スズキのマイルドハイブリッドのコスパは?メリットや代表的な搭載車種も紹介
スズキのマイルドハイブリッド技術は、環境への配慮が重要な課題となっている自動車業界において、注目を集めています。マイルドハイブリッドとは、従来のガソリン車よりも燃費を向上させ、CO2排出量削減の効果も期待できる技術です。
しかし、その仕組みや実際の効果については、まだ多くの人にとって不明な点があるのではないでしょうか。この記事では、スズキのマイルドハイブリッド技術の仕組みや燃費向上効果、メリット・デメリットについて解説していきます。
※目次※
・マイルドハイブリッドは、ISGが発進時・加速時にエンジンをアシストし、減速時にはバッテリーを充電する。
・スズキのマイルドハイブリッドは、ソリオなどの車種でガソリン車よりも優れた燃費を実現している。
・スズキのマイルドハイブリッドは、燃費向上に加え、加速時のスムーズな走行と低速域での静粛性を向上している。
スズキのマイルドハイブリッド技術とは
スズキのマイルドハイブリッド技術は、燃費向上と環境性能の改善を実現する革新的なシステムです。まずは、マイルドハイブリッドの仕組みとスズキ車における特徴、環境への影響について詳しく見ていきましょう。
スズキが代表的?マイルドハイブリッドの基本的な仕組み
マイルドハイブリッド技術は、燃費向上と環境性能の改善を目指した革新的なシステムです。「ISG」と呼ばれるモーター機能付き発電機を中核とし、以下のような特徴を持っています。
・発進時:リチウムイオンバッテリーの電力で約10秒間のモーター走行が可能
・加速時:充電残量に応じてモーターがエンジンをアシスト
・減速時:エンジンによる回生を利用してISGが発電し、バッテリーを充電
スズキ車におけるマイルドハイブリッドの特徴
スズキのマイルドハイブリッド技術は、軽自動車の限られた空間でも効果的に機能するよう設計されています。特筆すべきは、軽量・コンパクトなシステム構成です。
また、省燃費と走行性能の両立も挙げられます。発進時はモーターのみで走行し、加速時にもエンジンをアシストすることで、燃費向上だけでなく力強い走りも実現しました。
さらに、スズキは低価格化にも成功しています。他の車種とのシステム共通化やハイブリッド車の量産効果により、コスト削減をかなえました。特に、街乗りを想定したWLTC-Lモード(市街地モード)では、ガソリン車を上回る燃費性能を発揮します。
スズキのマイルドハイブリッドの環境性能と排出ガス削減効果
スズキのマイルドハイブリッド技術は、環境性能において優れた成果を上げています。
ISGによるエンジンアシストと、回生ブレーキシステムの相乗効果により燃費が向上し、結果としてCO2排出量が抑えられる仕組みです。特に、市街地走行や頻繁な発進停止が必要な場面で、その効果が顕著に現れるでしょう。
また、NOxやSOxなどの有害物質の排出も抑制し、大気汚染の軽減にも貢献しています。環境性能の高さから、スズキのマイルドハイブリッド車の多くが、エコカー減税の対象です。
スズキのマイルドハイブリッド技術による燃費向上効果
スズキのマイルドハイブリッド技術は、どのように燃費向上に貢献し、従来のガソリンと比較してどの程度の効果があるのでしょうか。ここでは、マイルドハイブリッドの燃費向上のメカニズムや、燃費比較などをチェックしましょう。
スズキのマイルドハイブリッドの燃費向上のメカニズム
スズキのマイルドハイブリッド技術は、燃費向上を実現するシステムです。このシステムの核心は、減速時のエネルギーを電力として回収し、活用する点にあります。
具体的には、減速時にISGが発電を行い、その電力を専用バッテリーに蓄える仕組みです。蓄えられた電力は、加速時・登坂時にモーターを通じて、エンジンをアシストするために使用されます。その結果、エンジンへの負担が軽減され、燃費が向上するわけです。
マイルドハイブリッドシステムの導入により、スズキ車の燃費性能は大幅に向上しています。例えば、ソリオのマイルドハイブリッドモデル(HYBRID MZ、HYBRID MX)は、WLTCモードで19.6km/Lを達成しており、同クラスのガソリン車よりも優れた燃費性能です。
スズキのマイルドハイブリッド車とガソリン車の燃費比較
スズキのマイルドハイブリッド車の燃費性能を、従来のガソリン車やフルハイブリッド車と比較すると、以下のような特徴が見られます。
【ソリオのガソリン車vsマイルドハイブリッド車】
