BMWのキドニーグリルが巨大化!デザインが変化している背景とは?
BMWの象徴として知られる「キドニーグリル」は、各シリーズやモデルのイメージを決定付ける重要なパーツです。1933年から受け継がれている伝統的なパーツですが、2019年の7シリーズのマイナーチェンジを機により大型になりました。
これまでも十分な存在感のあったキドニーグリルは、なぜ巨大化したのでしょうか。この記事では、キドニーグリルの変化の過程と巨大化した理由、デザインの種類、管理方法を紹介します。キドニーグリルができた背景やデザインの種類を知ることで、BMWの魅力を感じてみてください。
※目次※
・BMWのキドニーグリルは1933年から受け継がれている伝統的なパーツ。
・2019年に発売された7シリーズで、フロントフェイスの存在感を高めるために大型に変更された。
・BMWのキドニーグリルには横長と縦長があり、タイプとデザインでグレードやモデルのイメージを印象付けている。
BMWのキドニーグリルは巨大化している
スポーティーさや力強さ、高級感を感じるBMWのフロントマスクに、魅力を感じる方は多いのではないでしょうか。BMWらしさを強く印象付けているのが、フロントマスク中央にあるキドニーグリルです。
ここでは、なぜこのようなフロントグリルが採用されたのか、キドニーグリルという名称が付いた由来などを紹介します。
キドニーグリルはBMWが採用するフロントグリル
キドニーグリルの「キドニー」とは、英語で「腎臓」という意味です。一般的なフロントグリルは横に長くシャープですが、キドニーグリルは中央から左右対称に分かれています。他にはない個性的なデザインがBMWの魅力です。
フロントグリル(別名ラジエーターグリル)が車に設置されるようになったのは、空気を取り込みエンジンを冷却させるためでした。水冷エンジンが主流となってからは、走行風をラジエーターに当てて冷やすために使用されています。
1933年から変化しながら受け継がれている
BMWにキドニーグリルが採用されたのは、1933年~1934年に生産されたBMW初のオリジナルモデル「303」が最初です。それから現在に至るまで約90年にわたり、デザインを変えながらもキドニーグリルを採用し続けています。これが、BMW車であることをより強く印象付ける重要なポイントです。
BMWは、キドニーグリルに代表されるような伝統的なデザインを受け継ぎながら、最新のトレンドを取り入れた車の開発も進めています。
7シリーズでキドニーグリルの巨大化が注目を集めた
BMWのキドニーグリルは、2019年にマイナーチェンジされた7シリーズをきっかけに大型化しました。存在感のあるボディと高い走行性能が魅力の7シリーズですが、マイナーチェンジでさらにラグジュアリー性と存在感を高めるために、デザインを刷新しています。
キドニーグリルのサイズは、2015年のフルモデルチェンジ時より約40%も大型化しました。キドニーグリルと連結するようなフロントライトも相まって、より人目を引くフロントフェイスに変化しています。
巨大化したキドニーグリルが目を引くBMWの車種とは?
7シリーズで大型化したキドニーグリルは、2019年以降に発売された他のシリーズやモデルにも採用されています。
縦長や横長などモデルによってキドニーグリルのデザインは異なりますが、総じて以前より格段に大型化しました。ここでは、巨大化したキドニーグリルが目を引くモデルを紹介します。
BMW 7シリーズ
7シリーズはBMWの最上級セダンで、現行モデルは2022年に発売された第7世代です。人の意識や欲求・感情を重視したラグジュアリーさ、存在感、優美さ、プレミアムな質感などを提供するセダンとして進化しました。
存在感のある大型のキドニーグリルとスワロフスキー製のクリスタルヘッドライトにより、ラグジュアリーさを強調しています。また、BMW量産モデルでは初となる「2トーン塗装」をオプションで選択できることも特徴です。
BMW X7
BMW X7は、高級感溢れるデザインとラグジュアリーモデルにふさわしい乗り心地、最大7人乗りができる高い実用性を備えています。2022年の一部改良でグリルが大型化され、存在感と力強さを主張するデザインになりました。
暗闇で光を放つ「アイコニック・グロー・キドニー・グリル」を採用することで、高級感だけでなく夜間での存在感も増しています。ヘッドライトには、7シリーズと同じ上下2分割のツインサーキュラー&ダブルライトが採用されました。
(参考:『X7(BMW)|新車・中古車の【ネクステージ】』)
BMW 4シリーズクーペ
4シリーズクーペは、スポーティーでエレガントなBMW伝統のクーペモデルです。2013年に3シリーズの派生モデルとして誕生し、2020年に第2世代となる新型が発売されました。
