フェアレディZの歴史に迫る!おすすめの世代や現行モデルの特徴
1969年に初代が誕生して以来、世界的に注目を浴び続けているフェアレディZ。日本の数あるスポーツカーの中でも最も歴史が長いモデルであり、日本が世界に誇るスポーツカーの1台といえる存在だ。
2022年にフェアレディZの持つ従来の魅力と最先端のテクノロジーを融合させた現行モデルが登場し、国内外問わず人気を集めている。
この記事では、そんな歴史あるスポーツカー・フェアレディZのこれまでの進化をひも解くとともに、現行のフェアレディZの進化を解説する。
<目次>
・スポーツカーを庶民のものにしたフェアレディZ!日産の歴史を語る上でも欠かせない車種。
・初代フェアレディZは1969年に登場。ポテンシャルの高さや車両価格の安さから異例の大ヒットを遂げる。
・現行モデルから選ぶのであれば、最低限欲しい走りの装備が備わっているVersion S、中古車から選ぶならZ33がおすすめ!
フェアレディZとはどのような車?
日産の歴史を語る上で欠かせない車種であるフェアレディZ。歴史が長いスポーツカーという意味でも特別な存在であるが、フェアレディZの成功があったからこそ北米市場での日産のブランディングが成功したという側面もある。
まずは、そんなフェアレディZが日産にとってどんな存在か見ていこう。
日産が手掛けるスポーツカー
初代フェアレディZは1969年に登場した。フェアレディZが画期的であったのは、スポーツカーでありながら安かったことだ。
当時、米国日産の社長であった片山豊氏が北米市場に向けて提案したのが、この初代フェアレディZだ。初代フェアレディZは、スポーツカーの楽しさを世界的に広めるために開発された。
エンジンやトランスミッションは既存のコンポーネントをうまく流用することで、車両価格を安く抑えたのが人気のきっかけだろう。これが理由でアメリカ市場を中心に爆発的な人気を博すこととなる。以降、フェアレディZは世界中で愛される車となった。
ダットサン・フェアレディから変化したモデル
フェアレディZには先代モデルといえる存在であるダットサン・フェアレディがある。ダットサン・フェアレディは当時としては高性能なモデルであったが、アメリカ市場を考えるとオープン2シーターということで購入者の層が限られていた。
そこで、GT的な性能も持ち、日常ユースにも応えられるクローズドルーフのフェアレディZが誕生したという背景もある。
車名「フェアレディZ」の由来
フェアレディZの名前の由来をひも解くには、先代モデルのダットサン・フェアレディから理解する必要がある。
まず、フェアレディは「貴婦人」という意味だが、これは当時日産の社長であった川又氏がアメリカを訪れた際に観たミュージカル「マイ・フェア・レディ」に感銘を受けたことが由来といわれている。
そして、Zはアルファベットの最後の文字であり、究極を意味している。また、フェアレディZの生みの親である片山氏が、日本の開発陣にZ旗(旧日本海軍で「皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」を意味する信号旗)を送り、エールを送ったことも由来とされている。
フェアレディZの歴代モデルを振り返ろう
ここからは歴代フェアレディZを振り返っていく。フェアレディZの歴代モデルを振り返ると、スポーツカーに時代が求めた要素や技術の進化などが垣間見えてくる。
初代モデルが発売された1969年から現行モデルが発売された2022年の約半世紀に渡り、フェアレディZがどのような進化を遂げてきたかが分かるだろう。
1969年:初代モデルが誕生
S30型と呼ばれる初代モデルは1969年に登場した。誰もがスポーツカーと分かるエクステリアデザインに、優れた動力性能、高い信頼性、リーズナブルな価格を兼ね備えており、国内外問わず人気を博した。
日本市場では2.0Lモデルが、北米市場などでは2.4Lモデルが販売され、その人気は世界的なものとなった。初代フェアレディZの登場はスポーツカーを庶民でも買えるものにしたのだ。
1978年:2代目モデルを販売
