車は何年乗れる?寿命に影響する要因と対策を解説
車にはおおよそ何年乗れるのか、気になるドライバーは多いでしょう。車の寿命は単に年数だけでなく、さまざまな要因によって大きく左右されます。適切なケアと運転習慣を身に付けることで、愛車との関係を長く、そして快適に保つことが可能です。
この記事では、車に何年乗れるかどうかの目安を紹介しつつ、寿命を延ばすための重要なポイントを解説します。買い替え時のポイントについても触れるので、ぜひ参考にしてみてください。
※目次※
・車が何年乗れるかのおおよその目安は、普通車が13年前後、軽自動車は約15年。
・自動車は無条件に何年も乗り続けられるわけではないため、適切なメンテナンスを継続することが重要。
・買い替え時期は、走行距離や年数だけでなく、自身の使用環境の変化など総合的に判断しよう。
車は何年乗れる?
車の寿命は、車種や使用状況によって大きく異なります。普通車、軽自動車、そして近年注目を集める電気自動車(EV)では、それぞれ寿命の目安が異なるといえるでしょう。
ここでは、各車種の平均的な寿命について解説していきます。これらの情報は、車の買い替え時期を検討する際の参考になるでしょう。
普通車・軽自動車の寿命
車の寿命は、普通車と軽自動車で若干異なります。自動車検査登録情報協会の2024年のデータによると、乗用車の平均使用年数は約13.32年となっています。普通乗用車は12.75年で、小型乗用車は13.88年です。
軽自動車は乗用車よりも長く、軽自動車検査協会のデータによると、2023年において自家用車の平均使用年数は15.82年となっています。
一方、走行距離では10万kmがひとつの目安とされています。この距離を超えると、部品交換が多くなり、維持費が増加する傾向にあります。ただし、近年の車は耐久性が向上しており、適切なケアを行えば長期間使用できます。
電気自動車(EV)はバッテリーの寿命に注意
電気自動車(EV)の寿命は、主にバッテリーの性能に左右されるといえるでしょう。一般的に、EVのバッテリーは8年~10年程度で容量が70%~80%まで低下するといわれています。
ただし、使用状況や充電習慣によって大きく変わります。頻繁な急速充電や熱などは、バッテリーの劣化を早める要因です。一方、適切な充電管理を行えば、バッテリーの寿命を延ばすことが可能です。
EVの特徴として、ガソリン車に比べて部品点数が少ないという利点があります。ただし、バッテリー交換には高額な費用がかかるため、長期的に使用するには維持費を考慮する必要があるでしょう。
自動車は20年以上乗ることも可能
以前は自動車の寿命は10年や10万kmといわれていましたが、これにはいくつかの理由があります。自動車メーカーが車種ごとの交換部品をストックするのは基本的に10年程度までであり、1995年までは10年以上乗った自動車は1年ごとに車検を行うというルールがありました。
現在では自動車の性能向上もあり、10年以上乗った車も2年に1回の車検でよくなっています。正しいメンテナンスを行えば、20年以上乗り続けていくことも不可能ではありません。
車の寿命に影響を与える主要因
車の寿命はさまざまな要因によって左右されます。ここでは、車の寿命に大きな影響を与える主要な要素について見ていきましょう。
走行距離や使用頻度、メンテナンス状況、運転習慣、そして保管環境など、車の寿命を決定づける重要なポイントを把握しておくことが大切です。
走行距離や使用頻度
車の寿命は走行距離と使用頻度に大きく影響されます。一般的に、年間の走行距離は8,000km~1万km程度です。これよりも多い場合は、部品の劣化の進行により、早期に寿命を迎える可能性が高まります。
ただし、注意したいのは過走行だけではありません。短距離の頻繁な使用は、エンジンに負担をかけやすいため注意が必要です。
長期間の未使用もバッテリーやタイヤの劣化を招きます。理想的には週1回程度、30分以上の走行が推奨されます。適切な使用頻度とバランスの取れた走行距離を心がけることで、車の寿命延長につながるでしょう。
メンテナンス状況
