元祖!Z1から振り返るBMW Zシリーズの歴史
BMWの Z シリーズは、未来的で先進的なフォルムから注目された初代Z1をはじめとして、現在に至るまで多くのファンを魅了するシリーズとして知られています。BMWが販売したオープンカーと聞くと、Zシリーズを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、BMW Zシリーズの歴史についてご紹介します。シリーズの祖であるZ1から最新モデルのZ4までの足跡を見ていきます。BMW を代表するモデルのひとつでもあるZシリーズの魅力に触れてみましょう。Z4の中古車もご紹介しますので、お得に入手するチャンスを得られるかもしれません。
※目次※
・ZシリーズはBMWのオープンスポーツカーシリーズ。実験的なZ1からはじまり、現在もその血脈は受け継がれている
・ZシリーズはZ1以降Z3、Z4と進化を遂げている。スポーティな乗り心地と洗練されたデザインが特徴
・Zシリーズを購入するなら中古車がおすすめ!手ごろな価格の前世代車もチェックできる!
BMW Zシリーズの元祖!Z1とは?
BMW Zシリーズの土台を築いたZ1とはどのような車なのでしょうか。Z1の名前や外観は知っていても、詳細についてはよく知らない方もいるでしょう。ここでは、初代Z1の特徴や歴史についてご紹介します。ロードスターの名車シリーズの始祖について、深く知りましょう。
生産8万台のみのレアモデル
Z1が生産された時期は1989年~1991年の2年間のみで、生産台数は8万台とレアなモデルです。印象に残りやすい特徴的なビジュアルや知名度から、多く流通しているモデルに思えるかもしれませんが、実際のオーナーはあまり多くありません。
BMWでは四輪駆動モデルの開発も検討しましたが、計画は中止されたため現在のZ1の希少性に拍車をかける結果となりました。
Z1開発はBMWテクニック社によって1985年にプロジェクトが立ち上げられ、翌年1986年にプロトタイプとなるモデルが完成しています。SF映画に登場しても違和感がない先鋭的で未来を感じさせるようなデザインは、自動車業界に衝撃を与えました。
Z1の1日あたりの生産台数は6台程度であったといわれ、多くがハンドメイドであったことから1台にかかるコストが高く販売価格も高価となりました。高価な車に乗る方も限られたため、流通量が少なかったという背景があります。
日本では並行輸入車のみ販売
日本ではZ1は並行輸入車のみが販売され、正規輸入はされていません。並行輸入とは、業者が直接買いつけることを指します。日本に並行輸入された数は少ないため、国内の路上でZ1を見かける機会はほとんどないといえるでしょう。
イギリスなどではオンラインフォーラムも活発で、BMWの本国であるドイツから比較的簡単にパーツを調達できることから、Z1のサポートは拡大しています。しかし日本ではオーナーの少なさからメンテナンスが難しく、維持も困難であることが現状のようです。もしも正規輸入されていれば、現在の状況は変わっていたかもしれません。
コンパクトなボディサイズ
Z1のボディサイズは全長3,921mm×全幅1,690mm×全高1,227mmのコンパクトなつくりとなっており、これは世界中で人気となったマツダロードスターの初代モデルとほぼ同じサイズです。ロングノーズの伝統的な形状が特徴で、曲線を巧みに取り込んだ流麗なデザインは人目を惹くインパクトがあります。
ただしこのコンパクトなボディサイズを実現するには苦心していたようで、サイズを抑えるためにダッシュボードを小さくしなければならず、Z1にはエアコンも装備されていませんでした。ほかのモデルのパーツを流用してエアコンを装備したものもありましたが、この場合も暖房機能に関連する部品は取り付けられなかったといいます。
Z1のコンセプトは、後継モデルのZ3やZ4にもより洗練された形で受け継がれており、Zシリーズの顔として広く知られるようになりました。
1番の特徴は「上下するドア」
Z1のデザインで特徴的といえる点は、上下に開閉するドアでしょう。現在の車のパワーウィンドウに近い仕組みで、ドア部分がサイドシルに垂直に引き込まれてオープンするユニークな構造をしています。
このドアは、古式のロードスターの布製や金属製の着脱式ドアから着想を得たアイデアです。着脱式のドアはBMWのデザインとは親和性がよくなかったことから、このような形式になったといわれています。
当時はこのドアの上下幅の低さは異例ともいえ、ドアの高さに関係なく安全に走行できる性能が付与されていましたが、アメリカではドアを下げて走行することは違法と判断されました。ドアは基本的には電動で動作しますが、緊急時には手動での開閉も可能です。
Z1から見るBMW Zシリーズの歴史
BMWの代表的なロードスターモデルである Zシリーズの歴史はZ1からはじまりました。30年以上の歴史をもつZシリーズはどのような道のりをたどって今日にいたったのでしょうか。ここでは、Zシリーズの歴史を振り返り、その足跡をたどります。
BMWのZシリーズとは?
