ロードスターは外車アバルト124スパイダーと兄弟車?名称の呼び分けも解説
マツダ・ロードスターの外車版と称される、アバルト124スパイダーをご存じでしょうか。フィアットとマツダがタッグを組むことで誕生した魅力的なオープンモデルです。
フィアット製のエンジンを搭載し独自のハンドリングや乗り味を持っていますが、2020年には惜しくも生産が中止となりました。
本記事ではアバルト124スパイダーの特徴や魅力を紹介しますので、オープンモデルの購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
※目次※
1. 外車のアバルト124スパイダーはロードスターの派生モデル
2. 国産車ロードスターと外車アバルト124スパイダーの違い
・マツダ・ロードスターの兄弟車は外車版と呼ばれるアバルト124スパイダー
・アバルト124スパイダーはマツダ・ロードスターと異なる独自のエンジンを搭載
・ロードスターはオープンカーに属するモデル
外車のアバルト124スパイダーはロードスターの派生モデル
マツダ・ロードスターの外車版と称される「アバルト124スパイダー」はマツダとフィアットが提携し、マツダがOEM供給のためにロードスターをベースとして作り上げました。
日本国内ではアバルトブランドからの発売となっていましたが、グローバルではフィアットブランドから発売されていた124スパイダーも存在します。
アバルト124スパイダーが誕生した経緯
イタリアを代表する自動車メーカーであるフィアット社が販売した「アバルト 124スパイダー」は、2013年にマツダと提携合意したことをきっかけに開発しました。アバルト 124スパイダーのベースは、マツダの「ロードスター」です。ロードスターは、世界でもっとも多く生産されたライトウェイスポーツカーとして、ギネス記録になっています。
1960年代のフィアットはフェラーリやアバルト、アルファロメオといった自動車メーカーを次々と買収し、イタリアの自動車産業で脚光を浴びていました。しかし、その後の業績悪化などもあって、ライトウェイスポーツカーの生産が減衰していました。
そこで目をつけたのがマツダのロードスターです。ロードスターのOEM供給を受けて、アバルト 124スパイダーが誕生しました。
生産終了し中古車の流通も少ない
アバルト 124スパイダーは2020年に生産が終了し、現在は新車で購入することができません。もともと新車での販売台数も限られており、国内で流通している台数は少ないと想定されます。
そのため希少価値が上がり、中古車販売価格がこれから上昇していく可能性があります。アバルト 124スパイダーを手に入れたい方は、プレミア価格がつく前に手に入れることをお勧めします。2023年時点では、古いモデルでも新車時から5年が経過した程度であるため、コンディションが整った車両も多いでしょう。
国産車ロードスターと外車アバルト124スパイダーの違い
アバルト124スパイダーとロードスターは兄弟車であるが、見た目も乗り味もそれぞれのブランドの思想に合わせて造り込まれています。マツダは走る歓びや人馬一体といったドライバーの意図通りに動く車を作ってきました。一方のアバルトはスポーティーさを全面に出したスタイリングです。
外観の違い
アバルト 124スパイダーは、ロードスターのOEM供給を受けて製造していますが、外観の印象はロードスターと大きく異なっています。アバルト 124スパイダーの外観は、ロードスターを踏襲しているというよりは、過去のアバルトモデルを受け継いでいます。
またボディの至るところには、アバルトのエンブレムにも採用されているサソリマークを配置しているのも特徴です。人気のロードスターのプラットフォームを生かしつつ、アバルト独自のデザイン性で、外観の印象をガラリと変えています。
性能の違い
アバルト 124スパイダーに搭載しているエンジンは、ロードスターとは異なるFCA製の1.4Lターボエンジンです。最高出力は170馬力と力強く、トランスミッションは6速ATか6速MTになります。6速のマニュアルミッションは非常にスムーズな切り替えが可能です。
ロードスターでは1.5L NAエンジンを搭載しており、排気量ではアバルト 124スパイダーの方が劣ります。しかしアバルト 124スパイダーのエンジンはターボなので、NAエンジンで換算すると2.5Lクラスに相当します。そのため動力性能に関しては、124スパイダーのほうが上回っていると言えるでしょう。
乗り心地の違い
インパネやハンドル回り、シートは両者とも共通した設計になっています。アバルト 124スパイダーでは、レザーインテリアを採用しているので、アバルト 124スパイダーのほうが室内空間の高級感が増している印象を受けるでしょう。
また、アバルト 124スパイダーの足回りは、安定性とグリップ性能を高めたセッティングに変更しています。このように操作性を高めたセッティングが影響して、乗り心地についてはアバルト 124スパイダーのほうが硬めであり、上下に揺られやすい特徴があります。
「ロードスター」はマツダ車とは別物!
