親名義の車を名義変更するポイントは?売却するなら状況に合わせて判断しよう
自分の名義ではない車を売却する際には、通常とは異なる手続きや書類が必要です。それは親名義の車両でも同様といえます。親が高齢になっていくと車に乗らなくなったり、免許を返納したりといった理由で売却するケースも想定されるでしょう。
本記事では、親が健在なときや売却に同席できないときなど、いくつかのパターンに分けて、手続きの方法を解説します。必要な書類や手続き方法を理解すれば、親名義の車両でも売却可能なため、事前に確認しておきましょう。
※目次※
・親名義の車を売却する際には、名義変更の手続きが必要なケースもある。
・親が健在の場合の売却方法は簡単だが、認知症や他界してしまうと手続きが複雑になる。
・親名義の車を売却することが難しい場合は、廃車にすることも視野に入れよう。
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親の車を売る場合は名義変更が必要?
親名義の車を売却したい場合は、一度名義変更してから売却する方法が一般的です。ただ、状況によっては名義変更をしなくとも売却できます。
車を所持していた親が他界している場合は、車を相続してから売却することになりますが、相続人が複数となれば売却する際に対処法を検討する必要があるでしょう。ここでは、それらの売却方法や対処法などについて解説します。
名義変更は必要な手続き
親名義の車を売るときに本人が同席できるのであれば、厄介な手続きは必要ありません。通常の売買契約と同様です。ただし、同席できないときには、自身の名義に変更してから売却することも手段のひとつになるでしょう。
名義変更というのは略称で、正式な名称は「移転登録」と呼ばれています。新規登録や所有者の変更があった際、また譲り受けたときから15日以内に名義を変えなければいけません。
これは道路運送車両法で定められています。所有者が変わったときに、移転登録を届け出さないと罰金が科されることもあるため、注意が必要です。
親名義のまま売却できるケースもある
親名義になっている車でも売却は可能です。売却する場合は3つのパターンに分類されます。1つ目は、親が売却に同席できるパターンです。
この場合は必要書類が少ないため、最もスムーズに取引が行えます。同席した親から売却の意思表示が確認できれば、後は親がいなくても手続きを進められます。
2つ目は親が同席できないパターンです。この場合は親が売却する意思表示をしていることを証明する書類を別途用意する必要があります。
3つ目は親が認知症になっている、既に亡くなってしまっているなど親が意思表示できないパターンです。認知症になっている場合は成年後見人を立てる必要があり、親が既に亡くなってしまっている場合は相続してからでないと売却できません。
ローン返済中の車は名義変更できない
親名義の車をローンで購入しているときには、売買するのに手間がかかります。ローンを組んでいる金融機関によって状況は異なりますが、車検証に記載されている所有者が親以外の名義のときには所有権を解除する必要があります。
所有権を解除するにはローンを完済しなければいけません。そのためには、まとまった現金を用意する必要があります。新たなローンを組むことで、所有権を解除する方法も有効です。いずれにしても所有権が設定されている場合は、すぐに名義変更できません。
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親の車を売る際に名義変更をするときは保険も意識しよう
親名義の車には、期限切れでもない限り、自賠責保険ならびに(入っていれば)任意保険がかけられていることが多いでしょう。
これらの保険も、親名義の車の名義を変更する際には同時に対応する必要が出てくることがほとんどで、どのような保険がかけられているかも確認しておくことが肝要です。ここでは、親名義の車に関する保険について解説します。
同居家族なら保険の等級が引き継げる
任意保険は、同居の家族であれば等級が引き継げます。家族の範囲は、6親等までなので、孫やいとこまで対象です。これが、効果的に作用するシーンとしては、子どもや孫などの若い家族に等級を引き継ぐというものが挙げられます。
年齢が若いと事故のリスクが高まるため、等級が低く設定されており保険料も高くなりがちです。等級の高い家族の保険を引き継げば、年齢に関係なく等級の高い状態で保険が利用できるため、保険料を抑えられます。
他界した場合も相続する同居家族は対象になる
同居の家族が他界した場合、法定相続人が財産を相続しますが、その中には他界した家族が生前に契約していた保険の類も含まれます。これには車の任意保険も該当し、法定相続人が車と同じく名義を変更して相続する際に、生前の等級もそのまま引き継ぐことが可能です。
注意すべき点としては、運転者の補償範囲を限定していることがあるため、名義変更の際にどのような内容になっているかを確認することが挙げられます。
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親の車を売る|親が健在の場合
親が売却時に同席可能な場合は必要書類が少なくて済み、スムーズに手続きができます。売却時に所有者である親から直接売却する意思の確認ができるからです。可能であれば、親に同席してもらうよう頼んでみましょう。
ただし、同席が不可の場合でも、売却は可能です。この項目では、親が健在の場合の手続きや流れについて紹介します。