ZシリーズはBMWのオープンカーラインです。オープンスタイルの開放感とBMW色の強いスポーツチックな乗り心地が好評を得て人気シリーズとなりました。BMWの2シートオープンスポーツカーはすべてイニシャルにZの文字を冠しており、通常の乗用車やSUVと区分されています。
初代のZ1が発売された1990年代後期では2シートオープンカーの数が減少していたため、BMWはこの状況に一石を投じた形となりました。
ロングノーズ・ショートデッキとスモールキャビンという伝統的なスポーツカーのスタイルを伝承して、現行種の最新モデルまでその血脈を受け継いでいる伝統あるシリーズです。
Zシリーズの始まり「Z1」
シリーズ名にもなっている「Z」はドイツ語の「zukunft」の頭文字から取られています。「zukunft」はドイツ語で「未来」を意味し、さまざまな先進技術を積極的に盛り込んできたBMWの姿勢と意気込みが感じられる名前といえるのではないでしょうか。
初期に開発されたZ1は、少数生産で実験的な要素が強いモデルでした。当時の先端技術を盛り込んで開発され、好意的に見れば挑戦的な、否定的に見ればエキセントリックな車として完成しています。
コンセプトカーを販売しているのではないかといわれたほどの印象的な出で立ちは、注目を集めてBMWの名を広く知らしめることに大きく貢献しました。しかし実際には注文は伸びず、生産は2年で中止されています。
世界的ヒットとなった「Z3」
Z1の次に開発されたZシリーズであるZ3は、軽量級のオープンスポーツカーブームに触発される形で1997年~2003年にわたって生産されました。Z3はZ1とは異なり従来のBMWらしさを受け継ぐデザインが採用され、クラシックなオープンスポーツカーとして開発されています。
ロングノーズ・ショートデッキのレトロな外観のデザインには、ミュンヘン在住の日本人自動車デザイナーである永島譲二氏も携わりました。オープンカータイプに加えて、のちにクーペタイプのボディも追加されています。
開発のプラットフォームを3シリーズのコンパクトタイプと共有する派生モデルでもあり、BMWとしてはセミトレーリングアーム式リアサスペンションを採用した最後のモデルになりました。高級路線であったZ1とは異なり、Z3は手ごろな価格で販売されたこともあり大ヒット商品となったモデルです。
Z3の上位モデル「Z4」
Z4はZ3の上位モデルとして開発され、第1世代は2003年~2009年に生産されました。Zシリーズのデザインを受け継ぐボディの形状はロードスターまたはクーペの形式をとっています。2006年にはクーペモデルも追加されました。
Z3よりもボディサイズがひと回り大型化しており、エクステリアとインテリアはよりモダンチックで上質なデザインへと進化したものが装備されています。のちに直6エンジンから直4エンジンに換装したモデルも追加されました。
初期に生産されたモデルはソフトトップが電動式でしたが、手動式に変更され、マイナーチェンジ後には電動式で統一されています。
2009年~2016年に第2世代が展開され、2019年には最新モデルである第3世代が発売されました。第3世代の「G29」はベーシックな「sDrive20i」と排気量や最高出力が強化された「M40i」の2つのグレードが用意されています。
今なら手が届く!?Z4のおすすめ中古車
以前は高価で手が届きにくい価格で販売されていたZ4ですが、最近では比較的安価で購入できるようになりました。今まで購入の機会をうかがっていた方にとってはチャンスかもしれません。ここでは、中古で購入できるおすすめのZ4モデルをご紹介します。
BMW Z4 sDrive 20i スポーツ
基本スペック
- ・ボディタイプ:2ドアオープン・カブリオレ・コンバーチブル
- ・乗員定員:2名
- ・全長×全幅×全高:4,335 ×1,865 ×1,305(mm)
- ・車両重量:2,060kg
- ・ホイールベース:2,470(mm)
エンジン
- ・種類:直列4気筒DOHCターボ
- ・形式:B48B20B
- ・最大出力:145kW(4,500rpm)
- ・最大トルク:320N・m(1,450rpm~4,200 rpm)
- ・総排気量:1,998cc
- ・燃料タンク容量:52L
- ・使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
Z4のベーシック仕様であるsDrive 20iにスポーツパッケージを追加したモデルです。sDrive 20iとsDrive 20i Mスポーツの中間に位置するグレードで、sDrive 20iから「Mスポーツサスペンション」や「Mスポーツ用エアロパーツ」「ステアリングホイール」を追加してグレードアップされています。
