車のブレーキパッド交換時期や方法は?費用の目安や節約のポイントも解説
車の安全性をキープするためには、定期的な点検と整備が欠かせません。特にブレーキは重要保安部品であり、速度をコントロールするだけでなく危険を回避するためにも必要なものです。
そしてその中心的な役割のブレーキパッドは消耗品のため、交換時期を見極める必要があります。
この記事ではブレーキパッドの交換時期や費用について、ブレーキの仕組みとともに解説します。自分で交換するための方法や、交換費用を節約する方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
※目次※
12.不具合が多いなら買い替えも検討!おすすめの人気車種5選
・ブレーキは摩擦力で車を止めるのが基本的な仕組みで、ブレーキパッドは重要な役割を果たす部品。
・ブレーキパッドのタイプは純正品の他に社外品もあり、素材ごとの特徴や価格を考慮して選ぶことが大切。
・ブレーキパッドの交換は国の認証を受けた工場に依頼しよう。車検や法定点検のタイミングに合わせれば費用を節約できる。
車のブレーキパッドとは?
自動車のパーツの中でも特に重要な部品ともいえるブレーキパッドですが、その重要性を理解するためには、どのような仕組みで車を減速・停止させているのか知っておくことが大切です。ここでは、自動車のブレーキに関する基礎知識を解説します。
車は摩擦の力で停止する
走っている自動車の運動エネルギーを熱エネルギーに変えて、その熱を放出することにより、車は減速したり停止したりできます。これは、摩擦の力を利用した仕組みです。
回転するディスクローターをブレーキパッドが挟み込むことで摩擦力が発生します。運動エネルギーは熱エネルギーへと変換されるため、車は停止することができるのです。
動いているもの同士がすり合わさって生まれる抵抗力が「摩擦」ですが、車を止める力も、この摩擦の原理を利用しているということを理解しておきましょう。
ブレーキパッドはブレーキに使用する摩擦材
自動車は摩擦の力を利用して減速しますが、この際に使用されている摩擦材のひとつが「ブレーキパッド」です。ブレーキにはいくつかの種類があります。
ブレーキパッドを持つ「ディスクブレーキ」の構成は大きく分けて、ブレーキキャリパー、ディスクローター、ブレーキパッドです。
ディスクローターを挟み込むようにブレーキキャリパーが装着され、その中にブレーキパッドが固定されています。油圧によって、ブレーキキャリパー内に組み込まれたピストンがブレーキパッドを押し出し、ディスクローターを挟む仕組みです。
タイヤの回転運動に連動するディスクローターを挟み込むことで、摩擦抵抗が生まれます。制動力が発生するため、スピードを落としたり停車させたりすることが可能です。
ブレーキパッドを使用しないブレーキの種類もある
かつては回転するドラムの中に設置された摩擦材を、内側から広げて制動させる「ドラムブレーキ」が主流でした。ただし、現在はリアブレーキにのみ採用されるケースがほとんどです。
ドラムブレーキでは、ブレーキパッドを必要としません。代わりに、ブレーキライニングという摩擦材を貼ったブレーキシューが、ブレーキパッドの役割を果たします。
車のブレーキパッドの素材はさまざま!適切な種類を選ぼう
ブレーキパッドは純正品以外にもアフターパーツメーカーから多くの種類が販売されています。ここではブレーキパッドの素材に注目し、それぞれの特徴を紹介します。両立しにくい性能があるので、自分の使用状況などに合わせてブレーキパッドを選びましょう。
メタリック
メタリックタイプは、その名の通り金属が主な材料です。高い制動力と耐熱性が特徴で、高速走行かつブレーキの頻度が高いサーキット走行に向いています。また、一般的な使用においても、高速道路を多く利用する場合は制動力の高さが安心につながるでしょう。
一方で、金属同士が接触するため、ブレーキ鳴きと呼ばれる音が発生しやすく、ブレーキパッドが削られることで発生するブレーキダストも多くなるのが短所です。
セミメタリック
セミメタリックタイプは、メタリックタイプと同様に材料に金属を使用していますが、その使用量は抑えられているため、メタリックタイプよりも耐摩耗性に優れています。また、ブレーキ鳴きやブレーキダストの発生も比較的抑えられていることが特徴です。
その代わりに制動力や耐熱性ではやや劣ることになりますが、一般的な使用では十分以上の性能であるため、スポーツ走行や高速走行が多い場合に適しているといえるでしょう。
カーボンメタリック