・ガソリン車とマイルドハイブリッド車の燃費差は小さい
・1万km走行時の燃料代の差は約2,600円程度
【アルト(軽自動車)のガソリン車vsマイルドハイブリッド車】
・軽自動車は車体が軽く、マイルドハイブリッドの効果がより顕著
・1万km走行時の燃料代に約5,800円の差
マイルドハイブリッドの採用の是非は、予想される燃料代の差、アイドリングストップ後の静粛性、その他の装備差などを総合的に判断することが必要です。
スズキのマイルドハイブリッド技術のメリット
スズキのマイルドハイブリッド技術は、燃費性能の向上だけでなく、さまざまな面でユーザーに利点をもたらします。具体的なメリットについて、「ランニングコストの削減」「環境への配慮」「走行性能の向上」の、3つの観点から見ていきましょう。
【スズキ マイルドハイブリッドのメリット.1】燃費向上によるランニングコスト削減
スズキのマイルドハイブリッド技術は、燃費向上によるランニングコスト削減に大きく貢献します。
例えば、スズキ ソリオのマイルドハイブリッドモデル「HYBRID MZ」「HYBRID MX」は、最大19.6km/Lという優れた燃費性能です。この燃費性能を年間走行距離に換算すると、以下のようになります。
・5,000km走行時:年間ガソリン代約4万2,000円(月々約3,500円)
・1万km走行時:年間ガソリン代約8万4,000円(月々約7,000円)
さらに、ガソリンスタンドでのクレジットカード決済を活用すれば、1L当たり1円〜5円の値引きが期待できるでしょう。ポイント還元や各種割引などの特典も併用することで、より一層のコスト削減が可能となります。
【スズキ マイルドハイブリッドのメリット.2】環境負荷の低減
スズキのマイルドハイブリッド技術は、環境負荷の低減に大きく貢献し、社会的にも高い評価を得ています。この技術により、CO2排出量を従来のガソリン車と比べて、約15%削減を実現しました。
また、環境性能の向上は、エコカー減税やグリーン化特例の対象となる可能性を高め、経済的なメリットももたらすでしょう。さらに、マイルドハイブリッド車は、走行時の静粛性が向上し、特に市街地での走行時に快適性が増しています。
スズキのマイルドハイブリッド技術は、環境保護と快適な走行を両立し、持続可能なモビリティ社会の構築に貢献しているといえるでしょう。
【スズキ マイルドハイブリッドのメリット.3】走行性能と静粛性の向上
スズキのマイルドハイブリッド技術は、走行性能の向上と静粛性の実現にも大きく貢献しています。
この技術により、発進時・加速時にモーターがエンジンをアシストすることで、スムーズで力強い走りが可能になりました。特に低速域での加速性能が向上し、市街地での運転がより快適になっています。
また、エンジン音・振動が抑えられることで、車内の静粛性も大幅に向上しました。これは、長距離ドライブ時の疲労軽減にもつながる重要な要素です。
さらに、アイドリングストップ機能との連携により、信号待ちなどでのエンジン再始動がより滑らかになり、乗員への負担も軽減されています。
スズキのマイルドハイブリッド技術は、単に燃費を向上させるだけでなく、乗り心地や運転のしやすさも大きく向上させているといえるでしょう。
スズキのマイルドハイブリッド技術のデメリット
スズキのマイルドハイブリッド技術には、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、「マイルドハイブリッドシステム導入に伴う車両価格への影響」「メンテナンス要件と費用」について見ていきましょう。
【スズキ マイルドハイブリッドのデメリット.1】車両価格に影響する
スズキのマイルドハイブリッド技術の導入は、車両価格に一定の影響を与えます。例えば、スイフトのガソリン車「XG」グレードと、マイルドハイブリッド車「HYBRID MX」グレードを比較すると、その価格差は約20万円です。
この差は、マイルドハイブリッドシステムの搭載コストを反映していますが、フルハイブリッド車と比べると比較的小さいといえるでしょう。
マイルドハイブリッド車が比較的安価である理由は、特別な部品が少なく、生産コストを抑えやすいからです。そのため、軽自動車など、もともと車両価格が安い車種にも搭載される傾向にあります。
【スズキ マイルドハイブリッドのデメリット.2】メンテナンス費用の増加
