コスパに優れたSUVとは?おすすめのモデルも紹介
近年は世界的なSUVブームとなっているため、コンパクトなボディのSUVからスーパーカーを製造する欧州自動車メーカーの高級SUVまで、さまざまなタイプのSUVが販売されています。その中でも、コスパに優れているモデルが多くのユーザーに選ばれる傾向にあるものの、コスパの良い基準は人によって異なります。
本稿では、コスパの良いSUVを「満足度の高さ」「維持費の安さ」「リセールバリューの高さ」と3つの要素に分けて解説し、おすすめの車種を紹介します。
※目次※
・コスパの良いSUVとは「満足度の高さ」「維持費の安さ」「リセールバリューの高さ」という、3つの要素を満たすモデルを指す場合が多い。
・スバル クロストレックは300万円前後の価格設定ながら、走行性能と安全性の高さを両立しているコスパの良いSUV。
・コスパの良いミドルサイズSUVはさまざまな自動車メーカーから販売されているため、それぞれの特徴を理解し自身に合ったモデルを選択しよう。
コスパの良いSUVとは?
コスパの良い車と言われると、「価格が安い割に性能が良い車」と考える方が多いかもしれませんが、コスパが良いと感じる基準は人によって変わります。それは人によって何を重要視しているかが異なるからです。
本記事内に出てくるコスパの良いSUVとは、「満足度の高さ」「維持費の安さ」「リセールバリューの高さ」という、3つの要素に注目して紹介します。
満足度が高い
コスパに優れたSUVの条件ひとつ目は、「満足度の高い」車であることです。車を単純に移動手段のひとつと割り切って考えている人にとっては、車に乗っても違いを感じないと思います。
しかし「あのブランドのあの車種に乗りたい」「かっこいい車で運転が楽しい車に乗りたい」「優雅にゆったり過ごせる車に乗りたい」など、高価ではなくても自分の求めているものを持っている車というのは、所持する満足度が高くコスパの良い車といえるでしょう。
維持費を抑えられる
コスパに優れたSUVの条件2つ目は、「維持費を安く抑えられる」車であることです。車を購入すると自動車税などの税金や保険料、ガソリン代や車検・消耗品などのメンテナンス代というように、さまざまな維持費が発生します。
これらさまざまな維持費を抑えることができる車は、車を所有していることへの負担が少なく、他のことにお金を使えるようになるためコスパが良いといえるでしょう。
リセールバリューが高い
コスパに優れたSUVの条件3つ目は、「リセールバリューが高い」車であることです。買い替えなどで今乗っている車を売却する際、買取金額が高ければ初期費用を抑えられるだけでなく、次に乗る車の選択肢を広げられます。
車の買取価格は、一般的に需要の多い車種や限定車など希少価値のある車ほど、高くなる傾向です。近年SUVタイプの車は世界的にブームとなっているため、全般的に買取条件が良いと言われています。その中でも、人気モデルは高額での買取が期待できるでしょう。
スバル クロストレックはコスパに優れたSUV
コスパに優れたSUVとして、スバル クロストレックが注目を集めています。クロストレックは、2012年に登場したスバルXVの後継モデルとして2022年に発売され、スバル車らしい高い走行性能と安全性能を高次元で両立しました。
ここでは先代モデルであるスバルXVと、クロストレックの生い立ちについて紹介します。
2012年:スバルXVが登場
スバルXVは2012年に登場したクロスオーバータイプのSUVです。2010年に登場した4代目インプレッサ スポーツをベースに、車高を上げてフェンダーや専用デザインのバンパーなどでSUVらしさを強調したデザインを採用しています。
このモデルの原型としては、3代目インプレッサの5ドアハッチバックモデルから派生した車種として「インプレッサXV」がありました。
フロントからリアにかけて黒い樹脂パーツやオーバーフェンダーを装着し、SUVらしさを強調したデザインでしたが、こちらはスタイルのみで車高はベース車のままです。スバルXVにモデルチェンジしたことによって、SUVの要素をより強めて独立した車種となりました。
2017年:スバルXVの新型モデルを発売
スバルXVは、2017年にフルモデルチェンジが行われました。新型スバルXVには、「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」が採用され、オフロードとオンロードどちらでも高い走行性能を持つ、守備範囲の広いSUVとなっています。
