ロードスターRFが過去最大の改良を実施!旧型モデルとの違いを紹介
マツダ ロードスターはオープンタイプのライトウェイトスポーツカーとして1989年に登場した。現行モデルは2015年に販売を開始し、約8年のモデルライフを迎える。
そんなロードスターに現行型から加わったモデルが電動ハードトップを持つRFだ。2024年1月からはソフトトップ車と同じく大幅商品改良を施したモデルが販売開始。
この記事ではロードスター現行型の歴史の中でも、最も大きな変更が与えられた今回の改良ポイントについて深掘りしていく。
※目次※
・4代目ロードスターにはソフトトップモデルとハードトップモデルRFがラインアップ。
・ロードスターRFは2024年の大幅改良で走行性能が大幅にアップしている。
・機能美を追求したデザインや安全性や快適性にも注目!
ロードスターRFの改良モデルが登場
RFは先に登場したソフトトップから約1年半遅れとなる2016年末にお目見えした。スイッチひとつでタルガトップのようなオープンエアスタイルになる機構を持ちながら、ソフトトップと比べてトランク容量が大きく変わらないという利点を持つ。
そんなRFもソフトトップと同じタイミングである2024年1月から大きな改良が加えられた。
2024年1月に販売開始
ロードスターRFはソフトトップに比べて、ややラグジュアリーなキャラクターとなっているが、ロードスターに求められる運転の楽しさはしっかりと押さえられている。
大幅改良が加えられた今回のモデルは、現代のモデルとして必要な部分は変えながらも、従来評価されてきた部分は変わっていない。運転の楽しさをより磨く進化が与えられたといえるだろう。
ビッグマイナーチェンジを実施した背景
変わらないことを望まれる側面を持つロードスターだが、今回ビッグマイナーチェンジをした一番の目的は法規対応の部分が多かったと思われる。
以前からその対応として、プラットホームやエンジン、各種デザインが大きく変更されるフルモデルチェンジが噂されていたが、マツダはビッグマイナーチェンジで対応をした。これは、ロードスターに求められる要素を熟知したマツダらしい回答だ。
ロードスターRFの改良点とは?
現行型の歴史の中でも最も大きな改良とアナウンスされた今回のビッグマイナーチェンジ。ライバル不在の唯一の国産軽量スポーツカーはどのような変化を見せたのか。
ここからはロードスターRFの新しくなったポイントに関してより詳細に見ていく。注目すべき点は走行性能。ポイントは、搭載エンジンのアップグレード、アシンメトリックLSDの採用だ。
2.0Lエンジンを全グレードで搭載
まずエンジンだ。ロードスターRFは登場当初から、1.5Lのソフトトップよりもパワフルな2.0Lエンジンを搭載している。
エンジンスペック自体に変化はないものの、制御に最新のロジックを導入。これによりアクセル操作のレスポンスが改善され、アクセルを踏むシーンだけでなく、戻すシーンでもよりドライバーの意思をしっかり反映したコントロール性を実現している。
アシンメトリックLSDを全グレードで採用
そして走りの部分での大きな進化がアシンメトリックLSDの採用だ。
このLSDは「リアタイヤの接地荷重変化に対して車の旋回挙動を安定させる」という新たなコンセプトのもと開発されており、減速側の作動制限力を高めて、FR車が不安定になりやすいコーナリング進入時の安定性を向上させている。こちらはMT車に採用された。
ロードスターRFの走行性能以外の改良点もチェック
今回の改良では、走行性能以外の部分も大きく変化した。運転支援システムや車内エンタテインメントの充実など、旧型オーナーから見ればうれしい装備も満載だ。ここでは、走行性能以外の変更ポイントを見ていこう。
レーダークルーズコントロール・スマート・ブレーキ・サポートを導入
まず運転支援システムだ。
約15km/h以下で後退中にクルマの左右や後方に接近してきた車両を検知し、衝突回避が困難とはんだインしたときにブレーキ制御を支援して消灯時の被害軽減を図る「スマート・ブレーキ・サポート」。そして、設定した速度での定速走行と、車間を一定に保って走行する「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール (MRCC)」が新たに備わった。
もしものときの安全と、高速道路などの自動車専用道路走行時の疲労度軽減が図られる装備が追加となったのはドライバーとしてはうれしいポイントだろう。
8.8インチの新型センターディスプレイを採用
