車のパンク修理の依頼先や費用、見分け方や自分でできる応急処置も解説!
パンクは突然起こるトラブルであり、その場でどのように対処すべきか判断するのは難しいのではないでしょうか。また、修理にどれほどの期間や費用が必要かも気になるところです。
本稿では、パンク修理の種類やパンクの見分け方、対処法、修理を任せられるサービスや費用の目安などを詳しく解説します。修理したタイヤは使い続けられるのか、修理できない場合はどうするのかなどにも触れるので、いざという場合の参考になるでしょう。
※目次※
・車のパンクには「内面修理」と「外面修理」の2パターンがある。
・ホイールの損傷やパンクしたタイヤの状態によっては買い替えが必要になる。
・空気が足りずにつぶれたタイヤで走行を続けると、バーストの危険性が高まる。
車のパンク修理における基礎知識
毎日のように車を運転するユーザーでも突然のパンクにすぐに対応できるとは限らないでしょう。基礎知識があれば、突然パンクしたときでも冷静に対処できます。
ここでは車のパンクの種類を解説し、修理できないケースやパンクかどうかの判断が難しいときの見分け方、車のパンクに気付いたときの対処法などを解説します。
パンク修理には「内面修理」と「外面修理」の2種類がある
パンク修理には「内面修理」と「外面修理」があります。
内面修理はタイヤをホイールから外し、タイヤの内側からパンクを修理する方法です。一方の外面修理はタイヤをホイールから外さずに、タイヤの外側からパンクを修理します。
内面修理は内側からタイヤの穴をふさぐため、より確実なパンク修理となります。ただし、外面修理よりも費用が高く作業時間も長くかかります。
外面修理はタイヤの外側からにプラグをねじ込みパンクの穴を埋める方法で、作業時間も費用も抑えられます。しかし、タイヤ内部の状態を確認できないので、恒久的な処置とは言えず、再び同じ場所がパンクする可能性があります。
損傷によっては修理ができないケースもある
以下のような損傷などがある場合、修理できないケースもあります。
・タイヤの側面(サイドウォール部)に傷がある
・損傷の直径が6mmを超えている
・3つ以上の損傷がある
・スリップサインやベルトが露出しているタイヤ
・セパレーション(はく離)やコード切れがある
・パンクした状態で走行し引きずってしまったタイヤ
修理できるのは、路面に接地するゴムの強い部分だけと覚えておきましょう。また、パンク修理剤で応急処置をしたタイヤも修理できません。修理できない場合は、タイヤを交換する必要があります。
パンクかどうかの判断が難しいときの見分け方
車のパンクは、運転中の異常やタイヤの異常から発見できるケースも少なくありません。早めに気付けば事故などのリスクを抑えられるので、定期的なチェックが大切です。
運転中にハンドルが重く感じたり異音がしたりするなら、タイヤがパンクしている可能性があります。そのまま走行し続けるとタイヤの損傷が進み修理できなくなるので、安全な場所に停車してタイヤをチェックしてみましょう。
運転前にタイヤをチェックすることも重要です。くぎやネジなどの異物が刺さっていないか、バルブからのエア漏れはないかなど、運転前にチェックしましょう。
車のパンクに気付いた場合の対処法と注意点
車のパンクに気付いた場合は、落ち着いて対応することが大切です。エアが抜け空気圧が不足している状態では、近距離であってもそのまま走行を続けることは避けましょう。
ホイールにゆがみが生じたり、タイヤ修理ができなくなったり、最悪の場合は重大事故につながる恐れもあります。ここでは、パンクに気付いた際の対処法と注意点について解説します。
車のパンクに気付いたら?
タイヤをチェックしてパンクに気付いた場合は、タイヤの状態により対処法を検討する必要があります。
くぎやネジなどの異物が刺さっている場合は、すぐに抜かないようにしましょう。チューブレスタイヤは異物が刺さったままであれば徐々に空気が抜けていきます。少し空気が減っている程度なら、最寄りの専門店などに自走で持ち込むことが可能です。
一方で異物を取り除くと、瞬時にタイヤの空気が完全に抜けきってしまうため注意が必要です。自分でスペアタイヤに交換したり応急修理をしたりするか、ロードサービスを呼ぶかの判断が必要となります。
車がパンクした際に避けるべき行為
車がパンクした際に避けるべき行為は2つ挙げられます。
ひとつ目はタイヤがつぶれた状態での走行です。タイヤの表面のトレッドの面の内部には「カーカス」というコードを編み込んだ層があります。タイヤがつぶれた状態で走行をしてカーカスを傷付けると修復が不可能になります。
次に高速道路の走行です。タイヤがつぶれた状態で高速走行を続けると、内部の空気が加熱されて異常に膨張し、破裂(バースト)を招く危険性が高まります。
車のパンク修理はどこに依頼できる?