必要書類を準備する
売却に必要な書類は自動車検査証や自動車税納税証明書、自賠責保険証や印鑑登録証明書などです。これらの書類は全て車の所有者である親のものが必要です。以下に親名義の車を売却する際に必要な書類を挙げていきます。
・車検証(自動車検査証)
・自賠責保険証
・自動車税納税証明書
・リサイクル券
・親の実印
・親の印鑑登録証明書
・譲渡証明書
・委任状
売却の契約時に同席してもらう
必要な書類が準備できたら、売却の契約時に同席してもらうよう親にお願いします。このとき売却する車は親の名義になっていますが、手続きはご自身の主導で進めてしまっても構いません。大切なのは、名義人である親に売却の意思があるかどうかです。
売却の意思があることが確認できれば、手続きの相談や下取り日の調整などをご自身で仕切ってもらっても何の問題もありません。
基本的に親は隣に座ってもらっているだけで大丈夫です。用意する書類が少なく親にかかる負担も少ないので、同席してもらえる場合はお願いしてみましょう。
売却の契約を親不在で行う
自動車検査証や自動車税納税証明書などと併せて譲渡証明書や委任状を親に準備してもらいましょう。譲渡証明書や委任状には、名義人である親の実印が押印してある必要があります。
必要な書類を親に準備してもらったら、書類を持って買取店まで行きましょう。書類さえ不備なくそろっていれば、後はご自身で手続きを進めてしまって構いません。買取額の相談や引き取りの日程調整なども、ご自身で行えます。
また後になって名義人である親がお店に出向いたり、別途手続きをしたりする必要もありません。書類を用意してもらうという点で親に少し負担がかかりますが、遠方にいて売却に同席できない場合は代理人として売却の手続きを行いましょう。
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親の車を売る|親が認知症の場合
親が認知症になっているなど正常な判断や意思表示が難しい場合は、成年後見人を立てる必要があります。成年後見人とは、精神上の疾患で判断能力が著しく低下した方の財産を保護するために、家庭裁判所から選任される人のことです。
成年後見人を立てるには家庭裁判所に申請をしなければなりません。また、売却の際には成年後見人であることを証明する書類の準備が必要です。
成年後見人を立てる
親が認知症やアルツハイマー病になっている、介護施設に入っていて売却の意思表示が難しいという場合には、ご自身が代わりに車を売却することとなります。
まずは家庭裁判所に成年後見の申し立てをしましょう。成年後見制度を適用するかどうか、面談などを行います。
裁判所から成年後見人を立てることが認められれば売却が可能になるので、代理人として売却の手続きを進めましょう。あらかじめ制度利用のための手続きの流れや、家庭裁判所がどこにあるのかなどを調べておくことをおすすめします。
必要書類を準備する
車を売るときに必要な書類の他に譲渡証明書や委任状、成年後見人であることを証明する書類が必要です。
通常、印鑑登録証明書は名義人である親のものを用意しますが、成年後見人として代わりに売却を行う場合は自身の印鑑登録証明書が必要ですので注意しましょう。以下に、車を売却するときに親自身が正常な判断ができない場合の必要書類を記載します。
・車検証(自動車検査証)
・自賠責保険証
・自動車税納税証明書
・リサイクル券
・登録事項証明書(成年後見人)
・自身(子ども)の実印
・自身(子ども)印鑑登録証明書
・譲渡証明書
・委任状
また、譲渡証明書や委任状には成年後見人の実印が押されている必要があります。成年後見の申し立ては法律に詳しくない方には難しいですし、必要な書類の用意も煩雑ですので、不安な方は行政書士や司法書士に相談するとよいでしょう。
成年後見人が売却の契約を行う
家庭裁判所から成年後見人を立てることを認められ、書類が用意できれば成年後見人が売却の契約を行えます。ここで気を付けなければならないのが、「生活費の捻出のため」であれば売却可能ということです。
日常生活に使うような車であれば、一般的には生活費の捻出という名目で売却の手続きが行えますが、高級車など持っているだけで資産価値があると判断される場合は成年後見人の判断だけでは売却できないこともあります。その場合は家庭裁判所へ相談しましょう。
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親の車を売る|親が他界した場合
親が既に亡くなっている場合の手続きは少し複雑です。相続する対象者が複数人いるときには、遺産分割協議書を作成して名義変更をしてからでないと車を売却できません。ただ、名義変更さえ済んでしまえばスムーズに売却の手続きを進められます。
この項目では、親が既に亡くなっている場合の手続きの流れについて紹介します。必要な書類や流れを把握しておくと進めやすくなるでしょう。
名義変更に必要な書類を準備する
名義変更に必要なものは以下の通りです。
・相続者全員が記載された戸籍謄本
・故人である親の戸籍謄本
・相続者全員の印鑑登録証明書
・遺産分割協議書
・自動車検査証
・相続人の住民票
・相続人の車庫証明書
気を付けておきたいのは、遺産分割協議書に不備がないようにすることです。相続人全員の署名と実印の押印が必要で、誰かひとりでも欠けてしまうと法的な拘束力を失ってしまうので注意しましょう。
