歴代プリウスを比較!初代から新型5代目まで革新の軌跡を徹底解説
プリウスの25年間にわたる進化は、自動車業界にどのような影響を与えたのでしょうか?世界初の量産ハイブリッド車として登場して以来、プリウスは環境性能と燃費効率の向上を追求し続けてきました。その過程で、デザインや走行性能も大きく進化しています。
この記事で、初代から最新の5代目まで、各世代のプリウスがもたらした革新と、自動車技術の発展に果たした役割を探ってみましょう。プリウスの歴史をひも解くことで、未来のモビリティの姿が見えてくるかもしれません。
※目次※
1.【歴代プリウスの進化の軌跡】初代プリウス(1997年~2003年)
2.【歴代プリウスの進化の軌跡】2代目プリウス(2003年~2009年)
3.【歴代プリウスの進化の軌跡】3代目プリウス(2009年~2015年)
4.【歴代プリウスの進化の軌跡】4代目プリウス(2015年~2023年)
5.【歴代プリウスの進化の軌跡】5代目プリウス(2023年~)
・1997年発売の初代プリウスは世界初の量産ハイブリッド車で、燃費28.0km/Lを実現し、同クラスガソリン車の約2倍の性能を達成した。
・2003年の2代目プリウスはトライアングルモノフォルムのデザインとTHS IIシステムにより、燃費35.5km/Lを実現し世界的に大ヒットした。
・2009年の3代目ではプリウスαとプリウスPHVの派生モデルを展開し、5代目はPHEVに特化している。
【歴代プリウスの進化の軌跡】初代プリウス(1997年~2003年)
プリウスは、1997年に世界初の量産型ハイブリッドカーとして自動車業界に革新をもたらしました。優れた環境性能と走行性能を両立した、トヨタのハイブリッドシステムについて詳しく紹介します。
まずは、画期的な技術と環境への貢献が高く評価された、初代モデルの特徴を見ていきましょう。
【歴代プリウス 初代編】世界初の量産ハイブリッドカーとしての登場
1997年12月、トヨタが世界初の量産型ハイブリッドカーとして発売したのが初代プリウスです。開発の起点となったのは1993年の「G21プロジェクト」で、従来エンジンの2倍という高い燃費性能目標が設定されました。
電動化技術の開発は着実に進み、1995年の東京モーターショーでは新開発エンジンを搭載したコンセプトカーを展示します。その後、商品化への取り組みが加速しました。
発売時期は、京都で開催されたCOP3(気候変動枠組条約第3回締約国会議)の直前となり、地球温暖化対策への貢献を強く印象付ける結果となったそうです。
【歴代プリウス 初代編】革新的なTHSシステムの仕組みと燃費性能
初代プリウスに搭載されたトヨタハイブリッドシステム(THS)は、パワースプリットデバイスによりエンジンとモーターを効率的に制御する革新的な技術です。
低速走行時は電気モーター、高速走行時はガソリンエンジンを主に使用し、加速時には両方を組み合わせて最適な出力を実現します。
10・15モード走行で28.0km/Lという燃費性能は、当時の同クラスガソリン車の約2倍を達成しました。この性能は、エンジンの効率化と電気モーターの活用、回生ブレーキシステムによる制動エネルギーの再利用により実現されています。
【歴代プリウス 初代編】販売実績と市場での評価
初代プリウスの世界総販売台数は約12万3,000台、日本国内では6万5,000台を記録しました。28.0km/Lという優れた燃費性能は、環境意識の高い消費者から支持を得ましたが、走行性能の課題やデザインの評価が分かれ、販売は予想を下回ったようです。
価格の高さ・走行距離の短さなどの課題は、2代目以降のモデルで改善され、プリウスの普及拡大につながります。ハイブリッド技術の先駆者として、現代のエコカー時代を切り開いた革新的なモデルです。
【歴代プリウスの進化の軌跡】2代目プリウス(2003年~2009年)
2代目プリウスは、独創的なトライアングルモノフォルムのデザインで、新たな進化を遂げています。THS IIシステムの搭載により、さらなる低燃費と走行性能の向上を実現しました。ここでは、世界的に高い評価を受けた2代目プリウスについて解説します。
【歴代プリウス 2代目編】デザイン刷新と空力性能の向上
