車購入の補助金活用術！国・地方の制度と活用のコツ、注意点も紹介
車の購入を考えている人は、補助金制度が活用できないか気になっているかもしれません。国・地方自治体による補助金を上手に利用すれば、お得にマイカーをゲットできるでしょう。
この記事では、補助金の活用方法や注意点、併用の可否まで詳しく解説します。スムーズに補助金を受給をするために、申請手続きや必要書類も知っておきましょう。
※目次※
・ハイブリッド車を購入する際は、国と自治体の補助金制度を利用できる。
・国と自治体の補助金制度は予算が限られており先着順なので、基本的には早い者勝ち。
・補助金を利用したハイブリッド車購入には経済面・環境面でメリットがあるが、注意点も十分に理解しておくことが大切。
ハイブリッド車購入時の補助金制度概要
ハイブリッド車購入時の補助金制度は、環境に配慮した次世代自動車の普及を促進するための重要な支援策です。国と地方自治体がそれぞれ独自の制度を設けており、適切に活用することで車両購入時の負担を軽減できます。
まずは、国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」、地方自治体の支援策、そして補助金の対象となるハイブリッド車の条件について詳しく見ていきましょう。
【国の車購入補助金制度】クリーンエネルギー自動車導入促進補助金
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金は、環境に優しい次世代自動車の普及を後押しする国の制度です。
補助金額は、車両の性能や製造メーカーの取り組みを総合的に評価して決定されます。具体的には、充電インフラの整備状況やアフターサービス体制、災害時の地域連携などが考慮されるのが特徴です。
申請方法は、車両の登録時期によって異なります。2024年3月31日以前に登録された車両は、所有者（リース会社など）が申請する決まりです。一方、2024年4月1日以降に登録された車両は、使用者（ユーザー）が直接申請できるようになりました。
この制度により、環境性能の高い車両の購入がより身近になり、持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出すことが可能になります。
【地方自治体の車購入補助金制度】都道府県・市区町村別の支援策
地方自治体の車購入補助金制度は、地域の特性や環境政策に応じて多様な形で展開されています。
例えば、札幌市では「札幌市次世代自動車購入等補助制度」を設け、電気自動車やプラグインハイブリッド車の購入を支援しているようです。補助率は国が公示する一般車種との差額の1/10（上限：30万円）、または本体購入価格の1/3（上限：個人25万円、事業者30万円）のいずれか少ない額となっています。
岩手県金ケ崎町で実施されているのは、町内で生産されたハイブリッドカーの新規登録に対する「金ケ崎町ハイブリットカー購入補助金」です。補助金額は1台につき5万円で、個人・事業者ともに申請できます。
神奈川県では「神奈川県燃料電池自動車導入補助金」を設け、燃料電池自動車の導入・リースに対して最大101万円の補助を行っているのが特徴です。
このように、地方自治体によって詳細が異なるため、自分が住んでいる地域の自治体のホームページを確認しましょう。
（参考：『■■ 次世代自動車導入のための支援（地方公共団体） ■■■｜環境省』）
国の車購入補助金制度を活用する方法
国の補助金制度を活用するには、まず対象となる車の条件を知る必要があります。申請方法や上限額、補助金の予算状況などの詳細を把握することも重要です。ここでは、国の補助金制度を最大限に活用するための、具体的な方法と注意点をチェックしましょう。
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の対象車
車購入補助金の対象となるハイブリッド車には、一定の条件があります。主な対象は、以下の通りです。
・電気自動車（EV）
・プラグインハイブリッド自動車（PHV）
・燃料電池自動車（FCV）
いずれも、電気とガソリンの両方を使用できる車両で、環境性能が高い特徴を持ちます。
補助金の対象となる具体的な車種を知りたい場合は、「一般社団法人 次世代自動車進行センター」が公表しているリストを確認しましょう。国産車や外車を含め、多数の車種がリストアップされています。
（参考：『CEV補助金対象 車両(EV)_CEV、EV・PHEV用充電設備、V2H充放電設備、外部給電器、水素ステーションの補助金交付を行う次世代自動車振興センター』）
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の申請方法と必要書類
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の申請は、個人の場合、比較的シンプルな手続きで行えます。まず、補助対象車両を購入し、車両代金を全額支払うことが必要です。その後、必要書類をそろえて申請書を作成します。