車のパンク修理はディーラーやガソリンスタンドなど、さまざまな場所で行えます。ただし、対応できる修理方法や価格が異なるので、状況に合わせてどこに依頼をするか検討すると良いでしょう。
各業者の特徴を簡単にまとめて紹介するので、ぜひ覚えておきましょう。依頼先の見当を付けておくと、気持ちに余裕を持って運転できます。
ディーラー
パンク修理の際にまず思い浮かぶのが、車を購入したディーラーです。特に、なじみの担当者がいる場合はスムーズな対応が期待できます。車種を把握していることや、コミュニケーションを取りやすいことは修理の段取りをする上でも大切です。
また、携帯電話などの連絡先を知っているとさらに安心できます。パンクしたタイミングで連絡すれば、適切な対処方法をアドバイスしてくれるでしょう。ディーラー保証の範囲内で修理できる場合もあります。
ガソリンスタンド
パンク修理はガソリンスタンドでも行ってくれます。店舗が多いため、パンクした場所からでもすぐに見付けられるのがメリットです。最寄りの店舗を利用すれば手間も最小限で済みます。
一方、ガソリンスタンドはパンクした場所まで来てくれることはほとんどないので、あくまで自走して持ち込めることが条件です。より安全に持ち込めるよう、勤務先やよく行く場所周辺のガソリンスタンドは事前に把握しておきましょう。
カー用品店
気軽に修理を依頼したいのであれば、カー用品店がおすすめです。
価格が比較的安価に設定されていることが多く、タイヤ交換やメンテナンスを行うための修理スペースがあるので素早く対応してくれるケースもあります。カー用品を見るなど、修理を待っている時間を有意義に過ごせるのも利点です。
利用客数によっては予約待ちになったり、修理内容によっては対応不可能となったりすることもあるので、持ち込む前に電話などで確認すると良いでしょう。
タイヤ専門店
専門店ならではの徹底した修理や、タイヤの使用に関してのアドバイスを受けられるのがタイヤ専門店の魅力です。損傷の度合いを見極めた上で修理を行ってくれるので、修理後の安全性が高まります。
パンク修理の依頼を受ける件数が多いため経験も豊富で、臨機応変な対応をしてくれるでしょう。ただし、内面修理を行うと費用は高くなるため、心配な場合は事前に相談しておくと安心です。
ロードサービス・出張修理
自力での走行が困難な場合は、ロードサービスを依頼するのもひとつの方法です。加入中の任意保険にロードサービスが無料で付帯している場合もあり、路上でのトラブル対応専門のサービスを行う団体もあります。
業者によっては、出張でのパンク修理に対応していない場合もあります。その場合、ロードサービスは近くの修理店までの輸送手段と考えましょう。いずれにせよパンクしたままの自走は危険が大きくなるため、プロに任せたほうが無難と言えます。
自分でパンク修理キットを使った応急処置も可能
ロードサービスなどに加入していない場合は、パンク修理キットなどを使用し、自分で修理する方法もあります。キットの使い方は以下の通りです。
1.タイヤを外してパンク箇所を探し、くぎなどが刺さっていれば抜く
2.付属の棒に接着剤を塗布し、パンク部分に差し込む
3.筒以外を外して、接着剤を塗布したゴムを入れる
4.棒でゴムを押し込み、30分ほど放置する
5.コンプレッサーでタイヤに空気を入れ、漏れがないか確認する
6.はみ出たゴムをカットし、タイヤを装着する
作業自体は比較的単純ですが、慣れていないとうまくできないこともあります。また、修理キットはあくまで応急処置のため、後でプロに頼むなどしてきちんとした修理が必要です。修理前と同じ状態に直せるとは考えないほうが良いでしょう。
車のパンク修理にかかる費用と時間の目安
パンク修理にかかる費用や時間は依頼先によって異なるものの、ある程度の目安があります。パンクの程度やどのような修理を行うかでも差が出るので、ざっくりと把握しておくと良いでしょう。
業者の状況によっては、すぐに対応してもらえるかどうかも変わってくるため、作業にかかる時間を踏まえて段取りをするとスムーズです。
