車庫証明なしで納車は可能?できるケースや駐車場の選び方
車を購入する際は、基本的には購入した車を保管する場所を記す「車庫証明」が必要です。車庫証明は普通自動車の車両登録に必要な書類のため、保管する場所がない場合、登録はもちろん納車もできません。
しかし、引っ越しや駐車場に空きがないなどの理由から、駐車場を確保できていない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、車庫証明なしで納車が可能なケースや駐車場の選び方を紹介します。駐車場が確保できず車を購入できない事態にならないよう、納車できるケースとその対策を覚えておきましょう。
※目次※
2.軽自動車の納車時は車庫証明なし!代わりに車庫の届け出が必要
・地域や使用用途によっては、車の車庫証明なしでも納車できる。
・普通自動車は車両登録前に車庫証明の申請が必要、軽自動車は車両登録後に車庫の届け出が必要。
・車庫証明は車のスペースや道路環境に考慮して選ぶ必要があるため、事前にしっかり確認しよう。
車庫証明なしで納車できる?
車の購入を検討していても、保管場所が決まっていない人もいるのではないでしょうか。敷地内に車を保管するスペースがない、マンションの駐車場が空いていないなど、場所が確保できない理由はさまざまです。
しかし、車の納車時には「車庫証明」が必要なため、保管場所が決まっていない場合は納車ができません。ここでは、車庫証明なしで納車できるのかを解説します。
車庫証明は原則として必要になる
普通自動車を購入する際には、車の保管場所が確保できていることを記す「車庫証明」が必要です。
保管場所が申請されていない場合は、基本的に保管する場所がなければ納車できません。公道や他人の土地への駐車は法律違反になります。他人の土地や建造物を保管場所にする場合には「保管場所仕様承諾書」が必要です。
車庫証明は、車の保管場所がある地域の警察署窓口で申請できます。車を使用する本拠地から直線距離で2km以内、保管場所への道路が通行禁止ではない、車全体が道路にはみ出さず収容できることなどの要件を満たせば、駐車場以外の場所でも車庫証明の取得が可能です。
車庫証明なしで納車できるケースもある
普通自動車の納車には原則車庫証明が必要ですが、人口が少ない地域では車庫証明が不要なケースもあります。車庫証明が不要な地域は各都道府県で決められているため、管轄の警察署または管轄警察署のWebサイトで確認しましょう。
また、公道を走らない自動車も車庫証明は不要です。展示用の自動車は、車庫証明だけではなく保険や車検も必要ありません。レトロカーを自宅に飾りたい、ショールームに展示したいなどの場合は、車庫証明なしで納車できます。
軽自動車の納車時は車庫証明なし!代わりに車庫の届け出が必要
軽自動車の場合は、車庫証明ではなく車庫の届け出が必要です。書類は異なりますが、保管場所を届け出る意味では普通自動車の手続きと変わりません。
また、軽自動車の場合も届け出なしで納車できるケースがあります。ここでは、軽自動車の届け出の概要と、届け出が必要ないケースを見ていきましょう。
手続きが必要な場合は警察署で行う
軽自動車を購入する際は、車庫証明ではなく「車庫の届け出」が必要です。届け出は、車庫の所在地を管轄する警察署に提出します。新車や中古車を購入したときはすぐに、車庫を変更したときや引っ越したときは15日以内に変更届け出や新規届け出の提出が必要です。
普通車の車庫証明とは申請書の様式が異なります。購入時に用紙が用意できない場合は、車両届け出後2週間以内であれば提出が可能です。
また、2週間以上たっても届け出を提出していない場合や、虚偽の届け出をした場合は10万円以下の罰金が科せられます。届け出を忘れないよう、早めに提出しましょう。
手続きが必要な地域は限定されている
軽自動車の届け出は、必要な地域が限定されています。除外地域は届け出を出す必要がありません。県庁所在地と人口10万人以上の都市などは届け出が必要な地域に含まれているため、必要がない地域から引っ越すときは手続きを忘れずに行いましょう。
届け出が必要な地域は、管轄警察署、または全国軽自動車協会連合会のWebサイトで確認できます。免許証の住所変更で警察署に行く際に確認するのもおすすめです。届け出を出すのに必要な書類も、そのまま警察署の窓口でもらえます。
車庫証明は自分で取得できる
車庫証明は、車を購入する際に提出する書類に含まれています。販売店が代理で取得してくれるケースも多いため、取得手順や取得に必要な書類が分からない方もいるのではないでしょうか。ここでは、車庫証明を自分で取得するときの流れと必要な書類を紹介します。
車庫証明の手続きの流れ
車庫証明を取得する際は、必要な書類をそろえて、車の保管場所がある地域の警察署に申請します。車庫証明が用意できないと車両登録ができず、ナンバープレートも取得できません。
申請にはさまざまな書類が必要です。必要書類は警察署の窓口でもらう他、警察署のWebサイトからダウンロードもできます。警察署に行く回数を減らしたい方は、ダウンロードする方法を選びましょう。
