中古車購入の手付金は必要?相場と支払いタイミング、返金の有無を解説
中古車を購入する際、手付金の存在に悩んでいませんか。幾ら支払えばいいのか、なぜ手付金は必要なのかなど、分からない人は多いでしょう。手付金の金額は中古車の価格によって異なり、支払うタイミングや方法も販売店によってさまざまです。
また、手付金に関するトラブルも少なくありません。この記事では、中古車購入時の手付金の相場や必要性、注意点などを詳しく解説します。手付金の基本知識からトラブル回避策まで、有益な情報が満載なのでぜひ参考にしましょう。
※目次※
・中古車購入の手付金は購入の意思表示となり、車両確保のために必要。
・中古車購入の手付金の相場は、車両価格に対して10%~20%程度が目安。
・中古車購入の手付金はキャンセルしても返金されない。
中古車購入における手付金の基本知識
中古車を購入する際、手付金について気になる人も多いでしょう。まずは、手付金とは一体何なのかを紹介します。
また、似たような言葉である頭金や申込金との違いも、把握しておくことが大切です。中古車販売店によっては、手付金の呼称が異なる点も押さえておきましょう。
中古車購入の際に払う手付金は購入の意思表示の証
手付金とは、中古車を購入する際に支払うお金のことで、購入意思を示すために販売店に預ける保証金のようなものです。
手付金が必要とされる理由は、買主が本当に購入する意思があることを証明し、販売店側が他の客に売ってしまわないよう確保するためといえます。つまり、手付金は「この車を買います」という意思表示の証となるわけです。
手付金を支払うことで、販売店は車を確保し、購入者は優先的に車を購入できる権利を得られます。
中古車購入の手付金と、頭金・申込金の違い
手付金と頭金・申込金は似ていますが、その内容は異なります。手付金は先述の通り、中古車購入の意思を示すために支払う保証金的なものです。対して、頭金は購入代金の一部として支払うもので、ローンの頭金になります。
申込金は、契約をする前の段階で支払うもので、契約が成立した場合は手付金・頭金に充当されることがほとんどです。また、申込金はキャンセルの際に、返金されるのが一般的である点も覚えておきましょう。
手付金は中古車販売店によっては「予約金」と呼ぶことも
中古車販売店によって、手付金の呼び方や条件が異なることがあります。例えば、「予約金」や「内金」などと呼ばれることもあるでしょう。
また、手付金の金額や支払い方法、返金の有無などの条件も、販売店ごとに違いがあるのが実情です。そのため、中古車を購入する際は、手付金についてよく確認することが大切といえます。
販売店の担当者に、手付金の名称・金額・支払い方法・返金の条件などを、詳しく聞いておきましょう。販売店との認識の違いによるトラブルを避けるためにも、手付金に関する事項は書面で確認しておくことをおすすめします。
手付金は3種類ある!中古車購入における手付金は?
中古車の購入を検討する際、手付金についての理解は欠かせません。ここでは、3種類の手付金の特徴と違いを詳しく解説します。
それぞれの手付金の内容を確認し、中古車の購入における手付金はどれなのか把握しましょう。トラブルのない中古車購入を実現するためには、手付金の違いを押さえておくことが必要です。
解約手付
解約手付とは、中古車購入の際に用いられることの多い手付金の一種で、契約を解除した場合に手付金が返還されないタイプのものです。つまり、もし気が変わって購入をやめたくなっても、一度支払った手付金は返金されません。
解約手付は、購入意思の確認と、万が一購入者が契約を破棄した際の損害補償の意味合いを持つのが特徴です。
例えば、購入者が手付金を支払った後に突然キャンセルした場合、売主は他の購入希望者を探すために時間と手間がかかります。解約手付は、そうした売主の損失を補填するための仕組みといえるでしょう。
違約手付
違約手付は、契約を履行しなかった場合に手付金が没収されるタイプのものです。例えば、購入者が代金の支払いを怠ったり、売主が車両の引き渡しを拒んだりした場合、相手方は違約金として手付金を没収できます。
この仕組みは、両者が契約を確実に履行するための、ペナルティとして機能しているのが特徴です。購入者にとっては、手付金を失うリスクがあるため、安易にキャンセルできません。一方、売主にとっては、違約手付を得ることで、契約不履行による損害を補填できます。
証約手付
証約手付は、中古車の売買契約ではほとんど用いられず、不動産取引で使われることが多い手付金の種類です。
証約手付の目的は、契約が成立したことを証明することにあります。不動産売買では、いつ契約が成立したのかが不明確なケースがあるため、手付金の授受によって契約成立の証とするわけです。
一方、中古車売買では契約書を取り交わすのが一般的で、書面で契約内容を明確にしてサイン・印鑑を押すことで、契約成立の証明としています。従って、中古車購入の際は証約手付ではなく、解約手付や違約手付が用いられるのが通例といえるでしょう。
中古車購入の手付金の相場
