物損事故で点数はどうなる?知っておくべき対応と注意点
車を運転していると、誰しもが一度は「物損事故を起こしたらどうなるのだろう」と考えたことがあるでしょう。しかし、物損事故が発生した場合に点数がどうなるのか、具体的な事情や例外について詳しく知っている人は少ないかもしれません。この記事では、物損事故に関する点数の扱いや当て逃げの場合の刑罰、さらに点数が加算されないための条件などを分かりやすく解説します。物損事故への対応方法をきちんと理解して、万が一の際にも冷静に対処できる準備をしましょう。
※目次※
・物損事故は人にけががなく、物(車や建物など)にのみ損害が発生した場合を指す。
・当て逃げの場合、道路交通法違反として重い刑罰が科される。
・物損事故が発生した際は警察へ連絡した後、保険会社へ連絡する。
物損事故とは何か
物損事故について基本的な定義から理解しておきましょう。ここでは、物損事故の定義と、その内容について詳しく解説します。物損事故がどのような場合に発生し、どのような対応が求められるのか、また、物損事故と人身事故との違いについても取り上げました。理解を深めることで、もしものときにも冷静に対処できるようにしましょう。
物損事故の定義
交通事故において、物損事故とは人にけががなく、物(車や建物など)にのみ損害が発生した場合を指します。例えば、駐車場で誤って車両をぶつけてしまい、他の車に傷を付けた場合です。人身事故との最も大きな違いは、物損事故では通常、免許の違反点数が加算されないことです。
一方、人身事故ではけがの有無に応じて点数が加算されるため、免許停止などの重い処分が科されることがあります。また、物損事故の場合、主に任意保険を用いて損害の賠償が行われ、人身事故のような刑事処分の対象とはならないことも異なる点です。
物損事故における保険の基本
物損事故が発生した際、主に頼りになるのが任意保険です。まず、事故の報告を保険会社に行い、その後、修理費用や経済的全損に対する補償が提供されます。修理が可能であれば、その費用は保険から賄われますが、修理費が事故前の車両の時価相当額を下回ることが条件で賠償されます。
例えば、市場価値30万円の車を運転していた場合、修理費がその額を超えると、その車は全損と見なされます。物損事故では、すぐに保険会社に連絡し、適切な賠償手続きを踏むことが重要です。
物損事故での点数の扱い
物損事故において、違反点数がどのように扱われるのかを詳細に解説しましょう。このセクションでは、物損事故の違反点数の基本、当て逃げの場合の点数と刑罰、および違反点数が加算されない条件について説明します。物損事故に関する理解を深め、適切な対応を心がけるための重要なポイントです。
物損事故での違反点数の基本
物損事故では基本的に違反点数が加算されません。これは、道路交通法上の「交通事故」には含まれますが、行政処分上は「事故」として扱われないためです。ただし、人身事故や建造物損壊事故の場合には点数が加算されます。つまり、「無事故無違反」の「無事故」とは、人身事故が一切ないことを意味しており、物損事故だけでは点数に影響はありません。
当て逃げの場合の点数と刑罰
当て逃げをした場合、まず道路交通法違反として重い刑罰が科されます。報告義務違反では3か月以下の懲役または5万円以下の罰金、危険防止等措置義務違反には1年以下の懲役または10万円以下の罰金の適用です。さらに、違反点数も加算されます。具体的には、危険防止等措置義務違反で5点、安全運転義務違反で2点、合計7点の違反点数が加算されるため、免許停止処分に至ることもあります。そのため、物損事故時には警察に連絡し、適切な対応を心がけましょう。
違反点数が加算される条件
物損事故であっても、特定の条件を満たさない限り違反点数が加算されることはありません。しかし次のような場合は違反点数として加算の対象です。例えば、無造作に駐車場で他の車に接触し、そのまま立ち去る行為です。また、建造物を損壊した場合も、安全運転義務違反の他「建造物損壊事故」として2点から3点が加算される可能性があります。
さらに、事故原因が交通違反だった場合は違反点数の加算対象です。特に、酒酔い運転で建造物を損壊した場合、酒酔い運転の35点が加算されるため深刻な結果となります。これらの条件を理解し、事故時には適切な対応を行うことが重要です。
物損事故後の具体的な対応方法
