中古車買取相場の推移と今後の見通しは?高く売るためのタイミングとコツも
愛車を手放すタイミングに、迷っている人は多いでしょう。中古車の買取相場は常に変動し、高値で売れるチャンスを逃してしまうことも少なくありません。しかし、相場の推移を把握し、適切なタイミングで売却すれば、より高い価格で愛車を売ることが可能です。
この記事では、中古車買取相場の現状と今後の見通しの他、相場に影響する要因や高く売るためのタイミングとコツなどを解説します。愛車の価値を最大限に引き出すヒントが満載なので、ぜひ最後まで読んで参考にしましょう。
※目次※
4.中古車買取相場の推移にかかわらず高く売りやすいタイミング
・中古車買取相場は需給バランスや車両状態、季節性によるもので推移する。
・中古車相場が高騰している背景には、さまざまな要因が複合的に作用している。
・中古車を高く売りたいならベストなタイミングを見計らったり、コツを覚えたりする。
中古車買取相場の推移と影響する要因
中古車買取相場の推移には、さまざまな要因が影響を与えていますが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。中古車を高く売るためのタイミングを見極めるには、まずは影響を及ぼす要因を理解することが大切です。
以下で、中古車買取相場の推移に影響する3つの主な要因について、詳しく解説します。
中古車買取相場は需要と供給のバランスで推移する
中古車買取相場は、需要と供給のバランスによって変動します。需要が高く供給が少ない場合は相場が上昇し、逆の場合は下落するのが一般的です。例えば、新型コロナウイルス感染拡大による新車の供給不足で、中古車需要が高まり相場が上昇しました。
一方、景気後退による需要減少や新車販売の回復で供給過剰になれば、中古車相場は下落します。実際に米国では、2022年12月に中古車価格が大きく下落しました。このように、中古車相場は需給バランスによって変動するのが基本です。
中古車買取相場は車両状態や車種によって推移する
車両の状態や人気車種によっても、中古車買取相場は大きく異なります。例えば、年式が新しく走行距離が少ない車は高値で取引されますが、年式が古く走行距離が多い車は安値になる傾向です。また、事故歴や修復歴のある車は、大幅に査定額が下がります。
車種別では、トヨタのプリウスやアクアなどの人気ハイブリッド車、ホンダのN-BOXなどの軽自動車は、高値で取引されているようです。一方で、需要の低い車種やグレードは、安値になりやすいでしょう。
さらに同じ車種でも、グレードや装備、カラーによって査定額に差が出ることもあります。
中古車買取相場は季節性や経済状況でも推移する
季節やボーナス時期、景気動向などの外的要因も、中古車買取相場に影響を与えます。例えば、3月や9月の決算期には、ディーラーが在庫を確保したい時期なので、買取価格が上昇する傾向です。大型連休前も、同様の理由で相場が上がりやすいといえます。
一方、景気後退期には中古車需要が減少し、相場が下落するでしょう。リーマンショック時には、中古車相場が大きく下落しました。
中古車買取相場は、季節性や経済状況によって変動することが少なくありません。賢く高く売るには、これらの要因を考慮してタイミングを見計らうことが大切です。
中古車相場が高騰している背景
中古車相場が高騰を続ける背景には、どのような要因があるのでしょうか。ここでは、中古車相場の推移に影響を与える主な3つの要因について解説します。
以下の要因が複合的に作用することで、良質な中古車の需要が高まり、相場の上昇が続いているといえるでしょう。高値売却を狙うなら、高騰の背景を理解することが重要です。
新車価格の上昇と納期の長期化が中古車買取相場の推移に影響
新車価格の上昇と半導体不足による新車納期の長期化が、中古車需要を押し上げています。メーカー各社は、原材料費の高騰や為替の影響で、新車価格を次々と値上げしており、さらに半導体不足で納期が大幅に遅れるケースも多発中です。
そのため、消費者の目が中古車に向かい、特に人気車種や状態の良い中古車の品薄感が強まっています。需要増に伴い、中古車相場は上昇傾向が続いているため、時勢的には今が中古車の売りどきといえるかもしれません。
中古車の供給量減少と品質の向上が与える買取相場推移への影響
車の長寿命化や自動車リサイクル法の施行により、中古車の供給量は減少傾向にあります。一方で、整備技術の向上やメンテナンスの徹底で、中古車の品質は向上しているといえるでしょう。
つまり、市場に出回る中古車は数が少なく、かつ状態の良いものが増えているということです。需要と供給のバランスから、中古車相場の上昇は避けては通れないといえます。
気を付けたいのが、車種別の相場動向の違いです。例えば、燃費の良い軽自動車や、ファミリー層に人気のミニバンなどは、今後も需要が高く、相場は堅調に推移すると予想されるでしょう。
自分の車がどのカテゴリーに当てはまるのかを考え、相場推移を予測してみることで、高値で売却できるベストなタイミングが見えてくるかもしれません。
中古車買取相場は海外輸出需要の増加によっても推移している