カーボンメタリックタイプは、金属とともにカーボンを使用しています。摩擦係数が高いことが特徴で、特にサーキット走行に最適です。そのため、競技用の車両やスポーツカーなどで多く採用されています。
高速走行での制動力を重視していることから、街乗りなどの一般的な使用条件では制動力が低くなることが多いため、普通の車には向いていません。また、ブレーキ鳴きやブレーキダストとともに、ブレーキローターの摩耗量が多いのも特徴です。
オーガニック(NAO材)
オーガニックタイプは「NAO材」と呼ばれるノンアスベスト系の新素材が使われており、有機材料を主としているため、環境に優しいのが特徴です。
また、ローターへのダメージも抑えられることで、ブレーキ鳴きも少なくなっています。これらの理由から、街乗りなど比較的低速な走行に適しているタイプです。しかし、耐熱性が低いことからスポーツ走行には向いていません。
ノンアスベスト
現在販売されているブレーキパッドは、アスベストを使用しないノンアスベストです。アスベストとは石綿のことで、人間が吸入すると肺の病気になるリスクが高まることから使用が原則禁止となりました。
以前、ブレーキパッドにアスベストが使用されていたのは、耐熱性などの面で性能が優れていたためです。現在はノンアスベストを基本とし、スチールの配合率によって上記で紹介したメタリックやセミメタリック、ノンスチールのNAO材などの種類に分けられています。
車のブレーキパッド交換時期の目安
ブレーキパッドは摩擦材がすり減って薄くなった場合に交換が必要ですが、自分で交換時期を判断するのは知識や経験がないと難しいものです。ここでは、ブレーキパッドの交換時期を見極めるための5つのポイントについて解説します。
ブレーキパッドの残量が5mm以下の場合
ブレーキパッドの厚みが5mm以下の場合、そろそろ交換が近づいているといえます。残量が2mm~3mm程度になったら、次の車検まで持たない可能性を考慮し、交換を実施するとよいでしょう。
しかし、車検や点検時に3mm以上あったとしても安心はできません。年間の走行距離が多い場合やブレーキを多用する癖がある場合など、次の車検まで使用できるか不安な場合は、残量が5mmを切った時点で交換するのもひとつの方法です。
走行距離から見極める場合
使用環境によっても異なりますが、ブレーキパッドは1万km走行ごとに1mm程度摩耗するのが目安です。新品時は約10mmの厚みがあるため、走行距離を当てはめることでおおよその残量を予測できます。
しかし、走行距離で判断する場合も消耗しやすい条件がそろっていれば、想定以上に摩耗している可能性があることには注意しましょう。
ブレーキから異音がする場合
ブレーキパッドが完全に消耗すると、制動力の低下によって事故につながるリスクが高まります。
そのため、交換時期を知らせる「パッドウェアインジケーター」と呼ばれる機能が備えられており、ブレーキングした際に「キーキー」という音で交換時期に達したことをドライバーに知らせます。
この音が鳴った場合は、速やかにパッド交換をしましょう。パッドウェアインジケーターには、「機械式」と「電気式」があります。
【機械式】
最も一般的なタイプが「機械式」です。ブレーキパッドに取り付けられた金属片がディスクローターに接触することで、金属同士がこすれ「キーキー」という音を鳴らします。
【電気式】
ブレーキパッドに取り付けられた配線が切れると警告灯が点灯します。電気式は、主に輸入車や国産高級車に装備される傾向です。また、電気式には埋め込み式と差し込み式の2つがあります。
警告灯が点灯している場合
前述したように輸入車や国産高級車には、警告灯の点灯によってブレーキパッドの交換を知らせる機能を採用しているケースがあります。
電気式は、不快な音を感じることなく交換時期を把握できるのが特徴です。ブレーキパッドの摩耗限界を知らせる際に、インパネ内の警告灯が点灯します。
ブレーキフルードが少ない場合
日常点検時にブレーキフルードの量を確認して、ブレーキパッドの交換タイミングを判断することもできます。ブレーキフルードのリザーブタンクには、適切な量を示すハイとローのラインが設けられており、その間に液面があるのが適切な量です。ブレーキパッドの厚みが減ることにより、リザーブタンク内に見える液面が下がります。
ブレーキフルードの液面がローレベルに近づいている場合は、交換時期の可能性が高いでしょう。しかしこの方法は、ブレーキフルードとブレーキパッドを同時に交換した場合に限られます。途中で補充している場合は、基準が分からなくなるため注意が必要です。
回生ブレーキがあればブレーキパッドは長持ちする?