パワートレインは、先代モデルにも採用されていた2.0L 水平対向4気筒エンジンと、新たに1.6L 水平対向4気筒エンジンが設定されました。またスバル独自の運転支援システム「アイサイト」や、歩行者エアバッグを全モデルに標準装備し、安全性能も大きく進化しています。
2022年:クロストレックが誕生
スバルXVは2022年のフルモデルチェンジで、車名を北米市場で使用されていた「クロストレック」へ変更させて登場しました。クロストレックの名前は、クロスオーバーとトレッキングを組み合わせた造語が由来となっています。
先代モデルにあった1.6Lがなくなったことで全車e-BOXERになると共に、インプレッサXV以来となるFFモデルがラインアップに追加されました。グレードはベーシックなTouringと上級のLimitedという2つとなります。
コスパで選ぶなら先代モデルもおすすめ
スバル クロストレックの新車販売価格はTouringグレードが266万2,000円からで、Limitedグレードは306万9,000円からとなっており、SUVモデルの中では比較的リーズナブルな価格設定となっています。
しかし、初期費用をより安く抑えたコスパの良いSUVを購入したいと考えている人には、先代モデルであるスバルXVがおすすめです。
フルモデルチェンジが行われた後は、乗り換えなどで先代モデルが中古市場に増え、中古車相場が下がる傾向があります。そのため、2017年以降のアイサイトなどの安全装備が充実しているモデルが狙い目です。
コスパの良いクロストレックの魅力を確かめよう
スバル クロストレックの魅力は、コスパの良さだけではありません。SUVらしさを残しつつ都会にもマッチするデザインやさまざまな路面状況にも対応できるスバル車らしい走行性能の高さ、「新世代アイサイト」の採用による安全性能の向上など、多くの魅力を兼ね備えています。
ここでは、スバル クロストレックの魅力を内外装のデザインと走行性能、パワートレインに分けて見てみましょう。
心地良さを意識したインテリアデザイン
クロストレックのインテリアで最も目を引くのは、運転席と助手席の間に搭載される「11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステム」です。エアコンやラジオの操作だけでなく、スマートフォンと連携することで多彩な機能を活用できます。
また、人体工学に基づいて設計されたインナープルハンドルやフロントシートが採用され、長距離の運転でも疲れを感じにくいような工夫がされた内装です。
力強さやスピード感を与えるエクステリアデザイン
クロストレックのフロント周りに採用されているデザインで印象的なのが、大型のヘキサゴングリルです。厚みを持った外枠と筋交いのようなメッシュ形状になっており、立体的で力強いフロントフェイスとなっています。
サイドビューでの注目ポイントは、前後のフェンダーに装着された樹脂パーツです。横から見たときに上部の後ろ側に向けて切り上がった前傾形状とすることで、車全体が前傾姿勢に見え、機敏な走りをイメージさせます。
リアビューはフェンダーの張り出しを強調することで、4輪が大地に踏ん張るような、安定感を表現したシルエットとなっているのが特徴です。
さまざまなシーンに対応した走行性能
クロストレックは車の基本パーツを左右対称に配置されており、低重心と優れた重量バランスを実現する「シンメトリカルAWD」や横滑りが起きた際に車の動きを安定させる「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)&アクティブ・トルク・ベクタリング」の採用により、滑りやすい路面状況にも対応できます。
また進化したスバルグローバルプラットフォーム(SGP)と、フルインナーフレーム構造の採用により、ボディ全体の剛性アップしオンロードでの走行性能も向上しました。
鋭い加速が特徴のパワートレイン
クロストレックのパワートレインには、直噴化された2.0L 水平対向4気筒エンジンにモーターを組み合わせた「e-BOXER」が搭載されています。スバルが磨き続けてきた水平対向エンジンは軽量かつ低重心なパワーユニットで、振動が少なく滑らかなエンジンフィールが魅力です。
e-BOXERは「マイルドハイブリッド」と呼ばれるシステムで、燃費性能の向上はわずかとなっています。スバルがマイルドハイブリッドを採用した理由は、燃費よりもスバル車らしい走行性能を優先したからです。
コスパに優れたSUVを選ぶ6つのポイント
SUVのコスパを評価する上で、乗り降りや運転のしやすさなど使い勝手の良しあしは重要なポイントになるでしょう。さらに、車内の快適性に加えて、燃費も無視できない要素です。
