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【調査レポート】車の人気ジャンル分析レポート:第3回 スポーツカー

【調査レポート】車の人気ジャンル分析レポート:第3回 スポーツカー

車本来の性能を楽しむスポーツカーは、今も昔も多くのドライバーを虜にしてきました。最近ではニッサンから新型フェアレディZが発売されて大きな話題になりました。そう、「スポーツカー冬の時代」といわれつつも、やっぱり今なお高い注目を集め続けているのです!

 

■はじめに

スポーツカーは車が持つ走行性能を味わうものであり、車に乗ること自体を楽しむことができるジャンルです。しかし一方、車の性能は行き着くところまで行き着き、そのために今は快適性などに重点を置いたミニバンなどがファミリー層だけでなく、若者にも支持されているという見方もあります。

 

では、果たしてスポーツカーはいま、車に興味のある方たちにどのような目で見られているのでしょうか? 全国の1102名の方に調査を実施しました。回答者の内訳は、年齢は20~80歳、男女比は80:20で、既婚者が68.6%、子どものいる方が59.8%となっています。

 

男性がやや多い構成ですが、居住地も年齢層もバラバラのなか、スポーツカーに対するイメージはどういうものなのでしょうか。

 

■調査概要

調査内容:「車」に関する調査

調査方法:インターネット

調査期間:2022年9月12日~2022年9月28日

有効サンプル数:20~80歳の男女1102名

 

■調査結果のサマリー

これまで同調査では「ミニバン(第1回)」と「SUV(第2回)」をおこないましたが、それぞれのジャンルの車両を「いつか所有してみたい」と答えたのは、それぞれ29.7%と31.0%。対してスポーツカーでは35.8%という結果に。

 

また、現在所有している方は23.0%と3ジャンルで最も低く(ミニバン41.4%、SUV28.6%)、かつて所有していた方の比率は30.6%で最も高い(ミニバン18.2%、SUV22.0%)。

 

これらのことから「所有し続けることが難しくなり、今は乗っていない」という方が多く、同時に「いつか乗りたい憧れのジャンル」だと思っている方も多い……ということが考えられます。

 

また、Q4ではトランスミッションに関する質問をしていますが、MT(マニュアルトランスミッション)への支持は66.6%と非常に高い結果が出ました。そんな結果に反して、やはりMTは普段使いや家族で乗る際のハードルが高くなってしまいがちです。

 

乗りたいけれど、今は時期ではない……今回の調査では、そんな憧れとしてのスポーツカー像が見えてきました。

 

 

■調査結果

 

・いつかは乗りたい憧れのスポーツカー!

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もっとも多かったのは「いつか所有してみたい」の35.8%でした。次いで多かったのが「かつて所有していた」の30.6%です。やはりスポーツカーはいつか乗りたい憧れのジャンルでありつつも、所有し続けるのが難しいモデルなのかもしれません。

 

しかし、ミニバンやSUVなど快適性や積載性が高いモデルが人気の現在でも、23.0%もの方がスポーツカーを所有しているのは注目すべき点といえるでしょう。

 

 

・スポーティなデザインと運転の楽しさ

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続いて、スポーツカーの魅力について聞いてみたところ、3つの回答に集約されました。

 

1位は「車体デザイン(58.5%)」で、2位は僅差で「運転の楽しさ(54.5%)」となりました。そして「走行性能(40.7%)」と続きます。スタイリングの良さと、車を操る楽しさがスポーツカーを語るうえでは外せないということでしょうか。

 

「運転の楽しさ」と「走行性能」は、同じようでいて実はまったく異なります。「走行性能」はコーナーをいかに速く曲がれるかだったり、最高出力の数値を表した言葉です。対して「運転の楽しさ」は絶対的なスピードは速くなくとも、思い通りのラインで曲がれるか、気持ちの良い加速ができるかなどを言い表した言葉です。

 

「運転の楽しさ」が上位になったということは、公道を走るうえで、速さやスペックよりも実際に操りきれるか、楽しく走れるかを重視している方が多いということです。

 

 

・操る楽しさは圧倒的にFR!

