日産とルノーが新たな契約を締結!2社の新たな戦略とは?

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日産とルノーが新たな契約を締結!2社の新たな戦略とは?

日産とルノーが新たな契約を締結!2社の新たな戦略とは?

2023年11月に日産とルノーが新たなアライアンス契約を結んだことを発表した。日産とルノーの関係は1999年からのこと。では、なぜ日産とルノーは関係を構築したのか、そしてこの2社の関係にはどのようなわだかまりがあったのか。

 

この記事で、今回のアライアンス契約を中心にこの2社の関係性を改めて見てみよう。そして、日産の今後の見通しはどのようなものかについても、筆者の考えとともにお届けする。

 

<目次>

1.日産とルノーが資本提携に関する新契約を締結

2.日産とルノーが共同で発表した新たな戦略とは?

3.日産とルノーの提携の歴史をチェック

4.ルノーとの資本関係の対等化を図った日産の今後は?

5.ルノーの魅力とは?日本で人気のモデル3選

6.まとめ

 

■POINT

・日産とルノーは、2023年2月に発表されたアライアンス契約が11月に有効となったことを発表した。

・日産とルノーは、互いに保有する株式に付随する15%の範囲で自由な議決権の行使ができる。

・日産とルノーは三菱自動車を含める3社連合で協力体制を強固にし、さまざまなプロジェクトを推進していく予定だ。

 

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日産とルノーが資本提携に関する新契約を締結

日産とルノーが新たな契約を締結!2社の新たな戦略とは?

まずは2023年の発表を中心に見てみよう。11月にこのアライアンスは実質的に有効となったが、発表は2月に行われた。契約内容を見ると、従来日産にとって不利であった問題はひとまず解決したものと理解できる。ここでは、日産とルノーとの新たなる契約内容について詳細に見ていく。

 

2023年2月に資本提携の見直しを発表

基本的に現在のアライアンス契約は2023年2月に発表された内容が主となっている。各販売地域のプロジェクトや、脱炭素やソフトウエアの充実化など、未来の自動車に必要な戦略に機敏性を持たせること、そして新たなる双方の株式保有や、より強化されたガバナンスなどが発表された。

 

保有する株式の出資比率を変更

経済系のメディアを始め、さまざまな媒体が大きく注目したのがそれぞれの保有する株式の出資比率だ。

 

それまでルノーが保有していた日産株の43.4%のうち、28.4%をフランスの信託会社に信託し、出資比率を互いに15%とすることにした。双方が行使できる議決権の上限も15%。つまり、両社はこの15%の範囲で自由な議決権の行使ができるようになったのだ。

 

日産とルノーの関係を分かりやすくいうと?

なんだか数字がいっぱい並んでいてよく分からない感じがあるかもしれないが、簡単にいい換えればこれまで両メーカーの関係はルノーの方が優位な状態にあった。

 

日産とルノーの関係は1999年にさかのぼる。1999年といえば、日産がバブル崩壊後の経営危機に陥った時期。そこに救いの手を差し伸べたのがフランス自動車メーカー・ルノーだ。

 

当時、ルノーの副社長であったカルロス・ゴーン氏が日産の最高経営責任者に就任すると同時に、日産はルノーとの資本提携を結びルノーの傘下に入る。その後、日産の業績は回復するものの、ルノー優位の権力構造が続いていた。

 

このルノー優位の構造が今回のアライアンス変更で対等な関係へと変化したというわけだ。

 

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日産とルノーが共同で発表した新たな戦略とは?

日産とルノーが新たな契約を締結!2社の新たな戦略とは?