また、走行性能も重要なポイントといえます。SUVはアウトドアのレジャーなどに使われることも高いため、舗装されていない道を走るオフロード走行に強いことも重要です。ここでは、SUVを選ぶ際に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
用途に合ったサイズ
SUVといってもサイズや用途によってタイプはさまざまです。軽自動車サイズから街中では持て余してしまうほどのサイズもあり、本格的なオフロード走行が希望なのか、オフロードには行かずに街中でのドライブが中心なのかでも求める内容は変わります。
悪路走破性を重視すれば乗り心地はある程度考慮しない必要もあるでしょう。また、軽サイズのSUVと大型サイズのSUVでは、車体の全長が2m近くも異なります。駐車場に入るかという点にもかかわってくるので、目的に合ったサイズを選ぶことが大切です。
車内の居住性
キャビンの快適性は、車を評価する上で欠かせない要素です。いくら走行性能が優れていても、乗り心地が悪かったり居住性に問題があったりすると、魅力が衰えてしまいます。
オフロード走行などで悪路を運転することもあるため、SUVは特に快適性が求められるタイプです。サスペンションに問題があると、長時間の悪路走行に耐えられません。運転席だけではなく、助手席や後部座席の居住性も確認する必要があります。
パワートレイン
燃費やエコ性能も大切なポイントです。燃費の良い車と悪い車では、何年間も車を乗り続けた時に燃料代に大きな差が生じます。見た目のかっこ良さだけで車を選ぶと後悔しかねません。
ハイブリッドシステムが備わっていれば、燃費の良さが期待できます。ガソリンエンジンかディーゼルエンジンかでも、燃費は異なるため注意が必要です。
運転時の操作性
運転のしやすさも十分確認しましょう。悪路を走る可能性の高いSUVにとって操作性は重要なチェックポイントです。運転席からの視界や、ミラーの見え方に問題はないかなども確かめましょう。
坂道などを走る際に、必要なギアチェンジがスムーズにできるかも重要なポイントです。街乗りの際、どれほど小回りが利くか、バックでの駐車が問題なくできるかなども確認しましょう。
目的に合わせた収納スペース
SUVは収納力に優れていることが特徴です。ファミリー向けには3列シートのSUVも展開され、後部座席を倒すと収納スペースが増えます。
家族構成や車を使う用途を踏まえて、収納力がどれほど必要かを考えると良いでしょう。ゴルフや釣り・スキーなどをする方は、必要な道具が収納するスペースがあるか確認が必要です。収納容量だけでなく、ラゲッジスペースの開口部の大きさも忘れずにチェックすることをおすすめします。
オフロード走行における機能と装備
レジャーやアウトドアにどれほど向いているかも重要ポイントです。遠出する際の燃費や走行性能、車内の快適さなど総合的にチェックする必要があります。
・オフロードを乗りこなす足回りの装備やパフォーマンス
・悪路でも衝撃を感じない乗り心地
・天候に合わせてシフトできる操作性
・車内泊もできる空間スペース
・汚れた荷物やぬれた荷物も載せられる素材
レジャーやアウトドアの適性を見るためには、2WDと4WDの切り替えや急勾配でのアシスト機能があるかどうかもポイントです。
コスパの良いミドルサイズSUV5選
クロストレックはコスパに優れたSUVですが、ここ数年は世界的なSUVブームもあり、同クラス帯のSUVはさまざまな自動車メーカーから販売されています。メーカーや車種によって特徴は千差万別なので、それぞれの特徴を理解し、自身に合ったモデルを見つけましょう。
マツダ CX-5
マツダ CX-5は、同社が販売していた新世代商品群のSUVとして2012年に登場しました。CX-5のエクステリアデザインには、躍動感あふれる造形の「魂動デザイン」が取り入れられて、美しいスタイルのSUVです。
パワーユニットはガソリンモデルだけでなく、燃費性能と環境性能の向上を追求したクリーンディーゼルエンジン搭載モデルもラインアップされています。
CX-5の新車価格はガソリンモデルが290万9,500円からで、ディーゼルモデルは322万8,500円からラインアップし、中古車販売価格は約50万円~約370万円です。(2024年6月時点の情報です)
(参考:『CX-5(マツダ)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
日産 エクストレイル
