【調査レポート】車の人気ジャンル分析レポート:第4回 軽自動車
コンパクトな車体と維持費の安さが魅力の軽自動車ですが、果たして人気の要因はその2点だけなのでしょうか? それとも他に人気の秘密があるのか? 全国でアンケート調査を実施し、軽自動車に関するイメージを明らかにしました。
■はじめに
軽自動車とは、排気量660cc以下、全長3.4m以下、全幅1.4m以下、全高2.0m以下の条件を満たす四輪自動車(または三輪)のこと。普通自動車に比べて税金や自賠責保険が安く、任意保険も安く設定されているのが特徴です。
また、エンジンオイル量が少なく、タイヤも小径であったりと、総じて維持費は安くなりがちです。さらにコンパクトな車体は普段使いしやすいとあって、幅広い層から支持されています。ただし、これはあくまでも一般的なイメージです。実際のユーザーは軽自動車をどう思っているのでしょうか?
今回、ネクステージは1100人(男女比 50:50)の方にアンケート調査をおこないました。年代は20〜60代以上と幅広く、居住地も全国まんべんなく実施。その結果は、一般的なイメージ通りの項目も多くありましたが、意外なものもあり、非常に興味深いものとなりました。
ひとくちに「軽自動車」と言っても、ユーザーが持つイメージや使い方はさまざま。その違いがよく出た調査だといえるでしょう。
■調査概要
調査内容:「車」に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2022年10月25日~2022年11月4日
有効サンプル数:20~70歳の男女1100名
■調査結果のサマリー
所有している、または所有してみたい軽自動車のジャンルは、「トールワゴン」と「ハイトールワゴン」で50%オーバー。そして、おもな使い道は「買い物(40.1%)」、「通勤・通学(24.5%)」、「家族の送迎(17.0%)」と続きます。
これらのことから、やはり多くの方は軽自動車を日常の足として使い、使い勝手の良さを求めていることがわかります。
そして、軽自動車の魅力についての質問では、税金や保険料の安さ、燃費の良さなど、経済性の高さが支持を集めることが伺えました。対して運転のしやすさや車体サイズはそれぞれ9.5%に7.8%と高くなく、コンパクトな車体を求めるユーザーはそう多くはないようです。
調査結果>
所有経験50%オーバー! しかし、否定的な意見もそれなりに……
軽自動車を「現在所有している」方は40.2%と最も多く、「かつて所有していた(15.6%)」と合わせると、55.6%。じつに半数以上の方が、軽自動車を所有している、または所有していたという結果になりました。
多くの方が所有経験のあるということで、やはり車のなかでも軽自動車は、比較的身近な存在だといえるのではないでしょうか。
しかし、「所有したいと思わない」という意見が25.6%という点にも注目です。
所有経験のない430人のうち、「いつか所有してみたい」=148人(13.5%)に対し、「所有したいと思わない」=282人(25.6%)。つまり、いま現在軽自動車を持っていない方の多くは「いつか欲しい」ではなく、「欲しいと思っていない」方が圧倒的に多いようです。
居住性の高いモデルに人気が集中
ダイハツ タントやホンダ N-BOXなどの「スーパーハイトワゴン」が27.0%で1位の支持率。そして、僅差でスズキ ワゴンRなどの「トールワゴン(25.0%)」が続きます。どちらも居住性の高さが特徴で、実際に新車販売などもこれらのジャンルが好調。その人気ぶりを裏付ける結果となりました。
車体サイズに規定のある軽自動車は、なるべく広く、余裕を持って乗れるワゴンに人気が集中するのでしょう。
しかし、その後はワンボックスや商用バンなど、ワゴンと同じく搭載力のあるジャンルが続くのかと思いきや、3位は「SUV(12.5%)」。
SUV人気やキャンプブームの影響は軽自動車にも波及しているようです。もちろん、スズキ ジムニー自体の人気の高さも高順位の理由でしょう。
「コンパクトな車体」よりも「経済性の高さ」
一般的に、軽自動車の魅力として「コンパクトな車体」と「経済性の高さ」があります。実際はどうなのでしょうか?
