ルノーの電気自動車(EV)が欧州で熱い!メガーヌやゾエの特徴や国内の傾向
フランスの大手自動車メーカーであるルノーは、2030年までに全ての車を電気自動車へ移行させる計画を立てています。欧州ではメガーヌやゾエのラインアップに電気自動車モデルが加わりました。
ルノーが日本に導入しているEVは現在ありませんが、現在はハイブリッドを中心に電動モデルをそろえています。しかし、今後日本にもEVモデルが導入される可能性は高いでしょう。
本記事では、ルノーが現在欧州で展開しているEVモデルを紹介していきます。日本でも人気の高い「カングー」にも実はEVがあるのです。ここではルノーのEVの魅力を探るとともに、今後の展開なども考察してみましょう。
※目次※
4.2022年以降の発売が予想されるルノーの電気自動車(EV)
・お膝元の欧州でルノーは電動化(EV)を推し進めている
・日本導入のモデルはEVよりもPHEVが主流
・名車「ルノー5」を冠したスポーツEVが登場する
ルノーの電気自動車(EV)が欧州で熱い!
ルノーは2022年のハイブリッド車と電動自動車のシェアが昨年比の2倍になったと発表しました。2030年までには、全て電気自動車に移行する計画を進めています。この項目では、電気自動車のゾエとメガーヌについてご紹介しますので参考にしてください。
欧州における電気自動車(EV)の普及率
欧州におけるEVの普及率は高い傾向にあるようです。欧州(EU・EFTA・英国)のEVの販売比率(新車)は、2023年1月~6月期において14.2%を記録しています。新車10台に1台の割合で増えている計算となります。
欧州は、2035年までに基本的にはエンジン車の新車販売を禁止する動きが出ています。合成燃料といった環境負荷の低い燃料を使用する場合にのみエンジン車の販売を許可するようですが、今後のEVの普及は、増加が予想できそうです。
欧州で人気を集めるコンパクトEVの「ゾエ(ZOE)」
ルノーは、2022年6月に「ゾエ(ZOE)」の2022年モデルを発表しました。現行型は2世代目モデルで、5ドアハッチバックのコンパクト電気自動車です。2019年に欧州で発表し、フランスを中心とし欧州の主要国で販売しています。
初代ゾエを含め、2022年5月末までの累計販売台数は約38万台という発表があり、累計販売台数を見るに、人気車種と言えるでしょう。
現行ゾエのグレードは「equilibre」「evolution」「iconic」の3種類で、出力22kWの充電器を採用し、最大3倍早くバッテリーの充電が行えます。
登場から受注台数2万台越えの「メガーヌE-Techエレクトリック」
2022年5月にフランスを皮切りに欧州で、新型EV「メガーヌE-TECHエレクトリック」が発売されました。メガーヌでEV車が販売されるのは、新型が初めてです。ルノーは、同年7月時点でメガーヌE-TECHエレクトリックの受注数が2万台を突破したと発表しました。その後2023年1月~6月期においてもシェアを伸ばしているようで、次に起こると言われているスモールEVのシェア争いの中で注目車種になることは間違いないのではないでしょうか。
メガーヌE-TECHエレクトリックは、新開発された「CMF-EVプラットフォーム」をルノーブランドで初めて搭載しています。ルノー・日産・三菱アライアンスが共同で設計したプラットフォームです。充電時間の短縮やEVエネルギー効率、航続距離の向上を図っています。
ルノーの電気自動車(EV)の魅力を見てみよう
ルノーの電気自動車には多くの魅力がありますが、中でも魅力的なのは格段に向上したバッテリー性能です。この項目では、ゾエとメガーヌE-TECHエレクトリックの特徴をご紹介しますので参考にしてください。
ゾエ(ZOE)の特徴
新型ゾエのバッテリーは、蓄電容量が従来の41kWhから約27%大容量化した52kWhです。1回の充電では従来の最大航続距離が300kmに対して、最大航続距離約390kmと1.3倍の後続延長を可能にしました。
バッテリーの充電は、出力7kWの家庭用充電器で約9時間25分、300km走行分のバッテリーでは約8時間で充電できます。また、出力50kWの急速チャージャーを使用すると145km分の容量を約30分で充電可能です。
