【調査レポート】「車と自然災害」に関する調査
自然災害が多い日本は地震だけでなく竜巻、洪水、落雷、津波などとも隣合わせであり、地域によっては火山の噴火へも注視しなければなりません。
日常生活のパートナーである愛車も、災害の状況によっては想定外の被害を受けることもあります。災害が起きた際の自動車への備えについて、アンケートを行いました。
■はじめに
2024年1月1日、石川県能登地方を震源とした最大震度7(マグニチュード7.6)の地震が起こりました。隣接する新潟県や富山県でも最大震度6強~5弱の地震が発生し、石川県においては現在も復興作業が続いています。
災害では人命を守ることが最優先となりますが、その先を生き抜く上では資産を守ることも大切です。
今回、ネクステージでは1,075名の方(男女比 51:48)を対象に「車と自然災害」に関するアンケートを実施しました。どのような自然災害に不安を感じ、そのためにどのような対策を取っているのか、さまざまな考え方が見えてきました。
■調査概要
調査名:あなたご自身に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年10月21日~10月23日
有効サンプル数:20歳~59歳の男女1,075名
■調査結果のサマリー
・32.9%が、何らかの自然災害により車に損害を受けた経験がある。(Q2)
・カーライフにおいて最も恐れる事象は「自動車事故」ではなく「地震」。(Q3)
・車内に常備している防災グッズは懐中電灯、簡易トイレ、飲料水など車中泊も想定した結果に。(Q6)
・購入する車選びの際に、約半数が災害を意識している。(Q7)
■調査結果
多くの人が危機感はあっても特別なことをしていない
災害の恐ろしさは、実際に体験してみなければ分からないこともあります。夏から秋にかけての台風や線状降水帯に関しても、日本を横断したとしても被害を受けるのは一部の地域のみ、ということも少なくありません。
それもあってか、「危機感こそあるものの特別なことはしていない」が34.8%と最も多い回答となりました。
「危機感もあり備えもしている」という人は18.5%と2番目に多い回答ではあるものの、備えているのはこの18.5%の人だけだと考えると「多くの人が気持ちはあっても行動に移していない」「備えの必要性を感じていない」ということが分かります。
以下は、項目ごとの数値です。
・強い危機感をもち、必要な備えをしている…18.5%
・危機感はあるが特別なことはしていない…34.8%
・他地域での災害発生時に意識する程度である…14.8%
・緊急性はないが、何か備えはした方が良いと感じている…18.1%
・特に危機感は感じていない…13.8%
・その他…0.1%
車への被害を多くもたらしているのは「台風」
アンケートに回答いただいた1,075名のうち、半数以上は自然災害による車の損害を受けた経験がありませんでした。損害を受けたことのある人の中で、最も多いのは17.0%の台風です。
2018年に発生した台風21号では、タンカーが暴風で流され関西国際空港の連絡橋に衝突しました。暴風を伴う大型台風は乗用車を軽々と横転させるだけでなく、飛来物による損害も引き起こします。
雨量が増えれば河川の氾濫・洪水、土砂災害の危険性も高まるため、暴風域に入っていないからといって安心はできません。
また、関東地方ではひょうによる被害も顕著です。ひょうによる車の損害は車両保険に加入していなければ全額負担となるため、被害の大きさによっては大きな痛手となります。
最も恐れている災害は「地震」
実際に被害をもたらしているのは台風ですが、ユーザーに恐れられているのは地震(24.1%)、次いで台風・竜巻(8.0%)、津波(7.3%)です。
現在、日本では「南海トラフ地震」と「首都直下型地震」の発生率が高まっています。特に南海トラフ地震では揺れだけでなく津波の危険性もあることから、行方が分からなくなるという事態も覚悟しなくてはなりません。
首都直下型地震は南海トラフ地震より津波の懸念は少ないものの、建物が崩れて車を押しつぶしてしまう可能性はあります。