2代目プリウスでは、セミノッチバック4ドアセダンから5ドアハッチバックへとボディスタイルが大きく変更されました。
キャビンを中心に三角形をモチーフとした「トライアングルモノフォルム」という新デザインを採用し、優れた空力性能と快適な室内空間を両立しています。
後方が流麗に落ち込んだリアデザインは、現代のプリウスのデザインにも通じる先進性を備えていました。爽やかでクリーンな外観は、走る楽しさを予感させながらも飽きの来ない洗練された印象を与えます。
【歴代プリウス 2代目編】進化したTHS IIシステムと燃費性能の飛躍
2代目プリウスに搭載されたTHS IIシステムは、昇圧チョッパの採用によりバッテリー電圧を500Vに変換し、モーター性能を大幅に向上させました。同時に、バッテリー部の小型軽量化も実現しています。
13種類の走行モードを備えたTHS IIシステムは、状況に応じて最適な制御を行うことで、10・15モードで35.5km/Lという優れた燃費性能を達成しました。これは、初代と比較して約26.8%の向上となります。
【歴代プリウス 2代目編】グローバル展開と市場での成功
2003年の発売以降、2代目プリウスの累計販売台数は2011年までで119万2,000台に達し、グローバル市場で大きな成功を収めました。特に北米市場では「エコカー」の象徴として高い人気を獲得し、セレブリティからも支持を集めています。
日本国内でも販売を伸ばし、タクシー業界でも採用が進みました。燃費性能の向上と環境意識の高まりにより、プリウスは「環境に優しい車」の代名詞となり、トヨタのブランドイメージ向上にも大きく貢献しています。
【歴代プリウスの進化の軌跡】3代目プリウス(2009年~2015年)
3代目プリウスは、新プラットフォームの採用により、走行性能と燃費性能が飛躍的に向上しています。快適性と環境性能の両立に加え、新たなラインアップを展開したのも大きな特徴です。ここでは、さらなる進化を遂げた3代目プリウスの特徴を見ていきましょう。
(参考:『プリウス(トヨタ)の中古車一覧|中古車の【ネクステージ】』)
【歴代プリウス 3代目編】新プラットフォームによる走行性能の向上
3代目プリウスは、全長と全幅の拡大、全高の低下により車体の安定性が大幅に向上しました。特に低重心化設計により、コーナリング時の安定性が増し、より快適な運転が可能となっています。
新プラットフォームでは、エンジンルームのレイアウトを最適化し、空気抵抗の低減に成功しました。また、サスペンションを見直すことで、路面からの振動を効果的に吸収し、長距離ドライブでの疲労軽減を実現しています。
【歴代プリウス 3代目編】さらなる低燃費化と環境性能の進化
進化したTHS IIシステムと1.8Lエンジンの搭載により、10・15モードで38.0km/Lという世界最高水準の燃費性能を達成しました。走行モードは「標準」「パワー」「エコドライブ」「EVドライブ」から選択でき、状況に応じた最適な走行が可能です。
空気抵抗を低減し静粛性を向上する「トライアングルモノフォルム」を引き継いでおり、ソーラーベンチレーションシステムやリモートエアコンシステムなど、快適性を高める新機能も充実しています。
【歴代プリウス 3代目編】プリウスαとプリウスPHVの登場
3代目プリウスの派生モデルとして、2011年に7人乗りのプリウスα、2012年にプラグインハイブリッド車のプリウスPHVが登場しました。プリウスαは広い室内空間と高い実用性で、ファミリー層に支持されています。
プリウスPHVは、外部電源からの充電が可能で、EV走行距離が大幅に延長されました。短距離では電気のみで、長距離では通常のハイブリッドモードでの走行が可能となり、多様なニーズに対応できるラインアップが完成しました。
【歴代プリウスの進化の軌跡】4代目プリウス(2015年~2023年)
4代目プリウスは、TNGAプラットフォームを採用したことが大きな特徴です。また、最新のハイブリッドシステムと先進安全技術により、さらなる低燃費と安全性を実現しました。環境性能と運転の楽しさを高次元で両立した、4代目プリウスの特徴を紹介します。
【歴代プリウス 4代目編】TNGAプラットフォームがもたらした進化