主な必要書類は、「交付申請書」「本人確認書類」「車検証の写し」「領収証の写し」などです。これらの書類を郵送、またはWeb申請で提出します。
申請は、車両登録日から1か月以内に行う必要がある点に注意しましょう。また、個人が電気自動車を購入する場合、J-クレジット制度への参加が必要となります。
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の補助額
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の金額は、車両の種類や性能によって異なります。「令和5年度補正予算」における、それぞれの補助額は以下の通りです。
・電気自動車（EV）：15万円~85万円
・軽の電気自動車（軽EV）：15万円~55万円
・プラグインハイブリッド自動車（PHV）：15万円~55万円
・燃料電池自動車（FCV）：上限255万円
（※車両登録日が2024年4月1日以降の場合）
メーカー希望小売価格が840万円以上の車両では、算出された補助額に0.8を乗じた金額が適用されます。車種ごとの詳しい補助金額が知りたい人は、「一般社団法人 次世代自動車進行センター」のWebサイトにある「補助対象車両一覧」を確認しましょう。
（参考：『一般社団法人次世代自動車振興センター』）
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の予算と申請のタイミング
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金の予算と、申請タイミングは重要です。「令和5年度補正予算」では約1,291億円が計上され、3月28日から申請受付が開始されました。
補助金の予算には限りがあるため、早めの申請が賢明です。申請受付は予算額に達した時点で終了するため、「早い者勝ち」の状況といえます。
センターは、予算消化状況を定期的に公表し、申請受付終了の告知を行う決まりです。あらかじめ定められた日、または予算超過日の前日までに、センターに到着した申請書類が審査対象となります。それ以降の申請は無効となるため、余裕を持った申請が必要です。
車購入を検討している人は、補助金の予算状況を常にチェックし、タイミングを逃さないよう注意しましょう。
中古車でもクリーンエネルギー自動車導入促進補助金の対象になる？
2024年8月現在では、中古のハイブリッド車は国による「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」の対象外です。
しかし、中古車の場合は「エコカー減税」「グリーン化特例」といった税制優遇措置を活用できます。中古車でも、新車登録から一定期間内であれば、自動車税や自動車重量税の軽減を受けられる場合があるでしょう。
地方自治体の車購入補助金制度を活用するコツ
地方自治体の補助金制度を活用することで、車購入時のコストを大幅に削減できます。しかし、自治体ごとに制度の内容や申請手続きが異なるため、効果的な活用には事前のリサーチが必要です。
ここでは、居住地域の補助金情報の調べ方や自治体ごとの申請手続きの違い、そして国の補助金との併用テクニックについて解説します。
居住地域の車購入補助金情報の調べ方
車購入の補助金情報を効率的に調べるには、まず自治体のWebサイトを確認しましょう。市町村や県の公式サイトには、最新の補助金情報が掲載されています。
補助金額は、地域によって大きく異なる点は覚えておきましょう。各地域の電気自動車普及目標や予算、対象車種などが影響しているためです。
例えば、大都市圏では高額な補助金を提供している場合が多いですが、地方では条件が厳しかったり、金額が少なかったりすることがあります。自分の住む地域の条件を把握し、最適な車を選ぶことが重要です。
補助金情報を集めるWebサイトや情報誌も活用し、効率的な補助金の組み合わせを見つけましょう。
地方自治体ごとに車購入補助金の詳細が異なることを理解しておく
地方自治体ごとの車購入補助金の申請手続きは、自治体によって大きく異なります。例えば、愛知県の名古屋市と岡崎市を比較してみましょう。
名古屋市では、ゼロエミッション車の購入に対する独自の補助制度を設けています。一方、岡崎市が実施しているのは「岡崎市次世代自動車購入費補助金」です。
いずれも、補助対象車両の確認方法や補助対象者に関する規定、必要な添付書類などが細かく定められています。プラグインハイブリッド自動車（PHV）の場合の補助額は、名古屋市が5万円、岡崎市が3万円です。
自治体によって補助金制度の詳細が異なるため、事前に居住地の制度を確認することが欠かせません。
（参考：『名古屋市:ゼロエミッション車の購入補助金（市政情報）』）
