愛車に安全装置(運転支援装置)を後付けする方法|依頼先や補助金制度
近年、発売される新車は優れた安全性能が魅力です。中には、古い愛車へ安全装置(運転支援装置)を後付けしたいと考える方もいるのではないでしょうか。高齢ドライバーの事故増加に伴い、車にはより高い安全性が求められます。
本記事では、愛車に安全装置を後付けする方法や依頼先、補助金制度についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
※目次※
2.安全装置(ペダル踏み間違い急発進抑制装置)の後付けの依頼先
3.安全装置(ペダル踏み間違い急発進抑制装置)の後付けが対象の補助金
4.愛車に安全装置を後付けするよりも買い替えがおすすめできるケースも
・安全装置(運転支援装置)には後付け可能なものと不可能なものがある。
・安全装置(ペダル踏み間違い急発進抑制装置)ならディーラーやカー用品店で後付け可能。
・愛車に安全装置を後付けするよりも買い替えのほうがおすすめできるケースもある。
愛車に安全装置(運転支援装置)の後付けは可能?
愛車の安全性を高めるために装置を後付けしたいと考える方もいるでしょう。しかし、安全装置には後付け可能なものと不可能なものがあるため、その機能を把握しておく必要があります。
ここでは、衝突被害軽減ブレーキシステム(自動ブレーキ)の特性、ペダル踏み間違い急発進(誤発進)抑制装置について解説します。
安全装置(運転支援装置)とは
先進安全自動車(ASV)は、ドライバーの認知や判断、操作をサポートする安全支援システム搭載車を指します。先進安全自動車(ASV)に搭載される先進技術には、以下のものがあります。
・衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)
・ペダル踏み間違い時加速抑制装置(誤発進抑制制御装置)
・車間距離制御装置(ACC)
・車線逸脱警報装置
・リアビークルモニタリングシステム
・自動切替型前照灯
技術名称はメーカーによって異なるため、以下のリンクでご確認ください。
(参考:『各メーカーの代表的な名称』)
後付けが難しい安全装置(衝突被害軽減ブレーキ)
国土交通省が普及を推進していることから、車の安全性を高める安全装置に魅力を感じ、愛車に後付けしたいと考える方もいるでしょう。しかし、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)は基本的に後付けができません。
衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)は、周囲の車や歩行者を検知して警告を発し、緊急時に自動で停止する機能を持っています。国土交通省ではこのシステムを搭載する車に認定制度を設けており、以下の一定の要件を満たすと認定を受けられる仕組みです。
1.前方に静止している車両に対して50km/hで接近した際、衝突しないもしくは衝突時の速度を20km/h以下に抑える
2.20km/hで走行中の前方車両に対して50km/hで接近した場合に衝突を回避できる
3.衝突の少なくとも0.8秒前にシステムが作動し警報が作動する
このように複雑な制御システムは車両のブレーキやエンジン制御と深く連携する必要があるため、後付けでの対応は基本的に不可能です。なお、一部メーカーから例外的に後付け可能な衝突被害軽減ブレーキが販売されていますが、適合車種は限られています。
後付けが可能な安全装置(ペダル踏み間違い急発進抑制装置)
ペダル踏み間違い急発進抑制装置は、多くの車種で後付けが可能であることから注目を集めている安全装置です。
この装置は車体の前後に設置されたセンサーが障害物を検知すると警告を発し、アクセルの踏み間違いなどによる急発進を抑制します。ただし、自動で停止する機能ではなく、あくまで危険を知らせたり加速を抑えたりする機能を持つ安全装置です。
さまざまな安全装置が市販されている中で、消費者が正しく理解し適切な選択ができるよう、国土交通省では性能認定制度を設けています。これは、各製造者などの申請に基づき技術的な調査・確認を行い、一定の機能を有すると認められた装置を認定するものです。
令和6年9月30日時点で、自動車メーカーの10製品、部品用品メーカーの7製品が認定を受けています。詳しくは、以下のリンクをご確認ください。
(参考:『後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置の認定装置一覧』)
安全装置(ペダル踏み間違い急発進抑制装置)の後付けの依頼先
愛車に後付け可能な安全装置(ペダル踏み間違い急発進抑制装置)を取り付けるには、取扱事業者に依頼しましょう。依頼先には、いくつかの選択肢があります。
自動車メーカーの製品は「トヨタ」「ダイハツ」「日産」「マツダ」「スバル」「ホンダ」「スズキ」「三菱」※順不同 の各ディーラーで安全装置の取り付けが可能です。