メガーヌE-TECHエレクトリックの特徴
メガーヌE-TECHエレクトリックに搭載されたCMF-EVプラットフォームは、フラットなフロアを実現しています。排気システムとトランスミッションが省かれ、最大2,770mmのホイールベースが確保されたことで、薄型の大容量バッテリーの搭載が可能となりました。それにより、長い航続距離が可能となっています。
バッテリーは、容量40kWhと60kWhの2種類です。40kWhは航続距離300km、60kWhでは450kmまで対応できます。
ちなみに充電時間(欧州モデルのデータ)は、最高出力130kWの急速充電器を使用した場合、約30分で市街地走行最大300kmを走れる電力となります。
ちなみに日本では150kWの急速充電器の普及が徐々に増えつつあります。それらを使用した場合は、もっと短い時間での充電が可能となるでしょう。
日本国内のルノーはEVよりもハイブリッドを強化
ルノーは、欧州でのEV導入に力を入れています。しかし、現時点では日本へのEV導入は発表されていません。日本国内では、ルノー独自のハイブリッドシステム「E-TECHハイブリッド」に力を入れています。この項目では、E-TECH FULL HYBRIDの特徴をご紹介しますので参考にしてください。
E-TECH FULL HYBRID
「E-TECH FULL HYBRID」は、F1レースで培った技術を取り入れた、ルノー独自のフルハイブリッドエンジンです。従来のハイブリッドの良さを上回っています。エンジンとモーターそれぞれの特性を生かした走行が可能です。低速から高速までの全速度域で、レスポンスの良い快適な走りを実現しています。
0~40km/hの低速域にはモーターが使用され、滑らかで静かな発進が可能です。40~80km/hの中速域では、加速を続けるとエンジンが始動し、力強い走りが体感できます。80km/h以上の高速域では、電子制御ドッグクラッチマルチモードATの働きでダイレクトに駆動力を伝達し、ルノーが得意とする快適な高速走行が可能です。
現行ラインアップは3車種
グレード |
新車価格 |
LUTECIA(ルーテシア) |
299万円~384万円 |
CAPTUR(キャプチャー) |
337万円~424万円 |
NEW ARKANA(アルカナ) |
399万円~469万円 |
(2024年01月現在の情報です)
LUTECIAは、発売当初から時代を先取りするコンセプトを掲げてきました。現在の4世代目でもLUTECIAならではの優美で機能性の高いデザインが魅力です。
CAPTURは、フレンチエレガンスを表現したフローティングルーフや、18インチアロイホイールPasadenaが個性的な印象を際立たせます。NEW ARKANAは、SUVの機能美とクーペのエレガントさを融合させた都会的なデザインが特徴です。
2022年以降の発売が予想されるルノーの電気自動車(EV)
日本ではハイブリッド車が多い中、2022年以降に発売が予想されているルノーの電気自動車モデルがあります。この項目では、今後日本で発売が予想されるルノーの電気自動車2車種をご紹介します。
コンパクトミニバン「カングー E-Tech エレクトリック」
カングー E-Tech エレクトリックは、2022年10月に開催された「パリ・モーターショー2022」で公開されました。2021年に発売された3代目カングーに、シリーズ初となるフル電動モデル「カングー E-Tech エレクトリック」がラインアップに加わることになり、2023年に欧州で発売されました。標準サイズ(L1)とロングボディ(L2)の2種類をラインアップしています。
ドライブモードが6種類あり、3種類の回生ブレーキモードの切り替えができます。バッテリー容量は45kWhで、1回の充電で航続距離は最大285km走行が可能です。22kW AC急速充電システムでは、170kmの航続距離を約30分で充電できます。
(2024年01月時点の情報です)
ルノー「サンク(5)」もEVで復活も!
