アバルト595のスポーツタイプ「F595」!500との違いや似ている車種は?
アバルトはイタリアのチューニングメーカーで、フィアットをベースにしたスポーティーな車種を多く作ってきました。サソリのエンブレムに見覚えがあるという方も多いのではないでしょうか。
本稿ではアバルトのF595というスポーティーモデルを中心に、アバルト595や前身モデルとなるアバルト500、さらにはベースとなっているフィアット500についても説明します。スペックなどを比較しながら性能差を理解できますので、ぜひ最後までご覧ください。
※目次※
・アバルト500のベースになったフィアット500と、アバルト500に大きな違いはそれほどない
・アバルトF595はアバルト500をベースとしたスポーティーモデルで、大幅にパワーを向上
・アバルトF595のライバルとされるルノーやフォルクスワーゲンの車種が分かる
アバルト595とはどのような車?
アバルトは、1949年にオーストリア出身のレーシングライダーであるカルロ・アバルトがイタリアのトリノで設立しました。長年にわたり、走る楽しさを最優先し、モータースポーツ界を席巻する活躍を見せてきたチューニングメーカーです。
アバルトが開発してきた車種の中でも有名なアバルト595は、どのような特徴の車でしょうか。
アバルト595とは
初代アバルト595は、1963年にフィアット500ベースのエンジン排気量を拡大したスポーツモデルとしてデビューしました。その後、さまざまな経緯を経て2007年に復活したアバルト500は、2013年には日本国内でも販売開始され、高い評価を得ています。
2017年以降、全グレードが「アバルト595」の名称に変更され、フィアット500との差別化が図られました。よりアグレッシブなデザイン・走行性能・充実した装備が魅力のモデルです。
ベースはフィアット500
アバルト500のベースは、日本でも人気が高いフィアット500です。イタリアフィアット社が付けている正式車名は「500」ですが、日本では数字だけの車種名はなじみがないため「フィアット500」と呼ばれています。
1936年に発売された初代フィアット500は、長い間世界中の人たちから愛されているモデルです。日本では名作アニメ映画『ルパン三世 カリオストロの城』に登場していることでも知られています。
そのフィアット500にモータースポーツの技術を投入し、レーシングスピリットを吹き込んだのがアバルト500です。小柄なボディに強力エンジンを搭載し、スポーティーモデルに仕立て上げました。
(参考:『500(フィアット)』の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】)
現在はアバルト595に統一
アバルトは内外装だけでなく、メカニズムまでも本物のスポーティーモデルを追求しています。アバルト500の上級モデル「595」や「695」は、マセラティやフェラーリをはじめとするプレミアムブレンドとのコラボなど、話題性が豊かなことも特徴です。
2017年2月発売モデル以降、アバルト500は全グレードで「595」の名称に変更されました。そのためアバルト500と呼ばれているのは2015年3月発売モデルが最終型となります。
2022年にはF595が登場
アバルトは、2022年7月に新グレード「アバルトF595」を発表しています。車名の「F」は、エンジンサプライヤー「Formula(フォーミュラ)4」に敬意を表して付けられました。
スポーティーな走りと快適性のバランスを追求したモデルで、トランスミッションは5速MTのみの設定です。専用サスペンションはバランスが取れており、スムーズな発進やワインディングロードにおける俊敏性を体感できます。
アバルトF595の特徴
マニュアル仕様のアバルトF595は、ドライビングの真髄やマニュアルの真価を追求して開発されました。ただの移動手段としての車ではなく、遊び心を感じ快感を得られる車です。主な特徴についてチェックしてみましょう。
(参考:『アバルト595(アバルト)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】)
アバルトF595の基本スペック
まず、アバルトF595の基本スペックを表にまとめましたので、ご覧ください。
寸法・重量 |
|
全長(mm) |
3,660 |
全幅(mm) |
1,625 |
全高(mm) |
1,490 |
ホイールベース(mm) |
2,300 |
車両重量(kg) |
1,120 |
乗車定員(人) |
4 |
エンジン・燃費 |
|
エンジン種類 |
直列4気筒DOHC16バルブ インタークーラー付きターボ |
総排気量(cc) |
1,364 |
最高出力〈kW(ps)/rpm〉 |
121(165)/5,500 |
最大トルク〈N・m(kgm)/rpm〉 |
210(21.4)/2,000 |
燃費WLTCモード(km/L) |
14.2 |
ご覧のとおり小型で重量も軽いため、決してハイパワーな出力ではありませんが、十分に走りを楽しめます。また、燃費についても純ガソリンエンジン車ということを考えると、悪くない数値と言って良いでしょう。
アクセントカラーの効いたエクステリアデザイン
アバルトF595のエクステリアにおける、最大の特徴はボディの色使いです。ボディカラーは全部で5色展開で、グレー、ダークグレー、ホワイト、ブラック、レッドです。
また、ホワイトにはグリーン、ダークグレーにはブルーなど、それぞれアクセントカラーとの組み合わせとなっており、ドアミラーカバーやブレーキキャリパーに差し色が入ります。
