エクシーガはどのような車?誕生から生産終了までの歴史
現在のスバルにはファミリー層を意識した車種はあるものの、子育て世代から支持されているミニバンのラインアップはありません。しかし、過去には7人乗りのミニバン「エクシーガ」を販売しており、走行性能と居住性を兼ね備えた車として人気を博していました。
乗車人数としてもスバル車にとっては希少となるエクシーガには、どのような魅力があるのでしょうか。
この記事では、スバル エクシーガの歴史と魅力、最新の売買価格を紹介します。スバル唯一のミニバンを深く知りたい方、人とは違うミニバンを探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
※目次※
・エクシーガはスバル唯一の7人乗車を可能とした3列シートを持つミニバン。
・扱いやすいサイズながら、3列目でもゆったり座れる広々とした室内が特徴。
・中古車でしか買えないエクシーガは、全国に3万台の在庫を持つネクステージで探そう。
エクシーガとはどのような車?
エクシーガは、2007年の東京モーターショーに出品された「エクシーガ・コンセプト」を基に開発されました。
それまで3列シート車はOEMのみの販売だったスバルにとって、初となる自社開発の3列シートを有した7シーターモデルです。ここでは、エクシーガの概要を紹介します。
スバルのミニバンとして登場した
エクシーガは「7シーターパノラマツーリング」をコンセプトとし、スバルが得意とするワゴン造りを最大限に生かした「多人数乗り車」として誕生しました。ボディタイプはミニバンに該当しますが、スバルではミニバンという言葉をあえて使用していません。
ワゴンを伸ばしたような独特のフォルムにヒンジのリアドアなど、一般的なミニバンと異なる部分は多いものの、どの席に座ってもくつろげるゆとりのある室内空間を実現しています。
エクシーガは「EXCITING(エキサイティング)」と「ACTIVE(アクティブ)」を合わせた造語です。乗車する全員がツーリングを楽しめるよう、居住性・走行性・機能性を追求しています。
(参考:『スバル エクシーガを徹底解剖!性能・スペック・中古車相場や類似車種も紹介|新車・中古車の【ネクステージ】』)
2015年に新車の販売を終えている
販売開始直後は目標台数の2倍を超える受注を得ていましたが、背の低いミニバンから背の高いミニバンへと需要が傾いてきたことから、販売台数が伸び悩むようになりました。
エクシーガは2015年に販売を終了し、同年4月にエクシーガのSUVモデル「エクシーガ クロスオーバー7」を発表します。
7人乗りSUVとして一部の消費者からは注目を集めたものの、スバル全体ではミニバンカテゴリーの需要が少ないことから、2018年3月をもってクロスオーバー7も販売が終了しました。
(参考:『スバルの7人乗りSUVエクシーガとは?希少車の魅力や中古車情報|新車・中古車の【ネクステージ】』)
エクシーガの歴史
エクシーガは2008年~2015年までの8年間販売されていましたが、フルモデルチェンジは一度も行われていません。
しかし、販売終了までマイナーチェンジが毎年行われていたことから、製造年ごとに異なる魅力を持っています。ここでは、エクシーガの歴史と年代ごとの特徴を見てみましょう。
2008年:エクシーガの発売開始
エクシーガの全国販売が始まったのは、東京モーターショーで「エクシーガ・コンセプト」が発表された翌年の2008年6月です。自社開発初の7シーターモデルとして、開放感のある高い居住性、スバルらしい走行性能を実現しました。
全長4,740mm×全幅1,775mm×全高1,660mmの扱いやすいボディサイズでありながら、室内長2,720mm×室内幅1,510mm×室内高1,275mmのゆとりある室内空間が特徴です。
グレード構成は装備とエンジンが異なる全4種類で、ベースグレード以外はオプションでパノラミックガラスルーフが装着できます。
2009年:2.0GTアイサイトを設定
2009年の改良では、ステレオカメラと3D画像処理エンジンを用いた「アイサイト」を装備した「2.0GTアイサイト」が設定されました。
プリクラッシュブレーキ、AT 誤発進抑制制御、全車速追従機能付きクルーズコントロールなども装備し、安全性能を向上させています。
また、エクステリア・インテリアに加え、走行性能の大幅改良も行われました。エクステリアではボディカラーの追加、エクステリアでは本革巻ステアリングホイールやスポーツペダル、ブラック内装色が採用されています。
走行性能面では、燃費向上に貢献する新開発のリニアトロニック、スポーティーな走りを楽しめるパドルシフトが一部のグレードに採用されました。
2010年:燃費性能の向上
2010年の一部改良では、2009年の改良でベースモデルに採用されなかったリニアトロニックとVDC(横滑り防止装置)を標準装備としました。
