車両売却の仕訳方法は?法人・個人事業者別の勘定科目をご紹介
使用した営業車はいつか手放さなければならず、手放す際には少しでも利益を出すために買取を選択することが多いのではないでしょうか。
車両を売却すれば損益が出ます。法人や個人事業主であれば、その損益は帳簿できちんと「仕訳」をすることが必要です。仕訳は個人事業主と法人とで勘定科目が異なります。消費税込みで計算するか抜きでするかにも違いがあるのもポイントです。複雑に思える仕訳ですが、知識があれば混乱を防ぐことにつながるでしょう。それらの会計処理を、本項では紹介します。
※目次※
・個人事業主名義でも法人名義でも車は「車両運搬具」という「資産」になる
・個人事業主の仕訳は「事業主借」「事業主貸」、法人の場合は「固定資産売却益」「固定資産売却損」
・個人事業主でも法人でも売却の際は、さまざまな買取業者から選択することができる
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車両売却の仕訳をしよう
車の購入・登録は、個人名義か法人名義かを選べます。そして購入した車は「資産」として扱われるのが通常です。売却もそれぞれの名義で行いますが、売却の会計処理が個人事業主と法人で異なることを覚えておきましょう。
「資産」とはいってもたくさんの分類がありますが、車は「車両運搬具」に該当します。売却した際の仕訳の違いも合わせて見て行きましょう。
車は資産に該当する
会計上では、車は「資産」に該当します。「経費」ではありませんので注意が必要です。
車は「車両運搬具」という資産に該当し減価償却の対象となります。ちなみに購入時に支払った「リサイクル預託金」は「預託金」という資産で計上し、預託金は減価償却の対象ではありませんので、分けて計算をすることが必要です。
そのため、車の帳簿上の価格は毎年減少します。「車両の売却額-売却時の帳簿価格」という計算で残るのが最終的な利益です。
事業用の車両売却時の仕訳は個人事業主と法人で異なる
個人事業主と法人とでは車の売却をした際の仕訳が異なります。個人事業主が売却した場合は「事業主借」「事業主貸」としての計上です。売却で利益が出た場合は「借」、損をした場合は「貸」となります。ちなみに「事業主借/貸」は「事業主から借りたお金かその逆か」という考え方です。
法人が車を売却した場合は「固定資産売却益」「固定資産売却損」として計上し、売却額が車両の帳簿価額より高い場合は「固定資産売却益」、低い場合は「固定資産売却損」として計上します。
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車両売却時の仕訳の考え方【個人事業主の場合】
個人事業主が車を売却した際の勘定科目は「事業主借」「事業主貸」となります。そして金額の算出方法は「直説法」と「間接法」があります。言葉だと難しく感じるのですが、計算する項目はそれほど多いわけではありません。
自身のやりやすい方法を選ぶことも可能です。いったいどのような流れとなるのか見て行きましょう。
使用する勘定科目は事業主借と事業主貸
個人事業主が自己所有の車を売却した場合の勘定科目は「事業主借」「事業主貸」として仕訳をします。売却により利益(売却益)が出ても損(売却損)が出ても、事業所得や不動産所得とはなりません。
「事業主借」とは、売却で利益が出た場合に使用する勘定項目となります。「事業主貸」とはその逆で、売却価格で損が出た場合の勘定項目です。
いずれも減価償却や手数料を含めての計算となりますが、会計ソフトを使用すればその計算を自動で行える場合があるので活用しましょう。
算出方法は直接法と関接法がある
車を売却する個人事業主が消費税を納税しているか、していないか、そして納税している場合は簡易課税によるか原則課税によるかで算出が違います。
「直説法(消費税込み)」の場合、借方での計算方法は、現預金(売却で手に入った金額)+現預金(リサイクル預託金)です。貸方での計算方法は、車両運搬具(手放した時点での資産価値)+リサイクル預託金+固定資産売却益(手放した際の利益)で計算します。
「間接法(消費税込み)」の場合、借方での計算方法は、現預金(売却で手に入った価格)+現預金(リサイクル預託金)+減価償却累計額(売却までに償却された価値)です。貸方での計算方法は、車両運搬具(購入時の資産価値)+リサイクル預託金+固定資産売却益(手放した際の利益)で計算します。
いずれの方法でも、最終的な金額や経費に差が出るわけではありませんので、自身がやりやすい方法を選ぶと良いでしょう。
> 個人で車を売却した際の仕訳について関連する記事はこちら!