専用の17インチホイールは、マットブラックの14本スポークとなっていてスポーティーな印象を与えています。
サイズ感はアバルト595とほぼ同じ
ボディサイズは、アバルト595とほぼ変わりありません。全長3,660mm×全幅1,625mm×全高1,505mmです。
ボディカラーとアクセントカラーの組み合わせが魅力的で、前後バンパーの一部・ドアミラー・ブレーキキャリバーなどのアクセントカラーにより個性を表現できます。
カラーバリエーションは、グレー×レッドアクセント/レッド×ブラックアクセント/ホワイト×グリーンアクセント/グレー×ブルーアクセント/ブラック×イエローアクセントの全5色です。
ブラックが基調のスポーティーなインテリアデザイン
アバルトF595の内装はシート、インパネやライニングなど全てブラックが基調になっており、スポーティーな仕上がりになっています。またペダル類やシフトノブの一部には金属が使用されていて、スポーティーさを演出するだけでなく、差し色として鮮やかさを引き立てます。
また、シートは背中部分とヘッドレストが一体となったセミバケットシート風になっており、ハードな走行でもドライバーの体をしっかりとホールドしてくれるでしょう。
爽快な走りを楽しめる走行性能
アバルトF595は、マニュアルトランスミッションの良さを最大限に引き出し、爽快な走りを楽しめることが魅力です。エンジンスペックは下記表を参照してください。
エンジン種類 |
直列4気筒DOHC 16バルブ インタークーラー付きターボ |
総排気量 |
1,368cc |
最高出力〈kW(ps)/rpm〉 |
121(165)/5,500 |
最大トルク〈N・m(kgm)/rpm〉 |
210(21.4)/2,000 SPORTスイッチ使用時:230(23.5)/2,250 |
7インチタッチパネルモニターで便利
アバルトF595には、アバルト595と同様、総合インフォテインメントシステムの7インチタッチパネルモニター付きUconnect(R)を採用しています。メディアプレイヤー機能・Bluetooth(R)ハンズフリー通話機能・スマートフォンとの連携など、便利な機能が満載です。
スマートフォンとの接続により、使い慣れたマップやミュージックアプリなどをタッチパネルでそのまま利用できます。SiriまたはGoogleアシスタント音声操作も可能です。
中古車を狙うならアバルト500もおすすめ!
通常モデルはアバルト500として呼び分けられていましたが、マイナーチェンジを機に呼び分けを廃止、車種名を統一して販売したのがアバルト595です。基本的なコンポーネントは共通となっていますので、選択肢となるでしょう。そのため、アバルト500の中古車はお得に購入できます。本項目ではアバルト500の詳細を紹介します。
エクステリア
アバルト500(現行595)は、パフォーマンスだけでなくエクステリアデザインもさらに進化しています。フロント&リアバンパーデザインがよりアグレッシブなデザインに変更されていることで、より刺激的になったと感じられるでしょう。
目を引くのは、フロントバンパーエアインテークにある『ABARTH』の文字です。これは、ワンメイクレース仕様車「アセットコルサ」からインスピレーションを得たといわれています。デイライトには印象的なデザインを採用し、独特の存在感と「自分らしさ」を打ち出すアバルトらしいデザインです。
アバルト500はすでに販売終了していますが、個性的なデザインのため今でも魅力的なモデルで、街中で見かける機会も多くあります。アバルトF595とアバルト500は年代が異なるだけなので、できるだけ安く車を買いたいという場合は、アバルト500を選択肢に入れてみましょう。
インテリア
インテリアデザインも、アバルトらしさが光っています。注目したいのは、新しいデザインが採用されたステアリングホイール、TFTメータークラスター、グラフィックが刷新されたGメーターです。そして、グローブボックスとカップホルダーが追加されました。
機能性能
アバルトには、便利な機能も豊富に用意されています。新たに搭載された7インチタッチパネル採用総合インフォテインメントシステムUconnect(R)は、USBやBluetooth等の外部入力に対応しており、より快適にドライブを楽しめるでしょう。
燃費性能
アバルト595の基本的な燃費性能は以下のとおりです。
トランスミッションの種類 |
5速マニュアル トランスミッション |
ATモード付き 5速シーケンシャル トランスミッション |
燃料消費率(JC08モード) |
13.0km/L |
12.5km/L |
燃料供給装置 |
マルチポイント式 電子制御燃料噴射 |
マルチポイント式 電子制御燃料噴射 |
使用燃料 |
無鉛プレミアムガソリン |
無鉛プレミアムガソリン |
燃料タンク容量 |
35L
|
35L |
CO2排出量 (JC08モード燃費換算値) |
179g/km |
186g/km |
電動パワーステアリングの採用により、スポーティーな車種としてはまずまずの燃費性能を獲得しているのが特徴です。
乗り心地
アバルト500は直列4気筒1.4Lエンジンにターボチャージャーを搭載しているため、低回転から力強い加速を味わえます。スポーツスイッチを入れるとトルクが3割ほど増すためアグレッシブな走行が可能になり、スポーティーさが増したシートは長時間乗っても疲れにくい設計です。
アバルト500と595の違いは?