中古車の購入価格に対する、手付金の割合を見ていきましょう。また、手付金の金額は、どのように決まるのかも解説します。中古車を購入する際の手付金は、自分の予算と相場を把握した上で、希望する金額を伝えることが大切です。
中古車の手付金は購入価格の約10%~20%
中古車の購入価格に対する手付金の割合は、一般的に10%~20%程度が相場とされています。例えば、100万円の中古車を購入する場合、手付金は10万円~20万円程度が目安です。
ただし、この割合はあくまでも目安であり、販売店や車種、価格帯によって異なることも少なくありません。高額な中古車の場合、手付金の割合が低くなる傾向にあり、その逆も然りです。
手付金の金額は、購入意欲を示すバロメーターとして販売店側が判断材料とするため、ある程度の金額が必要とされるでしょう。
中古車購入時の手付金の金額は販売店側が設定するもの
手付金の金額は、基本的に販売店側が設定します。300万円の中古車なら30万円から60万円程度が相場ですが、これは販売店の判断で決められるのが一般的です。
販売店は、購入者の購入意欲の強さを測るために、一定の金額を手付金として求めます。ただ、金額が高すぎれば購入者の負担になってしまうので、双方が納得する金額に収めてくれることも少なくありません。
また、一定額以上なら幾らでもOKとする販売店もあるようです。手付金の金額に関する方針は販売店によって異なるので、中古車を購入する際は、各販売店の手付金の条件を確認しましょう。
中古車購入の手付金の支払いタイミングと方法
中古車の手付金について、支払いのタイミングと方法を解説します。支払い方法は現金が主流ですが、クレジットカードや振込を選べる販売店も少なくありません。
また、手付金の領収書と契約書は、トラブル防止のためにも受け取り、大切に保管しましょう。中古車購入時の手付金の正しい知識を持つことで、スムーズに取引を進められます。
中古車購入の手付金は契約時に支払う
手付金を支払うタイミングは通常、購入を決定し売買契約書へサインしたときに、いくらかの前払いの意味を込めて手付金の支払いを求められます。
手付金は、車両代金の一部として扱われ、残りの代金は後日支払うのが一般的です。手付金の支払いによって、購入の意思が明確になり、販売店は車両を確保します。
なお、手付金の支払いタイミングや条件は販売店によって異なる場合があるので、事前に確認しておくのがおすすめです。
中古車購入の手付金の支払い方法
手付金の支払い方法には、現金・クレジットカード・銀行振込などがあります。現金払いが一般的ですが、クレジットカードや振込を選択できる販売店もあるので、自分に合った方法を選びましょう。
ただし、クレジットカードや振込の場合、手数料がかかることがあるので注意が必要です。また、支払いの証拠を残すために、領収書や振込明細書は大切に保管しておきましょう。
手付金の金額は高額になることもあるので、クレジットカードの限度額にも気を付ける必要があります。また、振込の場合は、1日の振込限度額が設定されている場合もあるでしょう。
支払い方法によっては、手続きに時間がかかることもあるので、余裕を持って準備するのがおすすめです。
中古車購入の手付金の領収書や契約書の重要性
手付金を支払うときには、領収書・契約書が大切になります。トラブルが発生した際の、重要な証拠となるためです。
領収書には、手付金の金額や支払い日、販売店名などが記載されます。一方、契約書には車両情報や売買条件、手付金の取り扱いなどが明記されているでしょう。
これらの書類は、後々のトラブルを防ぐために欠かせません。例えば、「手付金を支払ったのに車両が納車されない」といった事態が発生した場合、領収書や契約書があれば、法的な対応を取りやすくなります。
また、手付金の返金条件などを事前に確認し、書面に残しておくことも大切です。口頭での約束は、証拠としては不十分といえます。トラブルを未然に防ぐためにも、手付金の支払い時には領収書と契約書を受け取り、大切に保管しておきましょう。
中古車購入の手付金の注意点
中古車の手付金は返金されるのか、気になる人は多いでしょう。また、手付金を巡るトラブル事例に触れた上で、トラブル回避のための対策も紹介します。中古車購入時の手付金トラブルを、未然に防ぐためのポイントを押さえておくことが大切です。
中古車購入の手付金はキャンセルしても返金されない
原則として、手付金はキャンセルしても返金されません。手付金は、契約締結時に前払いとして支払うものであり、キャンセルの際にはキャンセル料として扱われるためです。
しかし、例外的に返金される場合もあるでしょう。例えば、販売店側の都合でキャンセルとなった場合や、納車後に車両に重大な瑕疵(かし)が見つかった場合などです。
ただ、このようなケースはあまりないので、「手付金は返金されない」と考えておくのが無難といえます。なお、契約締結前の申込金であれば、基本的に返金されるので覚えておきましょう。
個人売買はトラブルの可能性がある
オークションやフリマ、知人などとやりとりを行う個人売買は、トラブルが起きる可能性が高い傾向です。手付金以外にも、トラブルを招く可能性が高いことを理解しておきましょう。
