ロードスターNDの進化したポイントとは?中古・カスタムについても解説
2015年に10年ぶりにフルモデルを果たして新型となったのが、4代目のNDロードスターです。3代目は、新型のプラットフォームや2.0Lエンジンなど多くの部分が新設計されましたが、4代目もシャシー、エンジンともに新規で開発されました。
NDロードスターは、コンパクトなボディとフロントミッドに搭載されたエンジンなど、重量配分と軽量化が開発の中でも重要なテーマとなりました。
2023年には8年目にして初の大幅改良(ビッグマイナーチェンジ)がほどこされ、エンジン出力の向上やミリ派レーダーの追加などで安全装備も刷新されています。
ここでは、NDモデルの魅力や特徴を紹介していきます。
※目次※
・NDロードスターは2015年に登場し、初代を彷彿とさせるコンパクトさと軽快感が特徴
・ハードトップ仕様のロードスターRFも2016年に登場し、現在は2車種で8グレードを展開
・NDロードスターは発売から9年が経過していて、中古車市場でもさまざまなモデルが選べる
マツダ ロードスターNDとは?
2015年に発売が開始された4代目のND型のロードスターは、ライトウェイトスポーツカーの原点に戻すことを目標に開発されました。
ボディは先代よりも小型となり、国内モデルのエンジンは1.5Lのみです。グレードによっては1000kgを切る車両重量を達成し、初代で定評のあった軽快なハンドリングが蘇ったといわれています。
ロードスターの4代目となるモデル
ロードスターは車両型式をとって、初代がNA、2代目がNB、3代目がNC、そして4代目がNDと呼ばれています。現行モデルの4代目は2015年に発売され、2023年に初の大幅改良が実施されました。
外装デザインに手が加えられ、バンパー内にレーダーセンサーが追加され、グレードによってはレーダークルーズコントロールが使用できるようになっています。また、制御の見直しなどによってエンジン出力がアップしたことも特徴となります。
装備内容がグレードによって異なる
2024年3月現在のグレードは、ロードスターでは5グレード、ロードスターRSでは3グレードです。ともにSがエントリーグレードで、RSは足まわりなどの装備や充実していることに加え、内装も上質となっている上級グレードです。
ロードスターらしい軽快さを味わうのであれば、エントリーグレードのSがおすすめです。グレードによって安全装備の違いはほぼないので、内装や装着パーツで選んでみましょう。
ロードスター |
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グレード |
トランスミッション |
燃費(WLTC) |
価格 |
S |
6MT |
16.8km/L |
289万8,500円 |
S Special Package |
6MT |
16.8km/L |
308万7,700円 |
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6AT |
17.2km/L |
320万3,200円 |
S Leather Package |
6MT |
16.8km/L |
349万8,000円 |
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6AT |
17.2km/L |
361万3,500円 |
S Leather Package V Selection |
6MT |
16.8km/L |
355万3,000円 |
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6AT |
17.2km/L |
366万8,500円 |
RS |
6MT |
16.8km/L |
367万9,500円 |
NR-A |
6MT |
16.8km/L |
306万4,600円 |
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ロードスターRF |
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グレード |
トランスミッション |
燃費(WLTC) |
価格 |
S |
6MT |
15.8km/L |
379万6,100円 |
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6AT |
15.2km/L |