ここからは今回のアライアンス変更で発表された新たな戦略について見ていこう。

 

両メーカーのパワーバランスに変化があっただけでなく、これまで以上に強力な協力体制で、日々変化する自動車市場に対応していく戦略も考えられている。

 

この戦略には、日産とルノーだけでなく三菱自動車も含まれており、それぞれが得意とするエリアをリードする形となっている点も特徴だ。

 

世界各地で協業プロジェクトを実行

今回のアライアンスや将来に向けたロードマップには日産とルノーだけでなく、三菱自動車も含まれている。

 

ラテンアメリカ、インド、ヨーロッパなどの各地域で、地域ごとの需要にあったモデルを随時投入することが発表された。

 

3メーカーでの協業プロジェクトとすることにより、短期的にはコストでのメリットを享受し、長期的には各販売エリアでのブランド力を強化する意図がある。

 

電動化や低排出技術に関するプロジェクトを推進

今回のアライアンス変更では、協力関係の強化といった面も発表されていたが、それは電動化や環境配慮、新技術に関する面に注力していくという狙いによるものだ。

 

未来の電気自動車に必要な技術とされている全固体電池や、運転支援システムに欠かせないソフトウエア関係など、高度な技術が要求される部分を協業させることにより、よりスピーディーに競争力を高めることを目的としている。

 

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日産とルノーの提携の歴史をチェック

日産とルノーが新たな契約を締結!2社の新たな戦略とは?

ここからは日産とルノーの歴史、いわば両メーカーのアライアンスの歴史を見ていこう。上記でもチラッと触れたが、この2社は1999年に関係が始まり、今日まで持ちつ持たれつの部分があった。

 

キーパーソンとなるのが、かの有名なカルロス・ゴーン氏だ。ゴーン氏といえば、日産の業績を回復させただけでなく、日産再構築のやり方に産業界全体から注目されていた。

 

1999年:日産がルノーとの資本提携を開始

2社の関係が始まったのは1999年。ルノーが日産の株式の36.8%を取得することで合意した。この関係性が構築されたのは、日産がコスト高とバブル崩壊後の不景気により経営的に厳しい状況にあった背景によるものだ。

 

そこで、ルノーの力を借りて業績の立て直しを図ることになった。そして、日産の歴史の大きな影響を与えたカルロス・ゴーン氏が最高執行責任者に就任した。

 

ゴーン氏は最高執行責任者就任後すぐに「リバイバルプラン」を発表する。そのわずか1年後に、2001年3月期決算通気業績見通しで当期利益が過去最高の2,500億になると公表。ゴーン氏が出したこの結果は、日本企業の多くの経営者に影響を与えたといわれている。

 

2002年:株式比率の見直しを発表

2002年には株式比率の見直しが行われた。ルノーの日産に対する持株比率は36.8%から44.4%になる。それに対し日産が持つルノー株は15%という、パワーバランスとしてはルノーの方がより優位に立った形が続く。

 

ただ、将来的には日産もルノーの株式を取得することがこの時点で明らかにされており、両メーカーのより強固なアライアンス戦略の1つだった。とはいえ、フランスの商法の関係で日産が持つルノー株には議決権がなく、引き続きルノーが主導権を握る形に収まっている。

 

2010年:ダイムラーAGとの戦略的協力を発表

ルノー・日産アライアンスは2010年にダイムラーAGとの戦略的提携を発表した。両グループが協業することと、それぞれの株式を3.1%ずつ保有することが内容として挙げられる。

 

協業や連携はいくつかあるが、最も大きかったのはパワートレインの双方への供給だろう。日本で記憶に新しいところでいえばスカイラインにダイムラー製の2.0L直列4気筒エンジンが搭載されたことだ。

 

2016年:日産・ルノー・三菱自動車が3社連合に

2016年に日産は三菱自動車の株式を34%取得、これにより日産・ルノー・三菱自動車の3メーカーが集まったアライアンスとなった。

 

このアライアンスの変更は日産とルノーというよりは、日産と三菱自動車の関係性強化という側面が強い。

 

この2社は車両プラットホームの共用や新技術の開発分担、生産拠点の共用などの面で協力することで合意した。この時のアライアンスがあったからこそ、軽自動車の電気自動車としてサクラ・ekクロスEVが登場したのだ。

 

日産・ルノー・三菱自動車のアライアンスを発足させ、頂点に君臨したのはゴーン氏。この3社連合は2017年に乗用車販売実績が1,061台をたたき出し、世界首位となった。

 

しかし、2018年11月にゴーン氏は逮捕。日産は新たな経営体制を構築するまで、しばらくの時間を要した。

 

2020年:新たなアラインアンスを3社共同で発表

2020年には、日産・ルノー・三菱自動車の3社共同のより強固なものへと進化した。3メーカーでの共用部や協力開発を進めることで、1モデルへの投資額を最大40%削減できると見込まれると発表された。より国際的な競争力を高めるための3社アライアンスといえる。

 

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ルノーとの資本関係の対等化を図った日産の今後は?