物損事故が発生した際の対応方法について、具体的な手順をご紹介しましょう。ここでは、警察への連絡手順から保険会社への連絡方法、さらに修理費用の負担や示談に至るまで、細かく解説していきます。適切な対応を行うことで、後々のトラブルを回避し、スムーズに問題を解決できるでしょう。
警察への連絡手順
物損事故が発生した際は、まず警察へ連絡することが重要です。緊急時には「110番」に電話し、事故の状況を正確に伝えましょう。具体的には、事故の発生日時や場所、関与した車両や人について詳細な情報を報告します。
また、落ち着いて状況を説明し、警察官の質問に答えることが重要です。この手順を守ることで、後々のトラブルを避けることができるでしょう。
保険会社への連絡手順
物損事故後、できるだけ早く自身の加入する保険会社へ連絡することも大切です。まず事故の詳細を報告してください。車両の破損には車両保険、他人の所有物(ペットも含む)の破損には対物賠償保険が適用されます。
ただし、保険を利用すると等級が下がり、将来の保険料が上がる可能性も覚えておきましょう。例えば、修理費が5万円で、保険利用で保険料が年間5万円以上増加する場合、保険を使わずに自己負担で修理を行うほうが経済的です。担当者と相談し、適切な選択をしましょう。
ステップ |
詳細 |
1. 早急に連絡 |
事故の詳細を報告 |
2. 保険適用の確認 |
車両保険と対物賠償保険の区別 |
3. 保険料の影響 |
等級が下がり、保険料が上がる可能性 |
4. 経済的な判断 |
修理費用と保険利用のコストを比較 |
5. 担当者と相談 |
適切な判断を行う |
修理費用の負担と示談
示談は重要なステップです。まず、被害者側に過失がある場合、その過失に対しての物損事故が発生した場合、修理費用の負担や割合に応じて修理費用が分担されます。例えば、10万円の修理費用がかかった際、被害者に2割の過失がある場合、8万円を加害者が負担します。また、加害者が任意保険に加入している場合、多くのケースで保険会社が示談を代行します。しかし、どちらかがもしくは双方が保険に未加入の場合は本人と直接話し合いをしなければなりません。
この際、示談書の内容を十分に確認し、署名・押印を行う前に弁護士など専門家に意見を求めることをおすすめします。専門知識を持つ弁護士が関与することで、適切な過失割合や賠償金を決定できる確率が高まるでしょう。
物損事故による心理的な影響と対処法
物損事故を経験すると、多くの人は心理的な負担を感じます。特に、新車が事故に遭った場合、精神的なショックは大きいです。この項では、精神的なストレスを和らげる方法として家族や身近な知人に相談する、専門家のカウンセリング利用など、具体的なストレス対策方法について解説します。さらに、物損事故後の心のケアがなぜ重要なのか、長期的な効果についても見ていきましょう。
物損事故後のストレス対策
物損事故の発生は、精神的な負担を大きくします。具体例を挙げると、新車を購入したばかりの車が事故に遭った場合、誰もがショックを受けるでしょう。そこで、ストレス対策が重要となります。まず、自分でできるケアや気持ちの整理、リラックス方法を見つけることが大切です。
また、家族や親しい友人に相談することで心理的なストレスが抑えられることもあります。他にも、専門家のカウンセリングを利用するのも有効です。適切なバックアップを受けることで、心の健康を保つことができるでしょう。
カウンセリングやサポートの活用
物損事故後の心理的なサポートを受けることは、心の安定を保つために非常に重要です。特に、カウンセリングは、専門家があなたの話を聞き、問題点を整理し、解決への糸口を見付ける手助けをしてくれます。例えば、事故後のショックで日常生活に支障をきたすことがあるかもしれません。このようなときにカウンセリングを受けることで、心の負担を軽減し、自分の気持ちや考え方を整理できます。
結果として、問題解決の糸口が見つかり、自己回復力が向上します。また、カウンセリングは一人で抱え込まず、専門家に助けを求めることで、精神的な安定を得ることができる手段のひとつです。事故後の心のケアは、長期的に見ると非常に効果的であり、再発防止にもつながる効果が期待できるでしょう。
物損事故を起こした車をどうするか
物損事故後の車の状態管理では、修理か廃車かの判断が必要です。まずは、損傷の程度や費用、安全性を考慮して判断基準を設定し、修理か廃車のどちらが適切かを見極めます。次に、修理費用の見積もり方や適切な修理業者の選び方について解説します。
