タントとスペーシアの違いを解説!価格や機能でどちらがおすすめ?
広い室内空間を有し、スライドドアを採用したスーパーハイトワゴンは、軽自動車において人気のジャンルです。その中でもタントとスペーシアは人気車種です。では、両車の違いはどのような点にあるのでしょうか。購入して後悔しないためにも、それぞれの特徴を把握しておくことが大切です。
そこでこの記事では、タントとスペーシアの違いをデザイン面・機能面・性能面の3つに分けて解説します。どちらが自分に向いているかを把握し、失敗のない車選びをしましょう。
※目次※
・現行モデルのタントは4代目で、ミラクルオープンドアなど魅力的な機能や装備が備わっている。
・スペーシアはパレットの後継車で、後席の移住性が良く、全車にハイブリッドを採用。
・ファミリーカーとしては乗降性が優れたタント、収納スポットなどの使い勝手を求めるならスペーシアがおすすめ!
タントとスペーシアの基本情報
タントとスペーシアを比較する前に、それぞれの基本情報を押さえておきましょう。ここでは、両車の歴史に触れつつ、現行モデルの特徴を解説します。
グレード構成や現行モデルの新車価格も同時に紹介するので、参考にしてください。(以下は2024年5月時点の情報です)
ダイハツが生産する「タント」
タントはスーパーハイトワゴンという市場を切り開いた先駆者であり、初代は2003年に発売されました。2代目でミラクルオープンドアという画期的な機能を採用するなど、ダイハツの基幹車種として成長したモデルです。
現行型は4代目にあたり、歴代モデルの特徴を継承しつつプラットフォームを一新するなど、基本性能を高めています。
現行モデルのグレード構成と新車価格は、以下の表でチェックしてください。
グレード |
新車価格 |
Xターボ |
161万7,000円~ |
X |
150万7,000円~ |
L |
135万3,000円~ |
カスタムRS |
183万7,000円~ |
カスタムX |
174万9,000円~ |
上記のように、5つのグレードが展開されています。通常のタントが3グレードで、デザインの異なるカスタムが2グレードです。
(参考:『タント(ダイハツ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
スズキが販売する「スペーシア」
スペーシアは、スズキが2008年から2013年まで販売していた「パレット」と後継となるスーパーハイトワゴンの軽自動車です。
現行モデルは2023年11月にフルモデルチェンジした3代目にあたります。このフルモデルチェンジでは、デザインを一新しつつマルチユースフラップを採用するなど、後席の快適性を向上させた点が特徴です。
グレードはタントと同じく5つ用意されていますが、通常グレードが2つで、カスタムは3つの設定という点が異なります。グレード構成と新車価格は、以下の表をご覧ください。「S」を含むグレードがカスタムモデルです。
グレード |
新車価格 |
HYBRID G |
153万100円~ |
HYBRID X |
170万5,000円~ |
HYBRID XS TURBO |
207万3,500円~ |
HYBRID XS |
199万5,400円~ |
HYBRID GS |
180万1,800円~ |
(参考:『スペーシア(スズキ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
タントとスペーシアのデザイン面を比較
タントとスペーシアは、ともに通常モデルとカスタムモデルを設定しており、2つのデザインから選べます。この点からもライバル車種として意識し合っていることがうかがえるでしょう。ここでは、両車のデザイン面の特徴を解説しつつ、カラーバリエーションを紹介します。
エクステリアデザイン
通常モデルのタントは角が取れたようなスタイルで、左右のヘッドライトがグリルを通して一直線上となっており、愛着のあるデザインです。一方でタントカスタムは、どっしりとかまえたようなフロントマスクが特徴的で、大型のフロントグリルが目を引きます。
一方スペーシアは、通常モデルは愛嬌のあるデザインで、四角いヘッドライトが親しみやすさを感じさせます。そしてスペーシアカスタムはエッジがデザインで、グリルと一体化したようなシャープなヘッドライト形状が強い存在感を与えます。
それぞれのボディサイズについては以下をご覧ください。
モデル |
タント |
スペーシア |
全長【mm】 |
3,395 |
3,395 |
全幅【mm】 |
1,475 |
1,475 |
全高【mm】 |
1,755~1,775 |
1,785 |
(2024年5月時点の情報です)
インテリアデザイン
タントのインテリアは、グレーを基調としており、落ち着きのある居心地の良さにこだわったデザインです。エアコンルーバーのガーニッシュにアクセントカラーを施し、質感をアップさせています。タントカスタムは上質な大人の空間をコンセプトにしており、インテリアカラーはブラックです。
