マツダ ロードスター 990Sとは?現行モデルから消えたのはなぜ?
マツダ ロードスターは、日本を代表するオープンスポーツカーです。2021年12月には990Sという特別仕様車が誕生しましたが、現行モデルのラインアップには設定されていません。なぜロードスター 990Sは現行モデルから消えたのでしょうか。
この記事では、ロードスター 990Sの特徴や消えた理由、中古車価格などを解説します。現行ロードスターのグレードラインアップやライバル車も紹介しますので、990Sのようなスポーツカーの購入を考えている方はぜひ参考にしてください。
※目次※
・ロードスター 990Sは軽量化を追求した2シーターオープンスポーツカー。軽快で安定した走りが魅力
・990Sは車両重量1,000kgを切れなくなったことで販売を終了
・ロードスターの現行グレードは快適装備が豊富なモデルから個性的なデザインまで選択肢が豊富!
マツダ ロードスター 990Sの特徴とは?
990Sは、マツダ ロードスターのグレードのひとつです。ND型ロードスターと呼ばれる世代で登場しました。ここでは「マツダ ロードスター」「ND型ロードスター」「ロードスター 990S」の概要を順番に紹介します。
(参考:『ロードスター(マツダ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
マツダ ロードスターとはどのような車?
マツダ ロードスターは、軽量化を追求した2シーターオープンスポーツカーです。1989年の誕生から、日本だけでなく世界各国で人気を得ています。2000年5月には「生産台数世界一の2人乗り小型オープンスポーツカー」として、ギネスブックに登録されました。
ジャンルとしては、ライトウエイトスポーツカーに分類されます。オープンタイプのライトウエイトスポーツカーには、軽自動車のダイハツ コペンやホンダ S660がありますが、普通自動車規格の国産車はロードスターのみです。
ND型ロードスターとは?
ND型は「ジョイ・オブ・ザ・モーメント、ジョイ・オブ・ライフ」をコンセプトに開発された現行モデルの4代目ロードスターです。軽量化を追求した結果、歴代で最もコンパクトなロードスターとして登場しました。990kgという車両重量とSKYACTIV-G1.5により、軽快なドライブを実現したモデルです。
50:50の前後重量配分や縦置きのフロントミッドシップエンジン、FR方式など歴代のロードスターの特徴も受け継ぎながら、マツダ独自のデザインテーマ「魂動」とマツダの新世代技術「スカイアクティブテクノロジー」を採用しています。
ロードスター 990Sとは?
990Sは、2021年12月のND型ロードスターの改良で追加された特別仕様車です。最軽量グレードの「S」をベースに、専用デザインや専用装備を採用しています。他のグレードと異なるのは以下の3点です。
・バネ下(キャリパーやローター、ホイール、タイヤなど)を軽量化
・ダンパーやコイルスプリング、パワーステアリング、エンジン制御に専用のチューニングを施している
・専用の内外装カラーを設定
ロードスター 990Sの魅力
990Sは、ロードスターのメインコンセプトを継承しながら、独自の魅力を備えたモデルです。ここでは、ロードスター 990Sの魅力を紹介します。
主な魅力は軽量化による優れた乗り心地と専用の内外装カラーです。それぞれの詳細を解説しますので、ぜひ購入の参考にしてください。
軽量化を重視したモデル
ロードスター 990Sは、バネ下の軽量化や専用のチューニングにより、ドライバーの意思に忠実で軽快な走りを実現しています。マツダが掲げる「人馬一体」の走りを体現したモデルです。
軽い車両は安定感に欠ける傾向にありますが、990SはKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)という新しい制御技術を搭載しています。
ブレーキを踏んだときにリアを下げ、ノーズダイブを減らすことで、安定したコーナリングが可能です。特に都会のワインディングロードで走る楽しさを実感できるでしょう。
専用の内外装カラー
ロードスター 990Sのボディカラーは他のグレードと同様の7色設定ですが、ソフトトップに専用のダークブルーカラーを採用しています。これは、990Sと同時に発売された特別仕様車「ネイビートップ」と同じ幌の色です。
内装は、ブルーとピアノブラックのエアコンルーバーベゼル、オプションアイテムのブルーステッチ&刺しゅう入り専用フロアマットブラックなど、ブラックを基調としながら随所にブルーカラーを採用しています。
ロードスターから990Sが消えた理由
ロードスター 990Sは、2023年10月の商品改良でラインアップから消えました。これは車両重量1,000kgを切れなくなったことが理由です。
990Sは、ナビゲーションディスプレイやアイドリングストップ、シートヒーターなど他の車種では一般的な装備や機能を削減し、軽量化を追求しています。
しかし、サイバーセキュリティー法に対応するには電気・電子プラットフォームを刷新する必要があったため、990Sの持ち味である「車両重量990kg」を維持できませんでした。
ロードスター 990Sの中古車価格
中古車販売店ネクステージでのロードスター 990Sの中古車価格は、289万9,000円~329万9,000円です。ロードスター全体の中古車価格(149万9,000円~329万9,000円)と比較すると、高い価格水準で流通しています。
これは、中古車の年式が新しいことが理由です。ロードスター 990Sは2021年12月~2023年10月に販売されていたモデルのため、中古車市場では1年~2年落ちの車両が出回っています。
990Sの流通量は多くありません。気になった商品が見つかればお早めの判断をおすすめします。
(2024年3月時点の情報です)
現行ロードスターのグレードラインアップ
990Sの販売は終了しましたが、現行ロードスターには5種類の魅力的なグレードが用意されています。
ここでは、現行ロードスターのグレードラインアップを見てみましょう。それぞれのグレードの装備や性能を詳しく紹介します。記載している新車価格は2024年3月時点の情報です。
S