では見た目以外で、アバルト500と現行モデルの595はどのような違いがあるのでしょうか。その違いを表で説明します。
|
アバルト500 |
アバルト595 |
|
サイズ |
全長(mm) |
3,655 |
3,660 |
全幅(mm) |
1,625 |
1,625 |
|
全高(mm) |
1,515 |
1,505 |
|
エンジン |
排気量(cc) |
1,368 |
1,368 |
最高出力 〈kW(ps)/rpm〉 |
99(135)/5,500 |
107(145)/5,500 |
|
JC08モード燃費 (km/L) |
14.9 |
13.4 |
車は時代の流れに合わせ大きくなって行く傾向がありますが、ご覧のとおりアバルト500と595は大きさがほとんど変わりません。むしろ全高は低くなり、エンジンパワーが10馬力ほどアップしています。
アバルト500とフィアット500はどのように違うの?
フィアット500をベースとして設計されたスポーツモデルのアバルト500は、一見似ているように感じるかもしれません。それぞれの特徴を比較すると似ているようで、ひと味もふた味も違うそれぞれの良さが見えてきます。両車にはどのような違いがあるか解説しますので参考にしてください。
見た目の違い
フィアット500の外装イメージには『かわいらしさ・おしゃれさ』が挙げられるでしょう。フロントマスクやLEDデイライトデザインなど、丸みを帯びたデザインによりかわいらしさが演出されています。内装もチェックシート・アイボリーハンドル・ボディ同色インパネ等スタイリッシュでおしゃれな雰囲気です。
一方のアバルト500は、かっこ良さに加え機能性も考えられています。フロントバンパーにはインタークーラー冷却用のエアインテークが付き、リアバンパーのエアロパーツはディフューザー一体型です。ワイルドさも感じられるでしょう。
ヘッドレスト一体型スポーツシートや、イタリアンセンスが光るインパネ周りの全体的な統一感のある内装も魅力です。フィアット500と基本的なデザインは同じですが、よく見るとそれぞれの個性が感じられるでしょう。
特徴の違い
狭い道でも取り回しがしやすいコンパクトボディであることに変わりはありませんが、若干アバルトの全長が長くなっています。ホイールベース・前後トレッド・ラゲッジスペースは全く同じサイズです。車両重量はアバルトのほうが重くなっています。
フィアット500は175/65R14のタイヤでスチールホイールですが、アバルト500は195/45R16のタイヤでアルミホイール装着です。テンパータイヤもアバルトでは搭載されていません。
一番の違いは搭載エンジンです。フィアット500は直列4気筒1.2L・直列2気筒ターボツインエアの2種類が用意されています。アバルト500は直列4気筒1.4Lツインタークーラー付きターボエンジン搭載であり、最高出力や最大トルク等のパワースペックに違いが生じています。
価格の違い
2017年のモデルチェンジを機に、アバルト500はアバルト595へ統一されました。2023年12月現在、ネクステージで取り扱っているアバルト595とフィアット500の中古車相場価格を比較してみましょう。
フィアット500 |
65万9,000円~257万9,000円 |
アバルト595 |
149万9,000円~299万9,000円 |
スポーツモデル アバルトのほうが高値で推移しています。年式・グレード・搭載装備により価格に差があるため確認しましょう。
アバルト595と似ているヨーロッパの車種とは?
