トヨタの軽自動車「ピクシスシリーズ」とは?6車種の特徴をご紹介
トヨタは軽自動車の製造設備を保有しておらず、ダイハツからOEM供給を受けてピクシスシリーズとして販売しています。軽自動車の購入を検討している方の中には、ピクシスシリーズの特徴や購入方法を知りたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ピクシスシリーズ全6車種の特徴とスペックの紹介します。燃費と新車・中古車価格も紹介ますので、購入を考えている方はぜひ参考にしてください。
※目次※
9.トヨタの軽自動車にはコペンGR SPORTもラインアップしている!
・「ピクシスシリーズ」はトヨタが販売する軽自動車で、軽自動車の開発製造に強みを持つダイハツからOEM供給を受けている。
・ダイハツのベース車の生産終了により販売終了したモデルは中古車として購入可能。
・コンパクトで運転のしやすい車種から、仕事でつかるトラックやバンまで幅広い選択肢がある。
トヨタの自動車「ピクシスシリーズ」とは何?
トヨタが販売する軽自動車シリーズ「ピクシスシリーズ」は、自社製品ではありません。他のメーカーからOEM供給を受けて販売しています。ここでは、OEMの概要やピクシスシリーズの車種、ピクシス以外のOEM車を紹介しますので参考にしてください。
トヨタが立ち上げたダイハツのOEMブランド
トヨタがダイハツから軽自動車のOEM供給を受けて販売しているのが、ピクシスシリーズです。OEMとは「Original Equipment Manufacturing」の頭文字で、他のメーカーが製造した商品を自社商品として販売する事業形態を指します。
トヨタはダイハツからOEM供給を受けることで、さまざまな軽自動車をラインアップするようになりました。OEM車の基本性能は、ベース車から変更ありません。
ピクシスシリーズは6車種ある
ピクシスシリーズには「ピクシス エポック」「ピクシス ジョイ」「ピクシス メガ」「ピクシス スペース」「ピクシス バン」「ピクシス トラック」の6種類があります。以下は、それぞれのOEM先の情報と販売開始時期をまとめた表です。
トヨタで販売している車名 |
OEM元 |
販売開始時期 |
ピクシス エポック |
ダイハツ |
2012年5月~ |
ピクシス ジョイ |
2016年8月~ |
|
ピクシスメガ |
2015年7月~ |
|
ピクシス スペース |
2011年9月~ |
|
ピクシス バン |
2011年12月~ |
|
ピクシス トラック |
トヨタが販売しているOEM車は他にもある
トヨタがラインアップしているOEM車は、軽自動車だけではありません。下記は2022年7月現在、販売しているOEM車です。
トヨタで販売している車名 |
OEM元(車名) |
販売開始時期 |
タウンエース |
ダイハツ(グランマックス) |
2008年1月~ |
パッソ |
ダイハツ(ブーン) |
2016年4月~ |
ライズ |
ダイハツ(ロッキー) |
2019年11月~ |
ルーミー |
ダイハツ(トール) |
2016年11月~ |
ダイナ |
日野(デュトロ) |
2011年6月~ |
トヨタが軽自動車を自社製造しないのはなぜ?
