日産エルグランドの燃費は悪い?歴代モデルやライバル車とも比較しよう
エルグランドは、日産の高級ミニバンとして長い間愛され続けている車です。8人乗車可能なグレードもあり、ファミリーカーとして最適ですが、燃費性能にも優れているのでしょうか。
この記事では、エルグランドの燃費はどれくらいか、現行モデルと先代モデルの値を紹介します。この記事を読むことで、エルグランドの魅力が分かり、車選びに役立つ情報が得られるでしょう。
※目次※
・エルグランドにハイブリッドシステムは搭載されておらず、排気量3.5Lと2.5Lのガソリンエンジンモデルのみが販売されている。
・燃費性能を評価する際には、カタログ燃費だけでなく実燃費もチェックしよう。
・燃費性能を重視したいのであれば、ライバル車の燃費とも比較しよう。
エルグランドの燃費は悪い?カタログ燃費と実燃費の目安
燃費性能に優れた車は、環境への負荷を減らせるだけでなく、ランニングコストを削減できる魅力があります。
近年ミニバンにもハイブリッドシステムが搭載され、燃費性能向上を図っている車が増えていますが、エルグランドにはハイブリッドモデルがありません。ここでは、エルグランドのカタログ燃費と実燃費を紹介します。
エルグランドのカタログ燃費
エルグランドは、通常モデル4つ、特別仕様車4つのグレードが展開されています。以下は、グレード別カタログ燃費一覧です。
グレード |
燃費(WLTCモード・km/L) |
350 Highway STAR Premium Urban CHROM |
8.7 |
350 Highway STAR Premium |
|
350 Highway STAR Urban CHROME |
|
350 Highway STAR |
|
250 Highway STAR Premium Urban CHROM |
10.0 |
250 Highway STAR Premium |
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250 Highway STAR S Urban CHROME |
|
250 Highway STAR S |
エルグランドの実燃費
実燃費(実走行燃費)は、一般ユーザーが実際に走行したときの燃費です。道路状況の違い、電装品の使用状況、加減速などの使い方の違いがあることからカタログ燃費よりも低い値になる傾向にあります。以下は、エルグランドの実燃費一覧です。
型式 |
実燃費(km/L) |
TNE52 |
9.21 |
TE52 |
8.46 |
PNE52 |
7.88 |
PE52 |
7.67 |
TNE52とPNE52は、エルグランドの特別仕様車「アーバンクロム」です。通常モデルと同じエンジンを採用しているため、燃費性能に大きな差はありません。
ハイブリッドモデルのラインアップはない
エルグランドは、先代モデルを含めてもハイブリッドシステム搭載車はありません。搭載されるエンジンは、排気量3.5LV型6気筒エンジン、もしくは排気量2.5L直列4気筒エンジンです。
アイドリングストップシステムを搭載する車が出回っていますが、エルグランドはアイドリングストップシステムも備わっていません。
エルグランドの燃費は悪い?先代モデルの燃費をチェック
現行モデルのエルグランドは、先代モデルと比べて燃費性能は向上しているのでしょうか。2代目エルグランドは、2002年5月~2010年8月まで販売されていました。ここでは、2代目エルグランドのカタログ燃費、実燃費を紹介します。
(参考:『エルグランド(日産)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
2代目エルグランドのカタログ燃費
2代目エルグランドは、排気量2.5Lの他3.5LのV型6気筒エンジンをラインアップし、力強い走りを実現したモデルです。以下に、2代目エルグランドの燃費を紹介します。
型式 |
燃費(10モード/10・15モード・km/L) |
MNE51 |
8.4 |
ME51 |
8.6~8.9 |
NE51 |
8.0 |
E51 |
8.2 |
排気量が大きくなると燃費も悪化するのが一般的ですが、エルグランドは搭載エンジンが変わっても燃費は大きく変わらず、グレード間に差がないのが特徴です。
2代目エルグランドの実燃費
カタログ燃費は、決められた測定方法を基に自動車メーカーが測定した数値です。同じ車であっても、ドライバーや走行状況によって実燃費は異なります。
このような理由から、カタログ燃費だけでなく実燃費も参考にすることが大切です。以下に、実燃費一覧を紹介します。
型式 |
実燃費(km/L) |
MNE51 |
7.31 |
ME51 |
6.02~7.59 |
NE51 |
6.85 |
E51 |
6.24 |
エルグランドの魅力は燃費以外にあり!
