世界一安全な車はどれ?ランキングと各メーカーの取り組み【2024年最新】
車を運転する以上、どうしても切り離せないのが事故のリスクです。気を付けて運転していても、事故の可能性をなくすことはできません。しかし、事故を起こしにくい安全な車を選ぶことでリスクは下げられます。そこで本稿では安全な車の定義やその性能について細かく紹介します。
また、後半には各メーカーの安全性の高い車を紹介しますので、車を選択する際に安全性を重視している人は参考にされてください。安全な車への理解を深めて、安心のカーライフにつなげましょう。
※目次※
4.世界一安全な車はどれ?ランキング掲載車と各メーカーの取り組み
・安全性の高い車を探したいときは、TOP SAFETY PICK awardや自動車安全性能評価、NCAPなどの評価を確認してみよう。
・安全な車の基準には、大きく分けて予防安全性能と衝突安全性能の2種類がある。
・各メーカーが安全な車をつくるために、さまざまな取り組みや工夫を行っている。
世界一安全な車を見分けるには?
安全性への意識を高め、理論上だけでなく実質的な車の安全性を確認できるようにするため、公的機関が車の安全性能を評価し公表しています。ユーザー側もそれらの評価を指標に、安全性の高い車を見分けられるというわけです。
ここでは、車の安全性を判断するためにぜひ確認しておきたい、安全性能評価制度の仕組みと種類について解説します。
NCAP
NCAPはNew Car Assessment Program(新車評価制度)の略で、その始まりは北米とされています。実際に各車種で衝突実験を行い、その内容を公表することで、ユーザーが車の安全性を判断できるようにする評価制度です。
世界には10ほどのNCAPがあり(2019年時点)、評価項目や試験項目は対象地域の交通事情や交通事故発生状況によって異なります。
代表的なNCAPは、アメリカのIIHS rating(米国道路安全保険協会が実施)とU.S.NCAP(米国運輸省が実施)、欧州のEuro NCAPなどです。日本のNCAPは「JNCAP」と呼ばれており、NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)が実施しています。
TOP SAFETY PICK award
TOP SAFETY PICK awardは、アメリカのIIHS ratingにおいて総合評価が高い自動車に与えられる賞です。衝突安全試験や安全装置の性能試験の総合評価が高いものは「トップ セーフティー ピック(TSP)」、最高評価のものは「トップ・セーフティー・ピック+(TSP+)」と認定されます。
IIHS ratingのアセスメントは世界的にも厳しいといわれているため、TSPやTSP+を獲得できれば、メーカーにとっては安全性の高さを世界的にアピールするチャンスです。
なお、IIHS ratingが取り扱うのは米国仕様車であるため、TSPやTSP+を獲得した日本メーカー車も米国仕様車であることは理解しておきましょう。日本仕様車とは異なる点もありますが、メーカーの技術力を裏打ちすることになるため、安全な車選びの判断材料にすることは可能です。
自動車安全性能評価
自動車安全性能評価とは、国土交通省とNASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)が実施している自動車アセスメント事業です。予防安全性能、衝突安全性能の総合得点により、5段階にランク付けされます。
最高評価である「自動車安全性能 ファイブスター賞」受賞の条件は、予防安全性能および衝突安全性能でAランクを取得していることと、事故自動緊急通報装置を備えていることです。
その中で最も高得点だった車種は「自動車安全性能 ファイブスター大賞」として表彰されることになっています。なお、2024年5月10日に発表された2023年度のファイブスター賞はホンダの「ZR-V」と「N-BOX/N-BOX カスタム」でした。
安全な車の定義とは?