トヨタブランドの軽自動車はトヨタの販売店で購入できますが、自社製造はしていません。軽自動車の開発・製造にを新規参入するには敷居が高く、軽自動車の製造設備と知見を持つダイハツを子会社化したのが理由のひとつです。ここでは、トヨタがなぜ軽自動車を自社製造しないかを詳しく解説します。
軽自動車開発の敷居が高いため
トヨタは軽自動車の製造経験がなく、自社で製造する場合は設計や製造ラインをゼロから立ち上げなければなりません。製造設備には多額の投資が必要になり、設計や製造工程の知見もないことから、競争力のある車を販売するまでには時間がかかります。
軽自動車は普通乗用車と比べて利益率が低く、投資に対する効果を上げにくいことも理由のひとつです。多額のリソースを投入して自社生産するよりも、OEM供給を受けて自社ブランドで販売する方がメリットが大きいと判断したと考えられます。
ダイハツが子会社化しているため
2010年にトヨタはダイハツから軽自動車のOEM供給を受けることに合意し、2016年には株式交換によりダイハツを完全子会社化しています。トヨタは、世界的に需要増加が見込まれる小型車市場での競争力を強化するため、ダイハツの持つ開発力や生産技術を取り入れました。
トヨタは自社で新規に製造を行う必要がなくなり、小型車の製造に強みを持つダイハツにトヨタの技術や知見も生かしながらOEM供給を行っています。
【トヨタの軽自動車】ピクシス スペース
ピクシス スペースは直線を基調としたエクステリアデザインが特徴です。ドアは約90度まで開くため、荷物の積み降ろしだけでなく、妊娠中の方でも楽に乗り降りできます。16カ所ある収納スペースも、ピクシス スペースの魅力です。
(参考:『ピクシス スペース(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
2017年に生産終了している
トヨタは、ピクシススペースをダイハツのムーヴコンテやムーヴカスタムのOEM車として、2011年9月から販売開始しました。ダイハツから初めてOEM供給を受けた、記念すべき軽自動車です。
OEM元のムーヴコンテが2017年3月に販売を終えるため、ピクシス スペースも2017年1月に生産を終了しました。
個性豊かなバリエーションが用意されている
ダイハツの「ムーヴコンテ」をベースとしたピクシス スペースは、660ccの「KFエンジン」と「 KFインタークーラーターボ付エンジン」の2種類を搭載しています。グレード展開は、標準仕様の「X」「L」、カスタム仕様の「G」「X」「RS」の全5種類です。
2,490mmの長いホイールベースにより、室内長は2,000mmもあります。余裕のある室内高と室内幅と合わせて、大人4人でもくつろげる広い室内空間を実現しました。
カスタムモデルは、メッキフロントグリルやエアロバンパーなどを装備し、標準仕様とは違った存在感を味わえます。
車体寸法(全長×全幅×全高・mm) |
3,395×1,475×1,640~1,655 |
室内寸法(長さ×幅×高さ:mm) |
2,000×1,335×1,350 |
JC08モード燃費(km/L) |
23.0~27.6 |
新車価格 |
115万7,143~166万2,172円 |
中古車価格 |
29万9,000円~74万9,000円 |
(2024年1月時点の情報です)
【トヨタの軽自動車】ピクシス エポック
ピクシス エポックのベース車は、ミライースです。全高が低めで、立体駐車場の利用にも困りません。エンジンとCVTの効率を高め、新開発の軽量高剛性ボディなどにより軽量化が進んだことで優れた燃費性能を実現しています。
(参考:『ピクシス エポック(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
エントリーモデルでも先進安全性能が備わっている
ピクシス エポックのグレードの半数以上に、衝突回避支援システム「スマートアシストIII」が備わっています。
スマートアシストIIIに含まれているのは、前方の車や歩行者を検知し衝突回避をサポートする機能や、踏み間違えによる事故を防ぐ「誤発信抑制制御機能」などです。運転に慣れていない方や年配の方でも安心して運転できるでしょう。
軽自動車ならではの低燃費・低価格を実現
高い安全性能に加え、小回りの利きやすさと燃費に優れている点も、ピクシス エポックの魅力です。下記のスペックを参考にしてください。
車体寸法(全長×全幅×全高・mm) |
3,395×1,475×1,500~1,510 |
最小回転半径(m) |
4.4 |
WLTCモード燃費(km/L) |
23.2~25.0 |
新車価格 |
86万200円~136万4,000円 |
中古車価格 |
39万9,000円~109万9,000円 |
(2024年1月時点の情報です)
【トヨタの軽自動車】ピクシス ジョイ
キャストをベースとしたピクシス ジョイは、狭い道でも快適に走れるコンパクトなデザインですが、リアシートをスライドして荷室容量を柔軟に変更できる特徴があります。フロントシートのヒップポイントが低いため、頭上にはゆとりがあり圧迫感を感じません。特に斜め上の視界が広がり、視認性が向上しました。
(参考:『ピクシス ジョイ(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
メッキパーツが目に留まるクラシカルなデザイン
ピクシス ジョイは、SUVらしい雰囲気を放つグレード「C」や、スポーティーな装備が魅力のグレード「S」をラインアップしていました。2020年3月に各グレードを廃止してグレード「F」に一本化し、2023年6月に生産を終了しました。