S130と呼ばれる2代目は1978年にデビュー。キープコンセプトなデザインながら、国内仕様でも2.8Lのエンジンが搭載された。また、リアサスペンションがストラット式からセミトレ―リングアーム式に変更になり、コーナリング性能も向上した。
フェアレディZらしいポイントでいえば、このS130からTバールーフが採用された。このTバールーフは4代目Z32まで採用され、フェアレディZの1つのアイコンとなる。
1983年:3代目モデルが登場
1983年に登場したZ31型。リーズナブルなスポーツカーからややコンセプトを変更し、ハイパフォーマンススポーツカーを目指して開発された。
特に大きな変更点はエンジンであった。これまで採用されていた直列6気筒エンジンに代わり、V6エンジンを採用。トップグレードは3.0Lターボで、当時としてはハイパワーな230馬力を誇った。「パラレルライズアップヘッドランプ」という独特なヘッドライトも印象的だ。
1989年:4代目モデルを発売
バブル真っ盛りの1989年に登場した4代目Z32。「1990年代までに技術世界一を目指す」という当時の日産が掲げていた「901運動」の中で誕生したモデルであり、さまざまな最新技術が採用されていた。
電子制御式4WSの「スーパーHICAS(ハイキャス)」や、前後マルチリンク式のサスペンションなどがその例といえる。また280馬力というハイパワーを実現し、自主規制いっぱいのパワーを手に入れた。
2002年:5代目モデルが誕生
2002年に登場した5代目Z33。プラットホームが一新され、エンジンも自然吸気の3.5Lとなり、ボディラインアップもこれまでの2シーターと2by2の2種類から2シーターのみとなった。
国内ではスーパーGTを始め、モータースポーツシーンでも活躍が目立ったモデルでもあり、「Type E」やスーパー耐久仕様のエンジンを公道仕様に仕立てて搭載した「Type 380RS」などモータースポーツ由来の限定モデルも多く登場した。
2008年:6代目モデルを販売
6代目Z34はエンジンを3.7Lへ拡大し、動力性能を強化するとともにホイールベースを100㎜短縮し、よりクイックなコーナリングを実現した。
また、世界初のメカニズムとして「シンクロレブコントロール」を採用。シフト操作に応じて最適な回転数に制御するこのメカニズムは、プロドライバーのようにピッタリと回転数のあったシフトチェンジを実現するものであった。
2022年7代目モデルが登場
そして現行モデルとなるRZ34型が2022年に登場した。歴代モデルをオマージュしたデザインを身にまとい、3.0LのV6ターボエンジンは405PSというハイパワーを誇る、新時代にふさわしいスポーツカーへと進化した。
今となっては希少なハイパワーFR+MTというパッケージを守っており、この辺りを高く評価する声も聞こえる。
現行モデルとなる7代目フェアレディZの魅力
ここからは現行モデルとなる7代目フェアレディZの魅力や特徴的な部分をピックアップして紹介していく。
歴代のフェアレディZを思い起こさせるデザインを取り入れている点や、機能的なインテリア、高い動力性能を誇るパフォーマンスに注目だ。
歴代モデルへのオマージュを込めたデザイン
エクステリアデザインは歴代モデルを引き継いだデザインが随所にちりばめられている。印象的なフロントフェイスを構成しているヘッドライトは、初代S30をオマージュしたもので、テールランプはZ32をオマージュしたデザインだ。
歴代モデルを継承する意味でも、誰もがひと目でフェアレディZのニューモデルと分かるデザインへと仕上げられた。
歴代モデルを意識したモダンで機能的なインテリア
インテリアも歴代モデルのオマージュがちりばめられている。ドライバーに向いた3連メーターはS30をモチーフにしたものだ。
また、スポーツモード時のメーター表示はタコメーターを中心に瞬時に欲しい情報が分かる表示となっていて、スポーツ走行に適した表示デザインとなっている。
一体感を追求したダイナミックなパフォーマンス