書類に必要事項を記入して提出すると、1週間ほどで証明書が交付されます。警察署で車庫証明書と標章を受け取り、標章を車の後窓に貼り付けましょう。警察署は、土日・祝日は手続きができません。平日に手続きを行いましょう。
車庫証明の取得に使用する書類
車庫証明を取得する際は、以下の書類が必要です。書類を用意し、自動車の保管場所を管轄する警察署で申請しましょう。
自動車保管場所証明申請書 |
保管場所を確保していることを証明するもの。 |
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保管場所標章交付申請書 |
車庫証明の取得が分かるステッカー。車に貼ることが義務付けられている。 |
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権原書類(どちらか1通) |
保管場所使用権原疎明書面(自認書) |
保管場所が自己所有の場合に使用が許可されていることを証明するもの。 |
保管場所使用承諾証明書(契約書の写しでも可) |
保管場所に他人の土地を借りる場合、使用許可が確認できるもの。 |
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所在図および配置図 |
保管場所を図で記したもの。 |
(参考:『警察署窓口での保管場所証明申請・届出手続|警視庁』)
車庫証明の取得にかかる費用
車庫証明の取得には一定の費用がかかります。必要となる費用は管轄地域によって異なるため、警察署の窓口またはWebサイトで確認しましょう。
例として、東京都と大阪府それぞれの費用を紹介します。紛失したときには再交付の手数料がかかるため、大切に保管しましょう。
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東京都の手数料 |
大阪府の手数料 |
自動車保管場所証明書交付手数料 |
2,100円 |
2,200円 |
保管場所標章交付手数料 |
500円 |
500円 |
自動車保管場所証明書再交付手数料 |
400円 |
- |
保管場所標章再交付手数料 |
500円 |
500円 |
(2024年5月時点の情報です)
車庫証明の取得は代行も依頼できる
車庫証明は、警察署の窓口が開いている平日しか取得できません。窓口の受付時間も東京都は8時30分~16時30分、大阪府は9時~17時と短いため、仕事があり申請に行けない方もいるでしょう。
その場合は、ディーラーや行政書士などへの代行依頼が可能です。ここでは、依頼先と代行料金の目安を紹介します。
代行の依頼先
車庫証明取得の代行は、車を購入した際にディーラーに依頼できます。書類を代筆した後、警察署への申請と受け取りまでを代行してくれるため、車の購入者が手続きする必要はありません。代行費用はかかるものの、購入手続きと一緒に進められます。
行政書士への依頼も可能です。行政書士はディーラー同様、書類の作成と申請、受け取りまでを代行してくれます。また、本人が記入した書類を家族や友人が警察署に申請し、受け取りに行くことも可能です。
代行料金の目安
車庫証明の代行にかかる費用は、相談先によって異なります。ディーラーによる代行では1万円~3万円程度の費用が必要です。行政書士の場合は費用の差が大きいため、代行内容をしっかり確認した上で依頼しましょう。
同じディーラー、同じ行政書士に依頼しても、地域によって代行費用が異なるケースもあります。費用を抑えたい場合は、依頼する前に、管轄地域の料金を確認しておきましょう。
納車に向けて車庫証明を取得する駐車場の種類と特徴
車庫証明を申請する駐車場の場所としては、自家所有の駐車場もしくは自宅の近くにある賃貸駐車場などがあります。近隣に住む親族の家や親族が所有する土地を利用する場合もあるでしょう。
ここでは、駐車場の種類別にそれぞれの特徴を解説します。車を保管する場所によって特徴が異なるため、申請書を提出するためには何が必要なのかを覚えておきましょう。
賃貸駐車場
賃貸駐車場は、月決め駐車場やマンションの大家などに対して賃料を支払う駐車場です。自分で管理する駐車場ではないため、空き状況や自宅からの距離と月額料金は、車を探す前に確認しておきましょう。
賃貸駐車場を借りる場合は、駐車場の所有者に「保管場所使用承諾書」に署名してもらう必要があります。要件を満たすものであれば駐車場の賃貸借契約書の写しで対応できる場合もあるため、各管轄の警察署に確認しましょう。
自家所有駐車場
自家所有駐車場は、基本的に一軒家(持ち家)にあるスペースを利用します。自家所有の駐車場は使用料がかかりません。申請の際は「保管場所使用権限疎明書面(自認書)」に自分で署名します。
「車体が道路にはみ出ない」「自宅から離れ過ぎていない」など、駐車場としての注意点を満たしているかを申請前に確認しておきましょう。
親族所有駐車場
親族所有駐車場は、自分ではなく親族や家族が所有する駐車場です。この場合は、賃料の有無に関わらず「保管場所使用承諾書」に署名してもらう必要があります。賃貸借契約書がないため、基本的に使用期間は1年間と書けば問題ないでしょう。
自家所有駐車場と同様、駐車場として認定される基準を満たしているか、事前に確認が必要です。
納車後は使いやすい?車庫証明に適した駐車場の選び方