ロードスターと聞くと、マツダ・ロードスターを思う浮かべる方が多いのではないでしょうか。あまりにも認知度が高いため、現代ではロードスター=マツダの2シーターのオープンカーと思われている方もいるでしょう。しかし、オープンカーの名称のひとつに過ぎません。他にどのような呼ばれ方をしているのか解説します。
オープンカーの名称のひとつ
ロードスターの本来の意味は、屋根のない幌つきの馬車を指す言葉でした。自動車の用語としては、座席が一列で、折りたたみができる幌の屋根を持つモデルを指します。
ロードスターの語源は馬車の時代に付けられたといわれており、それが自動車の用語にも転じています。2シーターのソフトトップに限定せず、モデルによってはハードトップでもロードスターと呼ぶこともあります。代表的な例がメルセデスベンツのSLです。
オープンカーには他にも名称がある
オープンカーの名称はロードスターだけでなく、コンバーチブルやカブリオレと呼ばれることもあります。オープンカーやスパイダーは、オープンカーとして専用に作られたモデルを指すのが一般的です。
一方、コンバーチブルやカブリオレはベースとなるクーペやセダンがあり、それを元にオープンカーにしたモデルを指します。フェアレディZにかつてコンバーチブルモデルがありましたが、ベースのクーペに対してオープンカーがコンバーチブルと呼ばれていました。
ロードスターとスパイダーの違い
また124スパイダーの「スパイダー」も同様にオープンカーを指す名称です。マツダ・ロードスターと兄弟車であるアバルト124スパイダーは、どちらもオープンカーの名称となるロードスターとスパイダーが車名に入っています。
ロードスターなどのおすすめ外車オープンカー5選
アバルト124スパイダーのような痛快なオープンモデルはまだまだ存在します。ロードスターという名称をもった外車も存在するので、アバルト124スパイダーのライバルや同じオープンモデルをピックアップしてみました。どれも個性ある車なので、4シーターなら実用性も兼ね備えています。
テスラ|ロードスター
現在のテスラが販売しているモデルはすべてオリジナルのシャシーを使っていますが、最初のモデルとなったテスラ・ロードスターは見た目からもわかるようにロータスの支援を得て生産されていました。
ロータスエリーゼのような見た目で、2シーターのソフトトップオープンカーということからロードスターという名が付けられています。量産とはいえない態勢での生産だったことや、2車種目のモデルSへ移行が早かったため流通している台数は限られています。
MINI|ロードスター
2006年から2016年まで発売されていた第2世代のMINIにはロードスターというモデルが存在していました。現在の第3世代でもオープンモデルはありますが、4シーターのコンバーチブルとして販売されています。
MINIロードスターは、2シーターでソフトトップというロードスターの要素を持ち合わせています。日本国内では2012年に発売が始まり、グレードは「クーパー」「クーパーS」「ジョンクーパーワークス」の3タイプでした。
BMW|Z4
BMWのツーシート・オープンカーである「Z4」は、上質な高級感があるエクステリアとインテリアが特徴です。オープンカーのルーフ設計はハードトップを使用したものがあるなか、Z4ではソフトトップを採用しています。柔らかく美しいデザインであり、力強さのなかに流動的な雰囲気のある走りが実現できるでしょう。
また車体サイズは比較的コンパクトのため、鋭いコーナリングなど操作性能も向上しています。BMW Z4はスポーツカーの高級感にくわえて、機敏な操作性も楽しめる車です。
ポルシェ|ボクスター