定期的なメンテナンスは、車の寿命を大きく左右する重要な要素です。エンジンオイルの交換、タイヤローテーション、ブレーキパッドの点検など、適切な時期に行うことで、車全体の性能を維持できます。
特に、エンジンオイルの交換は、エンジンの寿命に直結するため、走行距離や使用期間に応じて確実に実施しましょう。
また、車検時だけでなく、日常的な点検も重要です。タイヤの空気圧チェックや各種ランプの確認など、簡単な点検を習慣化することで小さな異常を早期に発見でき、大きなトラブルを未然に防げます。
運転習慣
運転習慣についても見直すことが大切です。エコドライブを心がけることで、燃費向上だけでなく、車の各部品への負担が軽減されます。
具体的には、車間距離を十分に保ち、急発進や急ブレーキを避けることが重要です。また、エンジンブレーキを積極的に活用すると、ブレーキパッドの摩耗を抑えられます。渋滞を避けるため、出発前に交通情報をチェックするのも効果的です。
さらに、不要な荷物を積まないことで車体への負担を減らせます。これらの習慣を身に付けることで、車の寿命を延ばすだけでなく安全運転にもつながります。日々の運転を見直し、車に優しい運転を心がけましょう。
保管環境
保管環境も車の寿命に影響を与える要素です。屋内駐車は、紫外線や雨風から車を守り、塗装面やゴム・樹脂パーツの劣化を抑制することにつながります。
一方、屋外駐車では、太陽光による塗装の色あせや、雨風に含まれるほこりやちりによる汚れの蓄積が避けられません。理想的な保管環境は一戸建ての専用ガレージですが、マンションの地下駐車場や高架下駐車場も選択肢のひとつといえるでしょう。
屋外駐車しか選択肢がない場合は、ガラスコーティングの施工で車体を保護することが可能です。適切な駐車環境の選択と、必要に応じた保護対策を講じることで、車の美しさと性能を長く保てるでしょう。
車の寿命を延ばすためのドライバーの対策
車の寿命を延ばすために、ドライバー自身が行える対策もあります。適切なメンテナンスや運転習慣、外装の保護など、日々の心がけで車の状態を良好に保てます。ここでは、車の寿命延長に効果的な3つの対策について見ていきましょう。
日常のメンテナンス
日常のメンテナンスは車の寿命を延ばす重要な要素です。エンジンオイルの量や冷却水、ブレーキ液などの点検を1か月に1回程度行いましょう。タイヤの空気圧や摩耗状態、ランプ類の点灯確認も忘れずに実施することが重要です。
洗車時には車体の傷やさびをチェックし、発見したら早期に対処することをおすすめします。また、エンジン始動時の異音や加速時の違和感にも注意を払いましょう。日常のメンテナンスと定期的な消耗品の交換は、車の寿命を延ばすために重要なポイントです。
車への負担軽減
車への負担軽減を考慮することも、寿命を延ばすための重要なポイントです。まず、ハンドルの据え切りを避けるようにしましょう。停止状態でのハンドル操作は、タイヤやサスペンションに大きな負担をかけます。微速で動きながらハンドルを操作するのが理想的です。
また、駐車時に輪留めに強く接触するのも避けたほうがよいでしょう。サスペンションへの衝撃は、アライメントのずれやタイヤの片減りを引き起こす可能性があります。さらに、暖機運転を心がけることでエンジンへの負担を軽減できます。
外装保護も重要
外装の保護も、車の寿命に関わる要素です。ボディの傷を放置すると、さびが発生して劣化を加速させてしまいます。特に、飛び石や擦り傷、潮風や融雪剤の影響は要注意です。
これらの要因から車体を守るため、定期的な洗車とワックスがけかボディコーティングが効果的です。また、傷を見つけたら早めにタッチアップペイントなどで補修することを検討しましょう。
下回りのさび対策は専門的な知識が必要なため、防錆コートなどを専門業者に依頼するのがおすすめです。外装の保護を怠ると、高額な修理費用が発生する可能性があります。
車を買い替える際のポイント
車の買い替えを検討する際には、まず現在の車の状態を客観的に評価し、買い替えを検討すべきサインを見逃さないことが大切です。
車の年数経過に伴う経済的負担の増加や、新車と中古車のどちらを選択するかも重要な決断といえます。これらのポイントを押さえることで、買い替えの見極めが判断しやすくなるでしょう。