日産とルノーが新たな契約を締結!2社の新たな戦略とは?

では、ここからはルノーと新たな関係性を結んだ日産の今後について予測していこう。まず注目すべきは、電気自動車の生産拡大だ。そして、ホンダとのパートナーシップについても気になるところである。それぞれについて筆者の見解を解説していく。

 

電動車の生産を拡大

まず電動車の生産を拡大することが大きな変化といえる。2024年3月に発表された経営計画には、2026年度までに30車種の新型車を投入することが明らかにされたが、そのうちの16車種は電動車両とされている。

 

また、EVの競争力を高めるために次世代EVのコストを30%削減して、2030年までには内燃機関車と同等のコストを実現しようとしているのだ。今後はさらに、「電動車に強い日産」になることは間違いなさそうだ。

 

ホンダとのパートナーシップ関係の可能性

また、ホンダとのパートナーシップ関係の検討を開始したことも発表された。これは電動化技術や環境対応に加え、知能化を踏まえたソフトウエア技術の協業も見据えたものだ。

 

あくまでもまだ検討段階であるため、協業やパートナーシップ関係を結ぶことが決定した訳ではないが、大きな変化の可能性があるのは間違いないといえる。

 

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ルノーの魅力とは?日本で人気のモデル3選

日産とルノーが新たな契約を締結!2社の新たな戦略とは?

ここからは、日産と長年の付き合いになるルノーの魅力や代表的なモデルを紹介していく。フランス生まれのルノーの車たちは、輸入車であってもコンパクトなモデルが多い。

 

日本でも乗りやすいボディサイズになっているので、運転のしやすさや親しみやすさを感じられるだろう。

 

カングー

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日本で予想外のスマッシュヒットを記録し、日本市場におけるルノーの顔となっているのがカングーだ。

 

もともとカングーは商用モデルと乗用モデルがあるが、日本で販売されているのは乗用モデル。当初は商用モデルにしかなかった観音開きのリアドアは日本市場での声を受けて設定された。

 

その他にも日本市場の声を受けて改良された部分も多く、「フランス生まれ、日本育ち」の1台ともいえるだろう。

 

トゥインゴ

日産とルノーが新たな契約を締結!2社の新たな戦略とは?

2023年で日本向けの生産を終了することが発表されたトゥインゴ。コンパクトなボディでありながら、リア駆動で運転が楽しいパッケージは通好みの存在といえる。

 

日々の生活で通る交差点や裏道がスイスイ走れるのはもちろん、楽しいコースに変えてくれる1台だ。MTの設定もあるため、コンパクトで運転することが楽しく感じるモデルが欲しい人におすすめだ。

 

ルーテシア

日産とルノーが新たな契約を締結!2社の新たな戦略とは?

コンパクトハッチバックのルーテシアは、日本の道路でも乗りやすく走りの安定感もあるバランスの取れた1台だ。

 

最新の運転サポート機能も装備、そして輸入車では珍しいフルハイブリッドも用意されており、燃費性能にも優れている。

 

充実した装備の豪華グレードから、必要な装備を厳選したリーズナブルなエントリーグレードまで幅広く用意されているため、選べる幅が広いのも魅力。

 

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まとめ

日産とルノーが新たな契約を締結!2社の新たな戦略とは?

ルノーと日産のアライアンス、2メーカーの関係の歴史を中心に振り返ってきた。ルノーがなければ今日の日産は存在しないといえるが、今後はお互いにより協力し合い国際的競争力を高める章へと差し掛かっている。

 

ここ最近アライアンスに関する発表が続々とあったが、2020年代は、日産・ルノー・三菱アライアンスの強みが徐々に出てくるだろう。世界の自動車業界にどのような影響を与えるかにも注目だ。

 

【この記事の執筆者】

日産とルノーが新たな契約を締結!2社の新たな戦略とは?

西川昇吾

自動車ライター

1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」

 

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