費用の目安
パンク修理の費用の目安は、以下の通りです。
修理依頼する場所 |
外面修理の費用目安 |
内面修理の費用目安 |
ディーラー |
2,000円程度 |
5,000円程度 |
ガソリンスタンド |
1,500円~2,000円程度 |
- |
カー用品店 |
1,500円程度が一般的。店の規模により価格に幅がある |
|
タイヤ専門店 |
2,000円程度 |
3,000円~5,000円程度 |
ディーラーでの修理は、傷の度合いやタイヤの大きさなどによって価格が変わります。外面修理であれば2,000円程度でしょう。タイヤを外して行う本格的な内面修理の場合には5,000円ほどかかるケースが一般的です。
ガソリンスタンドでは、基本的に応急処置的な外面修理のみ対応しています。価格は比較的安く1,500円ほど、高くても2,000円程度で修理が可能です。
一般的なカー用品店では、パンク修理の相場はおおよそ1,500円です。大手のチェーン店か、個人経営店かによっても価格が変わります。
タイヤ専門店での修理の場合、外面修理で済むケースでは2,000円程度です。内面修理を行う際は、タイヤのサイズによって値段が変わります。3,000円~5,000円程度かかるでしょう。
時間の目安
パンク修理にかかる時間の目安は、以下の通りです。
修理方法 |
1本あたりの時間目安 |
外面修理 |
20分前後 |
内面修理 |
30分~1時間程度 |
パンクの外面修理にかかる時間の目安は、タイヤ1本あたり20分前後です。複数パンクしていればその分時間は追加でかかり、損傷の程度によっても時間は前後します。内面修理を行う場合は、30分~1時間程度かかるのが一般的です。
上記は持ち込んですぐに対応してもらえた場合の所要時間であるため、店の混み具合や時間帯によっては数時間かかることもあります。急ぎの際には事前連絡し、すぐに対応してもらえるか確認しておくと良いでしょう。
車のパンク修理後はタイヤを使い続けても大丈夫?
パンク修理したタイヤは、使用方法に配慮することで継続使用が可能です。安全に使用するために、修理における注意点や適した修理方法を知っておきましょう。
無理な使用を続けると事故のリスクが大きくなってしまう可能性もあります。パンク修理したタイヤに不安を感じている、という方も必見です。
多少性能が落ちても一般道での使用は問題ない
確実に修理したタイヤなら、一般道での走行には問題ありません。性能が落ちたり劣化が早まったりすることはありますが、ゴムのひび割れやスリップサインなど、タイヤの寿命とされる目安が出るまで使用できます。
指定空気圧にしておくことも重要です。空気圧は、ガソリンスタンドなどでチェックできます。指定空気圧を保っているか日々チェックしておけば、パンクの再発を確認したり、タイヤによるトラブルも防げたりするでしょう。
高速走行は避ける
パンク修理を行ったタイヤは、高速道路の走行を控えるのが無難です。タイヤの空気圧が低い状態で高速走行を行うと、タイヤの表面が波打ってしまうことがあります。その影響でタイヤが加熱されて内部の空気が膨張し、補強材が損傷して起こるのがバースト(タイヤの破裂)です。
バーストしてしまうと走行困難な状態となるため、他の車を巻き込む事故につながる可能性が非常に高まります。リスク回避のためにも、パンクを経験したタイヤで高速道路を走行するのは控えましょう。
車のパンク修理ができない場合は買い替えが必要
パンク修理ができないタイヤは買い替えが必要です。ここでは、買い替えなければならない理由を解説し、買い替えにおすすめのタイヤを紹介します。
修理不可の場合はタイヤ交換が必要
パンク修理ができない場合、タイヤを交換する必要があります。その際は、パンクした1本のみを交換することはおすすめできません。4本とも同等の性能を持っていないと、駆動力に差が出てしまいデフの故障につながるなどのトラブルが発生するためです。