この他、大手カー用品専門店でも汎用タイプの安全装置を取り扱っています。メーカーを問わず多くの車種に対応している点が特徴です。
安全装置(ペダル踏み間違い急発進抑制装置)の後付けにかかる費用は、部品代と工賃を合わせた金額です。そのため、装置の値段や依頼先によってかかる費用も異なります。
自動車メーカー純正品の場合は、総額7万円~10万円ほどが相場です。中には、10万円を超えるケースもあります。一方、カー用品店では総額4万円~5万円ほどが相場です。
費用を抑えたい場合は、純正品より安価な社外品を検討すると良いでしょう。装置選びの際は、販売・取り付け店が近くにあると万一のトラブル時にも安心です。
安全装置(ペダル踏み間違い急発進抑制装置)の後付けが対象の補助金
国では2020年3月9日から2021年11月末まで、高齢ドライバーの事故防止を目的とした安全装置(ペダル踏み間違い急発進抑制装置)の後付けが対象の補助金「サポカー補助金」制度を設けていました。
国による補助金制度は終了しましたが、自治体独自の支援制度もチェックするのがおすすめです。ここでは、サポカー補助金の概要や自治体による補助金の例を紹介します。
サポカー補助金
サポカー補助金は、高齢ドライバーによる事故防止を目的として2020年3月9日から2021年11月末まで実施されていた制度です。この補助金では、65歳以上のドライバーが安全装置を搭載したサポカーを購入する際、最大10万円の補助を受けることができました。
対歩行者衝突被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い急発進抑制装置の両方を搭載した場合、補助金額は乗用車10万円、軽自動車7万円、中古車4万円です。対歩行者の衝突被害軽減ブレーキのみでも、補助金額は乗用車6万円、軽自動車3万円、中古車2万円でした。
すでに所有している車に後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置を設置する場合でも、障害物検知機能付きで最大4万円、同機能がなくても最大2万円の補助金を受けられる制度です。
しかし、2021年11月以降は新型車への衝突被害軽減ブレーキの装着が義務化されたことに伴い、サポカー補助金制度は終了しています。現在は国による類似の補助金制度は実施されていません。
自治体による補助金
国のサポカー補助金は2021年11月末で終了しましたが、現在でも各自治体による車の安全装置導入を支援する制度が存在します。自治体独自の支援制度は、お住まいの地域の公式Webサイトや役所の窓口で確認が可能です。
例えば一部の自治体では、65歳以上の市民を対象に後付け車の安全装置(ペダル踏み間違い急発進抑制装置の設置費用の障害物検知機能ありで2万円、なしで1万5,000円を上限に助成しています。
なお、2025年6月以降は新型車へのペダル踏み間違い急発進抑制装置装着が義務化されることで、2024年度をもって申請の受付を終了する自治体が多い傾向です。現時点では補助金を活用することで、後付けにかかる費用負担を軽減できます。
愛車に安全装置を後付けするよりも買い替えがおすすめできるケースも
愛車に安全装置を後付けする方法は、愛着のある車を長く使いたい方や目先の出費を抑えたい方に適した選択といえるでしょう。現在の車が比較的新しく、今後も長く使用する予定なら後付けのほうが経済的です。
一方、買い替えは初期投資は大きくなりますが、2021年11月以降に国内で販売される新車には、後付けができない衝突被害軽減ブレーキが標準装備されています。ペダル踏み間違い急発進抑制装置装着車を選ぶことで総合的に安全な車を手に入れることが可能です。
初期費用を抑えつつ安全性の高い車を求めるなら、2021年11月以降発売モデルの中古購入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
愛車に安全装置を後付けする場合、基本的に衝突被害軽減ブレーキは選択できません。一方、ペダル踏み間違い急発進抑制装置は後付けが可能です。この安全装置の後付けは自動車ディーラーやカー用品店などで依頼できます。
安全装置(ペダル踏み間違い急発進抑制装置)の後付けと比較すると、最新の安全機能を備えた車への買い替えも選択肢のひとつとして検討する価値があります。
【この記事の執筆者】
松田 莉乃
過去の愛車は32GT-R、180SX、33Z。車の構造に興味を持ち「自分の車は自分で作りたい」という気持ちから自動車整備工場に勤務した経験を持つ。中古車買取査定員やタウン情報誌の編集部として仕事をした経験を活かし、主に車・タイヤ関係のメディアを対象に2020年からフリーランスのライター兼エディターとして活動中。
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