中古の電気自動車購入はメリット・デメリットを正しく理解することが大切!
電気自動車を購入する際、リーズナブルな価格で購入できる中古車を検討する方は少なくないのではないでしょうか。一方、電気自動車とガソリン車の中古車選びにどのような違いがあるのか分からない方もいるでしょう。
本記事では、電気自動車の基礎知識から中古購入におけるメリット・デメリット、中古の電気自動車選びにおけるチェックポイントを解説します。電気自動車の購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
※目次※
・中古の電気自動車はリーズナブルな価格で購入できるため、蓄電池として非常時に備えられる他、ライフスタイルに合うかどうか確かめるのに適している。
・中古の電気自動車はバッテリーの性能低下により、本来の航続距離を走行できない可能性がある。
・中古の電気自動車購入は補助金の対象とならないため、補助金を含めた新車購入との価格差を比較することが大切。
電気自動車の基礎知識
中古の電気自動車購入を検討するなら、まずは基礎知識を備えておくことが大切です。電気自動車はガソリン車にはない特性があるため、どのような点が異なるのか確認しましょう。ここでは、電気自動車とはどのような車か、特性や充電方法についてまとめました。
電気自動車(BEV)とは
電気自動車は、ガソリンの代わりに電気を使用する自動車です。エンジンの代わりとなるモーター、ガソリンタンクの代わりとなるバッテリーが搭載されています。電気自動車は、このバッテリーに蓄えた電気でモーターを駆動させて走行する仕組みです。
ガソリン車は、マフラーから二酸化炭素を含む排気ガスを排出します。一方、電気自動車は二酸化炭素の排出量がゼロであるため、環境負荷の低減が可能です。
電動車(EV)の種類
電気自動車(BEV)は「電動車」のひとつです。電動車は4種類の自動車の総称であり、EV(Electric Vehicle)とも呼ばれます。使用するエネルギーの種類によって分類されていますが、電気のみを使用するのは「電気自動車(BEV)」だけです。
電動車(EV)の種類は、次の通りです。
EV(電動車) |
ハイブリッド車(HEV) |
プラグインハイブリッド車 (PHEV) |
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電気自動車(BEV) |
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燃料電池車(FCEV) |
電気自動車(BEV)は経済性に優れた自動車
電気自動車は、エネルギーを無駄なく効率的に使用できるのが特徴です。ガソリン車は、燃焼時に発生するエネルギーの約4割しかタイヤを動かすための力に利用できていないといわれる一方で、電気自動車が電気を動力に変える際の効率は9割を超えています。
また、電気自動車は充電した電気を使うだけでなく、発電して蓄えることが可能です。これは、減速時や下り坂でモーターが作り出した電気をバッテリーに蓄える仕組みで「回生エネルギー」と呼ばれます。
電気自動車(BEV)の充電
電気自動車は、街のさまざまな場所で充電が可能です。自動車販売店、ショッピングモールやコンビニエンスストアなどの商業施設などに充電スタンドが設置されています。
充電スタンドを探す際は「CHARGING POINT」のマークが目印です。普通充電器なら「EV 100V」や「EV 200V」、急速充電器なら「EV QUICK」の表記があります。
この他、電気自動車の充電は自宅でも行えます。家庭用電気自動車充電器を自宅に設置している方や充電スタンドを設置しているマンションに住んでいる方もいるでしょう。
充電スタンドの普及率は高まっているため、充電場所には以前ほど困ることがなくなったといえます。
中古の電気自動車を購入することで得られるメリット
電気自動車を購入する際、ガソリン車と同様に新車と中古車の選択肢があります。電気自動車に限らず、一般的に中古車は新車よりもリーズナブルな価格で購入できるのが魅力ですが、ガソリン車にはないメリットもあるのでぜひチェックしてみてください。
ここでは、中古の電気自動車を購入することで得られるメリットを紹介します。
新車よりもリーズナブルな価格で購入できる
電気自動車に限らず、一般的に中古車は新車よりもリーズナブルな価格で購入できます。
高価なバッテリーを搭載しているため、新車は軽自動車でも車両本体価格が250万円ほどになってしまいますが、中古の電気自動車なら新車の半額以下で購入できる車種も少なくありません。
ただし、電気自動車はガソリン車よりも流通数が少ないため相場はやや高めの傾向です。
蓄電池として非常時に備えられる
日本では地震や台風を始めとした自然災害が多いため、停電のリスクが少なくありません。停電や節電要請に備えられる蓄電池が自宅にあれば安心です。しかし、一般的な家庭用蓄電池は、容量が十分ではないと感じる方もいるでしょう。
一方、電気自動車は家庭用よりも容量が大きい蓄電池を備えているのが一般的です。そこで、中古の電気自動車があれば、非常用電源として活用できます。
電気自動車がライフスタイルに合うか試せる
電気自動車を使用したことがない場合、ライフスタイルに合うかどうか判断するのは難しいでしょう。ディーラーでの試乗やレンタカーを借りたことがある場合も、短期の使用では分かりにくいものです。