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マツダ・ロードスターやニッサン・フェアレディZなど、多くのスポーツカーに採用されている「FR」が60%近い支持を集めて1位を獲得。FRはスポーツカーの代名詞ともいえる駆動方式なので、この結果には納得です。

 

2位はニッサン・GT-Rやスバル・WRXなどに採用される「4WD(33.5%)」。力強い駆動力は、クロカンやSUVだけでなく、スポーツカーでも人気が高いことがわかりました。ラリーカーでは必須の駆動方式だというのも、2位の要因といえるでしょう。

 

ただし「FR」が圧倒的とはいえ、2位以下は分散していて、ポルシェ・911シリーズに代表される「RR(13.4%)」やホンダ・S660の「MR(27.4%)」、ホンダの新型シビック type-Rに採用されている「FF(22.4%)など、それぞれに高い支持を獲得。

 

スポーツカーの個性がいかに豊富かを物語っています。

 

 

・約1/4が「MTは絶対必要」と考えている

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先日、AT(オートマチック・トランスミッション)仕様しかなかったトヨタ・スープラに新たにMT仕様が設定されたことがニュースとなりました。やはり、スポーツカーにはMTが必要なのでしょうか?

 

「MTは絶対必要」と答えた方は24.0%。実に4人に1人が必須と考えているようです。

 

もっとも多かったのは「できればMTが良い」で、42.6%。「絶対必要」と合わせれば、66.6%……つまり3人に2人が「MTが良い」と思っているとのこと。

 

いくらATの性能が上がっているとはいえ、操る楽しさを実感するにはMTが良いということなのでしょうね。

 

ただし、ATに肯定的な意見が27.9%ある点も見逃せません。近年ではAT仕様にはハンドルにパドルシフトがついたモデルも多く、普段はATでイージードライブが楽しめます。郊外ではパドルシフトで操る楽しさを満喫するというカーライフも可能です。

 

 

・走ること自体が楽しいのがスポーツカー!

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70%を超える圧倒的な得票で1位となったのが「ドライブ」。やはりスポーツカーは走ること自体が楽しく、目的になってしまうようです。「休日に行き先も決めずにフラッと出かける」なんてことも、スポーツカーならではの特権だといえるでしょう。

 

2位以下は「買い物(54.6%)」、「旅行(46.4%)」、「通勤、通学(43.2%)」、「デート(41.4%)」と、一般的な車の使い方が僅差で並びます。

 

注目したいのは、「サーキット走行」が伸びなかった点(11.9%)。一般的なドライバーにとっては『スポーツカー=サーキット』とは、なかなかならないようですね。

 

 

・車に乗ったり、所有すること自体が趣味になる

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Q5で「ドライブ」が1位となったように、スポーツカーはただ乗るだけでも楽しい車です。

 

ここでも1位は「目的がなくても車に乗ることが増えた(36.4%)」。そして「運転が好きになった(33.2%)」、「車にかけるお金が増えた(27.8%)」、「カスタムやチューニングに興味を持つようになった(26.4%)」と、車自体を趣味として考えるようになる方が多いようです。

 

ただし、サーキット走行やプロのレースに興味を示す方は少なく、あくまでもレースと自分の愛車は別物。「スピードを出すようになった」という方も少数派(4.1%)で、公道をマイペースで楽しむ方がほとんどのようです。

 

 

・実用性と経済性が最大のネック!

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票が分かれましたが、そのなかでも支持を集めたのが「燃費が悪い、ガソリン代がかかる(29.5%)」で、次いで「購入価格が高い(25.0%)」、「車内が狭い(23.9%)」、「車高が低く、運転が大変(19.3%)」、「乗車定員が少ない(15.9%)」と続く結果になりました。

 

つまり、スポーツカーを所有したいと思わない方にとっては実用性と経済性の悪さが大きなネックとなっているようです。

 

車に実用性を求める人には、やはり魅力的には映らないのでしょう。

 

 

■まとめ

今回は1102人の方たちにスポーツカーについての意識調査をおこないました。そこから見えてきたのは、「スポーツカー冬の時代」といわれつつ、多くの方たちは多少なりともスポーツカーに対して肯定的な感情を持っているということでした。

 

しかし、どうしても車には積載性や居住性、乗車定員といった実用性が求められます。スポーツカーを持ちたくても持てないという人は、決して少なくないのでしょう。それはQ1の「いつか所有してみたい」の35.8%と、「かつて所有していた」の30.6%というデータが物語っているものと思われます。

 

数ある車のジャンルのなかで「運転すること自体が楽しい」として、これだけの支持(Q5、Q6参照)が集まるのはスポーツカーならでは。今すぐ所有するのは難しくても、多くの人に「一度は所有してみてほしい」と思わせるだけの魅力が、たしかにスポーツカーにはあるのです。

 

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