目次
■POINT
- 事故車は事故を起こしていない車に比べて、買取価格や販売価格に影響を与える
- ホームページや担当者から修復歴がないか確認して、事故車かどうか見分ける
- 事故車を購入するときは、車の状態や乗り心地を確認して異常がないか調べる
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車にどんな影響がある?「事故車」の定義
「事故車」という言葉に対して、あまり良いイメージを持っていない人も多いのではないでしょうか。その言葉の通り「事故を起こした車」という意味で間違っていません。しかし、中古車業界では、そのままの意味で使われることはなく、しっかりとした定義が存在します。
まずは、事故車とはどのような状態のものを指すのかについて詳しくご紹介します。
事故車の定義
事故車とは「交通事故を起こした車のことではなく、車のフレーム部分を損傷させたことにより、損傷した部分を交換もしくは修復した経歴を持つ車」と定義されています。
- 社団法人自動車公正取引委員会
- 財団法人日本自動車査定協会
- 日本中古車自動車販売商工組合連合会
この定義は上記の3つの組織団体によって細かく定義されており、「事故車=事故を起こした車」という一般的なイメージとは定義が違うので注意が必要です。
事故車対象となる車のフレーム部分は以下の通りです。
- フレーム
- フロントクロスメンバー
- フロントインサイドパネル
- ピラー
- ダッシュパネル
- ルーフパネル
- ルームフロアパネル
- トランクフロアパネル
- ラジエターコアサポート
①~⑧で損傷がある場合や、修復が確認できる部分に関しては事故車として扱われます。ただし、ボルトは骨格対象外となっているため、交換しても事故車扱いにはなりません。
⑨については、過去に交換されていて、隣接する②や③といった骨格部分に修復した形跡が見られるものが事故車です。ただし、稀に修復していても事故車扱いとならない場合もあります。
事故車と修復歴車は違う
一般的に、「事故車」と「修復歴車」は同じと捉えているかもしれません。
しかし、中古車業界では全くの別物として考えられています。基本的に、中古車の査定に関係してくるのは、過去に事故を起こしたかどうかではなく、修復歴があるかどうかです。
ここで、事故を起こしても修復していなければ大丈夫なのではと思う人もいるでしょう。しかし、該当部分に傷やへこみが確認されれば、修復歴車として扱われることになります。
ただし、以下の部分は修復しても修復歴車とはなりません。
- フロントバンパー
- ロアスカート
- フロントフェンダー
- ボンネット
- リアフェンダー
- トランクリッド
- リアバンパー
- サイドシルパネル
- ドア
また、フレームからボルトで外せるものに関しては交換した形跡があっても修復歴車として扱われることはなく、ほかにも特殊なケースとしていくつか修復歴車とならないことがあります。
買取店に告知しないといけない理由
なぜなら、買取店との契約内容には、事前に修復歴を把握していれば申告することが記載されています。申告を怠れば、入金後に返金を要求されたり、裁判沙汰になったりすることもあります。
もちろん、中古車の査定士はさまざまなことを想定しながら細部までチェックします。だからと言って、修復歴があることを隠して良いわけではないということは覚えておきましょう。
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事故を起こしてしまったら?
国内における事故発生車数は年間で500万件を超えます。いつ誰が事故を起こしてもおかしくない状況にあるため、その後の対応に不安を感じているという人も多いのではないでしょうか。一番気がかりな部分が、事故車をどうするかについてです。事故を起こしてしまった車の対処法について、いくつかご紹介します。
修理
購入して間もなく、事故が酷い状態でなければ修理を考えるのが賢明と言えます。
車の修理を依頼するには、ディーラーや整備工場、車用品専門店など、いくつかの選択肢が挙げられます。金額は車の状態によって異なるため、まずは見積もりを出してもらいましょう。
基本的にディーラーでの修理は高くなる可能性が高く、少しでも予算を削りたい場合は、整備工場もしくは車用品専門店へ依頼することをおすすめします。
買取
車の状態によっては修理をすることで大きく損をすることもあります。
その場合は専門業者への買取を検討してみるのも一つの方法です。海外への流通実績がある買取店であれば、ほかでは買い取ってもらえない事故車であっても高額査定してくれることがあります。
ここで注意しておきたいことは、査定前の修理は不要であるということです。少しでも査定額を上げるために修理を検討する人も少なくないですが、修理代よりも査定額が上回ることはありません。
買い替え(下取り)
車は消耗品なので、価値が下がる前に乗り換えた方が良いこともあります。ディーラーに下取りとして出す方法と、買取店に査定してもらってその資金で購入する方法の2択です。
下取りで出した場合は面倒な手続きを最小限に抑えられますが、満足する査定額にならないことも少なくありません。少しでも高額査定を望むのであれば、買取店を利用しましょう。
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事故車は買取価格に影響する?査定の流れ
過去に事故を起こした車を買取査定に依頼しようとしている人も多いのではないでしょうか。しかし、事故車は査定額が安くなる、そもそも買い取ってもらえない。そんな認識がある人もいるかもしれません。ここでは、事故車はどのようにして査定を行い、買取価格への影響はどれだけあるのかについて、詳しく解説していきます。
事故車の損傷情報を把握する