結果は「税金」が31.9%と圧倒的で、「燃費の良さ」が23.3%と続きます。その後は「運転のしやすさ」が9.5%で、「車体サイズ(7.8%)」と「保険料の安さ(7.7%)」が僅差。
意外にも、コンパクトさにつながる「運転のしやすさ」や「車体サイズ」はそこまで支持を集めることはありませんでした。
多くのユーザーにとって、軽自動車は「経済性の高さ」こそが最大の魅力であるようです。
ただし経済性といっても、車体価格には支持が集まっていない点には要注目です。車体価格に関する質問は後ほど出てきますが、車体自体を安く感じているユーザーは、多くはなさそうです。
趣味や遊びではなく、実用性が圧倒的
軽自動車の使い道として「買い物」が40.1%で圧倒的多数。そして「通勤・通学(24.5%)」、「家族の送迎(17.0%)」が続きます。多くの人が軽自動車を『日常の足』として使っている実態が浮かびました。
対して、「日帰りドライブ(7.8%)」、「旅行(1泊以上)(3.6%)」、「デート(0.9%)」といったレジャー目的で使う人はごく少数。はっきりと差が出た印象です。
また、レジャー目的でも「旅行(1泊以上)(3.6%)」が「日帰りドライブ(7.8%)」の約半分ということを鑑みると、長距離移動の手段として軽自動車を使う人は多くはないようです。
購入価格のコアゾーンは100万円台
実際に軽自動車を購入した価格を聞いたところ、「101万円〜150万円(32.1%)」と「151万円〜200万円(23.4%)」が最も多く、つまり100万円台が55.5%と全体の2/3近くを占める結果となりました。
車の価格としては決して高くはないとはいえ、やはり100万円は大金です。Q3で「車体価格」を挙げた人が7.1%に留まったのは、「101万円〜200万円」を高額と見るか否か……この辺りの心境によるところが大きいようです。
「50万円以下」や「51万円〜100万円」もそれぞれ8.4%と16.0%いることにも注目です。おそらくその多くが中古車だと予想されますが、1/4程度の方が100万円以下のリーズナブルな価格で軽自動車を購入したことがわかります。
反対に、200万円以上で購入した方も9.3%いる点も見逃せません。経済性の高さが魅力として挙げられる軽自動車ですが、車種やグレード、装備などにこだわる人も少なくはないといえそうです。
予算のコアゾーンも100万円台
Q1で、軽自動車を「いつか所有してみたい」と答えた148人に聞きました。こちらもコアゾーンはQ5と同じく「101万円〜150万円(36.5%)」と「151万円〜200万円(29.7%)」。2/3超の人が100万円台を予算として想定しており、この数値はQ5の実際の購入価格とほぼ合致しています。
「201万円〜250万円」はQ5より5ポイントダウンの5.4%。251万円以上を挙げた人はゼロでした。買い物をする際は安く済むのであれば、安い方がよいでしょう。そのため、はじめから200万円以上の予算を考える人が少ないのは納得です。
ところが、100万円以下の予算を考えている人もQ5よりも減っているのは、注目すべきポイントといえるでしょう。
ここから仮定できるのは、多くの人はまず100万円台を予算として考え、実際に購入する際に良い中古車などがあれば100万円以下で収まることもあり、オプションなどにこだわっていった結果200万以上となってしまった人もいる……ということではないでしょうか。
とにかく「軽自動車は100万円台が基本」ということはいえそうです。
使い勝手や安全性を向上させる機能に人気が集中
回答が多岐にわたったなかで、「カーナビ(18.3%)」や「ドライブレコーダー(15.2%)」、「スマートキー(13.7%)」といった近年の必須装備が支持を集めました。
続くのは「衝突被害軽減システム(7.2%)」や「全周囲カメラ、バックカメラ(6.6%)」、「盗難防止装置(5.7%)」などの安全運転支援や盗難防止に関する機能です。
日常の足として使う人が多いからか、使い勝手や安全性を向上させる機能に人気が集中しています。
「MT(マニュアルトランスミッション)」や「ターボエンジン」、「アルミホイール」といった過渡な高性能化や趣味性を高める機能には指示は集まりませんでした。
ただし、「4WD」は4.3%と健闘。おそらく寒冷地のユーザーとSUV(スズキ ジムニーなど)のオーナーからの支持を集めたのだと予想できます。
軽自動車の“制約”がそのまま不満点に
上位から「エンジンパワー(18.7%)」、「事故時の安全性(16.8%)」、「室内が狭い(15.7%)」、「荷室が狭い(9.1%)」、「乗車定員が少ない(10.9%)」と続きます。
エンジン排気量や車体サイズなど、軽自動車の規格を要因とするネガティブポイントがそのままユーザーの不満点として反映されています。
室内や荷室の狭さは仕方がないとしても、近年では軽自動車も衝突安全性はかなり強化されています。しかし、それでも「事故時の安全性」についての不安を抱く人は多いようです。
税金や保険料などの維持費を低く抑えられる軽自動車ですが、規格そのものが不満要因にもなっていることが、あらためて浮き彫りとなりました。
■まとめ
今回の調査によって、軽自動車は日常の足として多くのユーザーから重宝されていることがわかりました。車にはSUVやスポーツカーなど、趣味性の高いモデルが数多く存在しますが、軽自動車に求められているのは毎日の買い物や通勤などで使いやすい『便利な移動手段』。
スズキ ジムニーやダイハツ コペンなど、趣味性の高いモデルの人気も話題となりますが、多くのユーザーはトールワゴンやスーパーハイトワゴンなど、利便性の高さを重視しているようです。
しかし、経済性の高さが支持される反面、軽自動車独自の規格が不満点として挙げられたのも興味深いポイントといえるでしょう。
利点と不満……軽自動車の表裏を見ることができた調査でした。
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