燃費性能が悪く、購入の選択肢から外そうかと思う方も多いのではないでしょうか。燃費性能が悪くとも、エルグランドにはそれ以外の魅力があります。
車を維持する上では、燃費性能は重要なポイントです。しかし、魅力的なデザインであることや安全性の高さも重要なポイントといえます。
現行モデルはフロントフェイスが特徴的
車の印象を左右するフロントフェイスは、フロントグリルやバンパーなどを迫力あるデザインとすることで存在感を際立たせています。
Urban CHROMEには、漆黒フロントグリルと漆黒フォグランプフィニッシャーを備え、他のグレードと差別化を図っているのが特徴です。独特の輝きと力強さを放つデザインで、見る人を魅了するでしょう。
ボディカラーは、特別塗装色を含む全5色から選択が可能です。アウトサイドドアハンドルは全てメッキのため、どのボディカラーでも高級感を味わえるでしょう。
エルグランドは日産の最高級ミニバン
初代エルグランドが登場したのは1997年です。車名の由来は、英語の「THE」に当たるスペイン語の「EL」と「偉大な」を意味する「GRAND」を組み合わせた造語で、コンセプトは「最高級新世代1BOX」でした。
ターゲット層は、車を使ったレジャーライフを積極的に楽しむ30代~40代の男性です。車両価格帯は295万円~359万円ほど、現行モデルの3代目は408万2,100円~837万8,700円(税込み)と、グレード間の価格差も大きく価格も上昇しています。
(2024年7月時点の情報です)
フルモデルチェンジが予想されている
エルグランドのフルモデルチェンジは2010年8月を最後に行われておらず、それからはマイナーチェンジを繰り返して、2022年11月の一部仕様変更で鋭いフロントフェイスへと変わりました。
2024年3月のマイナーチェンジでは、一部グレードのみに搭載されていた「ディスプレイ付自動防眩式ルームミラー」「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物検知機能付き)」を全車に標準装備するといった安全装備の拡充が行われています。
インテリジェント アラウンドビューモニターは、上空から車を見下ろすような映像を表示する機能です。
周囲の状況が把握しやすいだけでなく、動く障害物があるときはドライバーに注意を促し安全運転をサポートします。ミニバンの運転に苦手意識がある方にとってもうれしい改善ポイントです。
最後のフルモデルチェンジから約14年が経過しているため、フルモデルチェンジが期待されています。プラットフォームは「CMF-C/D」で、パワーユニットは福祉車両のみに採用されていた、エンジンで発電してモーターで駆動させる「e-POWER」が用いられる見込みです。
エルグランドの中古車を探すときの予算ごとの狙い目
エルグランドは人気の高い車種のため、中古車市場の在庫も豊富です。さまざまな年式、走行距離のエルグランドが流通していることから、中古車選びに悩む方もいるでしょう。ここでは中古車を予算で分けた場合のエルグランドの年式や傾向を説明します。
予算300万円前後
300万円前後の予算であれば、2015年式~2020年式のエルグランドから選べます。この他、特別仕様車「VIP」やサンルーフ装着車の選択も可能です。
年式だけでなく、走行距離や装備もチェックすることをおすすめします。走行距離は、1年で1万kmが目安です。装備に関しては、純正のカーナビや障害物センサー、LEDヘッドライトが取り付けられたモデルをおすすめします。
ミニバンは死角も多いため、バックカメラ、全周囲カメラが搭載されているほうがよいでしょう。
予算200万円以下
エルグランドの中古車は、40万円~200万円の価格帯が多く流通しています。そのため、200万円程度の予算で検討すると、さまざまな車から選べるでしょう。
200万円前後でもハイウェイスターが多く流通しています。走行距離が3万km前後の中古車も購入が可能です。
2代目のモデルでは50万円を切る中古車もありますが、走行距離が10万kmオーバーのものが多いため、メンテナンスされているのか、消耗部品の交換はされているかなどをチェックするとよいでしょう。
エルグランドのライバル車と燃費を比較しよう
エルグランドの燃費の良しあしを判断するには、他車との比較がおすすめです。エルグランドには、トヨタ アルファードやホンダ オデッセイをはじめとしたさまざまなライバル車があります。
ここで紹介するライバル車の特徴や燃費を、車選びに生かしてみてください。
トヨタ「アルファード」の燃費
アルファードは、ドライバーだけでなく乗る人全てをもてなす、上質な装備やデザインが採用された車です。高級ミニバンらしい走り、優れた走行性能や高い燃費性能を実現しています。燃費(WLTCモード)は、10.3km/L~17.7km/Lです。
新車は540万円~872万円(税込み)、ネクステージの中古車は59万4,000円~949万9,000円(税込み)で販売しています。
(2024年7月時点の情報です)
(参考:『アルファード(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
ホンダ「オデッセイ」の燃費
オデッセイは、2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載することで、エコドライブと力強い走りを実現した車です。
タイヤの駆動は主に走行用モーターが担い、エンジンは高効率な高速走行時にのみタイヤと直結することで燃費性能向上を図っています。燃費(WLTCモード)は、19.6km/L~19.9km/Lです。
