シビックタイプRとは?走行性能や安全性能を解説
2022年9月にフルモデルチェンジで現行型となったシビックタイプRは、ホンダのラインアップの中でも最もスポーツ性が高く、「究極のピュアスポーツ性能を追求したモデル」を目指したスポーツカーです。
ホンダ シビックは1972年に登場した人気の高いコンパクトカーをベースに、1997年にタイプRが設定されていました。その後、コンパクトスポーツカーの代表として高い人気を集め、長年のファンも多い1台です。
この記事では、速さとドライビングプレジャーの高い次元での両立を目指した、現行型のシビックタイプRの進化ポイントを中心に紹介します。
<目次>
・シビックタイプRは1997年に誕生した歴史あるスポーツモデル
・シビックタイプRは4つのドライブモードが設定!さまざまなシーンで走りを楽しめる
シビックタイプRとはどんな車?
シビックタイプRは、シビックをベースにスポーツ性能を高めた車です。1997年の登場以降、多くのファンを魅了してきました。
4代目でターボ化されてからは前輪駆動車(FF)の市販車としては世界最速レベルの領域に達しており、ヨーロッパを中心としたスポーツモデルたちがライバル視したまでともいわれています。
前輪駆動車の中でも群を抜いた速さを記録
世界一過酷と呼ばれているドイツにあるサーキット「ニュルブルクリンク」では、スポーツモデルを中心に市販車の開発が行われていて、各国の自動車メーカーの開発部隊が集まる場所でもあります。
そして、ここでのタイムはスポーツカーにとって加速タイムや最高速度と同じくらい、性能を示す指標とされることも多い傾向です。
シビックタイプRはヨーロッパのスポーツモデルと、このニュルブルクリンクで前輪駆動車最速の座をかけて競い合ってきました。そして、2023年4月にニュルブルクリンクで7分44秒881を記録し、ルノー「メガーヌR.S.トロフィーR」が持ってきた前輪駆動車最速記録を破り、前輪駆動車最速の座を手にしたのです。
予想を上回る需要で一時的な注文制限が発生
ファンの多いシビックタイプRですが、ホンダが想定していたよりも需要が高く、一時的に受注を停止することが2023年1月に発表されました。
これには慢性的な半導体不足や部品入荷が不安定であること、物流の遅延などが影響していて生産の見通しが立てづらいといったことが理由にあるそうです。
一時的に注文が再開されたなどの噂がありましたが、2024年2月現在もホームページには注文を一時停止しているとの記載があります。
シビックタイプRの走行性能を深掘りしよう
前輪駆動車最速という称号を手にしているシビックタイプRですが、その速さの秘密はどこにあるのでしょうか?
まずはシビックタイプRの大きな特徴と魅力である、高い走行性能に関して紹介していきます。
4つのドライブモードを設定
現行型のシビックタイプRには4つのドライブモードが設定されており、「コンフォート」、「スポーツ」、「+R」、「インデビジュアル」のモードをスイッチひとつでセッティングできます。
コンフォートは、街中を中心に日常シーンで同乗者にも快適な乗り心地を実現したモードです。スポーツはワインディングを中心にスポーティな走りを楽しめるようにセットされたモード、+Rはサーキット向けの走りに特化したモードとなっています。
それぞれのモードでエンジンやパワーステアリング、サスペンションなど各種特性が異なりますが、インデビジュアルではドライバーの任意によって各種セットを変更することが可能です。
レブマッチシステムで滑らかな走りを実現
シビックタイプRに採用されているレブマッチシステムは、変速時に変速するギアと車速に最適なエンジン回転数に自動的に合わせてくれるというものです。
通常のMT車でスムーズな変速をするにはブリッピングと呼ばれる運転技術でクラッチを切っているときにアクセル操作を同時に行い、意図的に回転数を上げることで回転数をドライバーが合わせる必要がありました。
しかし、レブマッチシステムならばそのような回転合わせをしなくても、車が回転を合わせてくれるのでスムーズな変速が可能です。
モードに合わせてメーターディスプレイが変化
4つのドライブモードが用意されているシビックタイプRですが、それぞれのモードによってメーターのディスプレイデザインが変化します。
コンフォートモードでは、白のアナログメーターと黄色い指針で落ち着いた印象となっています。スポーツモードでは赤を基調として高揚感を高めるデザインに、そして+Rモードでは専用のデザインとなり回転数とギアポジションがより把握しやすくなっています。
路面とのつながりを感じるサスペンション
世界最速の称号を手にしたニュルブルクリンクは、通常のサーキットと異なりうねりが大きな路面などが多くあり、サスペンションがとても重要になってきます。
シビックタイプRに搭載されているデュアルアクシス・ストラット・サスペンションは、転舵軸に自由度を持たせ、優れた操縦安定性を実現しています。
また、4輪独立電子制御ダンパーのアダプティブ・ダンパー・システムの制御を採用し、荒れた路面でも安定して車との一体感を感じられるハンドリングもシビックタイプRの特長のひとつです。
それでいて、スポーツ性能を極めた車とは思えないほどの乗り心地はさすがのひと言に尽きると感じました。
シビックタイプRの走行性能以外の魅力も押さえておこう
走行性能が魅力のシビックタイプRですが、スポーツカーは速さだけでなく、マイカーにすることで満たされる所有欲や、特別な車に乗っているという気持ちを高めてくれるという点も重要な要素です。
そのようなポイントもシビックタイプRはしっかりと押さえています。ここからは、デザインや機能性、独自の装備といった走行性能以外の魅力について紹介します。
速さと美しさを調和させたプロポーション