スペーシアのインテリアはブラウンをインパネやドアトリムに織り交ぜており、カジュアルな印象です。カスタムはブラック基調で、ボルドーのアクセントカラーが目を引きます。
それぞれの室内寸法については以下をご覧ください。
モデル |
タント |
スペーシア |
室内長【mm】 |
2,125 |
2,170 |
室内幅【mm】 |
1,350 |
1,345 |
室内高【mm】 |
1,370 |
1,415 |
(2024年5月時点の情報です)
カラーバリエーション
タントのボディカラーでは、ルーフがホワイトと淡い色合いのツートンカラーを2種類、モノトーンカラーを9種類用意しています。中でも、爽やかなアイスグリーンが人気色です。カスタムモデルは、ブラックのルーフを採用したツートンカラーが2種類用意されています。モノトーンカラーは7種類で、原色系のカラーが豊富です。
スペーシアでは、ベージュをルーフに配色したツートンカラーを4種類設定しています。モノトーンカラーは8種類で、落ち着いたカラーがそろっています。カスタムはルーフがブラックのツートンカラーを4種類と、7種類のモノトーンカラーがラインアップしており、大人っぽくクールな印象です。
(2024年5月時点の情報です)
タントとスペーシアの機能面を比較
買い物や通勤、子どもの送迎など日常使いが想定される軽自動車は、使い勝手が重要といえるでしょう。ここでは、快適装備・ラゲッジスペース・シートアレンジの3つの項目に分け、タントとスペーシアの機能面について解説します。
快適装備
タントの特徴的なポイントは、ミラクルオープンドアによる乗降性の良さと、高機能なスライドドアです。ミラクルオープンドアは助手席側の中央のピラーをドアに取り込むことで、開口部が広々としています。また、メーカーオプションのウェルカムオープン機能は、車両に近づくだけで自動的に解錠しスライドドアが開く機能です。
スペーシアは、後席にマルチユースフラップを装備しており、オットマンの機能や座席に置いた荷物の落下防止として使えます。また、後席に2人分のアームレストを備えている点もうれしいポイントです。
ラゲッジスペース
タントとスペーシアは軽自動車のため、ラゲッジスペースは広くありませんが、それぞれ使い勝手が工夫されています。タントの場合、上下2段式のデッキボードが便利です。上段にセットすることで、買い物カートからの荷物の積み込みが楽になり、下段へも荷物を積み込めます。
スペーシアの場合は、ラゲッジスペースからリアシートをスライドさせる機能があり、ストラップを引くだけでラゲッジスペースを拡張可能です。ただし、同様の機能がタントにも備わっています。
シートアレンジ
シートアレンジについては、両車とも大きな差はありません。左右独立したリアシートのシートバックを倒すことで、乗車スペースを確保しつつ、荷室を拡大できます。また、フロントシートのヘッドレストを外し、シートバックを後方に倒すことで、フルフラットにすることが可能です。
スペーシアについては、助手席の座面を前方へ移動させ、シートバックを前に倒すことで長物を積みやすくなっています。
タントとスペーシアの性能面を比較
車を購入する上で、性能を重視する方も多いでしょう。例えば、燃費性能が高ければ、維持費を安く抑えられます。また、操作性や安全性も重要です。タントとスペーシアで迷っている場合は、性能面もしっかりチェックすることをおすすめします。
燃費
タントとスペーシアには、それぞれ自然吸気エンジンとターボエンジンの2つのパワーユニットが用意されています。また、両車に設定されているトランスミッションは、シームレスに変速するCVTです。
燃費性能は、タントが19.6km/L~22.7km/L(WLTCモード)で、全車にハイブリッドシステムを採用しているスペーシアは19.8km/L~25.1km/L(WLTCモード)と高い燃費性能をほこっています。
操作性
タントとスペーシアは軽自動車規格のため、狭い道幅でも取り回ししやすく、操作性に大きな差はないでしょう。最小回転半径はタントが4.4m~4.7mで、スペーシアは4.4m~4.6mとほとんど変わりません。
安全性
自動車は走行中、常に危険が伴うため、購入前に安全性をチェックしておくことが大切です。タントとスペーシアは、どちらも衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能、アダプティブクルーズコントロールなどの予防安全機能をしっかり備えています。また、サイドエアバッグやカーテンエアバッグなど、衝突安全機能も標準装備です。
タントで特徴的なのはサイドビューランプで、曲がる方向をヘッドライトがしっかり照らしてくれます。スペーシアは、一部のグレードにヘッドアップディスプレイを設定しており、運転に必要な情報を少ない視線移動で確認可能です。
タントとスペーシアはどちらがおすすめ?