2024年にサンク(5)の小型EVハッチバックの発売が予想されています。2020年9月に「5」の50周年を祝う新たなコンセプトEVとして欧州で発表されました。
新型サンク(5)は、新開発のプラットフォーム「CMF-BEV」、バッテリーにはニッケル・コバルト・マンガン系(NCM)が採用される予定です。新たなバッテリー技術が導入されるため、航続距離は最大約400kmになるのではないかと予測されています。なお、日本円の新車価格は約300万円と予想されているようです。
(2022年12月時点の情報です)
ルノーに乗るなら国産車や中古車も検討しよう
ルノーの車に乗りたい方は、中古車も検討しましょう。現在発売されている現行モデルに加え、生産終了したモデルも人気があります。この項目では、ルノーの歴史に加え、ルノーの各モデルの中古車価格をご紹介しますので参考にしてください。
創業から120周年の歴史があるフランスの自動車ブランド
ルノーは、創業から120周年を迎える歴史ある自動車ブランドです。フランスのパリ郊外で、1898年にルイ・ルノーによって設立されました。暮らしのニーズに合わせ、時代とともに発展を遂げているメーカーです。
ルノーは、他の自動車メーカーとの連携を積極的に行っています。現在、アライアンス契約を結んでいるのは日産・三菱の2社です。共同開発や技術の共有を行い、2030年までに全て電気自動車へ移行する計画を進めています。
国産の電気自動車(EV)が徐々に増えている
ハイブリッドが主流の日本車ですが、EVも徐々に増加しています。日産サクラのような軽自動車規格のリーズナブルなEVが登場したことも数字を後押ししたようで、2023年上半期のEVの販売台数は2万2,857台となりました。自動車全体の販売台数のうち1.67%を占める数字となっています。
ちなみに現在、市販のある主な国内メーカー製のEV(PHEVやレンジエクステンダー搭載車を除く)は以下となります。
・日産 リーフ
・日産 アリア
・日産 サクラ
・三菱 eKクロス EV
・三菱 ミニキャブ EV
・レクサス RZ450e
・トヨタ bZ4X
・スバル ソルテラ
・ホンダ Honda e(2024年1月で生産終了)
ルノーの中古車の価格帯
先に紹介したモデルに加え、現在生産を一時停止しているトゥインゴなどの中古車価格は、以下のとおりです。
モデル |
中古車価格 |
アルカナ |
在庫なし |
ウインド |
在庫なし |
カングー |
約149万~272万円 |
トゥインゴ |
約102万~165万円 |
メガーヌ |
約186万~312万円 |
ルーテシア |
約87万~212万円 |
(2023年1月現在の情報です)
まとめ
地球温暖化から地球沸騰の時代へ変わったと話題となった現在、CO2の排出が多い自動車は世界的に大転換の時期を迎えています。脱炭素化のために水素燃料電池やバイオ燃料を用いた内燃エンジンの開発も盛り上がると同時に、EVも間違いなく世界的に増加すると見て間違いないでしょう。
ルノーは脱内燃エンジンを目指すメーカーです。乗用車と商用車のEV化を着々と進めていますが、単にエコなモデルだけを製作していくわけではないようです。ラリーで速さを見せた古の名車「ルノー5」をEVとして復活発売することを表明しているのはその表れではないでしょうか。車好きも唸る楽しいEVの時代がいよいよ幕を開けるでしょう。
▼ライタープロフィール
北野晶夫
オートバイ雑誌と自動車WEB媒体の編集部員を経験後に独立し、フリーの記者・編集者となり現在に至る。
新車取材のほかチューニングカーやレースの取材等も行う。写真撮影も行い、撮影・執筆・編集と一連の制作を担当することが多い。読者のカーライフを応援できる記事づくりがモットー。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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