「ボクスター」は、ドイツの高級メーカーであるポルシェが販売するオープンカーです。2シーターのミッドシップレイアウトを採用しており、ポルシェのなかではエントリーモデルに位置づけられています。また、全体的に丸みを帯びたデザインが特徴的で、折りたたみ式のルーフを採用しています。
ボクスターは走行性能を最重視しており、ポルシェ特有のボクサーエンジンを搭載しつつインテリアや装備はむだがなく、シンプルな仕上がりと言えるでしょう。
プジョー|308cc
フランスの老舗メーカーであるプジョーが手掛けた「308cc」は、4人乗りの本格オープンカーです。現行モデルの308シリーズには、ガソリンモデルやクリーンディーゼルモデル、ハッチバックタイプやステーションワゴンタイプなどバリエーションが豊富です。しかしスポーツカータイプの308ccは、2014年に販売が終了しています。
インテリアデザインには「インテグラルレザー」に設定したモデルがあり、シートだけではなくドア内張りやダッシュボードにもレザーが施されています。
ロードスターの外車はネクステージで探そう!
ネクステージでは全国に200店舗を展開し、中古車販売店ではトップクラスの在庫量を誇っています。Webからだと全国の在庫車が一斉に検索でき、お気に入りの一台が見つかるでしょう。ネクステージでは多くの輸入車を取り扱っており、正規販売店の「UNIVERSE」を全国展開しています。
中古の外車も豊富に取りそろえている
ネクステージでは正規輸入車の中古を専門に扱う「UNIVERSE(ユニバース)」を展開しています。外車は国産車よりもアフターメンテナンスに手がかかり、しっかりと手を掛けていないと故障するリスクが高くなります。
ユニバースではディーラーで販売している正規輸入車のみを取り扱っているので、コンディションへの不安がありません。また専門知識をもったメカニックが常駐しているため、気兼ねなく外車に乗ることができます。
正規輸入車ディーラーから購入できる
アバルト124スパイダーは惜しくも生産が中止されてしまったため、新車で購入することができませんが、ネクステージでは正規ディーラー事業を行なっています。新車はもちろん、認定中古車の取扱いもありますので、購入車種に悩まれている方はぜひご相談ください。
ブランドは「フォルクスワーゲン」「アウディ」「ボルボ」「ジャガー」「ランドローバー」「マセラティ」です。
まとめ
フィアットとマツダの提携によって生まれたアバルト124スパイダーの生産は終了してしまいましたが、中古車として購入するチャンスは残っています。また、外車の中にはアバルト124スパイダーに匹敵する痛快なオープンモデルも多数あり、幅広い選択肢が用意されています。
中古車、新車問わず新しい車を求めているときにはネクステージまたは、正規輸入車のみを取り扱っているユニバースを訪れてみてください。きっと求めている車に巡り会えるでしょう。
▼ライタープロフィール
真鍋裕行
出版社勤務を経て2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立し、自動車雑誌、ウェブサイトなどに原稿を寄稿。編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで幅広くリポート。業務拡張につき2011年に会社を設立。自動車ジャーナリストとしての自動車メディアへの寄稿は続けつつ、メディアコンテンツの製作(雑誌、Web、アプリetc)に取り組んでいる。メディアコンテンツの製作ではオーナーや協力者のコミュニティを作ることを考えるなど、単純な製作で終わらないことを心掛ける。また、近年ではレースチームのディレクターやPRにも積極的に携わる。
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