ただし、1本のみ交換できるケースもあり、他のタイヤが新品同様かつ同じタイヤに交換する場合は単品での交換もできます。新品タイヤとの摩耗差が大きいタイヤを装着したり、違うトレッドパターンのタイヤを装着したりしないように注意しましょう。
費用を抑えたい場合は、車の駆動方式を確認します。前輪のみもしくは後輪のみなど同軸のタイヤをそろえることでバランスの取れる2WDであれば、2本のみ取り替えることができます。しかし、4WDかつ消耗が進んでいる場合は4本とも取り替えが必要です。
ホイールの交換が必要な場合も
パンクの原因は、タイヤ自体の損傷・破損によるものだけではなく、ホイールに起因する場合があります。例えば、ホイールのリムを縁石などにぶつけてしまい変形するといったケースです。ホイールの変形が原因となり、隙間から空気が漏れる場合があります。
ホイールは硬い金属で成形されています。変形した場合の修復は困難で買い替えが必要と考えて良いでしょう。もし買い替えとなると、バランス調整のために左右のペアか4本全ての交換が必要になる場合もあります。
タイヤのパンクを防ぐ有効な対策
タイヤのパンクは、日頃のチェックや手入れで防げることがあります。タイヤ内部には空気が満たされており、空気は温度によって膨張と収縮を繰り返します。
また、内部の空気は自然に抜けるため、放っておくとつぶれたタイヤで走行をすることになりタイヤを痛める可能性があります。パンクを防ぐために比較的容易な方法を見ていきましょう。
定期的に空気圧をチェックする
タイヤの空気圧は定期的にチェックをしましょう。タイヤの空気は、月日が経てば自然と抜けていきます。風船が自然にしぼむのと同じ原理で、空気の分子がゴムの分子の間から抜けてしまうのです。
空気圧が偏ったまま走行を続けると一部のタイヤへの負荷が大きくなり、摩耗を早めてパンクにつながる可能性が大きくなります。
タイヤの指定空気圧は、運転席のドアのサイドシルに記載もしくはシールで貼り付けられている場合があります。また、エアゲージ付きの空気入れは、ほとんどのガソリンスタンドに備え付けられているので、まめに空気圧をチェックする癖を付けると良いでしょう。
定期的にタイヤを洗う
定期的にタイヤを洗うことで、パンクの早期発見につながります。タイヤやホイールに深刻なダメージを与える前であれば、パンク修理が可能です。くぎが刺さっていたり、ガラスが挟まっていたりするのを発見した場合は、速やかにお店に相談しましょう。
ただし、定期的にタイヤを洗うにあたって、洗剤などによる洗い過ぎには注意が必要です。タイヤの劣化を助長する可能性があるため、基本は水洗いに留めましょう。
タイヤをローテーションする
4本のタイヤには均等に荷重がかかっているとは言えません。加減速やカーブ、坂道の走行、そして前輪駆動や後輪駆動といった駆動方式の違いにより、前輪か後輪かに偏って荷重がかかっていると考えられます。
荷重がどちらかに偏ってかかっていれば、その部分の摩耗は早まる傾向にあります。そのまま走行を続ければパンクにつながる危険性があります。
前後輪をローテーションすれば、摩耗の偏りを均一化できると言えます。均一化できればその分摩耗とパンクを防げることにつながるでしょう。
まとめ
タイヤは地面と接して摩耗する以上、パンクを100%防ぐことは非常に困難と言えます。しかしパンクした場合の対策を知っていれば、焦らず対応ができるようになるでしょう。
今回は、パンクの修理の種類が「内面修理」と「外面修理」の2種類あり、修理の可否や依頼先、金額などを紹介しました。また、パンクを防ぐことにつながる点検方法にも触れました。防げるパンクは防ぎ、より安心・安全なカーライフを送りましょう。
▼ライタープロフィール
北野晶夫
オートバイ雑誌と自動車WEB媒体の編集部員を経験後に独立し、フリーの記者・編集者となり現在に至る。
新車取材の他チューニングカーやレースの取材なども行う。写真撮影も行い、撮影・執筆・編集と一連の制作を担当することが多い。読者のカーライフを応援できる記事づくりがモットー。
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