車を保管する駐車場に登録する場所は、ただスペースがあれば良いというわけではありません。車を使用する本拠地からの距離やスペースの大きさ、毎月かかる費用なども考慮し、最適な場所を選びましょう。ここでは、車庫証明に適した駐車場の選び方を紹介します。
使い勝手の良い駐車場を利用する
マンションの敷地内に備え付けの駐車場があれば、そこで契約するのが無難です。駐車場がないマンションの場合もしくは空きがない場合は、近隣の駐車場を利用します。駐車場を探す際は、屋内・屋外、立体駐車場、地下駐車場、平面駐車場などの種類も選びましょう。
屋外駐車場は、雨や花粉により車が汚れやすいデメリットが存在します。特に砂利や土で形成された青空駐車場は、他の車が飛ばした砂や石で車体が傷つくこともあるでしょう。
立体駐車場や地下駐車場などの屋内駐車場は、雨や汚れに強いことがメリットです。しかし、限られたスペースに多くの車両を収納するため、閉塞感があります。エレベータータイプやシャッターは、出し入れが手間なことに加え、故障により車が出せないリスクの考慮も必要です。
車を清潔に保ちたい方には、屋内駐車場をおすすめします。夜間の駐車が多い方は、照明の設置なども考えましょう。一方、ゆとりのあるスペースで開放的に利用したい方には、屋外駐車場をおすすめします。
駐車場のスペースを確かめておく
立体駐車場と地下駐車場を選ぶ場合は、保管スペースに注意しましょう。車庫証明を申請できる保管場所の条件は「自動車が通行できる道路から支障なく出入させ、自動車の全体を収容できること」と定められています。
事前に車と駐車場のサイズをチェックしておきましょう。また、スペースに収まる場合でも、対物事故を起こさないよう隣とのスペースを確保することをおすすめします。
駐車場までのアクセスを調べておく
自宅から駐車場までのアクセスと距離も重要です。保管場所の条件は「使用の本拠の位置から2kmを超えないこと」と決められています。
しかし、日常で使う上の2kmは結構な距離です。天候の悪い日や多くの荷物を載せたとき、子どもを連れている場合などは使い勝手が良くありません。自宅に近ければ近いほど便利なため、できる限り近距離の駐車場を探しましょう。
費用を計算しておく
自家所有駐車場の場合は不要ですが、賃貸の場合は駐車場代も考える必要があります。車の所有・走行にはガソリン代や車検代、自動車税などが必要なため、これらの維持費に駐車場代も加わると大きな出費です。
駐車場の料金は、駐車場の種類・場所によっても変わります。費用を抑えたい場合は青空駐車場にする、苦にならない距離の駐車場にするなどの対処をしましょう。
マンション・アパートの駐車場は、物件によっては家賃に含まれている場合があります。駐車場を探す前に、不動産会社や管理会社に確認してみましょう。
スムーズな納車に向けた車庫証明を取得する時期の目安
車庫証明の申請方法や手続きの流れを知ることで、スムーズな納車が可能です。書類の準備に手間取っていると、納車が延びる可能性もあります。
普通自動車と軽自動車によっても申請のタイミングが異なるため、目安時期を確認しましょう。ここでは、車庫証明を取得する時期の目安を紹介します。
普通車は車両登録前に手続きを行う
普通自動車は、車両登録の前に車庫証明の手続きを済ませておく必要があります。駐車場が確保できていないと車庫証明が申請できず、車庫証明がなければ車両登録ができません。
購入する車が決まれば、スペースを確認してからすぐに書類を作成し、申請しましょう。車庫証明が交付されるまでには申請から1週間程度は必要になるため、早めに申請しておくと安心です。
購入がある程度先になる場合は、すぐに駐車場を契約しなくても問題ありません。このときは、車庫証明の申請時にまだ未契約であることを伝えましょう。
軽自動車は車両登録後に手続きを行う
軽自動車の場合は、車両の届け出が済んだ後に保管場所の届け出手続きを行います。車の購入時に車庫証明書は必要ありませんが、届け出が必要な地域で軽自動車を所有する場合は忘れずに手続きを行いましょう。
保管場所の届け出を済ませる目安は、車両の届け出が終わってから2週間以内です。この場合は自分で申請する必要があるため、手間を省きたい、平日に時間が取れない場合は新車購入時に代行を依頼しましょう。
まとめ
車を使用する地域や使用目的によっては、車庫証明なしでの納車が可能です。また、軽自動車は車庫証明ではなく車庫の届け出が必要なケースがあるだけでなく、届け出が不要な地域も多くあります。
車庫証明や届け出にかかる費用は各都道府県によって異なるため、警察署のWebサイトや窓口で確認しましょう。車庫証明を早めに手続きしておけば、車の購入もスムーズに進められます。車庫の届け出を車両の届け出後に行う場合も、早めの手続きを心がけましょう。
▼ライタープロフィール
中村浩紀 なかむらひろき
クルマ記事に特化したライター
現在4台の車を所有(アルファード・プリウス・レクサスUX・コペン)。クルマ系のメディアでさまざまなジャンルの記事を執筆し、2024年1月までに300記事以上の実績をもっている。
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