ハイブリッド車や電気自動車に搭載されているモーターは、回転力を生み出すだけでなく、エンジンブレーキのように制動力を得ることが可能です。これは回生ブレーキと呼ばれ、減速時の運動エネルギーを電気エネルギーとして取り出せます。
回生ブレーキシステムが備わっている自動車は、ブレーキパッドの使用を抑えられるため、摩擦材を消耗しにくい特徴があります。そのため、ブレーキパッドが長持ちするのです。
車のブレーキパッド交換は定期的に必要?
ブレーキパッドは消耗部品のため、定期的な交換が必要になる重要パーツです。車を止めたり走らせたりするための制動装置という性質上、ブレーキ関連の部品は「重要保安部品」に指定されています。
ブレーキパッドに不具合があると、大きな事故につながる恐れがあり大変危険です。車を安全に使用するためにも、不具合が生じた場合の危険性や交換の重要性について理解しておきましょう。
定期的に交換する必要がある
ブレーキパッドは消耗品であるため、定期的な交換が必要です。タイヤの回転運動に連動するディスクローターを挟み込み摩擦力を発生させるため、徐々にブレーキパッドがすり減ります。
制動を重ねる度にブレーキパッドの消耗は進みますが、車の使用方法によって消耗ペースは一定ではありません。例えば、よく街中を走行する場合は信号や一時停止が多く、走ったり止まったりの繰り返しです。
ブレーキを多用することになり、消耗も早いといえます。反対に、よく高速道路を走行することが多い車は、消耗ペースが緩やかです。街中と違いブレーキを使用する場面があまりないため、ブレーキの使用回数が比較的少なく済みます。
不具合があると車が停車できなくなる可能性がある
ブレーキパッドに不具合が出ると、摩擦抵抗による制動力に影響を与えます。不具合の程度にもよりますが、ブレーキが利きにくくなったり、最悪の場合はブレーキが一切利かなくなってしまったりする可能性も否定できません。
ブレーキパッドの不具合により、事故につながる恐れがあるため、良好な状態を保つようにしましょう。
ブレーキパッド以外にも交換が必要な部品がある
交換が必要なのはブレーキパッドだけではありません。ブレーキパッドほどではありませんが、制動時にブレーキパッドと接するディスクローターも、少しずつ削られてすり減っていきます。
また、ディスクローターは外気にさらされていることから、風雨によってさびが発生することでも劣化していくため交換が必要です。
他にも、ブレーキペダルからブレーキパッドへと力を伝える「ブレーキフルード」という液体があります。吸湿しやすい性質を持つことから、空気中の水分を徐々に吸うことでも劣化が進行し、ベーパーロック現象を引き起こすリスクが高まるため交換が必要です。
車のブレーキパッド交換費用の目安
ブレーキパッドは、車の基本動作「止まる」を担う重要な部品です。それほど短期間で消耗する部品ではないため、交換が必要になった際にどの程度の費用がかかるのか知りたい方もいるでしょう。ここでは、軽自動車と普通車に分けて交換料金を解説します。
軽自動車の交換料金
軽自動車のブレーキバッド交換をお店に依頼する場合、部品代がフロントとリアでそれぞれ約7,000円かかります。また、交換工賃もフロントとリアで約6,000円が目安です。しかし、工賃が高いお店であればフロントやリアだけで1万円かかるケースもあります。