車選びのコンセプトが定まっていない方もいるでしょう。ここでは、タントとスペーシアがどのような方におすすめなのか解説します。車を選ぶ基準は人それぞれですが、ライフスタイルに合った車種を候補にするとよいでしょう。
ファミリーカーとしてはタント
タントは、ミラクルオープンドアを採用しているため、後部座席への乗降性に優れています。小さなお子さんの乗り降りをサポートしやすく、助手席を前にスライドさせることで、チャイルドシートへのアクセスも簡単です。また、傘を広げた状態でも乗り降りしやすいため、雨の日にぬれにくい点もポイントです。
さらに、メーカーオプション設定されている運転席のロングスライド機能を選択することで、助手席側からも運転席へ乗り込めます。このような点から、ファミリーカーに向いているのはタントといえるでしょう。
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街中での日常使いならスペーシア
スペーシアは、全グレードにハイブリッドシステムを搭載しています。そのため、燃費性能が高く、通勤や通学などの日常使いに向いています。また、スペーシアは収納スポットやユーティリティー装備が豊富な点も特徴のひとつです。助手席のインパネボックスは、ティッシュ箱を収納するのに最適なサイズで、室内空間を効率よく利用したい方に最適でしょう。
また、助手席の座面の下に収納スペースが用意されており、フロントドアパネルの上部にも小さなポケットが用意されています。さらに、前席だけでなく後部座席にもUSB電源ソケットが備わっているので、使い勝手が良好です。
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タントやスペーシアと比較される軽自動車
スーパーハイトワゴンは軽自動車において人気ジャンルのため、他の自動車メーカーからも販売されています。ここでは、ホンダ車のN-BOXや日産車のルークスなど、3つのライバル車種を紹介するので、ぜひ検討してみてください。
ホンダ N-BOX
ホンダが販売するN-BOXは、タントとスペーシアの強力なライバルです。2023年10月にフルモデルチェンジし、3代目へと生まれ変わりました。シンプルでスッキリとした印象のエクステリアデザインで、インテリアはリラックスできる空間に仕上がっています。また低床設計のため、室内空間を最大限に有効活用できるでしょう。
(参考:『N-BOX(ホンダ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
日産 ルークス
スーパーハイトワゴンの軽自動車を検討している場合は、日産が販売するルークスも見逃せないモデルです。足を使用して開閉できるスライドドアなど、先進の機能を盛り込んでいます。
また、日産独自の運転支援システム「プロパイロット」が一部のグレードに設定されており、高速道路でアクセル・ブレーキ・ハンドルをアシストするため、運転の負担が軽減されます。
(参考:『ルークス(日産)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
日産 デイズ
タントやスペーシアなど、スーパーハイトワゴンではありませんが、日産デイズも魅力的な軽自動車です。デイズも運転支援システム「プロパイロット」が一部のグレードに設定されています。
全高が抑えられており、安定感のあるスタイルで、スポーティなフロントマスクが特徴です。スライドドアが必要ない方は、検討してみると良いでしょう。
(参考:『デイズ(日産)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
まとめ
タントとスペーシアで迷っている場合は、デザインや機能、そして性能を比較するとよいでしょう。ただし、どちらにも良しあしがあるので、自分自身の中で重要となる要素を決めておくことが大切です。
タントは助手席側の乗降性が良好なので、小さなお子さんがいる方におすすめです。そしてスペーシアは収納スポットが多く日常使いに向いており、後部座席の居心地が良いため同乗者も快適に過ごせます。その他のライバル車とも比較して、自分に合った車種を見つけましょう。
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【この記事の執筆者】
小波津健吾
高山自動車短期大学を卒業とともに国家2級整備士資格を取得。その後、整備士として実務経験を積み重ね自動車検査員資格を取り、民間工場で検査員として従事した経歴を持つ。現在はメカニックや検査員の知識と経験を活かし、主に車系のメディアで執筆している。
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