個人売買において、手付金は基本的に買い手と売り手の双方の話し合いによって決まるため、必ずしも必要ではありません。金額に関しても、相談の上で決まることがほとんどです。
ただし、個人売買では手付金の効力が弱く、確保したつもりの中古車が他の人に売られるリスクもあるでしょう。
例えば、中古車を50万円で購入するために1万円の手付金を支払ったものの、別の人がその中古車を60万円で購入することとなり、売り手側が売買取引を反故にするケースが挙げられます。
結果的に金銭面での損はしませんが、本当に欲しいと思っていた中古車を逃すことになりかねません。また、手付金を事前に支払った場合は、返金されないトラブルが起こる可能性もあるため、個人売買に関しては十分に注意が必要です。
個人売買は、珍しい車・安い車に出会える確率は高いものの、難易度・リスクも比例して大きくなります。不慣れな場合は、中古車販売店での購入を選択するのが賢明です。
中古車はクーリング・オフの適用除外
クーリング・オフ制度は、一定期間内に手続きをすることで契約解除ができるシステムです。しかし、中古車をはじめとする自動車は、よく検討して購入する商品であると考えられているため、クーリング・オフの対象外とされています。
「一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会」では、自動車における契約成立日を、以下の3つのうち「いずれか早い日」と定めているので覚えておきましょう。
・購入者の名義に変更がされた日
・販売車が購入者の依頼に基づく修理改造架装に着手した日
・車両が購入者に引き渡された日
キャンセルを希望する場合は、上記より以前に限り可能であるため、契約後すぐであればキャンセルできるケースも考えられます。ただし、契約後何かしらの動きがあった場合は難しいでしょう。
場合によっては、損害賠償などの問題に発展することも考えられるため、契約締結は慎重に行うことが望ましいといえます。
手付金なしで中古車を購入する方法
最後に、手付金なしで中古車を購入する方法について、詳しく見ていきましょう。手付金を支払わないことのメリット・デメリットや、手付金なしで中古車を販売している店舗の特徴や見分け方も解説します。
また、手付金なしで購入する際の注意点も、押さえておきましょう。中古車の手付金に関する知識を深め、自分に合った賢い選択をするための参考にしてください。
手付金なしで中古車を購入するメリット・デメリット
手付金なしで中古車を購入するメリットは、初期費用を抑えられることです。対するデメリットとして、手付金を支払わないと販売店側から購入意思が弱いと見なされ、車両の確保や優遇措置が受けられない可能性があります。
また、手付金は、契約をキャンセルした際の違約金の一部として充当されるため、手付金なしではキャンセル時のリスクが高くなるでしょう。手付金の有無によるメリットとデメリットを理解し、自分の状況に合った選択をすることが重要です。
手付金なしで中古車を購入できる販売店の特徴
手付金なしで中古車を販売している店舗は、大手の中古車販売チェーンや、個人経営の小規模な販売店など、さまざまなタイプがあります。
これらの店舗は、在庫車両の価格設定が柔軟であることも少なくありません。また、手付金なしでも、購入意欲が高い客を優先的に対応する傾向にあります。
一方で、手付金なしの販売店では、契約後のアフターフォローが手薄になる可能性もあるので注意が必要です。手付金の有無だけでなく、販売店の信頼性・評判もしっかりと確認しておきましょう。自分に合った条件の販売店を見つけることが、満足のいく中古車購入につながります。
手付金なしで中古車を購入する際の注意点
手付金なしで中古車を購入する際には、いくつかの注意点があります。まず、手付金は購入意思の表明でもあるため、支払わないと販売店から本気度が低いと見なされるかもしれません。手付金なしだと、車両の確保が難しくなる可能性もあります。
また、手付金なしの場合、契約後のキャンセルリスクが高まるでしょう。手付金は違約金の一部にもなるため、支払いがないとキャンセル時の負担が大きくなるケースもあります。
手付金がない場合の注意点を販売店に確認した上で、手付金の有無を判断するとよいでしょう。
まとめ
中古車取引を円滑に進めるために、重要な役割を果たしているのが手付金です。
中古車を購入する際、手付金を支払うことで車両を確保し、他の人に売られてしまうリスクを回避できます。売主側は手付金を受け取ることで、買主の購入意思を確認し、安心して車両を確保できる仕組みです。
手付金の相場は、中古車の購入価格の10%~20%程度が目安となります。トラブル防止のためにも、領収書や契約書は大切に保管しておくことが重要です。手付金の必要性を理解することで、スムーズな中古車購入につながるでしょう。
▼ライタープロフィール
鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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