バンパーモールやサイドロッカーモールなど、随所にメッキ装飾を施したクラシカルデザインが特徴で、上品で洗練した印象を与えます。グレードFのボディカラーは、ブラックマイカメタリックやファイアークォーツレッドメタリックなど標準の4色に加え、オプションでパール系やマルーン系のカラーも選択可能です。
遠出したくなる装備が充実している
ピクシス ジョイは、衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」を装備しています。前方の車や歩行者を検知し、状況に応じて警報や自動で緊急ブレーキをかける機能です。
車線からのはみ出しを警告する機能、ペダルの踏み間違えによる誤発進を抑制する機能など、ドライバーを多面的に支援する機能が充実しています。ピクシス ジョイの基本スペックと中古車価格は以下の通りです。
車体寸法(全長×全幅×全高・mm) |
3,395×1,475×1,600 |
最小回転半径(m) |
4.7 |
WLTCモード燃費(km/L) |
18.5~21.0 |
新車価格 |
131万4,500円~144万1,000円 |
中古車価格 |
97万9,000円~129万9,000円 |
(2024年1月時点の情報です)
【トヨタの軽自動車】ピクシス メガ
ピクシス メガのベース車は、ウェイクです。軽自動車とは思えない、全高の高いボディーを生かした特徴が魅力です。腰への負担をかけずに荷物の積み降ろしができたり、ミニバンのような高い位置から周囲を見渡せたり、さまざまなメリットがあります。
(参考:『ピクシス メガ(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
日常使いからアウトドアまで幅広く使える
ピクシス メガは、全5種類の多彩なシートアレンジが可能です。助手席はヘッドレストを外して前方へ倒すことで、テーブルとしても利用できます。ソファでくつろいでいるような、フロントシートから後方へフラットにするアレンジも可能です。ロングドライブの休憩などの場面で重宝するでしょう。
リアゲートを開けると、高さ1,140mmの開口部から荷室へアプローチできます。背の高い荷物を積みたいときなど、アンダートランクを活用すれば荷室高さが1,485mm(2WD車)まで拡張できるため便利です。
ハイトワゴンでも小回りの利きやすさは抜群
ダイハツは、ウェイクの生産を2022年8月に終了しています。それに伴い、ウェイクのOEMであるピクシス メガも生産を終了し、新車販売はなくなりました。
全高が1,835㎜の広い室内空間と大きな荷物も載る荷室スペースを持ちながらも、最小回転半径が4.4mと小回りが利くワゴンに魅力を持つ方もいるでしょう。下表はピクシス メガのスペックと中古車価格です。
車体寸法(全長×全幅×全高・mm) |
3,395×1,475×1,835 |
最小回転半径(m) |
4.4 |
WLTCモード燃費(km/L) |
16.1~17.4 |
新車価格 |
137万7,200円~183万1,500円 |
中古車価格 |
97万9,000円~157万9,000円 |
(2024年1月時点の情報です)
【トヨタの軽自動車】ピクシス バン
ピクシス バンのベース車は、ハイゼットカーゴです。荷物を効率的に運ぶだけでなく、車中泊用としても人気があります。「働く」を支えるための、快適装備も魅力です。ここでは、ピクシス バンの2つの魅力を紹介します。ぜひ参考にしてください。
(参考:『ピクシス バン(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
他の軽自動車を圧倒する荷室容量
ピクシスバンの魅力のひとつは、他の軽自動車バンよりも優れた荷室容量を備えている点です。ビールケースなら36ケース、みかん箱なら68箱を積める能力があります。
荷室へアクセスするスライドドアは、両側共に開閉が楽なパワースライドドア仕様です(メーカーオプション)。一部グレードには、イージークローザーを採用した両側スライドドアが備わっています。
仕事をサポートする充実の機能
ピクシス バンは、荷物の積み下ろしに便利な機能が充実しています。両側パワースライドやイージークローザーに加え、両手に荷物を持った状態でも後部ドアが開けられるウェルカムオープン機能も搭載可能です。降車時に予約ボタンを押し、鍵を持ったまま車に近づくだけでスライドドアが自動解錠・オープンします。
後部に荷物が満載で後方が確認しづらい場合に、後部カメラをインナーミラーに映し出すスマートインナーミラーも利用可能です。
日々の仕事の効率を上げ、快適にするピクシス バンのスペックは、下表を参考にしてください。
車体寸法(全長×全幅×全高・mm) |
3,395×1,475×1,890 |
最小回転半径(m) |
4.2 |
WLTCモード燃費(km/L) |
14.7~15.6 |
新車価格 |
112万2,000円~145万2,000円 |
中古車価格 |
49万9,000円~132万9,000円 |
(2024年1月時点の情報です)
【トヨタの軽自動車】ピクシス トラック
ピクシス トラックは、ハイゼットトラックがベース車です。トップクラスの積載能力があるだけでなく、衝突回避や踏み間違えを防ぐ先進安全装備「スマートアシスト」も備わっています(一部グレード)。仕事に使う年配の方でも安心して運転できるでしょう。
(参考:『ピクシス トラック(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
白以外も選べるボディーが魅力!
