エスクァイアに搭載されている自動ブレーキシステムの詳細と性能を解説
自動車の安全性能は年々進化しており、特に自動ブレーキシステムは事故防止に大きく貢献しています。
この記事では、トヨタのミニバン「エスクァイア」に注目し、搭載されている自動ブレーキシステムの詳細や特徴、Toyota Safety Senseについて解説します。また、自動ブレーキの進化の歴史も触れます。記事を読むことでエスクァイアの自動ブレーキや安全システムについて理解が深まるでしょう。ミニバン選びの参考にしていただければ幸いです。
※目次※
4.エスクァイアに搭載されるToyota Safety Senseの先進安全機能
・トヨタ エスクァイアとは2014年に発売されたファミリー向けミニバンで、ノアやヴォクシーの兄弟車だが、2022年に販売終了している。
・トヨタ エスクァイアにはプリクラッシュセーフティシステムをはじめ優れた自動ブレーキ機能が搭載されている。
・2代目からはToyota Safety Senseを標準装備したモデルになっている。
トヨタ エスクァイアとは
トヨタのミニバン「エスクァイア」の特徴について解説します。エスクァイアは、2014年にトヨタから発売されたファミリー向けミニバンです。スタンダードなノアやスポーティーなヴォクシーの兄弟車として、比較的ラグジュアリーな方向性モデルとしての位置付けです。
運転席が高く設定されていることから小柄な人も運転しやすい特徴があります。先進安全機能も充実しており、ドライバーの安全運転をしっかりとサポートしてくれます。
エスクァイアの特徴
トヨタのミニバン「エスクァイア」は、快適な乗り心地と充実した安全装備が特徴です。また、エクステリアでは細かい縦線が特徴的なフロントグリルが堂々とした雰囲気を醸し出しています。メッキパーツを多く使用しているため全体的に引き締まった印象です。ボディカラーはメタリックカラーを中心に7色の展開になっています。
インテリアは黒を中心に上品な仕様で、セカンドシートはキャプテンシート仕様でゆったりくつろげる設定です。また、収納部分が車内に17つと豊富にあり、車内の小物もすっきり整理できるでしょう。
中でも注目すべきは、後で詳しく解説する「プリクラッシュセーフティシステム」や「インテリジェントクリアランスソナー」の搭載です。加えて、Toyota Safety Senseによる先進安全機能も充実しています。レーンディパーチャーアラートやアダプティブハイビームなど、ドライバーの安全運転をしっかりとサポートしてくれます。
エスクァイア販売終了の理由
2014年に発表になったエスクァイアですが、2022年に販売終了となりました。理由として、当時のトヨタの広報は次のように話しています。
「生産終了の理由は、お客さまのニーズや、全てのチャネルでの併売化などを総合的に勘案し、シリーズラインアップの見直しを図りました。」
エスクァイアはノアやヴォクシーと並ぶ兄弟車でありながら、ラグジュアリーな位置付けでした。同様にラグジュアリー路線で販売されていたアルファードやヴェルファイアの根強い人気もあり、比較によりエスクァイアの立ち位置が難しかったのではないか、との意見もあります。
(参考:『エスクァイア(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
エスクァイアの自動ブレーキシステムの概要
エスクァイアには、優れた自動ブレーキ機能が搭載されています。その中核をなすのが、プリクラッシュセーフティシステムです。歩行者や自転車、車両などを検知し、衝突の危険があれば自動でブレーキをかけて事故を回避・軽減します。また、昼夜問わず作動する点も特徴です。
駐車時の安全性を高めるパーキングサポートブレーキも備わっています。それでは、各機能の詳細を見ていきましょう。
プリクラッシュセーフティシステム
エスクァイアに搭載されるプリクラッシュセーフティシステムは、ミリ波レーダーとカメラを用いて前方の歩行者や自転車運転者、車両を検知し、衝突の危険性が高いと判断した場合に自動でブレーキをかけて衝突回避や被害軽減を支援するシステムです。
また、昼夜問わず作動するため、さまざまなシーンで安全運転をサポートできるのが特徴です。エスクァイアは、さらにToyota Safety Senseによる先進安全機能を備えることで、ドライバーの安心につながる充実した機能を実現しています。