部品代と工賃を合わせると、軽自動車1台のブレーキパッドを交換費用は、約2万6,000円~3万4,000円と考えられるでしょう。
ただし、軽自動車の場合は前後でブレーキの種類が異なる場合があります。ディスクブレーキがフロントにしか採用されていない場合、リアにはブレーキパッドが存在しないケースも少なくありません。
リアには「ドラムブレーキ」が採用されるケースも多く、ブレーキパッドの代わりに「ブレーキシュー」という部品を使用しています。このブレーキシューの部品代は約2,000円~1万円、工賃は4,000円ほどが目安です。
普通車の交換料金
普通車のブレーキバッド交換をお店に依頼する場合、部品代がフロントとリアでそれぞれ約8,000円かかります。また、交換工賃は軽自動車と変わらずフロントとリアで約6,000円、工賃が高いお店であればフロントやリアだけで1万円程度が目安です。
軽自動車の場合は、排気量や車両の大きさに制限が設けられているため、製品ごとのブレーキパッドの性能差は大きくありません。
しかし、普通車の場合はさまざまなボディタイプが存在するため、ブレーキパッドに求められる性能も異なります。高性能な製品ほど部品代が高価になることに留意しておきましょう。
車のブレーキパッドの交換方法は?
車のブレーキパッド交換は、安全に車を運転するために重要なメンテナンスです。しかし、頻度の高いメンテナンスではないため、どこで交換を行ってくれるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこでここからは、ブレーキパッド交換に対応した業者や、所要時間について解説します。
国の認証を受けた工場を見つける
ブレーキパッドの交換は制動装置の分解となるため、国の認証を受けた整備工場に依頼する必要があります。
国の認証を受けた整備工場などには、運輸局長から認証や指定を受けた際に発行される「自動車分解整備事業」「指定自動車整備事業」の標識が提示されています。認証工場は黄色の標識で、指定工場は青色の標識が目印です。
カー用品店やディーラーはもちろんですが、ほとんどの整備工場は認証・指定を受けています。ただ、規模が小さいショップや個人経営の整備工場の場合、認証を受けていないケースもあるので注意しましょう。
過去に交換作業を受けている場合は、点検整備記録簿や分解整備記録簿で認証整備工場名と認証番号を確認できます。
安心できる業者に依頼する
ブレーキパッドの交換を業者に依頼する場合、国からの認証を受けているかどうかも重要ですが、信頼のおけるお店かどうかもチェックすることが大切です。
例えば、古くから創業している業者や、口コミやレビューなどの評価が高い工場だと、比較的安心して依頼できるでしょう。
ブレーキパッドの交換後の保証やブレーキ鳴きが発生した場合の対応など、アフターサービスについても事前に確認しておくことをおすすめします。
所要時間を把握して予約をしよう
ブレーキパッド交換の所要時間は、パッドのみの交換で30分~40分前後、パッドとブレーキフルードを同時に交換するなら1時間前後が目安です。
車を預けずに済む作業時間ですが、混雑状況などにより待ち時間も考慮する必要があります。スケジュールに余裕がない方は、所要時間を把握して予約しておくと安心です。
車のブレーキパッド交換はセルフでもできる?