これまではエコカー減税対象モデルが一部に限られていましたが、ベースモデルの改良により全車がエコカー減税の対象となっています。
トランスミッションがリニアトロニックに変わったことで、ベースモデルのカタログ燃費(10・15モード)は2WDが14.0km/Lから15.0km/Lに、4WDが13.0km/Lから13.8km/Lに向上しました。
この他、一部のグレードのドアハンドル内側に、ハンドルを握るだけで解錠できるタッチセンサーを採用しています。
2011年:フロントグリルを変更
2011年の改良では、フロントグリル・ヘッドライトのデザイン変更が行われました。フロントグリルは水平方向を基調とした新デザインに変わり、スポーティーさを高めています。
ヘッドライトは「ブルーラインの入った縦型」から横に流れる新形状に変更され、フロントビューにワイド感が生まれました。ベースグレード以外のヘッドライトには、オートライト機能が採用されています。
インテリアでは、ダークシルバーの加飾パネルの採用、インストルメントパネル上面にソフトフィール塗装を施すなどの改良が行われました。
2012年:特別仕様車を設定
2012年9月には、2.5i EyeSightをベースとした特別仕様車「2.5i spec.B EyeSight」が発売されました。
電動格納式リモコンドアミラーやビルシュタイン製ダンパー、レッドステッチ付きアルカンターラ+レザーシート、運転席&助手席8ウェイパワーシート、ブラック塗装の18インチアルミホイールなど、内外装に専用装備が採用されています。
通常モデルにおいては、自然吸気エンジン車とターボ車の一部にアイサイトVer.2が搭載されました。「2.5i spec.B EyeSight」にも、アイサイトVer.2が搭載されています。
2013年:上質さを高めたインテリアへ進化
2013年の改良では、全グレードのインテリア加飾パネルに「ダークキャストメタリック」が採用されました。スポーティーな雰囲気はそのままに、より上質な空間へとアップグレードさせています。
2012年に発売された特別仕様車「2.5i spec.B EyeSight」は標準グレードに加わり、内装の質感と機能性を高めた2つのグレードが新たに追加されました。
2.5i spec.B EyeSightと共通する足回りを持ちながら、より上質な室内空間を備えた特別仕様車「2.5i EyeSight S Package」を追加し、スポーツモデルの展開幅も広げています。
2014年:快適性を高めた特別仕様車を追加
2014年には、パノラミックガラスルーフや運転席&助手席8ウェイパワーシート、キーレスアクセス&プッシュスタートを標準装備した特別仕様車「AIRBREAK」が追加されました。
エクステリアには専用エンブレムが装着され、専用色「クォーツブルー・パール」も用意されています。「2.5i EyeSight」をベースとしているため、アイサイトも標準装備です。
2014年の改良では主にベースグレードの仕様向上、グレードラインアップの見直しが行われました。2013年までは標準グレードが6種類ありましたが、この改良により3種類に整理されています。
(参考:『スバルのエクシーガの魅力とは?生産終了した車両の探し方について解説!|新車・中古車の【ネクステージ】』)
エクシーガの魅力
エクシーガはスバル唯一の7シーターモデルとして、他のモデルにはない魅力を持っています。
多くのミニバンが装備するスライドドアは採用されていませんが、一般的なミニバンとは違う乗り味の車を求める方には、ひとつの選択肢となるでしょう。ここでは、エクシーガの魅力を3つに分けて紹介します。
3列シートで7人乗れる
エクシーガはワゴンを軸としているため、一般的なミニバンとは車のフォルムが異なります。一般的なミニバンでは選択肢の多い7人乗りも、ワゴンスタイルとなってくると数が限られ、3列目が窮屈であることも少なくありません。
エクシーガは、ダブルウィッシュボーン式リアサスペンションを採用することで室内への張り出しを抑え、床下のフレーム構造の最適化、新開発の樹脂製燃料タンクの採用により3列目の足元にも広い空間を確保しています。
また、リアドアの開口部を大きく取り、直角近くまで開かせるなど3列目への乗り降りがしやすくなるような工夫も施されました。
開放感のある乗り心地
エクシーガのシートは後方に行くにつれ着座位置が高くなる「シアターシートレイアウト」を採用しています。視界が狭くなりがちな3列目でも広い視界が確保されているため、開放感を味わいながらドライブを楽しめるでしょう。
3列目を使わないときは、倒すことでフラットな荷室に変えることも可能です。荷室には「荷室ダブルアンダーボックス」が設置されており、カーゴフロアボードを開けることでベビーカーを立てたまま収納できます。