安全な車の定義とは大きく分けて2つあります。まず1つ目は先進安全システムが備わっているという点です。接近している車両や人を感知して自動ブレーキを作動させたり、車線をはみ出さないようにハンドルを操作したりする機能が該当します。
上記は予防安全についてでしたが、2つ目は万が一事故が起きてしまった際に歩行者や乗員を守るボディの構造です。ボディが硬ければ良いというわけではなく、衝突の衝撃を吸収できるように壊れやすくなっているなどの工夫がされています。
安全な車に求められる性能基準
NCAPにより安全性が高いと評価される車には、どのような性能が求められるのでしょうか。
ここではNCAPが判断材料とする主な評価基準、衝突安全性能と予防安全性能の概要を解説します。安全性能の枠組みが分かれば、各メーカーの取り組み方も見えてくるため、車選びの判断もしやすくなるでしょう。
衝突安全性能
衝突安全性能とは、事故が起きた場合に人を守るための技術のことです。この「人」とは、車に乗っている人と歩行者など車外にいる人との両方が含まれます。
事故にはさまざまなパターンがあるため、正面衝突だけでなく対向車との部分衝突、側面衝突、後面衝突、衝突後の感電保護など多面的な取り組みが必要です。歩行者との衝突に際しては、歩行者の頭部や脚部の保護性能が評価につながります。
衝突安全性能を左右するのは、エアバッグやシート、ボディ構造や剛性などです。各メーカーからは次々と新たな技術が生み出されており、事故のダメージを最小限に抑えるための取り組みが続けられています。
予防安全性能
事故そのものを防ぐことを目的とした技術が予防安全性能です。警告やハンドルアシストによる衝突回避システム、衝突してしまった場合にも被害を最小限に抑えられる被害軽減ブレーキ、バックビューモニターなど後退時の後方視界情報、ヘッドライトの自動変更や切り替え、ペダルの踏み間違い時の加速抑制などが含まれます。
予防安全性能は万能ではありません。しかし、こうした技術の進歩により、うっかり事故を防いだり事故によるダメージを最小限に抑えたりすることが可能になっています。
事故自動緊急通報性能
事故自動緊急通報性能とは、大きな事故が発生した場合に自動的にコールセンターに通報するシステムのことです。メーカーによっては車の位置情報を把握でき、万が一乗員の意識がなくても救助隊が迅速に救助に向かえます。
予防安全機能や衝突安全機能でも防げなかった際に、どれだけ早く救助に向かうことができるかということも重要です。この3つの機能が備わっていることで、死亡事故を大きく減らすことにつながります。
世界一安全な車はどれ?ランキング掲載車と各メーカーの取り組み
ここでは最近実施されたNCAPで高評価を受けたメーカーと、その取り組みを紹介します。
ボルボはどこよりも早く安全技術開発への取り組みを始めたメーカーです。「世界一安全な車はボルボ」という人も少なくありません。日本メーカーではスバルが群を抜いています。他にも高い評価を受けているメーカーがありますので、車選びの参考にしてみてください。
ボルボ
ボルボは1959年に世界で初めて3点シートベルトを開発したメーカーです。その技術は現在ほとんどすべての車に導入されています。
新たな技術も画期的かつ実用的です。衝突時の脊髄損傷やむち打ち症のリスクを軽減するシート構造、酩酊状態や注意散漫を検知し車両を停止させるモニタリング・カメラなど、他のメーカーにはない技術が次々と登場しています。
安全性能技術に関しては常に世界をけん引するメーカーであるため、「世界一安全な車はボルボ」と評価されるのも納得です。2022年のTOP SAFETY PICK awardでは、対象車種すべてが最高評価のTSP+を獲得しています。
車種 |
受賞タイトル |
XC90 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
スバル
スバルでは、独自の運転支援システム「アイサイト」に加え、衛星やGPS、高精度地図データを活用した「高度運転支援システム」を導入しています。快適なレーンキープを実現しつつも、カーブ前での減速や渋滞時のハンズオフ機能など、安全性を高める技術が満載です。
スバルは1960年代から独自の衝突安全試験を実施し、搭乗者だけでなく歩行者の保護も視野に入れた衝突安全性能を開発してきました。その技術力の高さは、日本だけでなく世界でも高く評価されています。
車種 |
受賞タイトル |
Impreza 4-DOOR WAGON |
2024 TSP |
Solterra 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
Outback 4-DOOR WAGON |
2024 TSP |
Ascent 4-DOOR SUV |
2024 TSP+ |
ホンダ
ホンダは国産車で初めてエアバッグを開発したメーカーです。その後も、ABSの国産車初搭載、世界初の追突軽減ブレーキなど、安全性を高める新たな技術に挑戦してきました。ホンダ車には「Honda SENSING」という安全運転支援システムが搭載されているのが特徴です。
事故につながるヒューマンエラーをなくすために、誤発進抑制機能、アクティブクルーズコントロール、車線維持支援システムなどが搭載されています。
車種 |
受賞タイトル |
Pilot 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
HR-V 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
Accord 4-DOOR SEDAN |
2024 TSP+ |
CR-V 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
Odyssey MINIVAN |
2022 TSP |
PR安全装備充実の中古車|ホンダ
※価格は支払総額
トヨタ