日本の中古車はその品質の高さから、アジアや中東、アフリカなどへの輸出需要が増加しており、国内の中古車相場を押し上げているようです。また、アメリカやオーストラリアでも、日本の中古車は根強い人気があります。
財務省による「財務省貿易統計」の品目別輸出額の推移を見ると、日本の自動車輸出は年々増加していることが分かるでしょう。この海外需要の高まりは、国内市場にも大きな影響を与えています。
良質な中古車が輸出されることで国内の流通量が減り、人気車種を中心に品薄感が出ているわけです。需給バランスの変化が、中古車相場の上昇を後押ししているといえるでしょう。
海外輸出の動向は、今後の中古車相場を推察する上で重要な指標のひとつです。特に人気の高い車種を売却する際は、輸出需要の高まりを見越して、タイミングを計るのが賢明かもしれません。
(出典:『財務省貿易統計 Trade Statistics of Japan』)
【車種別】今後の中古車買取相場の推移予測
中古車買取相場の推移を車種別に見ていくと、それぞれに特徴があります。軽自動車やコンパクトカー、ミニバンやSUV、さらには電気自動車やPHVなど、車種ごとの中古車相場予測について見ていきましょう。
需要と供給のバランスや、市場のトレンドを踏まえて、今後の相場推移を予測するのがポイントです。
軽自動車とコンパクトカーの中古車買取相場の推移予測
軽自動車とコンパクトカーは、燃費性能の高さや手頃な価格から人気が高く、中古車市場でも需要は根強いです。特に若者や女性、サブカーとして利用する人に支持されています。
新車価格の高騰により、今後も軽自動車とコンパクトカーの中古車需要は、高まると予想されるでしょう。加えて、車の長寿命化や品質向上により、中古車の供給量は減少傾向にあります。
需要が供給を上回る状況が続けば、軽自動車とコンパクトカーの中古車相場は上昇し続けるかもしれません。ただし、電気自動車など次世代車の台頭により、将来的には需要が分散する可能性もあります。
いずれにせよ、当面は軽自動車とコンパクトカーの中古車相場は、安定的に上昇していくと見込まれるでしょう。
ミニバンとSUVの中古車買取相場の推移予測
ファミリー層に人気のミニバンとSUVは、新車価格の高騰により中古車需要が高まっています。特に子育て世代にとって、ミニバンは使い勝手の良さから根強い人気があり、需要は今後も継続すると予想されるでしょう。
一方、アウトドアブームの影響でSUVの人気も上昇中です。新車のSUVは価格が高めですが、中古車なら手の届く価格で購入できるため、需要は拡大傾向にあります。
ミニバンとSUVの中古車は、新車に比べて割安感があることから、今後も需要は高く、相場は上昇傾向が続くと予測されるでしょう。
次世代車(EV・PHV)の中古車買取相場の推移予測
次世代車の中古車相場は、どのように推移するのでしょうか。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)は、環境意識の高まりと技術進歩により注目を集めています。加えて、ガソリン車よりもランニングコストが安いことも魅力です。
しかし、アメリカでは中古EV価格が暴落中で、ガソリン車の中古価格よりも安くなっている状況であることは見逃せません(2024年7月現在)。日本にも、この影響が徐々に広がっていく可能性も考えられるでしょう。
また、EV・PHVはバッテリーの劣化や充電インフラの整備状況など、いくつかの課題も残ります。EV・PHVの中古車相場がどのような推移をたどるのか、今後の動向に注目しましょう。
(出典:『Prices of Used EVs Drop Below Used Gas Cars for the First Time - iSeeCars.com』)
中古車買取相場の推移にかかわらず高く売りやすいタイミング
中古車買取相場は、需給バランスや季節性などの要因で変動しますが、売却のタイミング次第で高値で売れる可能性があるでしょう。ここでは、中古車買取相場の推移を踏まえ、高く売るためのタイミングを3つ紹介します。
買取業者の決算期や大型連休前後、車検前や走行距離の大台到達前、ボーナス時期や新車発売時期など、狙い目のタイミングを解説するので参考にしましょう。
買取業者の決算期や大型連休前後
中古車買取業者の決算期(3月・9月)や大型連休の前後は、業者が在庫を確保したい時期なので高値売却のチャンスです。
例えば、3月の年度末や9月の中間期は、業者の決算時期に当たります。この時期は、業者が売上目標を達成するために、積極的に車両を仕入れる傾向にあるようです。
また、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの大型連休前は、多くの人が車の買い替えを検討する時期でしょう。そのため、業者は品ぞろえを充実させるべく、良質な中古車の確保に力を入れます。
こうした時期を狙って売却すれば、通常よりも高値で買い取ってもらえる可能性が高くなるでしょう。
車検前や走行距離の大台到達前
車検前や走行距離が大台に到達する前に売却するのも、高値売却のコツのひとつといえます。