故人である親の戸籍謄本は、親が最終的に置いていた本籍地で取得できます。しかし、引っ越しの度に本籍まで移したり結婚や離婚などで移したりしていた場合は、その場所まで取りに行くか郵送で取り寄せましょう。
売却に必要な書類を準備する
自動車検査証や自動車税納税証明書、自賠責保険証、リサイクル券、印鑑登録証明書など自身が売却するときと同じ書類を用意しましょう。既に名義が親から移されていますので、印鑑登録証明書はご自身のものを用意します。
以下に名義変更済みの車を売却する際に必要な書類を記載します。
・車検証(自動車検査証)
・自賠責保険証
・自動車税納税証明書
・リサイクル券
・所有者の実印
・所有者の印鑑登録証明書
・譲渡証明書
書類が準備できたら買取店で売却の契約をしましょう。名義変更後の売却は、自身が売却するときと同じように手続きを進められます。
親が管理していたことで書類がどこにあるか分からないケースもあるかもしれません。書類を探す時間や再発行する手間などを考慮して、売却のスケジュールを立てましょう。
相続人が複数の場合は話し合いが必要
売却する車を相続することは名義人変更と基本的に変わりませんが、相続人が複数人いる場合は事情が異なります。車を分割してそれぞれ名義変更するということはもちろんできません。そのため、身内で話し合う必要があります。
車の相続についての話し合いがまとまったら、遺産分割協議書の作成をしましょう。遺産分割協議書とは、全ての相続人が遺産分割の協議で合意した内容を取りまとめた文書のことです。決まった形式はなく、手書きでもパソコンで作成しても構いません。
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親の車を売る以外には「廃車」という選択肢も
親の車を売譲り受けられない状況だったり、売却しても価値が見込めなかったりするときには、廃車にすることも検討してみましょう。ここからは、親の車を廃車にする方法を紹介します。
基本的には、名義変更と同様の方法です。親が健在のときには簡単で、親の認知能力がなくなってしまったときや他界したとき、連絡がつかないときには手間が増えます。いくつかのパターンを紹介していくので参考にしてみてください。
状況に合わせた手続きを実施する
親の車を代わりに処分することになったときには、まず買取業者などに売却できるか確認してみましょう。価値がないときは廃車の手段を取ります。いくつかのパターンが考えられますが、売却のときと同じ手続きです。
親が健在の場合は、廃車手続きの際に同席もしくは委任してもらえば完了します。認知能力に問題があるときや他界したときは、必要な書類を用意することで対応できますが、所在が分からないときは注意が必要です。
廃車に必要な書類
廃車の手続きを個人で行うときは陸運局での手続きが必要です。下記の書類やナンバープレート、車検証などを持ち込むことで廃車にできます。廃車は買取業者などでも代行してもらえるので、任せることも可能です。
以下に、所有者(親)が健在のときに必要な書類を挙げました。親の認知能力がないときや他界している場合は、売却時と同じ書類を用意する必要があります。
・車検証(自動車検査証)
・ナンバープレート(前後2枚)
・譲渡証明書(一時抹消の場合)
・旧所有者(親)と自分の印鑑登録証明書
・旧所有者(親)の実印
・委任状(親から子どもへの委任状)
・手数料
所有者と連絡がつかない場合の処理は慎重に行う
所有者と連絡がつかない場合は、すぐに売却ができません。この場合は親と連絡が取れないことを想定していますが、意思が確認できない状況で売却してしまうとトラブルにつながり兼ねないため注意しましょう。
車は車検が切れて5年が経過すると陸運局から登録を自動的に抹消する「職権抹消」の通知が届きます。職権抹消の手続きを行うことで廃車が完了します。
この場合は5年間にわたって自動車税を支払うことになるでしょう。しかし、所有者の失踪届を警察に出すことで、自動車税課税保留制度を利用できる可能性があります。
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まとめ
親の車を売るときには、基本的には親の名義から自身の名義に変更してから手続きに移ります。廃車にする場合も同様ですが、親が健在なときの手続きは簡単です。ただし、認知能力に問題があるときや既に他界しているケースでは、少々手続きが複雑になります。
そのため、親の車を譲り受けることが想定されるときには、健在のうちに手続きを進めておくか、手段を決めておくとよいでしょう。
▼ライタープロフィール
真鍋裕行
出版社勤務を経て2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立し、自動車雑誌、ウェブサイトなどに原稿を寄稿。編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで幅広くリポート。業務拡張につき2011年に会社を設立。自動車ジャーナリストとしての自動車メディアへの寄稿は続けつつ、メディアコンテンツの製作(雑誌、Web、アプリetc)に取り組んでいる。メディアコンテンツの製作ではオーナーや協力者のコミュニティを作ることを考えるなど、単純な製作で終わらないことを心掛ける。また、近年ではレースチームのディレクターや PRも積極的に携わる。
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