382万3,600円 |
VS |
6MT |
15.8km/L |
415万4,700円 |
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6AT |
15.2km/L |
418万2,200円 |
RS |
6MT |
15.8km/L |
430万8,700円
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ロードスターNDと旧モデルとの違いを比較
ロードスターは、ND型の前に3つのモデルが販売されています。一貫して「人馬一体」というコンセプトを掲げており、新モデルごとに改良が行われてきました。
中には、現行モデルまで変わっていない特徴もあります。旧モデルには、どのような違い・変化があったのでしょうか。ここからは旧モデル3つとの違いを見ていきましょう。
初代:NA型
NA型は、ドライバーと車が「人馬一体」となり、運転する喜びを感じられるライトウェイトスポーツカー(軽量級スポーツカー)を目指して作られました。現在まで続くロードスターの初代モデルです。
ライトウェイトスポーツカーの基本様式は、フロントエンジンリアドライブ(後輪駆動)とオープン2 シーター(屋根を開けて走行可能)です。ロードスターには、基本様式を残した上で、マツダの開発技術が投入されています。
ロードスターの開発においては、以下の4点が重視されています。
1.一体感:自然との一体感を感じられる車のデザインと構造
2.緊張感:運転の心地よさを音や振動といった五感すべてで感じられる
3.走り感:走行性能よりドライバーの体感性能を重視
4.ダイレクト感:ドライバーの操作が車に素早く伝わる
これは初代から4代目まで引き継がれ続けている、ロードスターの変わらないこだわりです。
2代目:NB型
NB型は、初代ロードスターの登場から8年後に登場したモデルです。より高まった安全性や快適性のニーズに応えるため、ボディそのものを大きく作りかえました。外観は角のない曲面構成で、インテリアは初代のイメージを残しつつ時代に合わせて立体的なデザインです。
この改良により、外装と内装両面でスポーツカーらしい印象をさらに強めました。ひと目でロードスターだと分かるイメージを残しつつ、パワフルな走りを体感しやすいデザインに仕上がりました。
走行面ではエンジンやサスペンション性能、ブレーキ性能を高め、動力性能を向上させています。そのため、より車を手足のように自在に動かし、風を感じながら走れるようになりました。
3代目:NC型
NC型は初代・2代目の長所を活かしつつ、ほぼすべての部品を新設計したモデルです。大規模な新設計は、コンセプトである「人馬一体」のさらなる実現を目指し行われました。
ロードスターは、2代目までは同じプラットフォームを使っていました。しかし、3代目であるNC型からは、環境・安全要件に対応する新しい部品構成を導入しています。
NC型は、マツダのスポーツカーとして重要な要素を活かしつつ、ボディ・シャシー・パワートレイン・電子機器をロードスター専用の設計に改良されたモデルです。
この改良により独自の走行性能や軽快さが実現され、よりロードスターが目指す「人馬一体」に近づくことができました。
ロードスターNDの進化した魅力的なポイント
4代目として登場したNDロードスターは、歴代のコンセプトを踏襲しながらも、よりコンパクトで軽快さを極めました。
近年の新車は、安全規定の強化などによって装備が増えています。その中で車重を1000kg未満にするには、相当な苦労が必要でした。開発陣の懸命な努力によって、優れたハンドリングのマシンが登場し、世界的に評価されるモデルになりました。
NDロードスターは素性が良いため、アフターパーツを装着してもハンドリングは楽しめます。ここではコンセプトや楽しみ方を紹介しましょう。
コンセプト通りの走行性能
ND型のロードスターは「人馬一体」というコンセプトをさらに強めています。曲がりやすさやハンドリングが向上しており、非常に運転しやすい1台です。
走行性能の高さには、ロードスターNDの重量が関係しています。ロードスターNDはコンパクトなボディサイズで、重量が1000kbを切るモデルもあるほど軽量化されています。
近年の車は、各種安全装備の搭載によって車両重量が増加していました。しかし、ロードスターNDは、安全装備をしっかり搭載し足まわりを頑丈に設計した上で軽量化を実現しています。