路面凍結(4.9%)や豪雪・吹雪(1.8%)に関しては豪雪地帯や山間部が対象となりますが、東京都内でも積雪・路面凍結は起こるため、全く雪が降らないという地域以外は注意したほうがよいでしょう。
災害に遭ったときの車に関する問題とは
災害で車がどのような被害に遭うかは、どのような災害が起こったのか、周囲にどのくらいの影響を及ぼしたのかによって変わります。
最も懸念されているのは、被害額の大きさです。台風やひょう、大雨、竜巻などは車両保険に入っていれば保険金が支払われますが、地震や津波、噴火の場合は車両保険に入っていたとしても補償されません。
自動車保険を使うと等級が下がり保険料が高くなるため、保険を使うか自己負担にするかを判断する上でも「修理にいくらかかるのか」は大事な項目となるでしょう。
以下は、項目ごとの数値です。
・車中泊での生活…6.7%
・修理・レッカーの手配…6.5%
・車の被害額の大きさ…23.9%
・他の移動手段の確保…9.1%
・道路の寸断・通行止め…7.6%
・ガソリン不足…13.0%
・EVの充電ができない…0.6%
・自動車保険が適用されない…8.3%
・困る・苦悩することはない/わからない…24.0%
・その他…0.2%
災害に備えて愛車にできることとは
災害は「いつ・どこで・何が」起こるか分かりません。そのため、災害の備えも「どこまでやっていいかが分からない」という人が多く見られました。
大がかりなものではなく、手近なところから対策を始めたい場合は、16.5%の人が取り組んでいる「防災グッズの車内常備」に取り組んでみてはいかがでしょうか。
アンケートに回答してくださった方々は、懐中電灯や簡易トイレ、飲料水などを車に常備しているようです。
外出時に災害が起こったとしても、最低限の物があれば安心できます。
防災グッズを用意したり、車庫や駐車場に手を加えたりする以外に、車そのものを換えることを検討している人もいます。
候補として上がっている主な車は、「車中泊できるサイズの車」「SUVや4WDなど悪路走破性が高い車」「低燃費の車」「安全性能が高い車」です。
災害により停電が起きた場合、信号機も動かなくなります。そのようなときに安心材料となるのが、安全機能の付いた車です。衝突被害軽減ブレーキや対向車・歩行者警報装置が付いていれば、最悪の事故を防げる確率が高くなります。
自宅から一時的に避難したい、ペットを連れて避難したいという人にとっては、車中泊ができるかどうかも大きなポイントとなるでしょう。
また、しばらくガソリンスタンドが使えない状況になれば低燃費の車が役に立ちます。車高が高く悪路走破性も高いSUV(特に4WD)は、土砂や水が残っているような道でも安心して走れます。
日常使いとしてはまだまだ使いにくさの残るEVやPHEVですが、給電できるという点ではガソリン車よりも優秀です。
まとめ
日本は世界の中でも自然災害の多い国のため、どの地域に住んでいたとしても最低限の備えが必要です。屋外に駐車することの多い車は風や雨、雷などの被害を受けやすく、状況によっては莫大な修理費用がかかります。
アンケートでは多くの方が「特別な備えをしていない」結果となりましたが、その中でも災害グッズを車に常備する、自動車保険の補償内容を見直すなどの対策を取っている人がいることも分かりました。
災害はいつ起こるか分からないため、運転中に災害が起きた場合や自宅が倒壊した場合など、さまざまなシチュエーションを思い浮かべながら「車にどのような対策を取るか」を家族で話し合ってみるのもよいのではないでしょうか。
ネクステージについて
全国に300店舗以上展開するネクステージでは、中古車の販売に加え買取も行っています。災害に備え車を買い替えたい、車検を機に性能の良い車に買い替えたいという方は、お気軽にご相談ください。
また、ネクステージは自動車保険の代理店でもあるため、車の買い替えと同時に自動車保険の見直しも行っていただけます。お客さまのカーライフをさまざまな方面からサポートいたしますので、ぜひ最寄り店舗までお問い合わせください。