簡単な作業であれば自分で行いたいという方も「バッテリーやエンジンオイルの交換はできるものの、ブレーキパッドの交換は難しそう……」と断念した方もいるでしょう。
ブレーキ部品は重要保安部品に指定されており、一見作業も複雑で難しそうに見えますが、実はセルフでも交換できます。ここでは、ブレーキパッド交換の基本的な流れや注意点などを詳しく解説していきます。
知識と技術があれば交換できる
ブレーキパッドは、知識と技術さえ身に付ければ自分自身で交換可能な部品です。まずは基本的な流れと注意点について解説します。
車をジャッキアップしタイヤを外すと、ブレーキを分解できます。次にブレーキキャリパーを固定しているボルトを外しましょう。ブレーキキャリパーをずらすか取り外すことで、ブレーキパッドの取り換えが可能です。
ブレーキキャリパーを組み付けるためには、ピストンを内部に押し戻す必要があります。注意したいのは、全てのキャリパーを組んだ後にブレーキペダルを踏み込む必要がある点です。
キャリパー内のピストンをしっかり出さないと、作業後にブレーキが利かず、事故につながってしまいます。キャリパーのボルトやホイールのナットを締め忘れていないか、チェックすることも重要です。
また、交換したパッドが正しく装着されているか忘れずにテスト走行をしましょう。低速で走行してブレーキをかけてみて制動力に問題ないか、効き具合に違和感がないかが確認のポイントです。
自分の車以外はNG
セルフでもできるブレーキパッド交換ですが、いくつか注意しなければならないポイントがあります。その中で最も重要なのが、ブレーキパッド交換は使用者本人もしくは委託を受けた認証工場や指定工場の整備士しか行うことができないというルールです。
自身の愛車であれば問題ありませんが、家族の車などはできません。この場合はその車を使用している家族が行うか、整備工場に持って行き整備士に委託してブレーキパッド交換をしてもらいます。
車のブレーキパッドのセルフ交換に必要なもの
ブレーキパッドを交換するためには、工具などのアイテムをそろえる必要があります。以下を参考にしてみてください。
・作業用ブローブ
・ブレーキグリス
・ブレーキパーツクリーナー
・フロアジャッキ
・リジッドラック
・十字レンチ
・トルクレンチ
・メガネレンチ
・ブレーキキャリパーツール
けがを防止するためにも作業用のグローブを用意しましょう。ブレーキグリスは、ブレーキパッドの摺動部などに塗布すると、ブレーキ鳴きを抑えられます。
ただし、摩擦材に付着しないよう注意しましょう。ブレーキパーツクリーナーは古いグリスなど、汚れを取り除くのに便利です。
フロアジャッキやリジッドラックは、ジャッキアップで使用します。緊急用のパンタグラフジャッキは安定性が悪いので、ブレーキの交換作業には向きません。十字レンチやトルクレンチは、ホイールの脱着で使用します。
メガネレンチは、ブレーキキャリパーのボルトのサイズに合ったものを購入しましょう。ブレーキキャリパーツールは、キャリパーのピストンを押し戻す際に使用します。
車のブレーキパッドをセルフ交換する方法
ブレーキパッドをセルフで交換する方法を紹介します。車をジャッキで持ち上げたりタイヤやホイールといった重いものも動かしたりするため、十分なスペースを確保し、安全に十分注意しながら作業をしましょう。
1.車をジャッキで持ち上げ、ホイールとタイヤを外す
2.ブレーキキャリパー裏側のボルトを外してブレーキキャリパーを開く
3.ブレーキパッドを外す
4.ブレーキキャリパーのピストンを押し込んで元の位置に戻す
5.ディスクローターをクリーニングする
6.やすりを使って面取りを行う
7.古いブレーキパッドに付いていた金属板を新しいブレーキパッドに取り付ける
8.グリスを塗り、逆の手順で組み付ける
9.エンジンをかけずにブレーキペダルを30回ほど踏む
車のブレーキパッド交換にかかる費用を節約するポイント
ブレーキパッドの交換費用は、一般的なオイル交換などの費用と比べて高価な傾向にあります。
そのため、少しでも交換費用を節約する方法がないか、気になっている方も多いのではないでしょうか。ここでは、ブレーキパッドの交換費用を節約する2つのポイントを詳しく解説します。
車検や法定点検のタイミングに合わせる
リフトアップやタイヤの脱着は車検時に必要な作業です。これらのタイミングでブレーキパッドの交換を同時に行えば、工賃が安く済む可能性があります。