マイルドハイブリッドシステムのメンテナンス要件は、従来のガソリン車と比べてそれほど複雑ではありません。基本的なメンテナンス項目は同じですが、電気モーターやバッテリーなど、独自の部品に関する点検が追加されます。
これにより、年間のメンテナンス費用は若干増加する可能性があり、通常のガソリン車と比べて年間1万円〜2万円程度の上乗せが予想されるでしょう。
しかし、マイルドハイブリッドシステムは比較的シンプルな構造のため、フルハイブリッド車ほど高額なメンテナンス費用はかかりません。
また、燃費向上による燃料費の節約が、メンテナンス費用の増加を相殺する可能性も期待できます。長期的な視点で見れば、総合的なコストパフォーマンスは良好といえるでしょう。
スズキのマイルドハイブリッド搭載車種一覧
スズキのマイルドハイブリッド技術は、さまざまな車種に採用されています。最後に、代表的なマイルドハイブリッド搭載車種と、その特徴を見ていきましょう。
各車種の燃費性能や走行性能、さらには快適性・安全性など、スズキのマイルドハイブリッド技術がもたらす多様な利点について解説していきます。
【スズキのマイルドハイブリッド搭載車種.1】スイフト
スズキのマイルドハイブリッド技術を搭載したスイフトは、環境性能と走行性能を高次元で両立させています。新開発の「Z12E型エンジン」は、低速域から力強いトルクを発揮し、街中での加速がスムーズです。
専用開発されたCVTとマイルドハイブリッドシステムにより、静粛性と燃費性能が向上しています。具体的な燃費性能は、ハイブリッド車(2WD)で最大25.4km/L、CO2排出量95g/kmです。
環境への配慮として、リサイクル可能な材料や再生材を積極的に使用しているのも特徴的といえます。スイフトは、同クラスの車種と比較しても優れた環境性能を実現した一台です。
【スズキのマイルドハイブリッド搭載車種.2】ソリオ
ソリオは、スズキのマイルドハイブリッド技術を搭載したコンパクトミニバンです。その特徴として、以下が挙げられます。
・広々とした室内空間と優れた燃費性能の両立
・マイルドハイブリッドシステムによる燃費向上(2WD車でWLTCモード19.6km/L)
・軽量・高剛性のプラットフォーム「HEARTECT」採用による軽快な走り
・ショートノーズデザインによる扱いやすさ
・アイドリングストップ機能やエコクールなどの快適装備
ソリオは、環境性能と快適性を高次元で両立させています。
【スズキのマイルドハイブリッド搭載車種.3】ハスラー
ハスラーは、スズキのマイルドハイブリッド技術を搭載した軽クロスオーバーSUVです。全車にマイルドハイブリッドシステムを標準装備し、2WD車でWLTCモード最大25.0km/Lという優れた燃費性能と、力強い走りを両立しています。
R06D型エンジンとCVTの組み合わせにより、低速から中速域でのスムーズな加速と省燃費を実現しているのが特徴です。4WD車には、グリップコントロールとヒルディセントコントロールを搭載し、悪路での走破性が向上しています。
さらに、予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を標準装備し、安全性能にも抜かりはありません。ハスラーは、燃費性能・走行性能・安全性能を、高いレベルで実現しています。
まとめ
スズキのマイルドハイブリッド技術は、燃費向上と環境性能改善を実現する革新的システムです。小型モーターでエンジンをアシストし、燃費改善が見込まれます。
経済性と環境負荷低減などのメリットがある一方で、車両価格上昇やメンテナンス費用増加というデメリットがあることも忘れてはいけません。
スズキは、軽自動車からコンパクトカーまで幅広くマイルドハイブリッド技術を採用し、環境に配慮した車選びの選択肢を広げています。
【この記事の執筆者】
鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
豊富なラインアップのネクステージ中古車情報をチェック!
いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
ネクステージでは、他店に負けない数多くの中古車をラインアップしていますので、中古車の購入を検討されている方は、ネクステージの公式Webサイト上で最新の在庫状況をチェックしてみてください。また中古車購入に際して、ネクステージ独自の保証もご準備しております。お気軽にお問い合わせください。