買い替えを見極める主なポイント
車の買い替えを検討するサインには、いくつかの重要な指標があります。まず、走行距離が5万kmを超えると中古車の価値が大きく下落する傾向にあります。10万kmを超えると車両の価値が極端に下がるでしょう。
また、故障や修理の頻度が増加してきた場合も、買い替えのタイミングといえます。燃費性能の悪化も見逃せません。さらに、ライフスタイルの変化に合わせた車種の見直しも大切です。
経済的負担の増加
車の年数が経過すると、維持費の増加が避けられません。特に車検費用は、3回目以降から部品交換なども重なり高額化する傾向にあります。
また、13年経過後は自動車税や自動車重量税が増税され、経済的負担が大きくなります。さらに、メーカー保証期間終了後は、修理に高額な費用がかかるかもしれません。
これらを考慮すると、初回車検前の3年、保証期間が切れる5年、もしくは7年・9年などの車検前が買い替えの目安となるでしょう。
新車と中古車の選択
新車と中古車の選択は、予算やニーズに応じて慎重に検討する必要があります。新車は最新の安全性能や燃費性能を享受でき、自分好みの仕様を選べる点がメリットです。一方、中古車は初期費用を抑えられ、高級車や希少車を手に入れる機会も増えます。
ただし、中古車選びでは、走行距離や整備状況、保証内容などを十分に確認することが重要です。また、将来の売却を考慮し、人気車種や年式の新しい車を選ぶのも選択肢として挙げられます。
自分のライフスタイルや長期的な経済性を考慮し、新車と中古車のメリット・デメリットを比較しながら、最適な選択をすることが大切です。
自動車を20年以上乗る際の注意点
現在は自動車を20年以上乗り続けられる時代になっていますが、自動車を長く乗り続ける中ではいくつかの注意点もあります。売却する際に買取価格がつかないケースもあることなどについて押さえておきましょう。
買取価格が低くなる
基本的に自動車は生産から1日ごとに価値が落ちていくため、20年以上乗り続けた車は中古車市場での価値が落ち、買取価格がつかなくなってしまうケースもあります。乗り換えの際には廃車を意識するかもしれません。
しかし、自動車はどれだけ古くても、たとえ事故車であっても解体すればパーツや鉄として価値があります。古いパーツでも海外市場では売れるケースがあり、鉄は継続的にニーズがあるため、「廃車買取」の選択が可能です。
また、日本市場では価値がない状態の自動車であっても、海外市場ではニーズがあるケースもあります。海外市場への販路がある中古車買取店であれば、車種によっては中古車として買取価格を付けることも可能です。
交換部品の在庫がないことがある
自動車の修理やメンテナンスでは、基本的に部品交換が発生します。純正部品を使用することも珍しくありません。
自動車メーカーは車種の製造終了から10年程度は交換部品をストックしていますが、それ以上になると純正部品での交換に対応できないケースがあります。
この10年程度というのは個体の製造年からではなく、車種として製造終了してからの年数です。交換部品の保管期間は自動車メーカーや車種によって異なりますが、年式の古い自動車では純正部品に交換できないリスクがあることに注意しましょう。
まとめ
車の寿命は、一般的に10年~15年程度です。寿命に影響を与える主な要因には、走行距離、使用環境、メンテナンス状況などがあります。定期的なメンテナンスや丁寧な運転を心がけることで、車の寿命を延ばすことにつながるでしょう。
買い替え時期については、走行距離や年数、修理費用や各種税金の増加などを考慮して総合的に判断することが大切です。新車・中古車のどちらに買い替えるのかは、予算や自身のニーズに応じて選択しましょう。
▼ライタープロフィール
小波津健吾
高山自動車短期大学を卒業とともに国家2級整備士資格を取得。その後、整備士として実務経験を積み重ね自動車検査員資格を取り、民間工場で検査員として従事した経歴を持つ。現在はメカニックや検査員の知識と経験を活かし、主に車系のメディアで執筆している。
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