プリクラッシュセーフティの検知対象と作動条件
プリクラッシュセーフティは、歩行者や自転車運転者、車両などを検知対象としています。例えば、前方に歩行者がいる場合、システムが衝突の危険を察知すると自動的にブレーキが作動し、衝突回避や被害軽減を図ります。
また、昼夜を問わず機能するため、夜間の事故リスクも低減できるのが魅力です。車両に対しては、先行車や停車車両などを検知し、追突の危険がある場合に作動します。作動速度域は自車が5km/h以上と幅広くカバーしているため、さまざまな状況で対応可能です。
検知対象 |
作動条件 |
歩行者 |
昼夜問わず自車が約5~80km/hで検知、衝突回避・被害軽減 |
自転車運転者 |
昼夜問わず自車が約5~80km/hで検知、衝突回避・被害軽減 |
車両(先行車、停車車両など) |
自車が5km/h以上の速度域で追突の危険を検知 |
パーキングサポートブレーキ
エスクァイアのパーキングサポートブレーキは、駐車時の安全性を高める優れた機能です。車庫入れなどの際、ソナーセンサーが障害物を検知すると(約2~4m先まで)、自動的にブレーキが作動し、衝突被害を軽減してくれます。前進時だけでなく、後退時にも作動するので、バックでの駐車サポートはドライバーにとってうれしいポイントになるでしょう。
ただし、作動速度域が約2~15km/hと低速域に限られるため、あくまで駐車時の補助機能として捉えておくことが大切です。システムを過信せず、目視確認をしっかり行いながら安全運転を心がけましょう。
エスクァイアの自動ブレーキ搭載時期と進化の歴史
エスクァイアの自動ブレーキ機能は、初代モデルの発売当初からプリクラッシュセーフティシステムが搭載され、その後のマイナーチェンジや2代目モデルへと着実に進化を遂げてきました。ここでは、エスクァイアの自動ブレーキの変遷を振り返りながら、各世代での機能向上のポイントを解説します。
初代エスクァイアへの自動ブレーキ搭載
初代エスクァイアは、2014年10月の発売当初からプリクラッシュセーフティシステムを搭載していました。このシステムは、レーザーレーダーとカメラを用いて前方の歩行者や車両を検知し、衝突の危険性が高いと判断した場合に自動でブレーキをかける機能です。
初代モデルでは、約10km/h~80km/hの速度域で作動し、歩行者に対しては速度差が30km/hの場合に検知が可能でした。この自動ブレーキ機能により、万が一の衝突事故の回避や被害軽減に大きく貢献しました。
マイナーチェンジによる自動ブレーキ機能の進化
2015年11月のマイナーチェンジでは、プリクラッシュセーフティシステムがバージョンアップされ、ミリ波レーダーとカメラ機能により自動ブレーキ機能がさらに進化しました。従来の歩行者や車両に加え、自転車運転者も検知対象に追加。昼間だけでなく、夜間の検知性能も向上しています。
また、作動速度域が拡大され、歩行者と自転車運転者は約10km/h~80km/h、車両は約10km/h~80km/hまでカバー範囲の拡大が可能になりました。危険を検知してからの制動力も高められ、衝突回避・被害軽減効果の大幅向上につながっています。
さらに、駐車時の安全性を高める「インテリジェントクリアランスソナー」も新たに搭載され狭い駐車場でのアクセルとブレーキの踏み間違いによる衝突被害を軽減できるようになりました。
機能 |
マイナーチェンジによる進化ポイント |
プリクラッシュセーフティシステム |
自転車運転者の検知を追加 夜間の検知性能向上 作動速度域の拡大 制動力の強化 |
インテリジェントクリアランスソナー |
駐車時の安全性向上 アクセルとブレーキの踏み間違い時の衝突被害軽減 |
2代目エスクァイアの自動ブレーキシステム
2代目エスクァイアでは、Toyota Safety Sense Pを全グレードに標準装備し、自動ブレーキ機能がさらに進化しました。プリクラッシュセーフティシステムは、昼夜問わず歩行者や自転車運転者、車両を幅広く検知。衝突回避支援ブレーキが、約10km/h~80km/hの広い速度域で作動します。
また、駐車シーンでの安全性を高める「インテリジェントクリアランスソナー」も進化。リヤ側までセンサーが拡大され、前後進時の低速域で周囲の静止物を検知し、衝突被害を軽減します。
さらに、滑りやすい路面での走行安定性を高める「S-VSC」も搭載。優れた予防安全性能で、ドライバーの安全運転をサポートします。