405PSというハイパワーを誇る3.0LのV6ターボエンジンを搭載し、高い動力性能を誇るフェアレディZだが、開発コンセプトの「ダンスパートナー」を体現するようにコントローラブルで一体感の感じられるドライブフィールが特徴的だ。
レスポンスに優れたエンジンに高い剛性を誇るボディ、しなやかなサスペンション。難しさを感じないドライバーに寄り添うようなスポーツカーに仕上がっている。
フェアレディZのグレード展開
現行モデルのグレードは走行性能を追求したものや、高級感のあるインテリアが特徴のものなどさまざまだ。
ラインアップは、ベースグレード、Version S、Version ST、Version T、NISMOの計5つだ。それぞれの特徴を見ていこう。
ベースグレード
最もリーズナブルなベースグレード、当然ながら全グレードの中で装備は一番簡素だ。見た目の部分はもちろんであるが、メカニカルLSDや対向ピストンブレーキなどが装備されておらず走行性能に関する装備もグレードダウンしたものとなっている。
Version S
Version Sになると走行性能に関する装備は標準装備となり、走行性能だけでいえば上級グレードのVersion STと遜色のない仕様となる。違いとしてはシートを中心とした内装の質感に関する部分だ。
Version ST
上級グレードとなるVersion STはVersion Sに比べてドアのトリムクロスがスエードになり、シートもヒーター付きのパワーシートとなる。また、ベースグレードやVersion SでオプションであったBOSEサウンドシステムも標準装備となる。
Version T
Version Tは快適なGT仕様というグレードだ。基本的に内外装の装備内容はVersion STと同じだが、こちらはATしかラインアップが用意されていない。また、走りに関する装備内容であるメカニカルLSDと対向ピストンブレーキはコチラには用意されない。
NISMO
専用チューニングが施されたNISMOはATのみ。これは速さを求めた結果ATのみのラインアップとなった。エンジンは420PSへとパワーアップしており、最大トルクも475Nmから520Nmへと向上している。そのほかにも随所に走行性能を求めた専用チューニングが施されているのが特徴だ。
歴代・現行フェアレディZのおすすめモデルとは?
フェアレディZの歴史を振り返り、現行モデルの詳細をチェックしたところで、改めてもしフェアレディZを買うならどのモデルやグレードが良いかを考えてみよう。
歴代モデル、現行モデル、それぞれのパターンから筆者のおすすめを紹介する。
歴代モデルから選ぶおすすめの世代
今、歴代モデルの中から中古で購入するならばZ33がおすすめだと筆者は考える。価格帯も幅広い上、状態もさまざまで選び方が難しいが、ある程度パーツも出そろっており、これからカスタマイズやチューニングを楽しむのに非常に適したベース車両といえる。
また、さまざまなカーライフに適応できる状況もそろっているので、使い勝手も申し分ないだろう。
現行モデルから選ぶおすすめグレード
現行モデルから選ぶならば、最低限欲しい走りの装備が備わっているVersion Sがおすすめだ。せっかくスポーツカーのフェアレディZに乗るならば、走りの装備は妥協したくないという気持ちがあるのは当然だ。
LSDとブレーキという走りに重要な要素が上位グレードと同じVersion Sならば、走りに関して妥協した要素はなく、きっと満足できるだろう。
まとめ
長い歴史を持つフェアレディZ。日産のアメリカ市場でのブランド力を築き、スポーツカーを市民のモノにしたという偉大な歴史を持った1台だ。
現行モデルがブラッシュアップして登場したように、日産にとって必要なアイコン的1台となっている。歴代モデルからおすすめを選ぶなら、Z33だ。現行モデルはVersion Sを選べば、きっと満足できるだろう。
【この記事の執筆者】
西川昇吾
自動車ライター
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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