個性的でおしゃれなデザインにこだわりたい方に人気がある輸入車は、アバルト595以外にもあります。ここでは、アパルト595に似てデザイン性に優れた、代表的なヨーロッパの車種を紹介します。
それぞれを比較してみて、自分好みのデザインがどれなのかを考えることも、車選びの面白さと言えるでしょう。
スマート フォーフォー プライム
スタイリッシュなデザイン性が特徴の車種として挙げられるのが、スマート「 フォーフォー プライム」です。ダイムラーAGの完全子会社であるドイツに本部を置く自動車メーカーであるスマートが設計・販売しています。
モノトーンまたはツートーンからボディカラーを選択でき、インテリアはブラックまたはオレンジから選択可能です。中古車相場平均価格は79万9,000円~187万9,000円となっています。(2023年12月時点)
(参考:フォーフォー プライム(スマート)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】)
ルノー トゥインゴ インテンス
1993年初代デビューのルノー トゥインゴは、2014年に3代目を発表しました。3代目トゥインゴはメルセデスベンツと提携しスマート フォーフォーとメカニズムを共有しており、用意されているグレードがインテンスです。
この車もデザイン性が高く、コンパクトで取り回しがしやすい小回り性能車として人気があります。中古車相場価格は129万9,000円~179万9,000円です。(2023年12月時点)
(参考:トゥインゴ インテンス(ルノー)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】)
フォルクスワーゲン アップ!
2012年に日本上陸したフォルクスワーゲンのコンパクトモデル アップ!も個性的なデザインが特徴の人気のある輸入車のひとつです。2017年にマイナーチェンジを行いインフォテインメント系が強化されました。しかし、2020年に国内での販売は終了しています。
アップ!は、短い全長ながらロングホイールベースのおかげでゆとりある後部座席を実現していることがポイントです。長距離でも乗り心地の良さを味わえます。
燃費性能が良いことも人気の理由に挙げられます。中古車相場価格は63万7,000円~75万9,000円です。走行距離が少なく程度の良い車も出回っていますのでチェックしてみましょう。(2023年12月時点)
(参考:アップ!(フォルクスワーゲン)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】)
アバルト595と似ている国産の車種とは?
国産の車種には、アバルト F595とは異なる魅力があります。走りの爽快感を求めるだけでなく、自分らしさも表現できるような、代表的な2車種を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
スズキ スイフトスポーツ
国産車で自分らしさを表現したい方に人気がある車種のひとつは、スイフトスポーツです。価格がリーズナブルであるにもかかわらず、安全性能や走行性能面で高い評価を受けています。専用チューニングのターボエンジンにより、チューニングカーではないもののスポーティーさを味わえることが人気の理由かもしれません。
質感が高い内外装デザインには欧州的な雰囲気も漂っています。中古車相場価格は169万9,000円~216万9,000円です。(2023年12月時点)
(参考:スイフトスポーツ(スズキ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】)
ホンダ フィットRS
ホンダ フィットの最上級グレードRSも、走りを楽しみたい車が好きな方の間で高評価を受けています。高いスポーツ性能設計ながら日常使いのことも考えられている使い勝手の良い車です。カスタムパーツが多数用意されており、自分好みの車に仕上げることができることも人気の理由と言えます。
他のホンダ車同様、安全運転支援システムHonda SENSING搭載のため、安心安全にドライブを楽しむことが可能です。中古車相場は29万9,000円~219万9,000円となっています。
(2023年12月時点)
(参考:フィットRS(ホンダ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】)
まとめ
アバルトF595は、アバルトの技術を詰め込んだコンパクトなスポーツカーということがお分かりいただけたでしょう。新車、中古車ともに比較的リーズナブルで、なおかつ気軽に走りを楽しめるというのがこの車の大きな魅力です。
また、アバルトF595に手が届かないという場合は、先代モデルとなるアバルト500やベースモデルのフィアット500を検討してみるのもひとつの方法と言えます。どのモデルも個性があって、長く乗っても飽きにくいでしょう。
▼ライタープロフィール
兵頭 倫果(ひょうどう りんか)
大学時代は工学部で電気の分野を専攻し、電気自動車やソーラーカーの製作に励む。大会への出場あり。大学卒業後は国産自動車メーカーに技術者として入社。後に退職し、現在はフリーランスで、「若者にも響かせる」をモットーにYouTubeやライティング活動を行っている。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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