4代目プリウスに採用されたTNGAプラットフォームは、高張力鋼板とレーザー・スクリュー溶接により、車体のねじり剛性を従来比約60%も向上させました。この進化により、走行安定性と衝突安全性能が大幅に改善されています。
新開発エンジンは高速燃焼技術と可変制御システムにより、世界トップレベルとなる熱効率約40%を達成しました。TNGAプラットフォームはトヨタの他モデルにも展開され、ブランド全体の性能向上に貢献しています。
【歴代プリウス 4代目編】最新のハイブリッドシステムと燃費性能
4代目プリウスは、新開発の1.8L直4DOHCエンジン(最高出力98PS、最大トルク142N・m)と高効率モーターを組み合わせ、システム全体の小型軽量化を実現しました。その結果、JC08モード燃費で40.8km/Lを達成しています。
電動モーターでの走行可能速度は時速110kmまで引き上げられ、高速道路での実燃費も大幅に向上しました。新採用の4WDシステム「E-Four」は、必要時のみ作動することで、燃費への影響を最小限に抑えながら雪道での安定性を確保しています。
【歴代プリウス 4代目編】先進安全技術と快適装備
4代目プリウスは「Toyota Safety Sense P」を採用し、衝突回避支援やレーダークルーズコントロールなどの機能を提供しました。2018年発売モデルでは、「Toyota Safety Sense 」を全車標準装備し、「リヤクロストラフィックアラート」も設定されています。
室内装備は、大型カラーヘッドアップディスプレイやAC100Vに対応したアクセサリーコンセントなど、利便性の高い装備が充実しており、快適性と安全性が大幅に向上しました。先進技術の採用により、4代目プリウスはユーザーから高い評価を獲得しています。
【歴代プリウスの進化の軌跡】5代目プリウス(2023年~)
新型プリウスは、PHEVモデルへの転換により、環境性能と走行性能の両立を果たしています。スポーティーなデザインと優れたEV走行性能で、25年以上の歴史に新たな革新をもたらしました。電動化時代を先導する次世代モビリティとして、さらなる進化を遂げていきます。
【歴代プリウス 5代目編】PHEVモデルへの転換とその意義
5代目プリウスは、従来のHEVからPHEVモデルへと進化し、バッテリー容量約50%増加を図りました。
その結果、19インチタイヤで87km、17インチタイヤでは105kmのEV走行が可能となり、日常的な使用ではガソリンをほとんど使用しない「脱ガソリン生活」を実現できます。
また、高出力モーターの搭載により、0-100km/h加速6.7秒というスポーツカー並みの加速性能を実現しているのも特徴です。さらに、静粛性も向上し、特に通常走行時はBEVのような静かな走りを楽しめます。
【歴代プリウス 5代目編】新型プリウスの革新的デザインと性能
「愛車」をコンセプトに掲げた新型プリウスは、ハンマーヘッドと呼ばれる特徴的なフロントデザインと、薄型一文字デザインのリアコンビネーションランプで先進性を表現しています。
国内トヨタ初となる19インチ大径細幅タイヤの採用も、スポーティーなシルエットを強調している要素のひとつです。
TNGAプラットフォームにより低重心化と高剛性ボディを実現し、電動化技術の進化で力強く滑らかな加速性能を獲得しました。静粛性も大幅に向上し、快適な乗り心地を提供します。
まとめ
1997年に世界初の量産ハイブリッドカーとして登場したプリウスは、25年以上にわたり環境技術を革新してきました。
2代目ではトライアングルモノフォルムとTHS IIシステム、3代目では新プラットフォームと派生モデル、4代目ではTNGAプラットフォームと安全性の強化を実現しています。
最新の5代目はPHEVモデルへと進化し、電動化時代を象徴する存在となりました。プリウスの歴史は、自動車の環境対応と技術革新の軌跡を示しており、今後も自動車産業の未来をリードし続けることが期待されます。
▼ライタープロフィール
鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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