中古車査定士とは?査定士になるのに必要な試験はむずかしいの?
さまざまな事情から、車の買取店に愛車の査定を依頼して、少しでも高く売りたいと考えている人もいるかもしれません。
しかしこの査定業務、誰がおこなっても良いわけではありません。中古車の査定をするためには、「中古車査定士」と呼ばれる資格を持っている必要があります。あまり聞きなれない言葉の「中古車査定士」は、普段どのような仕事を行っているのでしょうか。
そこで本記事では、中古車査定士になるための方法をご紹介するとともに、査定時に必ず見ているチェックポイントも解説していきます。将来的に中古車査定士として働きたい人は、ぜひ参考にしてください。
・中古車の買取や下取りの価格を判断してくれる人が「中古車査定士」
・小型査定士の試験は年2回、大型査定士の試験は年1回おこなわれる
・中古車査定士の免許はそれほど難易度は高くないのでぜひ受けてみよう
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中古車査定士とはどんな仕事?
中古車査定士の仕事は、中古車の買取や下取りの価格を判断することです。
査定を依頼する側からすれば、少しでも高く愛車を売りたいと考えているため、査定士は走行距離や使用年数、車体の傷など、車の状態を正確に把握する能力が求められます。最近では、数年で車を乗り換える人も少なくありません。そういった背景からも買取店のニーズは高まってきており、中古車査定士の需要も年々上昇しているのが現状です。
査定士に必要な試験
中古車査定士として働くためには、一般財団法人日本自動車査定協会が主催する試験に合格しなければいけません。どのような試験内容になっているのか、気になる人も少なくないでしょう。
そこでここでは、査定士に必要な試験概要をご紹介します。
査定士には小型車査定士と大型査定士の2種類がある!
中古車査定士の資格は、「小型査定士」と「大型査定士」の2種類があります。適性査定が行えるように分かれており、小型査士の場合は「乗用車、商用車及び最大積載量4t未満の貨物車」に限定して査定が可能であると定められています。一方で、大型査定士の場合は「上記以外の大型貨物車、バスなど」です。技能検定試験もそれぞれ別に行われており、試験内容も大きく異なります。
受験資格は?
中古車自動車査定士技能検定は、誰でも受験できるわけではありません。小型査定士と大型査定士のどちらにも共通している受験資格は、「自動車販売・整備の実務経験が半年以上」であること、「協会所定の研修を修了した者」であることの2点です。この受験資格に加えて、小型査定士の場合は「普通免許以上の所有者」であること、大型査定士の場合は「大型第一種運転面書の所有者」であることが義務付けられています。
試験はいつ行われるの?
試験実施日に関して、小型査定士と大型査定士で異なります。小型査定士に関しては、以下年2回の試験が実施されています。
- ●6月中旬ごろの試験:4月上旬~下旬が受付期間
- ●12月中旬ごろの試験:9月上旬~10月中旬が受付期間
一方で、大型査定士の試験は年に1回です。毎年4月上旬~下旬ごろに受付が行われ、6月中旬ごろに試験が実施されています。
受験料は?
中古車自動車査定士技能検定の受験料は、以下のようになっています。
- 小型査定士試験:17,280円
- 大型査定士試験:18,090円
試験によって受験料が変わってくるため注意が必要です。また、受験料は試験を受けるための申請書を提出する際に支払うことになります。
試験内容は?
中古車査定士の試験は、学科試験と実技試験の2つです。
学科試験の内容は、以下の5つです。
- ●中古自動車査定制度
- ●中古自動車査定基準、同細則及び加減点基準
- ●自動車の構造、機能及び取扱い
- ●保安基準、その他自動車に関する法規
- ●その他査定に関する事項
(参考:一般財団法人日本自動車査定協会)
また、「受験種類と異なる査定士資格」や「整備士」の有資格者は、学科試験の一部が免除になります。実技試験では、査定の実技を行います。
資格の有効期限はあるの?
小型査定士・大型査定士ともに、有効期限は3年間です。中古車査定士証の更新を行うには、毎年7~8月に開催されている「技能向上研修会」を受講することが義務付けられており、研修費用は3,456円(税込み)です。また、更新する際は中古車買取店など、査定業務を行う店舗に所属している必要があります。
中古車査定士の資格取得は難しい?
将来的には、仕事の幅を広げるためにも中古車査定士の資格を取得したいと考えている人も少なくないでしょう。とは言っても、勉強や試験が苦手と言う人にとっては、ハードルが高いと感じるかもしれません。そこで資格の取得は難しいものなのかについて、ご紹介します。
資格取得の難易度、合格率は?
