試乗車の購入は本当にお得?メリット・デメリットやチェックポイントを解説
予算や納期に悩みがちな新車ではなく、試乗車の購入を検討している人もいるのではないでしょうか。試乗車は新車よりも安く、すぐに乗れるのが魅力ですが、注意すべき点があることも忘れてはいけません。
この記事では、試乗車購入のメリットとデメリットを徹底的に解説し、価格と品質のバランスを探っていきます。試乗車の定義や特徴から、購入前に知っておくべき重要ポイントまで、詳しく見ていきましょう。
※目次※
・試乗車は新車価格から10%~20%割引で購入でき、納期も短いため、予算と時間を重視する人に適している。
・試乗車は、一般的にディーラーによる定期的な整備点検が実施されており、走行距離も少なく、車両状態が良好に保たれている。
・試乗車は、高グレードモデルやオプションが充実している半面、カラーや仕様の選択肢が限られ、シートなどに軽度の使用感がある可能性がある。
試乗車は購入できる?定義と特徴をチェック
試乗車とは、販売店が商談時の試乗用として使用する車両を指します。一般の展示車や登録済未使用車とは、異なる特性を持っているのが特徴です。まずは、試乗車の概要や特徴、展示車・登録済未使用車の違いなどについて見ていきましょう。
購入可能?試乗車の定義
試乗車は、ディーラーが顧客に実車体験を提供するために用意する特別な車両です。新車登録済みでナンバープレートが付いているため、公道走行が可能となっています。
一般的な中古車よりも年式が新しく、走行距離も少ないのが大きな特徴です。多くの場合、約1年間の試乗用として使用された後、中古車として販売されます。
基本的にはディーラーによる定期的な整備点検も行われているため、車両状態は良好な状態に保たれているでしょう。
購入可能な試乗車と展示車・登録済未使用車の違い
各車両タイプの主な特徴は、以下の通りです。
・試乗車:実際の試乗に使用され、一定の走行距離と軽度の使用感がある
・展示車:ショールーム展示が中心で、走行距離はほとんどないが、内装に使用感がある
・登録済未使用車:登録は完了しているが、実質的な使用がなく新車同様の状態
価格帯は一般的に、新車・登録済未使用車・展示車・試乗車の順に高くなっており、予算と用途に応じて最適な選択ができます。
購入可能な試乗車の一般的な使用状況と走行距離
試乗車は通常、6か月〜1年程度の使用期間を経て販売されます。走行距離は数百km~5,000km程度となっており、一般の中古車と比較すると少ないでしょう。
短時間の試乗による使用が中心となるため、エンジンなどの機械部分への負担は少なめです。ただし、頻繁な乗り降りにより、シートやハンドルなどの内装部分には使用感が生じる可能性があります。
法定点検や定期メンテナンスは基本的に実施されているため、機械的な状態は良好です。購入を検討する際は、整備記録と実際の車両状態を確認することをおすすめします。
試乗車購入のメリットとは?
試乗車購入は、新車より安価で納期も短いのが魅力です。また、低走行距離で状態が良く、ディーラー管理による安心感も備えています。ここでは、試乗車購入のメリットについて具体的に見ていきましょう。
【試乗車購入のメリット.1】新車よりもお得な価格設定
試乗車は、新車価格から10%~20%程度割引された価格で購入できるのが大きな魅力です。例えば、新車で300万円の車両であれば、240万円~270万円程度で入手できるでしょう。
この価格差が生まれる理由は、試乗車が登録済みの「中古車」扱いとなるためです。とはいえ、走行距離が少なく新車に近い状態であり、さらに高グレードモデルやオプションが充実していることも少なくありません。
具体的な価格設定は、車種や使用状況によって変動するので、個別に確認するのがおすすめです。
【試乗車購入のメリット.2】短納期で早く乗り出せる
新車は、人気車種や特殊なオプションを選択すると、納期が数か月~半年以上必要となる場合があります。一方、試乗車は既に登録済みで即時使用可能な状態にあるため、最短1週間程度で乗り出せるでしょう。
見積もりから契約、納車までの時間を大幅に短縮できる点が魅力といえます。急な車の買い替えが必要な場合や、新車の発売から間もない人気モデルの早期入手を希望する場合には、特に効果的です。
【試乗車購入のメリット.3】充実した装備と高グレードの選択肢
試乗車は、顧客へのアピールを重視するため、以下のような充実の装備が標準搭載されているケースが多いのが特徴です。
・高性能ナビゲーションシステム
・先進的な安全装備
・高級感のある内装仕様
新車で同様の装備を選択する場合と比較すると、より経済的に充実した仕様の車を手に入れられます。ただし、カラーや細かい仕様の選択肢は限定されるため、希望との一致を確認することが必要です。
【試乗車購入のメリット.4】低走行距離で状態の良い車両
試乗車は、主に短時間の試乗に使用されるため、エンジンやトランスミッションといった主要部品の摩耗は少ない傾向です。走行距離も数百km~5,000km程度と少なく、新車に近い状態を維持しています。
一方で、シートやステアリングなどの内装部分には、頻繁な使用による軽度の使用感が生じる可能性があるでしょう。購入検討時には、実際の使用状況を確認することが欠かせません。
【試乗車購入のメリット.5】ディーラー管理による安心感
ディーラー管理による安心感も、試乗車購入のメリットのひとつです。試乗車は一般的に、ディーラーによる定期的なメンテナンス・点検が実施され、履歴も詳細に記録されています。
外装や内装の清掃、機械部品の点検など、品質管理が徹底されているため、車両状態が良好に保たれているでしょう。また、ディーラーによる保証が付帯することも多く、購入後のトラブルにも迅速な対応が可能です。
試乗車購入のデメリットとは?