先ほどもお伝えした通り、修復歴がある場合は事前に告知しなければいけません。
中古車の査定士は修復歴の情報があるないに関係なく、損傷や修復した部分があるかどうかを細かくチェックします。そのため、修復歴を誤魔化すことはできないと考えましょう。
ただし、中古車で購入した場合、前のオーナーが乗っているときに修理をした可能性もあります。修復歴車の見極めはプロでも難しいため、以前購入したお店が見逃していることもあります。
自分が乗っている車は本当に大丈夫だろうかと不安に感じている方は、一度査定を受けてみることをおすすめします。査定額を知ったうえで、車を買い取ってもらうのかを判断することをおすすめします。
実際にシミュレーションに入れてみよう
事故車の査定額は車の状態や年式などによって大きく異なります。
実際に査定を受けてみる前に、シミュレーターを使ってどれくらいの価格になるのかを把握してみてはいかがでしょうか。ある程度の相場感覚を掴むためにもおすすめです。
たとえば、トヨタ・プリウス(2013年式)で調べてみましょう。
- レベル1:車体の一部が損傷
→予想売却金額28~58万円
- レベル2:車体の複数が損傷
→予想売却金額13~43万円
- レベル3:車体の損傷+エンジン・足回りの損傷
→予想売却金額0~28万円
- レベル4:車体・エンジンの損傷+エアバックが作動
→予想売却金額0~13万円
- レベル5:修理不可能な状態br> →予想売却金額0~6万円
これらはあくまでも予想金額です。実際の査定額ではもう少しアップすることもあります。愛車の価値がどれくらいなのかについては、買取店の査定を受けてみましょう。
基本的に査定額は下がる可能性が高い
事故車は一般的な中古車よりも査定額は下がってしまいます。
もちろん、普段から車に乗っていれば小さな傷やへこみはついてしまいます。ただし、これくらいの不具合などで買い取ってもらえないことはないので安心してください。
とは言っても、傷やへこみ、ステッカーの跡といった汚れが少ないほど、査定額は高くなります。わざわざ板金で修理してもらう必要はありませんが、自分で修理できる部分は直しておきましょう。
また、買取店によっては事故車を買い取ってもらえないこともあります。事故車や不具合車を積極的に買取しているところもありますので、一度相談してみることをおすすめします。
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事故車のリスクやデメリット
事故車にどれくらいのリスクがあるかどうかについては、実際に乗ってみないことには判別できません。そのため、修復歴がある車を購入して良いのか迷っている人も多いのではないでしょうか。そこでここでは、事故車のリスク・デメリットについてご紹介します。
通常走行に問題が生じる可能性がある
しっかりと修復していたとしても、どこかで問題が起きることもあります。
車のフレームは、安全に走行するためには欠かせません。そういった部分が損傷したということは、車の耐性やブレーキ性能、直進性能などに影響が出て可能性が高くなります。
通常走行に問題が生じてしまえば、事故を起こすリスクは高くなってしまうので、走行車として問題がないと判断されたものであっても、安心できるものではないことは覚えておきましょう。
買取価格に影響することがある
買い手からすれば、事故車はお手頃に購入できる部類に入ります。
しかし、逆に言ってしまえば、それだけ買取価格に影響する可能性は高いといえます。買取店としても売却額が安くなるので、査定額も低くなります。
また、傷やへこみといった状態によっては買取が不可になることもあります。海外への流通や部品に解体して販売する業者もいますので、一度相談してみると良いでしょう。
不具合が生じることがある
修理を終えている事故車でも、100%元通りになったわけではありません。
少し経過してから、事故の影響で不具合が生じてしまうことも十分に考えられます。不具合があれば再び修理を行ったり、メンテナンスを何度も実施したりと、修理代が増してしまいます。
そのため、安く購入できたとしても、結果的には通常価格で販売されている中古車よりも高くなってしまうこともあります。こうしたリスクがあることを承知で事故車の購入を検討しましょう。
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事故車の不具合事例
フレーム部分に修復歴があれば、事故車として扱われます。とは言っても、事故車がどれだけリスクがあるのかについて、まだはっきりしていない人もいるでしょう。ここでは、実際にあった事故車の不具合事例をいくつかご紹介します。これらのことが必ず発生するわけではありませんが、一般的な中古車よりも可能性は高くなると考えておきましょう。
事例1.フロントガラス
フロントガラス周辺の修理を行った場合の事例です。
原因としては、正面からの衝突もしくは横転事故によるものと考えられます。これにより、フロントガラスが破損してしまい、交換または修理したものであれば事故車として扱われます。ピラーやダッシュパネル、ルーフパネルなどを修復した形跡がありました。その後、フロントガラスから雨漏りが起きたり、突然フロントガラスのヒビ割れが発生したりしました。
事例2.サイドパネル
サイドパネル全般の修理を行った場合の事例です。
この原因として、車両側面が壁などに衝突したことであると考えられます。フレーム修正を行い、ステアリング装置やサスペンションは正常だったと確認されています。しかし、ホイールベースに何かしら不具合が発生したことで、走行中にハンドルが取られてしまい、直進でも車が曲がっているような感覚に陥ってしまいました。
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事故車は買取られた後どうなるの?