第2世代からキドニーグリルを大型化し、クーペながら存在感のあるフロントマスクへと進化しています。グリルを大型化した理由は、プレミアムスポーツセダンの3シリーズとの区別化を図るためです。
地面から垂直にそそり立つグリルデザインは、1936年~1940年に生産された「328」、1970年代の「3.0CS」からインスパイアされました。ナンバープレートがキドニーグリルの中心にあることからも、その巨大さが分かります。
(参考:『4シリーズ(BMW)|新車・中古車の【ネクステージ】』)
BMWのキドニーグリルは縦長と横長のデザインがある
BMWの特徴であるキドニーグリルは、シリーズやモデルによってデザインが少しずつ異なります。これは、ヘッドライトデザインを併せ、それぞれのモデルイメージを具現化するためです。
また、キドニーグリルには横長と縦長のデザインがあり、この違いだけでも感じる雰囲気は大きく変わります。ここでは、デザインごとの特徴や印象を見てみましょう。
縦長のキドニーグリル
縦長のキドニーグリルは、1933年のBMW 303で初めて採用されました。セダンやクーペの人気増により多くが横長へと変化しましたが、現在は4シリーズをはじめEV車・PHEV車にも縦長グリルが採用され、力強いフロントフェイスを表現しています。
縦長グリルは空気の流れを効率化することが特徴です。実用性を考えると電気自動車には不要なパーツですが、2021年に発売されたBMW iXではデザインアイコンとして大型のキドニーグリルが採用されました。
横長のキドニーグリル
横長のキドニーグリルは、多くのシリーズで採用されています。左右に張り出した五角形デザイン、ヘッドライトと一体感のある配置が特徴です。これにより、シャープな造形とスポーティーさを強調しています。
また、空気抵抗を減らすために意図的にグリル部分を閉じる「アクティブ エア フラップ コントロール」も開発されました。グリルを調節することで空力性能を向上して走行性能と燃費を高めるもので、多くのモデルに採用されています。
BMWのキドニーグリルはどのように管理する?
キドニーグリルはBMWの顔でもある大切なパーツです。グリルが大型化したことで、より人目を引くようになりました。しかし、大型化したことにより汚れも目立つようになったため、今まで以上のメンテナンスが必要です。
ここでは、キドニーグリルのメンテナンス方法を紹介します。日頃から手入れをすることで、高級感のあるエクステリアがより輝くでしょう。
取り外して丸洗いや交換が行える
キドニーグリルは、整備工場に依頼しなくても自分で取り外せます。取り外し方法は以下の通りです。
1.ボンネットを開けて、バンパーのゴムシール(パッキン)を外す
2.バンパーの上部を固定しているネジをトルクスレンチで外す
3.バンパーを手前に引っ張り、できた隙間に手を入れてグリルのツメを外す
4.全てのツメを外し、外からグリルを取り外す
取り外すときの注意点は、フロント部分やグリル部分に傷が付かないように養生することと、無理やり外してツメを折らないようにすることです。1つでもツメが折れると、グリルを元に戻したときに不安定になります。2人以上で協力して外すと良いでしょう。
汚れを落としてきれいにする
キドニーグリルを毎回取り外して洗うのは大変です。日々メンテナンスし、汚れを落としましょう。キドニーグリルを傷つけないよう、柔らかい布やスポンジブラシなどを使い、汚れを落とすことをおすすめします。
細かい部分は、塗装用やボトル用などの細い柄が付いたブラシを軽く湿らせ、汚れを拭き取ると良いでしょう。汚れを落とした後は、撥水効果のあるスプレーを使用すると雨にぬれたときの水垢も防げます。
まとめ
キドニーグリルは、BMWの各グレード・モデルのイメージを印象付ける重要なパーツです。巨大化したグリルを採用した7シリーズやX7、4シリーズは、より強い存在感を放つモデルへと進化しました。
改良やモデルチェンジにより、さらに巨大化したキドニーグリルを採用する車種も増えると予想されます。シリーズによってグリルの形が異なるため、今後の進化をチェックし、お気に入りのモデルを見つけてみてはいかがでしょうか。
▼ライタープロフィール
田村陽子
自動車ライター
熊本県在住。これまで、国産車・輸入車・軽自動車・普通車など、20種類以上の車に乗った経験を活かしてクルマ系メディアでの執筆活動を行っている。車両整備士や車好きの友達が多く、情報交換により日々知識を向上している。
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