やはり、スポーツカーとなると誰が見ても「格好いい」と思うデザインが重要です。
シビックタイプRは、ノーマルのシビックをベースにしながら、よりロー&ワイドにすることで高性能の実現と美しさを両立させたデザインとなりました。
空力性能を高めるために専用のエアロパーツが採用されていたり、冷却性能向上のためにグリル開口部が大きくなっていたりしますが、そのような性能向上のためのデザインからは機能美も感じます。
理想的なフィーリングを提供するバケットシートを採用
運転席と助手席には専用のバケットシートが採用されています。タイプRのロゴと同じレッドが印象的なシートは、ハイスピードのコーナリングでもドライバーをしっかりと支えるための形状となっています。
また、ロングドライブでも疲れないように工夫されていて、街乗りからサーキットまで使えるシートを目指して開発されました。
専用データロガーアプリを搭載
シビックタイプRには専用のデータロガーアプリ「Honda LogR」が車載ナビに搭載されています。
パフォーマンスモニター機能で車両状況をリアルタイムに表示できる他、このアプリは走行データを自動解析して、スコア化する機能を搭載しています。
自分の運転操作や車の状態がリアルタイムにチェックできる上、アドバイス機能もついているので、ドライビングスキルの向上も期待できるでしょう。
安全運転支援システムで快適なドライブをサポート
スポーツカーでありながら、日々の運転を快適にしてくれる運転支援システムが装備されているのがシビックタイプRの魅力的なポイントのひとつでもあります。
先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」が標準装備されており、フロントワイドビューカメラと、前後のソナーセンサーの3つのメカニズムを駆使して対象物を検知します。
Honda SENSINGの機能には以下のようなものがあります。
・衝突軽減ブレーキ(CMBS)
・先行車発進お知らせ機能
・歩行者事故軽減ステアリング
・路外逸脱抑制機能
・標識認識機能
・アダプティブクルーズコントロール(ACC)
・車線維持支援システム(LKAS)
・ブラインドスポットインフォメーション
・オートハイビーム
・近距離衝突軽減ブレーキ
・パーキングセンサーシステム
・後退出庫サポート
この他にも、8つのエアバックや衝突時に相手車両に与えるダメージを軽減する「コンパティビリティー対応ボディー」の採用など、衝突安全性能にも優れています。
ビックタイプRの新車価格とスペック
走行性能はもちろん、さまざまな魅力のあるシビックタイプRの詳細スペックと新車価格は以下の通りです。
サイズ(mm) |
全長4,595×全幅1,890×全高1,405 |
ホイールベース(mm) |
2,735 |
総排気量(cc) |
1,995 |
最高出力 |
243kW(330PS)/6,500rpm |
最大トルク |
420Nm/2,600-4,000rpm |
新車価格 |
499万7,300円~ |
(2024年2月時点の情報です)
シビックタイプRの歴代モデルもチェック
シビックタイプRは1997年から販売されている長い歴史を持つモデルで、それぞれの歴代モデルも高い人気を誇っています。
ここからは、直近のモデルをピックアップしてその進化を振り返ってみましょう。
2017年1月発表モデル
先代となるFK8型は2017年に登場しました。性能を求めた結果、リアサスペンションにFF車としてはコストの面から避けられがちなマルチリンクサスペンションを採用し、この世代からレブマッチシステムを採用しています。
当時のニュルブルクリンク最速タイムを記録していて、速さの面での評価が高い1台です。
2015年10月発表モデル
2015年に登場したこのFK2型からシビックタイプRはターボ化され、FF最速を目指すようになりました。歴代タイプR最高の性能を達成し、「心昂ぶるブッチギリの走り」をコンセプトにサーキットから公道まで、高次元の走りを堪能できるモデルを目指し開発されています。
それまで自然吸気エンジンを搭載していたこともあり、ここからシビックタイプRはより速さを追求したモデルへと方向転換したことは間違いないでしょう。
現行車と歴代モデルからシビックタイプRを選ぶなら?
これまで長い歴史を持つシビックタイプRですが、筆者が歴代の中でどれか選ぶとしたら、3代目にあたるFD2型と現行型となるFL5型を選びます。
純粋な運転の愉しさやフィーリングだけでいえば、高回転域まで自然吸気エンジンを回す楽しさが味わるNAエンジン時代のシビックタイプRに軍配が上がり、NA時代の最終型となるFD2型はその完成形といえるでしょう。
運転の愉しさやフィーリングに加えて、速さや快適性も望むのであれば現行型となるFL5の横に並ぶ選択肢はありません。
現状で考えて、FD2がNA時代の完成形であれば、FL5はターボ時代の完成形といえるのではないかと感じています。
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まとめ
シビックタイプRに関して紹介してきました。FF最速を目指したシビックタイプRは正にホンダの技術を集めて作られた究極のスポーツカーです。そんな尖った一面を持ちながらも日常使用を許容してしまう懐の深さが魅力です。
車好きからも注目されている現行型シビックタイプR、歴史に名を残す1台となることは間違いないでしょう。
【この記事の執筆者】
西川昇吾
自動車ライター
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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