一般的に、事故車は中古車市場で需要が少ないと考えられています。それでは、買い取られた事故車はその後どのようなルートを辿ることになるのでしょうか。もちろん、事故車として中古車市場で出回ることもありますが、それ以外でも様々な活用方法があります。その代表的な3つの例をご紹介します。
国内のオークションに出品
事故車と言っても、すべてが走行不可能な状態になった修復車というわけではありません。
整備工場などでしっかりと修理すれば、中古車としてまだまだ価値のあるものもあります。一般的な中古車よりも価値は下がることもありますが、オークションでも取引されています。
最近では、「事故車」専門のオークションサイトも登場するようになりました。どれだけ廃車寸前のボロボロな車であったとしても、車には値打ちがつくことを覚えておきましょう。
部品に解体されて販売
車にはさまざまな部品が使われており、廃車になったとしても再利用できるものもあります。
中古車としての利用価値はなくなったものの、部品のみを買取している業者も少なくありません。内装部品・外装部品・機能部品など、中古市場で価値のある部品はたくさんあります。
代表的なものとして、タイヤやホイールといった部品は高額査定してくれる可能性が高いです。また、機能性の良いカーナビなどは高く買い取ってくれることもありますので、ぜひ相談してみてください。
海外に輸出
近年、中古車の需要が高くなってきてるのが海外市場です。
たとえば、10万キロ以上の多走行車は中古車としての価値が大きく下がると言われています。しかし、海外ではそういった車でもニーズがあり、国内よりも高く販売できることも少なくありません。
特に国産車は丈夫で安全性能や燃費が高いという理由から、人気があります。そのため、事故車であっても十分に使えると判断され、海外に流通経路を持つ買取業者も増えています。
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事故車の見分け方、見つけ方
海外では需要の高い事故車ですが、不具合のことなどを考えると購入は避けたいと思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、中古車のなかには、本当は修復歴ありにも関わらず、修復歴なしとして販売されていることもあります。そこで最後に、事故車の見分け方や見つけ方について詳しくご紹介していきます。
修復履歴があるかホームページで確認する
中古車を販売している業者は、独自でホームページを展開しています。
そこに掲載されている情報のなかには、走行距離や年式、モデルだけでなく、修復歴についても書かれています。分かりにくい場合もあるため、細かくチェックしておきましょう。
また、1台の情報を確認するのでなく、複数台の情報をチェックしてみてください。修復歴がある車を扱っているのであれば、そこに書かれている情報は正確なものとして判断できるでしょう。
店舗の人に修復歴があるか直接聞く
細かな傷やへこみをホームページでは掲載していない場合もあります。
そのため、販売店に直接聞いてみることも一つの方法でしょう。全国展開しているような大手の中古車販売店であれば、販売している車のデメリットやリスクなども教えてくれます。
逆にこのような質問をした場合に態度が変わるようなことがあれば、怪しいと思った方が良いかもしれません。判別は難しいところですが、気になることはなんでも聞いてみることをおすすめします。
修復跡があるかどうかを自分で調べる
実際に修復歴があるかどうかを見抜く方法として、以下の3つが挙げられます。
- 外装パーツが不自然に開いていないか
- 外装パーツを脱着・修理した形跡がないか
- フレーム部分を確認する
現車確認で修復歴があるかどうかを調べるのは容易なことではありません。大切なのは、時間をかけて現車確認をすることです。
少しでもおかしな部分がある場合は、店舗の人に質問することを心掛けましょう。
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事故車を購入する際の注意点
事故車は購入前に状態を確認しておかなければ、購入後に事故車を購入したことを後悔する羽目になるかもしれません。
そこで、この段落では事故車を購入すると決めた方に対して、購入前に意識しておくべき注意点について紹介します。特に、車の状態や乗り心地、販売店のサポートなどを中心に、購入するかどうか決めましょう。