中古車査定士の資格を得るための試験難易度は、そこまで高くはありません。実際に、合格率も8~9割で比較的易しいものであることが分かります。受験資格である「協会所定の研修」をしっかりと受講していれば、ほとんどの場合で合格すると言われています。
また、試験を受けるためには「自動車販売・整備の実務経験」が義務付けられているため、車に関する基礎的な知識が身に付いている状態であれば、難しいと感じることはないでしょう。
試験対策と準備
中古車自動車査定士技能検定を受験するために、特別な対策は必要ありません。なぜなら、試験の難易度はそれほど高くないのにくわえ、協会が実施する3日間の講習にしっかりと参加していれば、ほとんどの場合で合格するからです。また、実務経験が必要であることからも、日々の業務で身に付けてきた経験が役に立ちます。試験前のつめ込みというよりは、実務から得られる知識や経験が大切です。
査定士が査定時にチェックするポイント
実際に、中古車査定士はどういったところにポイントを当てて、チェックしているのでしょうか。一般的には、走行距離や年数などが知られていますが、様々な部分を細かく査定しています。最後に、中古車査定士が査定時にチェックするポイントをご紹介します。
外装のチェックポイント
外装でチェックするポイントは以下の通りです。
- ●ボディカラー
- ●ボディの汚れ・傷・へこみ
- ●ナンバープレート
- ●エアロパーツ
- ●ガラスの状態
- ●ボンネットや天井部分
- ●サンルーフやムーンルーフの動作確認
- ●ドア・ウィンドウの動作確認
- ●テレビ・ラジオのアンテナ
- ●ヘッドライトやテールランプ
一般ユーザーは外装の傷などしか気にならないかもしれませんが、中古車査定士は様々な部分を細かく見ています。意外にも査定金額を左右するのはボディカラーです。ニーズがあるカラーであるほど、査定額が高くなる傾向にあります。
内装のチェックポイント
内装でチェックするポイントは以下の通りです。
- ●車内の汚れ
- ●喫煙による変色
- ●シートの状態
- ●トランクスペースの状態
- ●スピーカー関連の状態
- ●カーナビの動作確認
- ●ハンドルやメーター類
- ●エアバッグ
- ●スペアタイヤ
- ●付属の装備品
内装で重視されるポイントは、汚れの程度です。当然、中古車は車内の汚れが目立つようになりますが、交換が必要と判断されれば大きく査定額も下がってしまいます。禁煙車or喫煙車であるかどうかも査定額に大きく影響してくることは覚えておきましょう。
足回り、下回りのチェックポイント
足回り・下回りでチェックするポイントは以下の通りです。
- ●タイヤやホイールの状態
- ●タイヤハウスの状態
- ●車高(サスやショックなど)
- ●オイル漏れやにじみ
- ●マフラーの状態
- ●各パーツの傷、へこみ、サビなど
ここまでくると、一般のユーザーでは簡単に判断することができません。中古車は年数などによって状態の劣化具合が異なるため、細かなパーツまで厳しくチェックする必要があります。特に車の下回りはサビやすくなっていますので、防サビ対策をしておくと良いでしょう。
エンジン回りのチェックポイント
エンジン回りでチェックするポイントは以下の通りです。
- ●修復歴の有無
- ●バッテリーの状態
- ●エンジンの状態
- ●エンジンオイルの状態
- ●車台番号
- ●改造の有無
どれだけ人気の車種であっても、走行性能に問題がある中古車を高額査定することはできません。しっかりと走ることができるのか、車検に通すことができるのかなど、査定基準は様々です。また、修復歴がある場合は、事前に申告することが義務付けられています。
その他のチェックポイント
その他でチェックするポイントは以下の通りです。
- ●メーカー・車種・グレード
- ●年式
- ●走行距離
- ●車検証・整備記録簿の内容
- ●取扱説明書の有無
- ●車検の期間
- ●スペアキーなどの有無
- ●純正部品かどうか
これらのポイントは、査定依頼をする前に必ずチェックしておきたいところ。年式や走行距離、グレードに関してはもちろんのこと、細かな書類ひとつ欠けても査定額がマイナスになることもあります。最低限のものは揃えておくようにしましょう。
まとめ
中古車の買取や下取り金額を判断することが中古車査定士の仕事です。受験資格はいくつかありますが、合格率も8~9割と難しいわけではありません。
また、中古車査定士が査定時にチェックするポイントはさまざまなので、すべてを自分で管理することは難しいかもしれませんが、少しでも高額査定を出すために、愛車を大切に使い、良好な状態を保つようにしましょう。
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