「S」は、ロードスターのベースグレードです。マニュアルエアコンやクロスシート、6スピーカーなどのシンプルな装備により、軽量化を追求しています。990Sが消えたことで、ラインアップの中で最も軽いモデルとなりました。
2023年10月の商品改良で車両重量が990kgから1,010kgに増えましたが、8.8インチセンターディスプレイやサイドエアバッグ(頭部用・胸部用)などの装備が追加されています。
新車価格は289万8,500円です。予算を抑えて軽快な走りを楽しみたい方におすすめします。
Sスペシャルパッケージ
「Sスペシャルパッケージ」は、Sよりも装備が充実した上級グレードです。クロス×レガーヌシートや自動防眩ルームミラー(フレームレス)、フルオートエアコンを装備しています。
クルーズコントロールや交通標識認識システムがオプションで用意されていたり、6MTにもアシンメトリックLSDとスタビライザー(リア)が標準装備であったりと、走行性能と安全性能の高さも魅力です。新車は308万7,700円~320万3,200円で販売されています。
Sレザーパッケージ
「Sレザーパッケージ」は、Sスペシャルパッケージよりも快適装備を充実させた高級感あふれるグレードです。レガー(本革)のシートやボーズサウンドシステム+9スピーカーを装備しているため、優雅なドライブを満喫できます。
Sレザーパッケージではオプション装備のクルーズコントロールや交通標識認識システム、シートヒーター、地上波デジタルTVチューナーが標準装備です。新車は349万8,000円~361万3,500円で販売されています。
Sレザーパッケージ Vセレクション
「Sレザーパッケージ Vセレクション」は、ナッパレザーのシートを採用したグレードです。シートやインパネ周り、ドアトリム(センター)など、他のグレードではブラックカラーの部分にタン(明るい色調のブラウン)を採用しています。
ベージュカラーのソフトトップ、高輝度塗装のホイールもVセレクション独自の装備です。快適装備や安全装備はSレザーパッケージと同じ内容のため、上質で個性的なデザインを好む方におすすめします。新車価格は355万3,000円~366万8,500円です。
RS
「RS」は、大型ブレーキローターやフロントサスタワーバー、インダクションサウンドエンハンサーなど、足回りの専用装備を取り付けたスポーツグレードです。シート素材は、高級輸入車のような質感のアルカンターラとナッパレザーを組み合わせています。
走る楽しさを追求したグレードのため、スポーティーな走りを好む方におすすめです。新車は367万9,500円で販売されています。
マツダ ロードスターのライバル車3選
マツダ ロードスター以外にも魅力的なスポーツカーが販売されています。
ここでは、ロードスターのライバル車として「日産 フェアレディZ」「トヨタ 86」「スバル BRZ」の3車種を見てみましょう。それぞれのモデルの特徴や価格を紹介します。記載している新車価格は2024年3月時点の情報です。
日産 フェアレディZ
日産 フェアレディZは「伝統と最新技術の融合」をテーマにしたモデルです。ロングノーズ・ショートデッキスタイルを継承しながら、エアロダイナミクスや冷熱システム、衝突安全などの最新技術を取り入れています。
走りにおいては、車体ねじり剛性を強化したボディによりシャープなハンドリングが可能です。フロントハイキャスターサスペンションや高応答のモノチューブダンパーを採用したことで、直進安定性にも優れています。
新車価格539万8,800円~920万400円、中古車価格74万9,000円~699万9,000円で販売されています。
(参考:『フェアレディZ(日産)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
トヨタ GR86
トヨタ GR86は、内外装共に水平基調を意識した機能的なデザインのスポーツカーです。低重心FRプラットフォームや軽量・高剛性ボディにより、軽快なハンドリングと安定した走りを実現しています。
搭載している2.4L 水平対向4気筒エンジンは、動力性能とレスポンスを追求したエンジンです。幅広い速度域で力強い加速を発揮するため、意のままの走りを楽しめるでしょう。
新車価格は291万6,000円~357万4,000円、中古車価格は99万9,000円~509万9,000円です。
(参考:『86(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
(参考:『GR86(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
スバル BRZ
スバル BRZは、風を切るように低く傾斜したフォルムのスポーツカーです。2.4L BOXERエンジンを搭載しており、力強いトルクと伸びのある加速フィールを発揮します。
全グレードでMTとATの選択が可能です。MTはクイックかつ滑らかなシフト操作を、ATはドライバーの意思に忠実な気持ちの良い走りを実現しています。新車価格は330万円~381万7,000円、中古車価格は119万9,000円~359万9,000円です。
(参考:『BRZ(スバル)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
まとめ
ロードスター 990Sは、車両重量990kgまで軽量化を追求した特別仕様車です。2023年10月の商品改良で電気・電子プラットフォームを刷新した結果、1,000kgを切れなくなったためラインアップから消えています。軽快な走りを求める方は、中古車の購入を考えてみましょう。
ロードスターの現行グレードやライバル車にも魅力的なスポーツカーがあります。選択肢を広げて、自分に合ったモデルで理想のスポーツドライブを実現しましょう。
【この記事の執筆者】
中村浩紀
クルマ記事に特化したライター
現在4台の車を所有(アルファード・プリウス・レクサスUX・コペン)。クルマ系のメディアでさまざまなジャンルの記事を執筆し、2024年1月までに300記事以上の実績をもっている。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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