エクストレイルは、2022年に約9年ぶりとなるフルモデルチェンジが行われました。新型エクストレイルは、SUVらしい力強さと上質さを兼ね備えた新しいSUVとなっています。パワートレインは、日産独自のシリーズ方式と呼ばれるハイブリッドシステム「e-POWER」が搭載され、高い燃費性能と電気自動車のような加速性能です。
エクストレイルの新車価格は360万1,400円から、中古車販売価格は約40万円~約490万円となっています。(2024年6月時点の情報です)
(参考:『エクストレイル(日産)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
トヨタ RAV4
RAV4は、トヨタのクロスオーバーSUVとして長年にわたり愛されている車で、現行モデルは2018年に登場し、5代目となるモデルになります。トヨタ RAV4最大の特徴は、路面状況に応じた4WD性能を引き出す「マルチテレインセレクト」を搭載している点です。路面状況に適したモードを選択することで、安定性や走破性が向上します。
またプラットフォームには、トヨタの次世代プラットフォーム「TNGA」を採用したことで、低重心化や無駄な揺れが低減されオンロードでの走行性能も向上しました。
RAV4の新車価格は293万8,000円から、中古車販売価格は約78万円~約478万円となっています。(2024年6月時点の情報です)
(参考:『RAV4(トヨタ)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
トヨタ ハリアー
高級クロスオーバーSUVという新たなジャンルの先駆的モデルとなった車がトヨタ ハリアーです。現行型で4代目となるハリアーは、流麗なクーペフォルムによるSUVの枠を超える洗練されたエクステリアと、大人の感性を刺激する書斎のようなインテリアで人気を集めています。
パワートレインはガソリンエンジンとハイブリッド、プラグインハイブリッドがラインアップされました。ハリアーの新車価格は312万8,000円から、 中古車販売価格は約83万円~約500万円となっています。(2024年6月時点の情報です)
(参考:『ハリアー(トヨタ)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
ホンダ CR-V
ホンダ CR-Vは、2016年に4代目の販売終了と共に国内から一度撤退しました。しかし近年のSUVブームにより2018年に復活を果たしています。新型となる5代目モデルには、ハイブリッドシステムを搭載したモデルや3列シート仕様の7人乗りモデルが追加されました。
CR-Vに搭載されているハイブリッドシステムは「e:HEV」と呼ばれ、エンジンは発電のためだけに使用され、駆動は全てモーターとなります。リアルタイム4WDとの組み合わせで、さまざまな路面で高い走行性能を発揮するのが特徴です。
CR-Vは2022年に生産が終了となっているため、購入する場合は中古車になります。中古車販売価格は約53万円~約100万円です。(2024年6月時点の情報です)
(参考:『CR-V(ホンダ)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
まとめ
コスパの良さとは単に車両価格が安いというだけでなく、所有していることへの満足度の高さや維持費の安さ、リセールバリューの高さなどで決まります。世界的にSUV車種の人気が高まっていることもあり、さまざまな自動車メーカーから多彩なモデルが販売されました。
その中でもスバル クロストレックは、スバルが磨き上げてきた「シンメトリカルAWD」による走行性能や新世代アイサイトの搭載で安全性の高さを持つため、コスパに優れ人気を集めています。SUVの購入を検討しているなら、一度は確認してみましょう。
▼ライタープロフィール
真鍋裕行
出版社勤務を経て2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立し、自動車雑誌、ウェブサイトなどに原稿を寄稿。編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで幅広くリポート。業務拡張につき2011年に会社を設立。自動車ジャーナリストとしての自動車メディアへの寄稿は続けつつ、メディアコンテンツの製作(雑誌、Web、アプリetc)に取り組んでいる。メディアコンテンツの製作ではオーナーや協力者のコミュニティを作ることを考えるなど、単純な製作で終わらないことを心掛ける。また、近年ではレースチームのディレクターや PRも積極的に携わる。
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