エスクァイアに搭載されるToyota Safety Senseの先進安全機能
エスクァイアには、トヨタの先進安全機能「Toyota Safety Sense」が搭載されています。衝突回避支援のプリクラッシュセーフティシステムをはじめ、車線逸脱警報のレーンディパーチャーアラート、夜間の視認性を高めるアダプティブハイビームシステムなど、ドライバーの安全運転をサポートする多彩な機能が備わっています。ここでは、エスクァイアに備わっているToyota Safety Senseが提供する先進の安全機能を詳しく解説していきます。
Toyota Safety Senseの主要機能
エスクァイアに搭載されるToyota Safety Senseは、先進の安全機能を備えています。プリクラッシュセーフティシステムは、ミリ波レーダーとカメラを使って前方の歩行者や車両を検知し、衝突の危険性が高いと判断した場合に警報やブレーキ制御で衝突回避や被害軽減を支援します。
また、レーダークルーズコントロールは先行車に合わせて加減速し、車間距離を保ちながら追従走行を可能にします。レーンディパーチャーアラートは車線からのはみ出しを警告し、ドライバーの意図しない車線逸脱を防ぎます。さらに、オートマチックハイビームは対向車や先行車のライトを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替えて夜間の視認性を高める機能です。
主要機能 |
概要 |
プリクラッシュセーフティシステム |
前方の歩行者や車両を検知し、衝突回避や被害軽減を支援 |
レーダークルーズコントロール |
先行車に合わせて車間距離を保ちながら追従走行 |
レーンディパーチャーアラート |
車線からのはみ出しを警告し、車線逸脱を防止 |
オートマチックハイビーム |
対向車や先行車のライトを検知し、ハイビーム/ロービームを自動切り替え |
レーンディパーチャーアラート(LDA)
レーンディパーチャーアラート(LDA)は、車線からのはみ出しを警告してくれる機能です。フロントカメラで車線を認識し、ウインカー操作なしに車線を逸脱しそうになると、ブザー音やディスプレイ表示で注意を促します。
うっかり運転で起こりがちな車線逸脱を未然に防ぐことができ、安全運転をサポートしてくれます。車線を検知できる速度域は約50km/h以上のため、特に高速道路の長距離ドライブで威力を発揮します。
アダプティブハイビームシステム(AHS)
アダプティブハイビームシステム(AHS)は、夜間走行時の視認性を高める機能です。フロントカメラで対向車や先行車のライトを検知し、自動でハイビームとロービームの切り替えを行います。これにより、ハイビームの眩しさで対向車に迷惑をかけてしまう心配もありません。
これにより、運転者は手動でライトを操作する必要がなくなり、常に最適な前方視界を確保できるでしょう。アダプティブハイビームシステムは、車速が約30km/h以上で作動し、約15km/h以下になると自動的にロービームに切り替わります。暗い山道や街灯のない道路でのドライブに有効な機能です。
まとめ
エスクァイアには、プリクラッシュセーフティシステムやパーキングサポートブレーキなどドライバーの安全をサポートする機能が初代モデルから搭載され、搭載されています。また、Toyota Safety Senseによりレーンディパーチャーアラートやレーダークルーズコントロールなどの先進安全機能も充実しています。
すでに販売終了しているモデルのため、興味のある方は中古車で探してみましょう。中古車選びの際は、信頼できる店舗で品質にこだわった車両を探すことが大切です。好みのポイントと安全面、機能面から自分に合った車を選びましょう。
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【この記事の執筆者】
松永つむじ
予備校講師からライターに転身した車特化ライター
車の情報だけでなく、MaaSやCASEをはじめ社会、産業、経済そしてジェンダーなど、多岐にわたる車をテーマにした記事執筆に携わる。これまでの執筆数は500記事以上になる。
歴代の愛車は全てMT車の車好き&モータースポーツファン。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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