（参考：『令和6年度 岡崎市次世代自動車購入費補助金 | 岡崎市ホームページ』）
地方自治体の車購入補助金と国の補助金の併用テクニック
国と地方自治体の補助金を組み合わせることで、車購入時のコストを大幅に削減可能です。
例えば、経済産業省の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」と東京都の「ZEV補助金」を併用すると、最大130万円の補助を受けられる可能性があります。また、充電設備の導入にも助成金が適用されるため、さらに補助を受けられる場合もあるでしょう。
ただし、補助金の種類によって、申請期間や要件が異なる点には注意が必要です。予算額に達し次第締め切られる可能性もあるので、早めの準備と申請が欠かせません。
補助金制度を活用したハイブリッド車購入のメリット
補助金制度を利用してハイブリッド車を購入することには、経済的メリットや環境への貢献など、さまざまな利点があります。ここでは、補助金制度を活用したハイブリッド車購入の主なメリットについて、詳しく見ていきましょう。
補助金制度でハイブリッド車を購入すればお財布に優しい
車購入時に補助金制度を活用することで、車両価格の一部が補助されるため、初期投資を抑えられるでしょう。例えば、国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金では、対象車両に応じて数十万円の補助が受けられます。
さらに、多くの地方自治体でも独自の補助金制度を設けており、国の制度と併用することで、さらなる経済的恩恵を受けられる可能性があるでしょう。これにより、通常のガソリン車と比較して、購入時のコストを大幅に削減可能です。
また、ハイブリッド車は燃費性能に優れているため、長期的な視点でも経済的メリットがあります。例えば、年間走行距離1万kmの場合、ガソリン車と比べて年間数万円の燃料費削減が見込めるでしょう。
補助金制度でハイブリッド車を購入すれば環境への配慮にもなる
ハイブリッド車は、従来のガソリン車と比べて、CO2排出量を大幅に削減できるのが特徴です。つまり、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金を利用してハイブリッド車を購入することは、環境保護に大きく貢献することを意味します。
法人の場合、環境への配慮は社会的にも高く評価されるでしょう。企業が環境に優しい車両を選択することで、従業員の環境意識向上にもつながり、企業イメージの向上にも寄与します。
個人レベルでも、ハイブリッド車の選択は、環境保護への貢献として認識されるでしょう。
補助金制度を活用したハイブリッド車購入の注意点
車購入補助金制度を利用した車両を、転売・譲渡することは可能なのでしょうか。また、補助金を受け取った場合、課税の対象になるのかも気になるところです。ここでは、車両の転売・譲渡に関する制限や、税金への影響などについて詳しく見ていきましょう。
車購入補助金を受けた車両の転売・譲渡制限
補助金を受けて購入した車両には、一定期間の保有義務が課されます。これは「処分制限期間」と呼ばれ、通常3年間または4年間です。この期間内に車両を売却・譲渡する場合は、事前に届け出を行い、補助金の一部を返還する必要があります。
返還額は、残存期間に応じて計算されるのが基本です。例えば、2年後に売却する場合、補助金の半額程度を返還することになるでしょう。ただし、天災や自身に過失のない事故による廃車など、やむを得ない事情がある場合は返還が免除されることもあります。
車購入補助金利用時の税金への影響
車購入の補助金を利用する際は、税金面での影響も考慮する必要があります。個人の場合、補助金は原則として課税対象外です。ただし、事業用途で車を購入する場合は、補助金を収入として申告する必要があるでしょう。
一方、法人が補助金を受け取った場合は、課税対象です。しかし、「圧縮記帳」という会計処理を利用することで、税負担を軽減できる可能性があります。
車購入の補助金活用のための具体的なプラン
車購入の補助金を最大限に活用するには、具体的な計画が不可欠です。ここでは、購入前の準備から購入時のチェックポイント、そして購入後のフォローアップまで、段階的なアプローチを紹介します。
国や地方自治体の制度を効果的に組み合わせ、経済的かつ環境に優しい車の購入を実現しましょう。
車購入前に補助金に関する情報収集と計画立案
ハイブリッド車購入の際、補助金を最大限活用するには、事前の情報収集と計画立案が不可欠です。まずは、国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」と地方自治体の独自制度を調査しましょう。
次に、購入予定の車種が補助金対象となるか確認します。燃費性能や環境性能が、基準を満たしているかがポイントです。
補助金額や、申請期限の確認も忘れてはいけません。予算には限りがあり、先着順で受け付けられるため、早めの行動が肝心です。