ロードスターNDは「フロントミッドシップ」というエンジン全体が車軸よりも内側に配置された設計です。この設計により、前後50対50の重量配分を可能にし、前後左右・上下の動きがそろったバランスのいい走りを楽しめます。
実用性の高い燃費
NDロードスターはスポーツカーですが、WLTCの燃費でどのグレードも15km/Lを上回っています。ATモデルではアイドリングストップの「i-stop」や減速エネルギー回収の「i-ELOOP」を標準搭載し、6MTモデルもメーカーオプションとなっています。
もともとマツダは、内燃機関の燃焼効率の向上を開発のテーマとしていて、ハイブリッドを持たないエンジンでも燃費性能は高くなっています。
自由なカスタマイズが可能
ロードスターNDは趣味性が高い車であるため、ホイールやマフラー、エアロをカスタマイズする人もいるでしょう。カスタムすることで外観向上させるだけでなく、性能面でもプラスになるポイントがあります。
アルミホイールを装着することで、足まわりの軽量化が可能です。足まわりが軽くなるとハンドリングに軽快感がでて、よりロードスターの魅力が高まるはずです。BSやレイズなどの人気のホイールメーカーからは、ロードスターを想定したサイズが販売されています。
次にマフラーですが、機能的には排気効率が上がることで出力アップが期待できますが、現行モデルでは大幅な出力向上は期待できません。排気音や見た目が変わるので、よりスポーティーな印象を与えることはできます。
その他ドレスアップを目的とした「エアロパーツ」も多くのアフターメーカーから用意されています。
固定式ハードトップも販売
ロードスターNDは、ソフトトップ(幌)タイプのスポーツカーです。ソフトトップは車体との結合部分から水漏れを起こすこともありますし、気温の変化に弱いという欠点があります。
また、ロードスターNDを買う人の中には、走行性能やデザインにひかれているものの、スポーツカーとしての用途は求めていない場合もあります。
そのような場合に便利なのが、固定式ハードトップです。素材はカーボンや樹脂などさまざまです。高い耐候性と遮音性があるため、通常の車のような感覚で使用できます。さらに車体に固定する形で装着するため、車の剛性アップも期待できます。
ハードトップのモデルが欲しいときには、ロードスターRFを選択肢に入れてみましょう。完全にオープンにはなりませんが、電動式のハードトップが搭載されています。
ロードスターは中古で買うのがおすすめの理由
新車でロードスターNDの購入を検討している人も多いかと思います。しかし、ロードスターNDを買うのであれば、中古車も検討してみましょう。
新車で購入を考えていた場合、中古車での購入にどんなメリットがあるのか分からないかと思います。ここからは、中古車での購入がおすすめの理由について解説していきます。
新車より安く買える
新車よりも中古車の方が安く買えます。ロードスターNDを新車で購入しようとすると、最も安いモデルでも280万以上必要です。
ところが、中古車にすると新車よりも安価で、中には150万円を切る価格で購入できるものもあります。(2024年3月時点)
さらに車両価格が安い分、税金の負担額を減らせます。消費税は、購入した商品の金額の10%です。そのため車両価格の安い中古車なら、消費税負担額を節約できます。このため、中古車の検討も候補に入れてみましょう。
納車が早い
中古車で購入すると、早く納車されます。というのも、中古車は、販売店が在庫として抱えているからです。新車は受注生産が一般的で、納車の前に車の製造が工程としてあります。その分納車に時間がかかり、最低でも1か月ほど必要となるのです。
しかし、中古車は在庫のため、製造工程をはさみません。そのため、車の点検を行い、問題がなければ納車手続きを進められます。
中古車の場合、納車までの期間は1~2週間ほどです。中古車の場合は、新車納車の半分以下の期間で手元に届くこともあります。早めの納車を希望するなら、中古車での購入がおすすめです。
取扱台数が多い
NDロードスターは発売開始から9年が経過しているので、在庫台数が豊富です。新車は受注生産になるため、在庫を抱えることがほとんどありません。取扱台数は限られており、車の選択肢は少なめです。
しかし、中古車は在庫があるため、取扱台数が多くなります。そのため多くの選択肢の中から、欲しい車を探すことが可能です。
在庫が豊富だとグレードやボディカラーなど、自分の希望にあった車を見つけやすいというメリットがあります。自分の条件にあった車は、中古車の方が見つけやすいでしょう。
保証がついている場合がある