試乗車購入には、メリットだけでなくいくつかの注意点も存在します。ここでは、試乗車購入を検討する際に考慮すべき主なデメリットを確認しましょう。主なデメリットを把握し、試乗車購入の判断材料としてください。
【試乗車購入のデメリット.1】選択肢が限られる可能性
試乗車は、ディーラーが用意した特定のモデルや仕様に限定されるため、希望する車種やグレード、ボディカラーを自由に選べない場合が少なくありません。特にエントリーモデルは選択肢が少なく、中位~上位グレードが中心です。
また、人気カラーや最新オプション装備が搭載されていないケースもあります。登録済みの車両であることから、ナンバープレートの地域や番号も選択できないでしょう。
車選びにこだわりの強い人にとっては、これらの制限が気になるポイントとなるかもしれません。
【試乗車購入のデメリット.2】軽度の使用感が存在する場合も
多くの人が試乗することで、シートやステアリングに若干の擦れ・変色が生じる可能性があります。また、駐車時の小さな擦り傷や石はねによる微細な傷、タイヤの軽度な摩耗なども考えられるでしょう。
ただし、ディーラーは販売前に専門的なクリーニングや修復を行い、できる限り新車に近い状態に整備します。購入前には実車を入念にチェックし、使用感が許容範囲内かどうかを確認することが大切です。
【試乗車購入のデメリット.3】新車の魅力やオプション選択の制限
試乗車は既に装備が決まっているため、新車購入時のような自由なオプション選択ができません。最新のナビゲーションシステムや特殊なインテリアカラー、工場装着オプションの追加も困難です。
また、新車購入時に選べる特別仕様車や限定モデルなどの選択肢も制限されます。ただし、試乗車は一般的に高グレードモデルが多く、基本的な装備は充実している傾向です。
試乗車購入が向いている人・向いていない人
試乗車購入は、メリットとデメリットを十分に理解した上で判断する必要があります。購入を検討する際は、自身の状況や優先事項に合わせて慎重に選択することが大切です。以下で、試乗車購入の適性判断と購入前のチェックポイントを紹介します。
試乗車購入が向いている人
試乗車購入は、以下のような人におすすめです。
・価格を重視しつつ高品質な車を求める人
・納車を急いでいる人
・人気車種や最新モデルにいち早く乗りたい人
試乗車は新車より安価で、高グレードやオプションが充実した車両を入手できます。新車と異なり、すぐに乗り出せる可能性が高いので、納車を急いでいる人にも最適です。
試乗車購入が向いていない可能性がある人
以下のような人は、試乗車購入を慎重に検討する必要があります。
・車の状態に強いこだわりがある人
・特定のカラーやオプションにこだわりのある人
・長期保有を考えている人
不特定多数の使用による微細な使用感が気になる可能性があり、新車の「誰も乗っていない」状態を重視する人には不向きです。仕様が既に決まっていることから、好みの装備を自由に選べません。
また、試乗車は既に登録済みのため、将来の売却時に「ワンオーナー車」として評価されにくい可能性が高いでしょう。
試乗車の購入タイミングと入手方法
試乗車の購入タイミングや入手方法は、通常の中古車とは大きく異なります。市場に出回る時期や探し方には特有のコツがあり、これらを把握することが重要です。ここでは、試乗車を効率的に探し、購入するためのポイントを紹介していきます。
試乗車を購入できる一般的な時期
試乗車は新車登録から6か月~1年後に、中古車として販売されるのが一般的です。特に新型車発売時期には、それまでの試乗車が不要となるため、中古車市場に多く出回る傾向があります。
ただし、実際の販売時期は、車種の人気や販売店の状況によって変動するでしょう。人気車種では試乗車の需要が高く、早めに販売される可能性もあるので、定期的にディーラーへ問い合わせることをおすすめします。
購入可能な試乗車を探す方法
試乗車を見つけるには、以下の方法を組み合わせるのが効果的です。
・ディーラーへの直接の問い合わせ
・自動車メーカーのWebサイトにある試乗車検索システムの活用
・中古車情報サイトの試乗車専門コーナーのチェック
新車の発売時期や決算期は、試乗車が入れ替わる可能性が高いため、タイミングを見計らってディーラーに問い合わせるとよいでしょう。
また、自動車メーカーのWebサイト活用では、希望の車種や地域を指定して、近隣のディーラーにある試乗車を簡単に探せます。中古車情報サイトの中には、試乗車・展示車を専門に扱うコーナーがあり、全国の情報を一括で確認可能です。
ディーラーでの試乗車購入の流れ
試乗車購入は、まずディーラーへの問い合わせから始まります。一般に公開されていないケースもあるため、早めの確認が重要です。実車確認では、車両状態や装備を入念にチェックしましょう。