車の修理や廃車の判断基準
物損事故後に車を修理するか廃車にするかの判断は、多くの要素を考慮して決定しましょう。まず、フレームが歪んでいるような損傷程度が深刻な場合、高額な修理費用がかかり、安全性が損なわれる可能性が高いです。また、水没した車も同様に後々の故障リスクが大きいため、廃車を選ぶほうが賢明でしょう。
しかし、修理費用が比較的安価であれば、修理して使い続けるのもひとつの選択肢です。また、購入して日が浅い車や強い愛着がある車は、修理費用をかけてでも手元に置きたいと感じるでしょう。迷った場合は複数の修理業者から見積もりを取り、総合的な判断がおすすめです。
修理費用の見積もりと選び方
修理費用の見積もりを取る際には、複数の業者から見積もりを取得し、比較検討することが重要です。例えば、ディーラーは高品質な修理を提供しますが費用が高い点がデメリットといえるでしょう。
一方、民間工場はリーズナブルでスピーディーな対応が期待できるところもあります。しかし車全体のメンテナンスにおいて得意分野が異なる場合があります。そのため、信頼性が高くスムーズに手続きが進む保険会社提携の整備工場もひとつの選択肢です。
また、インターネットでの見積もりは目安に過ぎないため、最終的には業者の現車確認を受けることが必要です。フロントガラス交換が約10万円、小さな傷の修理が約2万円など相場を参考にして、複数業者の見積もりを比較し、最適な修理業者を選びましょう。
物損事故と車の買い替え
物損事故後、車を買い替える際にはいくつかの重要なポイントがあります。まず、修理費用と自己負担額を考慮することです。また、中古車の査定と売却方法についても理解しておくと、スムーズに進められます。次に、中古車の査定方法や売却の手順について解説します。
車の買い替え時の注意点
物損事故後に車を買い替える際、まず考慮すべきは修理費用と自己負担額です。特に、自分の過失割合が高い場合、保険でカバーされる範囲が限られるでしょう。また、車両ローンが残っている場合、新しい車に対する二重ローンが発生するリスクもあります。
さらに、事故の影響で車の骨格部分やエンジンに深刻な損傷がある場合、修理費用が高額になるだけでなく、安全性にも影響が出ることがあります。古い車や走行距離の長い車の場合、修理費用が高くなるため、買い替えが経済的に有利な選択となるケースもあるでしょう。
中古車の査定と売却方法
中古車の査定は、車の価値を正確に見極める重要なステップです。まず、車の外観や内装、走行距離、事故歴などをチェックします。業者による評価が異なる場合もあるため、複数の業者に査定を依頼するのがおすすめです。
査定が終わったら、売却方法を選びます。一般的には以下の手順で進めます
1. ネットでの即日査定:簡単に現在の車の相場を把握できます。
2. ディーラーや専門店での査定:より詳細な評価をもらえます。
3. 売買契約の締結:納得のいく査定額が出たら、契約を結びます。
信頼できる業者を利用することで、手間なく安心して売却が進められます。無料査定や即時現金化などのサービスも活用しましょう。こうした手順を踏むことで、納得のいく取引が実現します。
まとめ
物損事故について、その基本的な扱いや具体的な対応方法、心理的な影響や対処法、物損事故を起こした車の扱い方や、車の買い替えについて説明しました。
物損事故では通常、免許の違反点数は加算されませんが、「当て逃げ」「建造物の損壊」「事故原因が交通違反だった場合」には道路交通法違反、刑事処分の対象となり違反点数が加算されます。
物損事故を起こしてしまった場合は、警察や保険会社に連絡し、適切な対応をしましょう。
▼ライタープロフィール
松永つむじ
Webライター
予備校講師からライターに転身した車特化ライター
車の情報だけでなく、MaaSやCASEをはじめ社会・産業・経済・ジェンダーなど、多岐にわたる車をテーマにした記事執筆に携わる。これまでの執筆数は500記事以上。
歴代の愛車は全てMT車の車好き&モータースポーツファン。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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