中古車で買うと、販売店から保証がついてくる場合があります。万が一の故障やこすり傷がついた場合に修理費用を保証してくれるため、金銭的な負担が減らせます。
中古車は故障することもあり、マフラーの異常・エンジンから異音がするなどの不調が出てくることもあるかもしれません。中古で安く購入しても、修理が必要になるとコストがかかってしまい意味がありません。
購入した中古車が保証に入っていれば、修理費用を負担してもらえます。利用する販売店が保証に対応しているか、よく確認しておきましょう。また、生産からの年月が浅い場合は、新車の保証を継続することができます。新車保証が残っているかも確認しておきましょう。
PRロードスターで人気の中古車
※価格は支払総額
ロードスターと比較される国産スポーツカー
ライトウェイトで2シーターのスポーツカーは世界的に見ても珍しく、同様のモデルを比較するのは難しいです。しかし、コンパクトなスポーツカーという分類では、ライバルになるモデルもあります。
ここでは、ロードスターと比べやすい3台のスポーツカーをピックアップし、価格や性能を比較します。
スバルBRZ
スバルBRZは、トヨタのGR86と兄弟車となるモデルです。現行モデルは2021年7月から販売されている2代目でZD8型と呼ばれています。プラットフォームは先代からの流用となりますが、エンジンは水平対向4気筒2.4LのFA24が搭載されています。
新車価格は330万円からで、ネクステージの中古価格は先代が129万円から、現行モデルが259万9,000円からとなっています。(2024年3月時点)
ダイハツコペン
ダイハツから販売されている軽規格の2シーターオープンモデルが「コペン」です。現行型は2014年から販売されている2代目で、外装が「COPEN Robe」「COPEN XPLAY」「COPEN Cero」「COPEN GR SPORT」から選べるのが特徴です。
シャシーやパワートレインは共通ですが、エクステリアが異なることでまったく違う車種に見えます。新車価格はCOPEN RobeとCOPEN XPLAYが188万8,700円~で、COPEN Ceroが194万3,700円~、COPEN GR SPORTが228万2,200円となっています。ネクステージの中古価格は54万8,000円~です。(2024年3月現在)
ホンダS660
S660はホンダから発売されていた軽自動車規格のスポーツカーです。専用シャシーやリアミッドに搭載されたエンジン、軽自動車初の6速MTなど多くの部分がS660のために生み出されているのが特徴です。
2022年に惜しまれつつ生産が終了したため新車購入はできません。S660は軽規格の2シーターオープンスポーツという希有なモデルのため、新車価格を上回る値段で取り引きされることもあります。ネクステージの中古価格は158万9,000円~です。(2024年3月現在)
まとめ
2015年から販売されているNDロードスターは、販売開始から9年が経過しています。それでも人気は衰えず、コロナ禍では販売台数を伸ばしました。通常ではモデルライフが経つにつれて販売台数が落ち込みますが、メーカーが商品改良を重ね、魅力を維持していることが人気の秘密といえるでしょう。
2023年には大幅商品改良によって、エクステリアの変更、安全装備の充実、エンジン出力の向上などが実施されました。見た目とハンドリング、性能ともに進化したことで商品力が上がっています。
また、中古市場では登場から9年で多くの車両が流通しています。そのため、好みのグレードやカラーを見つけることができるでしょう。
▼ライタープロフィール
真鍋裕行
出版社勤務を経て2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立し、自動車雑誌、ウェブサイトなどに原稿を寄稿。編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで幅広くリポート。業務拡張につき2011年に会社を設立。自動車ジャーナリストとしての自動車メディアへの寄稿は続けつつ、メディアコンテンツの製作(雑誌、Web、アプリetc)に取り組んでいる。メディアコンテンツの製作ではオーナーや協力者のコミュニティを作ることを考えるなど、単純な製作で終わらないことを心掛ける。また、近年ではレースチームのディレクターや PRも積極的に携わる。
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