例えば、車検まであと半年以内になると、車検費用が10万円以上かかることを考慮して、買取業者は査定額を下げる傾向にあるようです。そのため、車検切れギリギリではなく、車検までに余裕を持って売却しましょう。
また、走行距離が10万kmや15万kmなどの大台に近づくと、次の大台に到達するリスクを見込んで査定額が下がることも少なくありません。走行距離が9万8,000kmなら、10万km到達前に売却することで、高値が付きやすくなります。
ただし、一概にこれらのタイミングで売ればよいというわけではありません。車検までの期間や走行距離だけでなく、車の状態や相場、買い替え時期なども総合的に判断することが大切です。
ボーナス時期や新車発売時期
ボーナス支給時期や新型車発売時期も、中古車を高く売るチャンスです。例えば、夏と冬のボーナスシーズンは、多くの人が車の買い替えを検討します。新しい車を購入する人が増えるほど、中古車の需要が高まるため、下取りに出す車の買取相場が上昇しやすいというわけです。
また、人気車種の新型モデルが発売されると、旧型モデルの下取り需要が一時的に高まることもあります。特に発売直後は新型モデルの納車待ちで、旧型モデルの需要が増えるため、高値で売却できるチャンスです。
ただし、新型モデル発売から時間がたつと、旧型モデルの相場は下がっていくので、タイミングを逃さないようにしましょう。車の売却を検討している場合は、こうした需要が高まる時期を狙って、買取査定を依頼するのがポイントです。
中古車を推移後の買取相場より高値で売るためのコツ
中古車を高値で売却するためには、いくつかのコツと注意点があります。ここでは、主なポイントを3つ見ていきましょう。
中古車買取相場の推移を見極めるのはもちろん、少しの心がけが再定額を左右することも少なくありません。以下で紹介することを実践すれば、愛車をより高い価格で売却できるでしょう。
複数の中古車買取業者から見積もりを取得し相場を確認する
複数の中古車買取業者から見積もりを取ることは、高値売却をする上で欠かせません。1社だけに頼るのではなく、いくつかの業者に見積もりを依頼しましょう。各社の査定額を比較することで、自分の車の相場感がつかめます。
また、業者間で価格競争を促すことにもなり、結果的により高い買取価格を引き出せるかもしれません。査定を受ける際は、業者によって得意とする車種や査定基準が異なることを念頭に置き、幅広く見積もりを取るのがおすすめです。
ただし、あまりに多くの業者に依頼するのは避けましょう。効率的に高値売却を目指すなら、3~5社程度に絞って比較検討するのが賢明です。
中古車売却前に車両クリーニングと小修理をして買取相場アップを狙う
売却前の車両クリーニングと小修理は、査定額アップのための重要なステップです。車内の汚れ・臭いは減点対象となるため、シートやフロアマットの洗浄、ほこり取り、掃除機がけなどを念入りに行いましょう。
また、専門業者に依頼するのもひとつの手です。プロの技術で隅々まで清掃してもらえば、手間が省けるだけでなく、高い査定額が期待できます。業者の料金は車のサイズや汚れの程度によって異なりますが、1.5万円~3万円程度が相場です。
目立つ傷・へこみは自分で補修するか、修理工場で直してもらうのもよいでしょう。コストを少しかけるだけで、査定額が大きく変わることもあるため、売却前の小修理は検討に値します。純正パーツもアピール材料になるので、大切に保管しておきましょう。
中古車買取業者に正確な情報を伝えることも大切
高値売却のためには、買取業者に正確な情報の他、アピールポイントを伝えるのも重要です。まずは、複数の業者から見積もりを取得し、査定額を比較することから始めましょう。
やりとりの際は、車のアピールポイントを強調し、他社の査定額を伝えるのも効果的です。ただし、最初から希望額を明かすのは避けましょう。
また、修復歴などのマイナス情報は正直に伝え、売却予定時期を明確にすることで、業者との信頼関係を築けます。なお、修復歴などでうそをつくのは、査定額の減額のみならず、売却後に損害賠償請求などのトラブルに発展することもあるのでやめましょう。
最終的に、複数の見積もりの中から最も条件の良い業者を選ぶことで、満足のいく売却が実現できます。
まとめ
中古車の買取相場は、車両状態や車種、社会的な季節性・経済状況などにより推移するのが一般的です。また、需要と供給のバランスによっても変化します。近年では、半導体不足などを原因とした新車価格の高騰・新車の納車遅れなどが起きており、中古車の人気が上昇中です。
中古車に対する需要が高い中、海外輸出需要の増加も相まって供給が不足しており、供給が需要に間に合っていません。これにより、中古車相場が高騰しており、中古車買取相場も比例して上がっていると考えられます。
中古車を売る際は、買取相場の推移を見極めた上で、高値で売却しやすい時期を狙うのもおすすめです。
▼ライタープロフィール
鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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