センターディスプレイは8.8インチに拡大された。単純に大きくなっただけでなく、前方視界の確保とエアバッグ作動時の干渉を避けるために、画面の縁部分を薄くしたフレームレスデザインを採用するといった配慮もされている。
洗練されたエクステリアデザイン
エクステリアの一部デザインも進化。ヘッドランプはデイタイムランニングランプが変更され、スピード感やライトウェイトスポーツカーらしさをさらに表現したデザインに変化。
リアコンビネーションランプはロードスターの伝統である円形+楕円(だえん)のモチーフをより鮮明に表現されている。
カラーラインナップの変更
新しいボディカラーとして、「エアログレーメタリック」が追加された。ソリッドカラーを思わせるような鮮やかさを持ちながら、メタリックカラーだからこその陰影感を引き立てた色合いが特徴で、軽快さとクールな印象を与えるカラーに仕上がっている。
ロードスターの改良点も押さえておこう
同時に改良されたソフトトップのロードスターの変更点についても、簡単にだが振り返っておこう。主なポイントは、RF同様エンジンの制御マップの最適化と電子プラットフォームの刷新、電動パワステの変更など。
1.5Lエンジンの制御マップの最適化を実施
こちらはRFも同じだが、エンジンの制御マップに改良が施されたことで、よりドライバーの意思を反映したアクセルコントロールを実現している。
また、ソフトトップの1.5Lエンジンは国内ハイオクガソリン向けの専用セッティングを施すことで、3kWエンジン出力を向上させた。
電子プラットフォームを刷新
こちらもRFも同じ内容であり、今回の大幅改良へ踏み切った大きな理由のひとつでもあるが、新たな法規制のため電気・電子系プラットフォームが一新されている。
これを開発陣はチャンスと捉え、電動パワステのDSCといった走りのフィーリングに関係する電子類の改良を測った。
アシンメトリックLSDはSを除くグレードに搭載
アシンメトリックLSDはソフトトップ車両にも採用されている。こちらは、RFと同じくMT車には採用されているが、ソフトトップ車両の場合、エントリーグレードとなるSには採用されていない。
ステアリングフィールが進化
電子プラットホームの刷新により踏み切ったのが電動パワステの変更だ。今回はソフトウェアだけでなく、システムそのものにも改良が加えられた。ステアリングラックの摩擦を低減しながら、モーターアシスト制御をより緻密にした。
これにより自然ですっきりとしたフィードバック感を実現している。これまで以上にフロントタイヤとの会話が楽しめる、一体感の高いステアリングフィールに仕上がっているのだ。
ロードスターRFとロードスターのグレードと価格
ここからは、現行ロードスター、ロードスターRFの価格を見ていこう。ロードスターのベースグレードのSが最も安いモデルではあるが、今回の変更点であるアシンメトリックLSDが採用されていない。
ロードスターRFでは、RSが上級グレードでサイドミラーがボディ同色ではなくピアノブラックに変更され、シートはナッパーレザー(ブラック)/アルカンターラ(ブラック)でスポーティさと高級感が引き立っている。
なお、新車購入が予算的に厳しいということなら中古車の購入も良いタイミングといえるだろう。
ロードスター
RS |
367万9,500円(MT) |
SレザーパッケージVセレクション |
355万3,000円(MT) 366万8,500円(AT) |
Sレザーパッケージ |
349万8,000円(MT) 361万3,500円(AT) |
Sスペシャルパッケージ |
308万7,700円(MT) 320万3,200円(AT) |
S |
289万8,500円 |
ロードスターRF
RS |
430万8,700円(MT) |
VS |
415万4,700円(MT) 418万2,200円(AT) |
S |
379万6,100円(MT) 382万3,600円(AT) |
まとめ
大幅商品改良が行われたロードスターとロードスターRFだが、ロードスターファンが重要視している「人馬一体」に関する部分は変えずに、その魅力をより深化させたような改良となった。
ソフトトップのロードスターとともに、RFもより魅力的な進化を果たしている。ロードスターらしさを変えずに、さらに魅力的になったモデルは今後もファンを増やしていくことだろう。
【この記事の執筆者】
西川昇吾
自動車ライター
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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