契約が成立したら、支払いを済ませて納車となります。既に登録済みの車両なので、納期は新車より短いのが一般的です。購入前に、アフターサービス・保証内容も確認しておきましょう。
試乗車購入前のチェックポイントと注意事項
試乗車購入では、車両状態の詳細な確認が大切です。外装・内装の状態から整備記録、保証内容まで、しっかりとチェックする必要があるでしょう。ここでは、試乗車の購入を検討する際の、具体的なチェックポイントを紹介します。
【試乗車購入前のポイント.1】外装・内装のチェック項目
外装点検のポイントは、以下の通りです。
・ボディの傷やへこみ(特にドア、フェンダー周り)
・塗装の色むらや補修跡
・タイヤの摩耗状態とホイールの傷
内装チェックでは、下記に注目しましょう。
・シートの擦れや汚れ、におい
・ステアリングやシフトノブの摩耗具合
・ダッシュボードやコンソールの傷
・天井やサンバイザーの汚れ
・各スイッチ類の動作確認
【試乗車購入前のポイント.2】走行テストで確認すべき項目
走行テストでは、以下の項目を重点的にチェックします。
・エンジンの始動音、加速時の振動や異音
・ブレーキの効き具合とハンドリングの安定性
・直進時のふらつきや急ブレーキ時の挙動
・ギアチェンジの滑らかさ
また、エアコンやナビ、オーディオなどの電装品の動作確認も忘れずに行いましょう。日常的な使用シーンを想定した運転で、違和感がないかを確認することが重要です。
【試乗車購入前のポイント.3】整備記録と保証内容の確認項目
整備記録簿では、以下の項目を確認することが重要です。
・定期点検の実施状況
・エンジンオイルやタイヤの交換時期
・重要部品の修理の履歴
また、保証内容もチェックしましょう。保証期間や対象部品、走行距離制限などの条件を詳細に確認し、新車保証の継承可否も確認することをおすすめします。
【試乗車購入前のポイント.4】試乗車の保険履歴と事故歴の確認方法
保険履歴と事故歴は、保険会社や自動車登録情報提供システム、ディーラーへの直接問い合わせで確認できます。事故歴がある場合は、修理範囲や品質を慎重に確認しましょう。
必要に応じて、車体のゆがみやフレームの損傷など、重大な事故の痕跡がないか専門家による確認も検討します。走行距離や整備記録と照らし合わせ、履歴の一貫性を確認することも大切です。
試乗車購入後のアフターサービスと注意点
試乗車購入後も安心して運転できるよう、アフターサービスの確認は欠かせません。保証内容やメンテナンス計画など、試乗車のサポート体制はどのようになっているのでしょうか。最後に、購入後の具体的なケアとサポート内容について説明していきます。
【試乗車購入後のポイント.1】保証・サービスの内容
一般の中古車同様、試乗車にも保証プランが用意されていることが多く、以下のようなサービスが提供される場合があります。
・定期点検や油脂類交換の無料メンテナンス
・24時間対応のロードサービス
・代車サービス
保証内容は、ディーラーや車種によって異なるため、具体的な期間や適用条件を詳しく確認しましょう。また、新車保証が残っている場合は、継承の可否も確認が必要です。
【試乗車購入後のポイント.2】メンテナンススケジュールの確認と計画
メンテナンスは、車両の長期的な性能維持に不可欠です。まず取扱説明書で推奨スケジュールを確認し、試乗車特有の使用状況を考慮した計画を立てましょう。
新車登録から1年程度経過している場合が多いため、最初の定期点検時期が近いこともあります。保証やサービスパッケージを最大限活用できるよう、点検時期や消耗部品の交換時期をあらかじめ把握しておくことが大切です。
【試乗車購入後のポイント.3】故障時の対応と修理サポート
故障発生時は、まずディーラーに連絡して保証内容を確認します。保証期間内であれば、無償修理が受けられる可能性があるでしょう。さらに、24時間対応のロードサービスが付帯していることも少なくありません。
また、保証期間外の故障に備え、延長保証や外部保険サービスの利用も検討しましょう。修理時には、試乗車としての使用履歴を考慮した適切な対応が受けられるよう、購入時の状態や使用状況をディーラーと共有することが重要です。
まとめ
試乗車購入には、価格の優位性や早期納車というメリットがありますが、車種・カラーの選択肢が限られ、使用感が気になるなどのデメリットもあります。
購入前には、車両状態や使用履歴を詳しくチェックし、アフターサービスの内容も確認しておくことが重要です。試乗車特有の特徴を理解した上で、自身のニーズや状況に合わせて判断することで、満足のいく選択ができるでしょう。
▼ライタープロフィール
鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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