トヨタには「歩行者事故」「正面衝突・車線逸脱」そして「追突」につながりかねない状況をカバーする予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」があります。ドライバーのミスや疲れによる事故を先回りして防いでくれる予防安全技術です。
軽自動車やコンパクトカーには、車に搭載したカメラが周囲の状況を確認しドライバーの運転をサポートしてくれる「スマートアシスト」という機能もあります。運転に自信のない人でも、安心してカーライフを楽しめるサポート機能です。
車種 |
受賞タイトル |
Prius 4-DOOR HATCHBACK |
2024 TSP+ |
Prius Prime 4-DOOR HATCHBACK |
2024 TSP |
Crown 4-DOOR SEDAN |
2024 TSP |
Camry 4-DOOR SEDAN |
2024 TSP |
Highlander 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
Sienna MINIVAN |
2024 TSP |
Tundra CREW CAB PICKUP |
2024 TSP |
Tundra EXTENDED CAB PICKUP |
2024 TSP |
レクサス
レクサスは安全に走るために歩行者への追突や交差点の出会い頭での事故を予防する「Lexus Safety System+」があります。
レクサスは先進機能が発展してもあくまでも人が中心という考えで、運転のしやすさや優れた操作性をどのように維持していくかを重視している印象です。運転のしやすさが、事故の予防にもつながっていきます。
車種 |
受賞タイトル |
RZ 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
UX 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
NX 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
NX Plug-in Hybrid 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
RX 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
BMW
BMWが開発した運転支援テクノロジーの初搭載は、1972年のBMW Turboです。その後も、安全性への真摯な取り組みを続けてきました。
リヤ・ヘッド・エアバッグを世界で初めて搭載したのはBMWです。2008年にはBMWナイト・ビジョンに歩行者・動物検知機能が追加されました。これも世界初の試みです。BMWのアクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付)ではミリ波レーダーとカメラの両方が使用されており、精度の高いシステムとなっています。
車種 |
受賞タイトル |
X1 4-DOOR SUV
|
2024 TSP |
X3 4-DOOR SUV |
2024 TSP+ |
5 series 4-DOOR SEDAN |
2024 TSP |
X5 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツはアクシデントフリーを究極のゴールと位置付け、安全性能の開発に取り組んできました。特に力を入れているのが自動運転です。最先端のセンサーシステムにステアリングアシストを組み合わせた「インテリジェントドライブ」で、危険回避と運転負荷の軽減を実現しています。
衝撃吸収構造ボディの先駆者もメルセデス・ベンツです。全てを頑丈につくるのではなく、強固な部分とつぶれやすく設計された部分を組み合わせることにより、つぶれやすいパーツが衝撃を吸収し搭乗者の安全を確保するという先進的な基本技術が世界に広まりました。
車種 |
受賞タイトル |
C-Class 4-DOOR SEDAN |
2024 TSP |
GLC 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
GLE-Class 4-DOOR SUV |
2024 TSP+ |
マツダ
マツダは、人間特性の研究を視界性能やドライビングポジションなど、安全性を高める技術につなげてきました。洗練されたデザインが魅力のマツダ車ですが、そこには安全性も考えられた緻密な計算があることを知っておくと、安心感も高まります。
マツダの先進安全技術は「i-ACTIVSENSE」です。さまざまな運転環境でドライバーの認知・判断・操作をサポートし、事故のリスクを最小限に抑えます。
車種 |
受賞タイトル |
Mazda 3 4-DOOR HATCHBACK |
2024 TSP+ |
Mazda 3 4-DOOR SEDAN |
2024 TSP+ |
CX-30 4-DOOR SUV |
2024 TSP+ |
CX-90 4-DOOR SUV |
2024 TSP+ |
CX-90 PHEV 4-DOOR SUV |
2024 TSP |
PR安全装備充実の中古車|マツダ
※価格は支払総額
まとめ
「安全な車」と一言でいっても、事故を未然に防ぐ予防安全性や事故が起こってしまった際に乗員を守る衝突安全性能などさまざまな観点があります。この全てにおいてクオリティの高ければ安全な車といっても良いでしょう。
全てがそろっている車の場合は相応に価格が高くなる傾向がありますが、命はお金で買えないと考えれば価値のある買い物であるといえます。中古車の購入も視野に入れながら、安全な車で安心なカーライフを送りましょう。
▼ライタープロフィール
兵頭 倫果(ひょうどう りんか)
大学時代は工学部で電気の分野を専攻し、電気自動車やソーラーカーの製作に励む。大会への出場あり。大学卒業後は国産自動車メーカーに技術者として入社。後に退職し、現在はフリーランスで、「若者にも響かせる」をモットーにYouTubeやライティング活動を行っている。
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