ブレーキパッドは、リフトアップしてタイヤを外さなければ交換できません。車検や点検、タイヤ交換などのタイミングでブレーキパッドを交換すれば、工賃が無料になったり安くなったりすることもあるのです。
また、4カ所を同時に交換すると工賃が割安になるケースもあります。
価格が安い社外品の利用ができるお店を選ぶ
純正品を使用するディーラーよりも、社外品で交換することが多い整備工場やカー用品店などのほうが費用を抑えられる可能性があります。また、工賃も控えめです。
純正品は社外品よりも値段が高いのが一般的です。ディーラーでは純正部品を使用するので、費用は高くなります。整備工場やカー用品店では、純正部品に劣らない性能を持つ社外品を比較的安価に購入可能です。
車のブレーキパッド交換をする際の注意点
ここでは、ブレーキパッドの交換を依頼する場合に、押さえておきたいポイントを3つ解説します。
ブレーキパッドはさまざまな種類が販売されていますが、価格や品質が異なるため選び方に注意が必要です。また、ブレーキパッド以外のパーツに関しても、交換や整備を必要とするケースがあります。
安価な社外品は問題が起こる場合もある
認証を受けた整備工場を持つ業者は、基本的に信頼性の高いメーカーの部品を使用します。ただし、パーツを持ち込んで交換を依頼するケースもあるでしょう。
ブレーキパッドはオンラインショップなどで簡単に購入できますが、価格が相場よりも安い場合は品質に注意が必要です。
安価なブレーキパッドは、ブレーキの効きが弱かったりブレーキ鳴きが発生しやすかったりと、不具合につながる可能性があります。製造時の精度が悪い場合は、異音の原因になるかもしれません。
整備がきちんと行われているか確認する
ブレーキパッドの交換では、ブレーキの作動に関わるポイントをチェックすることが大切です。例えばキャリパーのブーツが破れていないかどうかや、スライドピンの動き具合などが挙げられます。
キャリパーのブーツが破れていると、さびや異物により不具合を引き起こす可能性が高まるでしょう。
またスライドピンが固着していたり、動きが悪かったりすると、ブレーキパッドの偏摩耗につながります。このように、ブレーキパッド以外の部分もしっかりと整備することが重要です。
ブレーキローターも交換が必要になる可能性がある
ディスクブレーキでは、2つのブレーキパッドがブレーキローターを挟み込むことで制動力を発揮します。ブレーキパッドだけでなくブレーキローターも徐々に摩耗が進むため、限度値を超えたら同時交換するのが基本です。
また、ブレーキローターの当たり面がさびていたり偏摩耗していたりといった状態であれば、研磨もしくは交換することで新しいブレーキパッドの消耗を抑えられます。
このように、ブレーキパッドとブレーキローターはセットで交換するケースがあることを押さえておきましょう。
車のブレーキフルードのメンテンナンスにも気を配ろう!
駐車時に使用するパーキングブレーキでは使用されていませんが、走行中に操作するフットブレーキではブレーキフルードが使用されています。ここでは、ブレーキフルード交換の必要性や交換のタイミングなどについて解説します。
ブレーキフルードも交換が必要
車検や12か月点検などで、ブレーキフルードの交換を勧められた方もいるでしょう。フットブレーキを踏み込んだ際の力を、各輪のブレーキに伝えるのがブレーキフルードの役割です。
吸湿性がある特殊な液体であり、劣化が進むとベーパーロック現象を引き起こすリスクが高まるため、定期的な交換が推奨されています。交換時にエアが混入するとブレーキが利かなくなるため、プロに依頼することをおすすめします。
ブレーキフルードの交換タイミング
ブレーキフルードの交換は、基本的に1年もしくは2年に1回など、時期で決めるとよいでしょう。ただし、ブレーキフルードの液量は、日常点検でチェックしておきた項目です。
ブレーキパッドの消耗を判断するための参考になる他、目減りしている場合は液漏れに気付けます。また、ブレーキフルードの交換時期を色で判断するのもひとつの方法です。
新油は基本的に若干黄色みのある透明な状態ですが、徐々に濃い黄色となり、場合によっては黒くなることがあります。変色が気になる場合は、整備工場などの業者で相談してみましょう。
ブレーキフルードの交換にかかる費用の目安
ブレーキフルードの交換を依頼した場合、3,000円~1万円程度の費用がかかるでしょう。ブレーキフルード交換では基本的に、リザーバータンクから新油を供給し、各ブレーキから古いオイルを抜き取る方法で作業します。
そのため、使用するブレーキフルードの費用と工賃を支払うのが一般的です。ただし、業者によっては工賃も含めた価格で提示している場合があります。