軽自動車のトラックは、ホワイトのボディカラーを見かける機会が多いのではないでしょうか。
ピクシス トラックはホワイトやシルバーなどの定番カラーをはじめ、メーカーオプションで選べる鮮やかなボディカラーをラインアップしています。メーカーオプションでは、オフビート カーキメタリック・トニコオレンジメタリック・ブラックマイカメタリックの選択が可能です。
錆(さび)への対策も施されている
ピクシス トラックは、高い防錆性能を備えています。アッパーボディの塗装は、亜鉛の特性を生かして内側の鉄分のさびを防ぐ防錆鋼板(亜鉛メッキ鋼板)です。
また、強力な防錆効果のあるカチオン電着塗装を含む3層塗装により、塩害や融雪剤が原因のさびも防ぎます。ピクシス トラックのスペックは、下表を参考にしてください。
車体寸法(全長×全幅×全高・mm) |
3,395×1,475×1,780 |
荷台寸法(長さ×幅×高さ・mm) |
1,940×1,410×285 |
最小回転半径(m) |
3.6 |
WLTCモード燃費(km/L) |
15.6~16.5 |
新車価格 |
102万3,000円~128万7,000 |
中古車価格 |
在庫なし |
(2024年1月時点の情報です)
トヨタの軽自動車にはコペンGR SPORTもラインアップしている!
トヨタの軽自動車の中には、コペンもあります。ダイハツで販売しているノーマル仕様のコペンと同じではありません。
トヨタがラインアップしているコペンはGR SPORT仕様です。コペンGR SPORTの特徴と魅力を見てみましょう。
(参考:『コペン(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
GRシリーズはトヨタのスポーツブランド
トヨタは世界中のさまざまなレースに参戦しています。過酷なレースで培った技術を結集させ、誕生したのが「GR」と呼ばれるスポーツカーブランドです。
GRシリーズはカスタマイズのレベルに応じて、ベーシックモデルの「GR SPORT」とハイエンドモデルの「GRMN」、その間に存在する「GR」に分類されます。
パワートレインには手が加えられていません。足回りのチューニングやボディー剛性アップなどに、GRブランドの魅力があります。
GR SPORTならではの装備が心を躍らせてくれる
ダイハツで扱われている、ノーマル仕様のコペンにはない装備が魅力です。例えば、シートにはGR SPORTのロゴを刺しゅうした専用のレカロシートを採用しています。
MOMO製の革巻きステアリングホイールは、操作フィーリングを高めるグリップ形状の設計で、操る楽しさを味わえるでしょう。足回りはBBS製の16インチアルミホイールが目立ちます。足元からスポーティーな印象を与え、見るたびに心が踊るでしょう。
まとめ
トヨタは軽自動車を自社製造していないため、ピクシスシリーズはダイハツからOEM供給を受けて販売しています。ピクシスシリーズには幅広い軽自動車があり、コンパクトで運転しやすいながらも、広い室内スペースや高い安全性能装備を有しているのが特徴です。
生産中止となったモデルもありますが、中古車市場で購入できます。仕事用途にも使えるピクシス バンやピクシス トラック、さらにはコペンGR SPORTもあり、選択肢は豊富です。軽自動車の購入を考えている方は、中古車も検討すると良いでしょう。
▼ライタープロフィール
田村陽子
自動車ライター
熊本県在住。これまで、国産車・輸入車・軽自動車・普通車など、20種類以上の車に乗った経験を活かしてクルマ系メディアでの執筆活動を行っている。車両整備士や車好きの友達が多く、情報交換により日々知識を向上している。
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