新車ではなかなか手が出しにくい電気自動車も、中古であれば購入のハードルが下がります。自分のライフスタイルに合うことが分かれば、次は新車を購入するという段階を踏むのもおすすめです。
中古の電気自動車を購入することで生じるデメリット
電気自動車を購入する際、新車にするか中古車にするか迷う方は少なくないでしょう。デメリットも十分に理解した上で、自分に合っているかどうかを判断することが大切です。そこで、中古の電気自動車を購入することで生じるデメリットについてまとめました。
同じ電気自動車の購入でも中古車は補助金の対象とならない
国や地方自治体では、環境・エネルギー性能に優れた自動車の購入に対して支援制度を設けています。電気自動車の他、プラグインハイブリッド車や燃料電池自動車なども対象です。
しかし、補助金の支給は新車に限られるため、中古の電気自動車購入は補助金の対象となりません。新車と中古車の価格差を事前に確認してから購入を決めると良いでしょう。なお、中古の電気自動車もエコカー減税や環境性能割の非課税は対象です。
(参考:『令和6年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」』)
(参考:『全国の地方自治体の補助制度・融資制度・税制特例措置』)
バッテリーの劣化に注意が必要
電気自動車のバッテリーに使用されているのは、リチウムイオン電池です。充電や放電を重ねるほどバッテリーが劣化するため、劣化や寿命で使用できなくなる恐れがあります。なお、バッテリーを交換して乗り続ける場合は高額な費用がかかるため注意が必要です。
日本国内で市販される新車の多くは、8年または走行距離16万kmのいずれかに達するまで、バッテリー性能を保証するサービスが付帯しています。中古の電気自動車も期間内に保証を継承することで同様のサービスが受けられるでしょう。
最新モデルのほうが旧型よりも性能が高い
中古の電気自動車を購入する際、型落ちモデルを選べば購入費用を抑えられます。しかし、基本的に新型モデルは旧型よりも性能向上した上で発売されるため、最新モデルのほうが旧型よりも性能が高いのが一般的です。航続距離や安全性能に差があるでしょう。
電気自動車は目まぐるしく性能が向上しているからこそ、少し古いモデルでさえ現行モデルと比べると性能に不満を感じるかもしれません。
中古の電気自動車選びにおけるチェックポイント
中古の電気自動車は、新車よりもリーズナブルな価格で購入できるのが魅力です。一方、後悔しないために押さえておきたいチェックポイントがあります。ここでは、中古の電気自動車選びにおけるチェックポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
車種選び
中古の電気自動車を購入する際は、航続距離に着目して車種を選びましょう。1回の充電で走行できる距離が長いほど、小まめに充電する手間がかかりません。多くの車種は約50km~400km走行できるため、ライフスタイルに合うものを選びます。
車種が決まったら、新車価格と中古車価格を比較しましょう。補助金の対象となる新車購入と対象とならない中古車購入では、差が開かないことがあります。本体価格だけで判断するのではなく、見積もりをもらうなどして総合的に判断するのがおすすめです。
販売店の信頼度
中古の電気自動車を購入する際には、トラブルが発生する可能性があることも想定しなければなりません。そのためには、信頼できる販売店を選ぶことが大切です。
中古の電気自動車はガソリン車と変わらず、中古車販売店や中古車を取り扱うディーラーから購入できます。
バッテリーの状態
中古の電気自動車を購入する際は、バッテリー状態を確認しましょう。バッテリーが劣化するほど電気を蓄える力が衰え、本来の航続距離を走行できなくなるため注意が必要です。最悪の場合、購入直後に使用できなくなる可能性もゼロではありません。
車種によっては、バッテリーの状態をパネル表示で確認できるものもありますが、確認できない車種のほうが多いのが現状です。中古の電気自動車を選ぶ際は、販売員にバッテリーの状態を聞いてみましょう。
まとめ
中古の電気自動車はリーズナブルな価格で購入できるため、蓄電池として非常時に備えたり、ライフスタイルに合うかどうか確かめたりするのに適しています。一方、バッテリーの性能低下により、本来の航続距離を走行できない可能性があるため注意が必要です。
また、中古の電気自動車購入は補助金の対象とならないため、補助金を含めた新車購入との価格差を比較して判断しましょう。メリット・デメリットを理解した上で、自分のライフスタイルに合う車を見つけられれば、お得に電気自動車を手に入れられます。
【この記事の執筆者】
松田 莉乃
過去の愛車は32GT-R、180SX、33Z。車の構造に興味を持ち「自分の車は自分で作りたい」という気持ちから自動車整備工場に勤務した経験を持つ。中古車買取査定員やタウン情報誌の編集部として仕事をした経験を活かし、主に車・タイヤ関係のメディアを対象に2020年からフリーランスのライター兼エディターとして活動中。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
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