インテリアに最新AI技術を盛り込んだ「BMW Intelligent Personal Assistant」を搭載し、音声だけでエアコンやナビなどのシステムをコントロールできます。
BMW Z4 sDrive 20i Mスポーツ
基本スペック
- ・ボディタイプ:2ドアオープン・カブリオレ・コンバーチブル
- ・乗員定員:2名
- ・全長×全幅×全高:4,335 ×1,865× 1,305(mm)
- ・車両重量:2,060kg
- ・ホイールベース:2,470(mm)
エンジン
- ・種類:直列4気筒DOHCターボ
- ・形式:B48B20B
- ・最大出力:145kW(4,500rpm)
- ・最大トルク:320N・m(1,450rpm~4,200 rpm)
- ・総排気量:1,998cc
- ・燃料タンク容量:52L
- ・使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
sDrive 20iに「Mスポーツサスペンション」などを加え、Mスポーツ仕様専用装備が追加されたことで走破性がさらに向上しています。日本ではMスポーツ系統の車の人気が高いため、リセールバリューの観点から有利な点も魅力です。
短期で乗り換えることを想定しているのであれば、購入価格が高くてもMスポーツを選択したほうがお得に乗り換えられるかもしれません。
(参考:『BMW Z4 sDrive 20i Mスポーツ』)
BMW Z4 sDrive 35i
基本スペック
- ・ボディタイプ:2ドアオープン・カブリオレ・コンバーチブル
- ・乗員定員:2名
- ・全長×全幅×全高:4,250×1,790×1,290(mm)
- ・車両重量:1,600kg
- ・ホイールベース:2,495(mm)
エンジン
- ・種類:直列6気筒DOHCツインターボ
- ・形式:N54B30A
- ・最大出力:225kW(5,800rpm)
- ・最大トルク:400N・m(1,300rpm~5,000 rpm)
- ・総排気量:2,979cc
- ・燃料タンク容量:55L
- ・使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
sDrive 35iは第2世代Z4の上位グレードモデルです。ベーシックモデルのsDrive 20iと比較して排気量や最高出力・最大トルクが上回り、変速機の仕様も変更されている点が特徴です。
Zシリーズ第3世代のG29が登場したことで型落ちとなり、以前よりも価格が下がっている点も魅力です。
(参考:『BMW Z4 sDrive 35i』)
BMW Z4 sDrive 35i Mスポーツ
基本スペック
- ・ボディタイプ:2ドアオープン・カブリオレ・コンバーチブル
- ・乗員定員:2名
- ・全長×全幅×全高:4,250×1,790×1,290(mm)
- ・車両重量:1,600kg
- ・ホイールベース:2,495(mm)
エンジン
- ・種類:直列6気筒DOHCツインターボ
- ・形式:N54B30A
- ・最大出力:225kW(5,800rpm)
- ・最大トルク:400N・m( 1,300rmp~5,000rmp)
- ・総排気量:2,979cc
- ・燃料タンク容量:55L
- ・使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
sDrive 35iのMスポーツバージョンです。sDrive 35iと最上位グレードであるsDrive 35isの中間に位置付けられています。よりMモデルに近づいたスポーティな仕様で、オプションのアダプティブMサスペンションも装備可能です。グレードを上げずにより足回りの性能にこだわりたい方におすすめです。
(参考:『BMW Z4 sDrive 35i Mスポーツ』)
まとめ
ZシリーズはZ1を始祖として、Z3を経て現行種のZ4まで続いているオープンスポーツモデルです。実験的なZ1を経てZ3が大ヒットし、より洗練されたZ4が開発された一連の流れが見て取れます。
ネクステージでは、BMWZシリーズも取り扱っています。Zシリーズに興味がある方は、ネクステージで現物を確かめてみてはいかがでしょうか。経験豊富なスタッフが親身にサポートいたします。Zシリーズに関するご質問など、ぜひネクステージへご相談ください。
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