購入前に状態をしっかり確認する
購入前に事故車の状態をしっかり目視することが基本です。事故車になると、外装に大きなキズやへこみなどが見られるので、隅々までチェックしましょう。
また、外装だけでなく内装も自分の目で状態を確認しておくことをおすすめします。外装は修復していても、内装はそのままの場合もあるため、運転席や助手席、後部座席などさまざまな席に座って、気になる点がないか目視しましょう。
なお、気になった点を事前に担当者に伝えれば、販売店が対処してくれるため、購入後に自己負担での修理を防ぐことができます。
購入前に試乗する
購入前に必ず試乗しましょう。走行時にエンジン音がうるさい点やハンドルを切っていないのに真っ直ぐ進まないなど、見た目では分からない問題点があるかもしれません。なかには、モニターが映らないなど、内装にも影響が出ている可能性があるため、ほかの中古車と比べても走行に問題がないか確認しておくことが重要です。
もし、走行時に違和感などを感じたら、状態を確認したときと同様に、担当者にすべて伝えるようにしましょう。
特に走行に関する違和感は命に関わる可能性もあるため、「これくらい大丈夫だろう」と思わずに、事故車でも一般の中古車と同じくらいのスペックを求めるくらいの意識は持っておくことをおすすめします。
アフターフォローがある業者が安心
事故車の購入は少なからずリスクがあるため、アフターフォローがしっかりしている業者を選ぶと、万が一トラブルに遭ったときでも安心です。
悪質な販売店によっては、車の価値を下げないために事故車であることを隠して、一般の中古車に紛れ込ませている場合があります。
大手の販売店は信用を大事にしているため、事故車の隠ぺいはないと思われますが、より安心して購入するために、アフターサービスで修理や定期点検などどこまで対応してもらえるのか確認しておきましょう。
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よくある質問
Q.事故車と修復歴車との違いは?
A.中古車業界における事故車とは、フレーム(骨格)部分を損傷・修復した車のことです。修復歴車とも呼ばれます。対象となる部分は、フレーム、フロントクロスメンバー、フロントインサイドパネル、ピラー、ダッシュパネル、ルーフパネル、ルームフロアパネル、トランクフロアパネル、ラジエターコアサポートです。
Q 事故車を購入しても大丈夫?
A.フレーム(骨格)部分を損傷した車でも、修理によって走行可能な状態にできれば、修復歴車として販売されることがあります。見た目には問題なく、割安な価格なので購入を検討している方もいるかもしれません。しかし修復歴車は、あとになって不具合が出て、走行に支障をきたす恐れもあるため注意が必要です。
Q.事故車でも買い取ってもらえるの?
A.事故車は通常よりも買取価格が下がります。軽度であれば、10万円程度の減額で済むケースもありますが、エンジンや足回りなどに大きな損傷があると30万円以上減額されてしまうことも少なくありません。販路が豊富な業者ならパーツや部材単位で価格をつけてくれる可能性もあるため、事故車でも諦めずに査定に出してみましょう。
Q.事故車かどうかはどうやって見分けるの?
A.きちんとした業者であれば、事故歴・修復歴の有無を明確に表示しています。売却時に事故車であることを伝えなかったとしても、熟練の査定士であれば見逃すことはほとんどありません。ただし、修復跡の見落としや意図的な隠蔽の可能性も考慮して、中古車は信頼と実績のある業者で購入するのがおすすめです。
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まとめ
一般的なイメージと異なり、「事故車」とは「修復歴車」のことを指しています。事故車になると販売価格や買取価格に少なからず影響はありますが、「修復歴車=故障」ではないので、状態によっては一般の中古車よりお得に購入することが可能です。
ただし、事故車の購入にはさまざまなリスクを想定しておく必要があります。事故車の購入や売却を検討している方は、事故車についてしっかりと理解したうえで、納得のいく結果になるように契約を進めるようにしましょう。
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