ブレーキの構造が複雑なハイブリッド車については、ブレーキフルード交換にスキャンツールを使用することがあり、料金を高めに設定しているケースがあります。
不具合が多いなら買い替えも検討!おすすめの人気車種5選
ブレーキパッド以外にも、車にはさまざまな部品が使用されています。ブレーキを含め不具合が多くあり、修理費用の見積もりが高く買い替えを検討している方もいるでしょう。
ここでは、そのような方に向けておすすめの車種を紹介します。ぜひ車選びの参考にしてみてください。
トヨタ ヤリス
ヤリスはトヨタを代表するコンパクトカーです。ガソリン車とハイブリッド車が用意されており、1.0Lと1.5Lのエンジンを設定するなど、多くのグレードから選べます。
スポーティーな外観と小気味よい走りが特徴で、住宅街などの狭い道での取り回しにも優れています。通勤や通学などで走行距離が多い場合は、燃費性能が優れているハイブリッドモデルを検討するとよいでしょう。
(参考:『ヤリス(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
トヨタ カローラ
トヨタのセダンの中で、カローラは歴史のあるモデルです。現行モデルはスポーティーなエクステリアを採用し、幅広い世代において選びやすくなっています。
安定した走行で、普段使いから長距離移動まで快適に過ごせるでしょう。ヤリスと同様にハイブリッド車とガソリン車がラインアップされています。
(参考:『カローラ(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ホンダ ヴェゼル
現在はSUVに人気が集まり、各自動車メーカーが競って新モデルを開発しています。その中でコンパクトSUVに属するのが、ホンダ ヴェゼルです。スタイリッシュなデザインで、力強さを感じさせるエクステリアは強い存在感を放っています。
こちらもハイブリッド車とガソリン車から選択できます。ハイブリッド車については2WDと4WDがありますが、ガソリン車は4WDのみの設定です。
(参考:『ヴェゼル(ホンダ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
日産 ノート
日産ノートは、ヤリスよりもワンサイズ大きめのコンパクトカーです。エクステリアは先進性を感じさせるデザインで、スッキリとした印象を与えます。
ノートはハイブリッドモデル(e-POWER)のみの展開で、特徴的なのはエンジンを発電専用に搭載し、モーターのみで駆動する点です。電気自動車と同様の走行感覚で、力強い加速を味わえるでしょう。
(参考:『ノート(日産)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
日産 セレナ
家族が多い場合は、ミニバンが第一候補となるでしょう。日産の基幹車種といえるセレナは、ミニバンの中でも定評のあるモデルです。広く使い勝手の良い室内空間を強みとしており、全ての乗員が快適に過ごせるよう設計されています。
狭い場所でも荷室にアクセスしやすいデュアルバックドアは、セレナの特徴的な機能のひとつです。また、ガソリンモデルの他に、ノート同様のハイブリッドシステムであるe-POWERモデルがあります。
(参考:『セレナ(日産)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
まとめ
車の基本的な3つの要素である「走る」「曲がる」「止まる」の中で、特に安全性に関わるのが「止まる」です。自動車では基本的に、ブレーキパッドとディスクローターの摩擦力で止まるための力を得ます。
ブレーキパッドは消耗品であり、摩擦材の残量を定期的にチェックすることが大切です。少なくなってきたら積極的に交換しましょう。
ブレーキパッドの交換は比較的簡単なため、DIYでも交換可能です。ただし、手順や注意点を守らないと事故につながるリスクがあるため、少しでも不安を感じる場合はプロに依頼することをおすすめします。
■ライタープロフィール
小波津健吾
高山自動車短期大学を卒業とともに国家2級整備士資格を取得。その後、整備士として実務経験を積み重ね自動車検査員資格を取り、民間工場で検査員として従事した経歴を持つ。現在はメカニックや検査員の知識と経験を活かし、主に車系のメディアで執筆している。
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