新車は480万400円~516万4,500円(税込み)、ネクステージの中古車は34万9,000円~347万9,000円(税込み)で販売しています。
(2024年7月時点の情報です)
(参考:『オデッセイ(ホンダ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
日産「セレナ」の燃費
セレナは、第2世代e-POWERを採用したミニバンです(グレード別)。タイヤは駆動用モーターでのみ駆動し、エンジンは発電用に使用することで静かで快適なドライブが楽しめます。
燃費が良い場面でエンジンを作動させることで、燃費性能を向上させているのが特徴です。燃費(WLTCモード)は、13.0km/L~20.6km/Lを発揮します。
新車価格は276万8,700円~479万8,200円(税込み)、ネクステージの中古車価格は19万8,000円~462万7,000円(税込み)です。
(2024年7月時点の情報です)
(参考:『セレナ(日産)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
三菱「デリカ:5」の燃費
デリカD:5は、7人~8人乗車可能なミニバンでありながら、グランドクリアランスや高い最低地上高などを確保し、悪路走破性を高めた車です。
エンジンは排気量2.2Lのクリーンディーゼルエンジンを搭載しています。ディーゼルエンジンらしいトルクフルな走りを味わいたい方におすすめの車です。燃費(WLTCモード)は、12.6km/Lを発揮します。
新車価格は415万6,900円~462万2,200円(税込み)、ネクステージの中古車価格は46万1,000円~509万9,000円(税込み)です。
(2024年7月時点の情報です)
(参考:『デリカD:5(三菱)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
エルグランドなどの燃費を向上させるコツ
エルグランドは、セレナやアルファード、デリカD:5などと比べて、燃費性能は良くありません。しかし、燃費は車の状態やドライバーの運転技術によっても変わります。
ここでは、燃費を抑えるテクニックを見ていきましょう。燃料を消費しやすいタイミングや状況を踏まえて運転を工夫すれば、同じ車種でも燃費を向上できます。
ガソリンを消費するタイミング
車は、走行中でもガソリンをあまり消費しないタイミングと大量に消費するタイミングがあります。
ガソリンを多く消費するのは、発進時など大きな力を必要とするときです。加速するときや坂道を上るとき、100km/h以上で走行するときなどもこれに当たります。逆に、一定の速度で走行している際にはガソリンはあまり消費されません。
ガソリンはアクセルを踏み込むときに多く消費されるため、運転が荒い方やアクセルを頻繁に踏み込んでしまう方は注意が必要です。
また、車の状態が悪い場合にもガソリンを消費しやすくなります。燃費性能を保つには、定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
アクセルを踏み込み過ぎない
アクセルを強く踏み込む際にガソリンが多く消費されるため、なるべく急発進や急加速を避けることが燃費向上につながります。
ブレーキとアクセルを頻繁に交互に踏み込むような運転も、燃費の観点からよくありません。一定の速度をキープして走行できるよう、常に適正な車間距離を保ち、速度計や回転系を確認しましょう。
また、車の間を縫うように車線変更を繰り返す運転も、燃費性能を低減させることから控えたほうがよいといえます。
急発進・急停止は燃費だけではなく車自体にもダメージを与える運転方法です。燃費を向上させるだけでなく、大切な愛車を長く使用するためにも丁寧な運転を心がけましょう。
クルーズコントロールを使う
車を運転する際に頻繁にアクセルを踏んでしまう癖のある方や、踏み込み過ぎのラインがあいまいな方もいるでしょう。自分で一定の速度を保つのが難しい場合は、クルーズコントロールを利用するのもおすすめです。
エルグランドは「インテリジェント クルーズコントロール」を装備しています。高速道路などで速度を制御し、前方車両との車間距離を保ちながらの追従走行をサポートしてくれるクルーズコントロール機能は、ドライバーの負担軽減だけでなく燃費の向上にも有効です。
タイヤの空気圧を上げておく
燃費を向上させる上では、タイヤの空気圧も重要です。タイヤの空気が不足していると地面との摩擦が大きくなり、運転時に多くの力を必要とします。空気圧は規定内に収めておきましょう。
近年は、エコタイヤなど燃費向上を目的としたタイヤも開発されています。燃費が気になる方は、標準タイヤではなくエコタイヤを装着するのもおすすめです。
まとめ
エルグランドの燃費(WLTCモード)は、8.4km/L~10.0km/Lです。ライバル車のアルファードやデリカD:5、同メーカーミニバンのセレナと比べて燃費性能が低いのは、ハイブリッドシステムを搭載していないことが要因のひとつといえるでしょう。
しかしエルグランドは、日産の最高級ミニバンにふさわしいエクステリアデザインや機能を備えた車です。各燃費向上策を試し、エルグランドらしいドライブを楽しみましょう。
▼ライタープロフィール
畠山達也
自動車Webライター
自動車免許のほか、一級自動車整備士、フォークリフト運転免許などを保有するライター。自動車メーカーや部品業界に携わった際の知識や経験を活かし、Webメディアを通して「車の楽しさ」を発信している。
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