しなやかな走行
最終モデルに搭載されているエンジンは、EJ20型の2.0L 水平対向4気筒DOHCターボと、FB25型の2.5L 水平対向4気筒DOHCの2種類です。2012年の改良までは、EJ20型の2.0L 水平対向4気筒DOHCも搭載されていました。
水平対向エンジンの特徴は、振動の少なさと高い走行安定性、ハンドリング性能です。CVT搭載の自然吸気エンジンは燃料消費を抑えながらスポーティーな走りを楽しめ、ターボエンジンは低回転域からの力強いトルクを味わえます。
(参考:『エクシーガ(スバル)の燃費情報|新車・中古車の【ネクステージ】』)
エクシーガの最新売買価格
エクシーガは2015年に販売を終了しているため、現在の購入方法は中古車のみです。販売終了から間もなく10年たつことから中古車としては安い部類に入りますが、スバル唯一の7人乗り車という点から根強い人気があります。
ここでは、エクシーガの最新売買価格を紹介しますので、売却を検討している方も参考にしてみてください。
エクシーガの販売当時の新車価格
中古車を購入するときの参考として、新車価格もチェックしておきましょう。以下は、主要グレード別の新車価格です。改良をまたいで販売されているグレードに関しては、最終販売時の金額を記載しています。
グレード名 |
新車価格(税込み) |
(2008年~2013年モデル) |
|
2.0i |
218万4,000円 |
2.0i-L |
235万2,000円 |
2.0i-S |
212万1,000円~231万円 |
2.0GT |
286万6,000円 |
2.5i-S |
260万4,000円~267万7,500円 |
2.5i |
241万5,000円 |
2.5i EyeSight L Package |
269万8,500円 |
2.0GT EyeSight |
285万6,000円 |
2.0GT EyeSight L Package |
300万3,000円 |
(2014年モデル) |
|
2.5i EyeSight |
259万2,000円 |
2.5i spec.B EyeSight |
286万2,000円 |
2.0GT-S EyeSight |
302万4,000円 |
AIRBREAK(特別仕様車) |
275万4,000円 |
(参考:『エクシーガ(スバル)のモデル・グレードカタログ一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
エクシーガの中古車相場
スバル車かつ7人乗り仕様を希望する場合はエクシーガかクロスオーバー7のどちらかとなるため、年式と車両状態、安全性能を重視する場合はアイサイトの有無を確認した上で、購入を決断しましょう。
以下は、現在取り扱いのあるグレードとそれぞれの中古車価格です。
グレード名 |
中古車価格(税込み) |
2.0i-S |
64万9,000円 |
2.5i spec.B EyeSight |
94万9,000円~122万9,000円 |
2.5i-S |
92万9,000円 |
(2024年9月時点の情報です)
(参考:『エクシーガ(スバル)の中古車一覧 |新車・中古車の【ネクステージ】』)
エクシーガの買取相場
ネクステージでは、2024年9月時点で275件の買取実績があります。最も多く取引されているのは2009年式、次いで2012年式、2008年式です。
古いモデルが中心となっていますが、販売が終了する少し前の2013年式、2014年式も取引されています。以下は、直近の買取実績の一部です。
グレード名 |
年式 |
走行距離 |
買取価格 |
AIRBREAK |
2014年式 |
8万7,947km |
25万4,000円 |
2.5i EyeSight |
2015年式 |
3万6,875km |
34万5,000円 |
2.5i spec.B EyeSight |
2015年式 |
16万3,570km |
20万8,000円 |
2.5i EyeSight |
2014年式 |
6万7,111km |
49万2,000円 |
(参考:『エクシーガ(スバル車)の買取相場・査定実績一覧 |新車・中古車の【ネクステージ】』)
ネクステージでエクシーガを探してみよう
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まとめ
エクシーガは、快適なツーリングを目指したスバル唯一のミニバンです。スライドドアは装備されていないものの、スムーズに乗降できる広い開口部のリアドア、どの席に座っても広い視界が広がる「シアターシートレイアウト」が採用されています。
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