車購入における補助金の見落としがちなポイント
補助金を活用するには、細心の注意が必要です。まず、車両本体価格と支払金額の一致を確認しましょう。下取りがある場合、その金額やリサイクル預託金返金額が、明確に記載されているか見逃さないようにします。
領収書は請求書と金額が一致しているか、複数枚に分かれていないかチェックしましょう。ローンやクレジット利用時は、契約書の確認も忘れてはいけません。車検証は最新のものを用意し、助成金の振込先口座が申請者名義であることも確認します。
車購入における確実な補助金受給のために
まずは、申請書類を速やかに準備し、正確に記入しましょう。不備があると受理が遅れ、先着順の補助金を逃す可能性があります。
次に、処分制限期間を順守することが大切です。通常、3年~4年間は車両を保有する必要があり、早期売却や廃車は補助金返還の対象となります。車両の保有状況調査に備え、関連書類は適切に保管しておきましょう。
また、補助金に関する最新情報を定期的にチェックするのもおすすめです。制度変更や、追加の支援策が発表されることもあるかもしれません。
車購入補助金制度の将来の展望
ハイブリッド車向け補助金制度の将来は、環境政策と自動車産業の動向に大きく左右されそうです。現在、多くの国が電気自動車（EV）への移行を加速させており、ハイブリッド車への支援は徐々に縮小される可能性があります。
例えば、ドイツでは2022年末に、プラグインハイブリッド車への補助金を廃止する方針が正式に発表されました。日本でも、将来的にはEVやFCV（燃料電池車）への支援にシフトする可能性があるかもしれません。
ただ、急激な制度変更は避けられると予想されます。プラグインハイブリッド車は依然として重要な低排出ガス車両であり、完全なEV化までの橋渡し的役割を果たすためです。
補助金制度の変更に備え、最新の政策動向をチェックし、購入のタイミングを見極めることが重要といえます。また、将来的な制度変更を見据えた車選びも賢明でしょう。
まとめ
ハイブリッド車購入時の補助金制度は、国と地方自治体の両方で利用できます。補助金の種類や対象車両、申請方法・上限額について理解することが重要です。国と地方自治体の補助金を併用すれば、より大きな経済的メリットを得られるでしょう。
補助金を利用する際は、車両の売却制限や税金への影響など、デメリットも考慮することが大切です。具体的な申請手続きの流れや必要書類を事前に確認し、計画的に補助金制度を活用することで、お財布と環境に優しい車の購入がかなうでしょう。
▼ライタープロフィール
鈴木祐貴
車と音楽、旅と猫を愛するライター。多様なWebメディアの編集・ディレクション経験を重ね、2018年よりフリーランスとなる。
現在もさまざまなジャンルの編集をする傍ら、車関連のオウンドメディアや車の税金に関するコンテンツなどの編集経験を生かし、ライターとして車の魅力・おもしろさも発信中。
バックパックひとつでふらりと旅に出るのが好きだが、いずれはキャンピングカーで気ままに世界中をロードトリップしようと思っている。
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よくある質問
Q．2024年度の新車補助金額はいくらですか？
Ａ．2024年度の新車補助金制度は、前年度と変わらず継続されています。電気自動車（EV）に対しては最大85万円、小型EVや軽EV、そしてプラグインハイブリッド車（PHEV）に対しては最大55万円です。 これらの補助金は、各自治体が独自に提供する補助金と組み合わせて利用できます。購入を検討している方は、国と自治体双方の補助金制度を確かめておくとよいでしょう。
Q．エコカー補助金は2024年いつまでですか？
Ａ．2024年度のエコカー補助金（CEV補助金）の最終的な受付終了日は2025年2月13日（必着）です。申請期限は、車の新規登録・届出日から1か月以内です。 申請が多く予算が早期に消化された場合、受付期間が短縮される可能性があるため、購入を検討している方は早めに申し込むとよいでしょう。
Q．サポートカー補助金は2024年現在も受けられますか？
Ａ．サポートカー補助金は、2024年現在では受けられません。2021年11月に申請受付が終了しており、補助金の再開については未定です。 ただし、地域によっては自治体独自の補助金制度が存在する場合があるため、確認するとよいでしょう。
Q．車購入補助金とは？
Ａ．車購入補助金は、環境に配慮した自動車の普及を促進するために設けられた制度です。主に電気自動車（EV）やプラグインハイブリッド車（PHEV）など、環境性能の高い車両が対象です。 制度を活用すると、購入者は車両価格から補助金額を差し引いた金額で車の購入が可能です。国や地方自治体が実施しており、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環として行っています。
