのブレーキランプで把握します。速いスピードで走る高速道路などでは、特に重要な役割を担っています。
ホーン
緊急事態を音で知らせるためのホーン(クラクション)も、緊急時にいつでもならせるように備えておかなければなりません。ホーンには、マークも一緒に書かれていないといけない、というルールがありますので注意してください。
フロントガラスのヒビ、割れ
先ほども触れましたが、ガラスにヒビ、割れがないかどうかチェックしておきましょう。フロントガラスは視界を良好にして安全運転をするため、常にきれいで透明なものにしておく必要があります。
【予備検査場のチェックポイント】車検項目一覧まとめ
車検本番前に、同じような検査を事前に受けておくことができる民間の検査場のことを「予備検査場」といいます。車検の項目の中には、自力ではチェックできない項目もありますが、予備検査を受けておくことでその後の車検をスムーズに進めることができます。
ブレーキ検査
安全な運転に欠かせないのが、正確なブレーキです。ブレーキ検査では、前輪・後輪のブレーキと、駐車のブレーキすべての効き具合を確認します。言うまでもありませんが、ブレーキの効き具合が悪いと、大変な大事故につながってしまいますよね。ブレーキにゆるみがある場合は、当然ブレーキ部分の修理が必要になります。
サイドスリップ検査・調整
サイドスリップ検査とは、ハンドルを真っすぐにして進んだときの、左右へのずれを確認するための検査です。1メートル直進した時に左右いずれかで5ミリ以上ずれてしまう場合は、検査を通過することができないというルールが定められています。車のタイヤがけずれたり、何かの衝撃でへこんでしまったりした場合に、このずれが生じることがあります。
スピードメーター検査
スピードメーター検査は、実際に走っている速度とスピードメーターの表示する速度が一致しているかどうかをチェックする検査です。制限速度に合わせて走行しているつもりでも、スピードメーターが間違っていると速度を正確に把握することができません。結果的に違反へつながってしまう可能性もありますから、しっかりチェックしておきたいですね。
排気ガス検査
排気ガス検査では、車から排出されているガスの「一酸化炭素」と「炭化水素」の濃度を検査するものです。その車が環境へかける負担が一定以上になってしまうと車を走らせる許可がおりないため、車検を合格することができないのです。特に、古い車などは排気ガス検査でNGが出てしまう可能性が高くなりますので、注意してください。
ヘッドライト検査
暗い道を走る時や、他の車へ合図を出す時に重要な役割を果たすヘッドライトも、予備検査場でチェックすることができます。先ほども触れましたが、点灯しているかどうかだけではなく、明るさや色も検査項目になっています。自信で車をカスタマイズしている人は、ルールにのっとっているか改めて確認しておきましょう。
【自動車の機能のチェックポイント】車検項目一覧まとめ
最後に、車の機能が正常かどうかのチェックについて解説していきます。予備検査場で検査するような項目に対して、これらの項目は事前のセルフチェックを行うことができるものもあります。ぜひ、車検へ出す前に各機能のチェックをしておきましょう。
ワイパー・ウィンドウォッシャー
フロントガラスとリアガラスからの視界を良くするために使うワイパーとウィンドウォッシャーは、自分で実際に動かしてみることですぐに確認ができます。ワイパーはそれぞれの段階ごとに動かしてみることで、動きは悪くないか、使用後きちんとガラスが綺麗になっているかどうかということをチェックしてみましょう。
ホーン(警報器)
ホーンも、自分で鳴らすことで音がきちんと鳴るかどうかを確認することができます。しかし、ホーンは必要のない場合にむやみに鳴らすことは禁止されており、場合によっては罰金および反則金が課せられてしまうこともあります。緊急事態ではないのにも関わらずホーンを鳴らすのは迷惑ですし、本当に必要な緊急時の音が聞こえなくなってしまいます。あくまで点検ということを忘れずに、周囲に迷惑のかからない場所や時間帯を選ぶようにしましょう。
マフラー
マフラーは、排気ガスを車の外に出すためのものです。排気もれがないかということの他、地面からの高さは確保されているかどうかやマフラー音が大きすぎないかなど、マフラーには様々なチェックポイントがあります。車をカスタマイズしている人の中にはマフラーを改造している人も多いですが、マフラーは様々な点で検査されますので注意が必要です。
ドライブシャフトブーツ
車のエンジンの力をタイヤに伝え、タイヤを動かす装置のことを「ドライブシャフト」と呼びます。普段車を運転している時はあまり意識することのない部品かもしれませんが、車を動かす上で非常に重要な役割を担っています。ドライブシャフトの間で車の向きを変えるために動くものをベアリングと言い、これを保護するための「ドライブシャフトブーツ」が破れてしまうとベアリングはうまく回転できなくなってしまい、結果的に車を動かすことができなくなってしまいます。
ステアリングラックブーツ
車のタイヤの向きはハンドルで操作しますが、このハンドルとタイヤを結びつけている部分をタイロッドと呼び、タイロッドを保護するためのカバーを「ステアリングラックブーツ」と呼びます。ステアリングラックブーツが破れてしまうとタイロッドが正常に機能せず、ハンドル操作に支障をきたしてしまうため、ステアリングラックブーツのチェックも非常に大切な点検の一つです。
まとめ
この記事では、車検と予備検査場でのチェック項目をご紹介してきました。車の機能を理解しておくことで、車検の前だけではなく、普段から気を付けて車を管理することもできますよね。事前に車検の項目を理解し、できる範囲でセルフチェックしておくことで、車検をスムーズに終えましょう。
よくある質問
Q.車検でよく落ちる項目はなんですか?
A.車検では、ライトの状態が最も頻繁に指摘される項目のひとつです。特にヘッドライトの黄ばみや光量不足は要注意で、基準値である6,400カンデラ以上の光量が求められています。 タイヤの摩耗も重要なチェックポイントのひとつです。溝の深さが1.6mm以下になると不合格となってしまいます。
Q.車検切れはバレますか?
A.全国1,500か所以上に設置されているナンバー読取装置(Nシステム)では、走行中の車両を即座にチェックできるため、発見されるリスクが高いでしょう。 また、フロントガラスの車検ステッカーは一般の方からも確認できるため、駐車中に通報されることもあります。さらに、ガソリンスタンドや整備工場などの自動車関連業者は、国土交通省と連携して車検切れ車両の発見に協力しているため、給油や修理の際に発覚する可能性が高いでしょう。
Q.車検の基本料金は幾らですか?
A.車検の基本料金は、依頼先の店舗によって大きく異なります。ディーラーは純正部品の使用と詳細な点検整備が特徴で、基本料金は比較的高めになりやすいでしょう。一方、車検専門店は必要最低限の点検項目に絞ることで料金を抑え、短時間での対応が可能です。 ガソリンスタンドは割引特典なども用意されており、料金を抑えられる傾向にあります。また、カー用品店では豊富な種類の部品から選べるため、交換部品の費用を抑えられるでしょう。
Q.車検に通らないパターンはなんですか?
A.最も多いのは部品の劣化や故障による不合格です。タイヤの過度な摩耗やライトの光量不足、ホーンの不具合などが挙げられます。 保安基準を満たさない改造も不合格の要因のひとつです。基準外のマフラーの使用や、認可外の色のライトの装着などが該当します。ユーザー車検の場合、検査時の操作ミスによって不合格となるケースもあるため、注意が必要です。