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車両売却時の仕訳の考え方【法人の場合】
法人名義の車を売却する際は、勘定項目は「固定資産売却益」と「固定資産売却損」となります。また、算出方法は個人事業主の場合とは異なり「消費税抜き処理」が一般的な方法です。消費税を別に計上する必要があるのですが、複雑な手順ではないといえます。車の売却方法も合わせて見て行きましょう。
使用する勘定科目は固定資産売却益と固定資産売却損
法人が車を売却した場合、勘定科目は「固定資産売却益」と「固定資産売却損」です。
車を売却した価格が売却時の帳簿価格(残存価格)よりも上回る場合は「固定資産売却益」として貸方に計上し、帳簿価格よりも下回る場合は「固定資産売却損」として借方に計上します。
ちなみに車の売却方法は個人事業主も法人も同じと考えて良いでしょう。売却方法については後で詳しく紹介します。
算出方法は消費税抜き処理が一般的
個人事業主が車を売却する際の算出方法は、消費税込みでも税抜きでも自由に選べます。しかし法人の場合は、税抜き処理が一般的のようです。
「直説法」か「間接法」かを選ぶことができ、基本的には個人事業主の場合と計上項目は同じです。しかし「貸方」として計上する場合、直説法にせよ間接法にせよ「仮受消費税」(手放した際の金額の消費税分)の加え忘れに注意しましょう。
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車両の売却は事業用も家庭用も同じ方法で行える
個人事業主でも法人でも、車の売却は一般的な業者やディーラーを利用可能です。法人が車を売る際は、個人と違って用意するものがあります。また個人にしろ法人にしろ売却額は高くなるに越したことはないでしょう。
査定額アップにつながるコツもあるので、少しでも高値で売るために心がけたいポイントを紹介します。
中古車買取サービスが利用できる
車を売却する際は、個人事業主だろうと法人だろうと、同様の方法を用いられます。街の買取業者を利用することが可能です。もちろん、事業規模に関わらず高く買取してくれる業者を選んでも良いですし、付き合いのディーラーにお願いする方法をとっても問題ないでしょう。
ただ、法人名義の車の場合は、法人実印と法人の印鑑証明が必要になるので注意が必要です。ちなみに事業用車両は家庭用のそれとは違い走行距離が伸びがちで痛みもひどくなる場合があります。しかしそのような車を専門として買取する業者もありますので、心配をする必要はあまりないでしょう。
査定時に買取価格が高まるポイントも押さえておこう
車を売却するなら高いほうが良いでしょう。車自体の価値や保存状態に関わらず高値で売却できる可能性のあるコツがあります。まずは買いたたかれないためにも、前もって売却の相場を押さえておきましょう。
時期によっても売却額が左右されます。人の出入りや決算期などの影響を受けやすい1月~3月・9月頃が狙い目と考えておくと良いでしょう。車の需要が高まることや買取業者の決算期が重なることが理由にあるようで、逆に12月は需要が下がる傾向です。
さらに、洗車や車内の清掃・消臭を行うだけでも、査定額アップにつながるでしょう。
> 車を正しく売却する方法についてさらに知りたい方はこちら!
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まとめ
車は「資産」に該当します。会計処理で減価償却ができ、償却額により売却の損益に違いも出てくるのが特徴です。そして車両の売却は個人でも法人でもできますが、会計処理の方法に違いがあるので、初めて売却するという方は事前に確認しておきましょう。
税抜きで計算するか税別で計算するかの慣習の違いもあります。法人は税別処理が一般的ですが、個人はやりやすい方法を選択可能です。
さらに車の売却額は、高いに越したことはないでしょう。少しのコツで査定額をアップできる可能性があります。査定額がアップできれば損がなくなり利益につなげることもできます。これらのポイントを知っておけば、営業車は最後の最後まで得につなげられるでしょう。
▼ライタープロフィール
北野晶夫
オートバイ雑誌と自動車WEB媒体の編集部員を経験後に独立し、フリーの記者・編集者となり現在に至る。
新車取材の他チューニングカーやレースの取材なども行う。写真撮影も行い、撮影・執筆・編集と一連の制作を担当することが多い。読者のカーライフを応援できる記事づくりがモットー。
よくある質問
Q.車を売却した場合の勘定科目は?
A.車を売却した際の会計処理は、事業形態によって仕訳が異なります。個人事業主の場合、売却益は「事業主借」、売却損は「事業主貸」です。 一方、法人は売却額と帳簿価額の差によって異なります。売却額が帳簿価額を上回る場合は「固定資産売却益」、下回る場合は「固定資産売却損」です。いずれの場合も、適切な勘定科目を用いて損益を正確に反映させる必要があります。
Q.車を売ったお金は所得になるの?
A.車の売却益に関する課税は、特別控除制度があるため50万円までの利益は非課税です。50万円を超える利益が出た場合は、その超過分が所得として扱われ、給与所得などと合算されて総合課税として扱われます。 適用される税率は、合計所得額に応じて決定します。そのため、車の売却益だけでなく、他の収入も含めた年間の総所得によって納める税金が変わることを覚えておきましょう。
Q.減価償却が終わった車を売却してもいいですか?
A.減価償却期間中の車両であっても、法律上の制限なく売却が可能です。事業用車両として減価償却を行っている最中でも、経営判断や事業計画の変更により売却を決断できます。 ただし、売却した場合は譲渡所得として課税対象となるため、税務上の処理には注意が必要です。税金の計算方法については、総合課税と分離課税のいずれかを選択できます。
Q.車両売却益は不課税ですか?
A.車両の売却益に関する課税は、用途によって取り扱いが異なるでしょう。通勤や買い物など、日常生活で使用する車の売却益は非課税となり、利益の額に関わらず確定申告は不要です。 一方、事業用車両の場合は課税対象となりますが、売却で損失が発生した場合には事業所得と損益通算できます。売却益が発生しない場合は、用途に関係なく確定申告は不要です。
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