保証なしの中古車を選ぶリスクとは？購入前に押さえておきたいポイントを紹介
中古車の中には、保証なしで販売されているケースがあります。保証なしの中古車は、通常の中古車よりも安価な場合が多く、魅力的に思えるかもしれません。
しかし、保証が付帯されていないと、さまざまなリスクを抱える恐れがあります。具体的なリスクについて知りたいという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、保証なしの中古車を選ぶリスクについてご紹介します。購入前に押さえておきたいポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
※目次※
・保証なしの中古車は安価だが、予期せぬ高額修理のリスクがある。保証付きなら故障時の費用を軽減できる。
・中古車の保証内容は販売店ごとに異なる。保証範囲、走行距離制限、保証回数の制限などを購入前に確かめておくのが重要。
・極端に短い保証期間や曖昧な保証範囲には注意が必要。保証内容の説明が不十分な場合は、詳細な説明を求めるのがおすすめ。
保証なしの中古車のリスクが高いといえる2つの理由
中古車購入は、新車より手頃な価格で理想の車を手に入れられる魅力的な選択肢です。しかし、見過ごしやすい重大なリスクが潜んでいるケースもあります。
保証なしで購入すると、思わぬトラブルや高額な修理費用に直面する可能性があるため注意が必要です。ここでは、保証なしの中古車のリスクが高いといえる2つの理由について詳しく解説します。
高額な修理費用がかかることもある
整備済みの中古車の場合、保証なしでも問題ないように思えるかもしれません。タイヤの状態や消耗品の劣化といった表面的な問題は、販売前の点検で発見され、対処されることが多いでしょう。
しかし、中古車の真の価値を左右するのは、エンジン内部や電子系統といった、目に見えない部分の状態です。車の内部の劣化は、通常の販売前点検では十分に調べられません。車検レベルの詳細な点検を行うと、車両価格が大幅に上昇してしまうからです。
簡単な整備の場合、購入後に予期せぬ高額修理が必要となるリスクが残るでしょう。エンジン内部の不具合は、数十万円~数百万円の修理費用が発生する可能性もあります。
保証が付帯されている中古車なら、時間の経過とともに現れる問題や通常の点検では発見しづらい不具合が生じた場合でも、落ち着いて対処できるでしょう。
販売店の対応に限界がある
中古車購入後のトラブルは、単なる金銭的な問題にとどまらず、精神的な負担も大きくなります。不具合が発生した場合、販売店が何らかの方法でサポートしてもらえるのではないかと期待しがちですが、保証なしの中古車の場合は対応が限られるでしょう。
中古車販売店にとって、販売後の故障は非常にデリケートな問題です。顧客との良好な関係を維持したい一方で、高額な修理費用を負担すれば、販売利益がなくなってしまいます。
エンジンのオイル漏れや電装系統の不具合といった、使用開始後しばらくしてから顕在化する問題に直面した場合、保証なしでは全額自己負担となる可能性が高いでしょう。一方で、保証があると軽微な不具合についても積極的に対応してもらえます。
中古車の保証範囲はどのくらい？
中古車の保証は、車を構成する部品全ての不具合に対応しているものではありません。どのパーツの故障が保証範囲に入っているのか事前に把握しておく必要があります。保証の対象に含まれるものと含まれないもの、場合によって含まれるものを確認しましょう。
保証の対象になるもの
保証項目は加入先により内容も異なりますが、車の安全性や動作に関係があるブレーキやミッションの部分は対象に含まれるのが一般的です。
しっかりとした保証であれば内部の主要パーツは保証に含まれていることが多いので、これらが対象にされていない車は注意したほうがよいでしょう。
保証によっては、部品代は無料でも交換作業の工賃は有料という場合もあります。保証内容が明確でない保証や口頭での取り交わしはトラブルに発展する原因になりやすいので、購入前に明確に保証対象を把握しておきましょう。
保証内容によっては対象になるもの
販売店によっては、最低限の走行能力や安全に関わる部分以外は保証範囲に含まれない場合があります。パワーウインドウやオーディオ、エアコンなどは修理費用が比較的高額ですが、修理するときは自費になるケースもあるようです。
これらの扱いは販売店や申し込んだ保証によって異なるので、どこまでが保証範囲に含まれるのか契約前に確認するのを怠らないようにしましょう。
保証に含まれないことが多いもの
車の装飾に関連するものや消耗品は基本的に保証範囲に含まれません。ボディの塗装剥げやさびといった走行性能に無関係な部分や、エンジンオイル・ワイパーゴム・タイヤなどの車に乗っていると自然と消耗するものに関しては保証対象外であることがほとんどです。
所有者の操作ミスが原因で起こった不具合も対象外になります。例えば、ガレージの壁にぶつかってからまっすぐ走らなくなった、エンジンがかかりにくくなったなどのケースでは保証対象とならないことが多いでしょう。
中古車購入時には保証の有無を確かめよう
中古車を安心して購入するためには、保証についての正しい理解が欠かせません。保証が付帯されているのは新車のみと考える方もいますが、中古車でも保証が付帯されていることもあります。
一方で保証がない中古車や整備のみを行う中古車もあるため、慎重な車選びが必要です。ここでは、中古車の保証に関する3つの販売方法について見てみましょう。
現状渡しはリスクと魅力が共存する販売方法
現状渡しの中古車は、低価格が魅力です。ただし、価格の裏には、整備が行われていないというリスクが潜んでいます。現状渡しの場合、販売店が仕入れたままの状態で販売されている可能性が高いでしょう。
状況によっては、購入直後に不具合が発生する恐れもあります。自身でメンテナンスやカスタマイズを行える方にとって、現状渡しの中古車は魅力的でしょう。
一方で、車の知識や整備スキルが乏しい方にとっては、予期せぬ故障や高額な修理費用が発生するリスクが高いため、注意が必要です。現状渡しの中古車を選ぶ際は、想定外の出費に備えておく必要があるでしょう。
整備渡しは隠れたリスクに対する注意が必要
整備渡しの中古車は、保安基準に適合するレベルまで整備されて販売されるため、一定の品質は確保されています。日常的な使用においては、大きな問題なく利用できる可能性が高いでしょう。
ただし、車検に通るという事実だけで安心できません。コンディションは車両によって異なり、最低限の基準を満たしているだけの場合もあるからです。
現状渡しと比較すると、整備済みであることによる安心感はあります。一方で、故障や不具合のリスクは完全には排除できません。整備渡しを選ぶ際は、整備の内容や保証の詳細を十分に理解し、潜在的なリスクも考慮に入れた上で判断するとよいでしょう。
保証付きなら万が一のときでも安心
保証付きの中古車は、購入後の安心感と経済性を両立できる魅力的な選択肢です。新車同様の長期保証が付いているケースもあり、万が一の故障時でも費用を軽減できるでしょう。定期的なメンテナンスが保証に含まれている場合、常に良好な状態を保てます。
さらに、保証付き中古車はプロによる徹底的な点検を受けており、隠れた不具合のリスクを解消できるでしょう。ただし、保証内容は販売店によって異なるため、保証内容について確かめておくのが重要です。
中古車の保証内容は購入店ごとに異なる
中古車を購入する際には、故障やトラブルに対応する保証を複数の候補から選べます。まずは購入したお店が用意する保証です。そして、高年式のモデルを購入した場合は新車時のメーカーやディーラー保証が残っている可能性があります。
最後に、中古車情報サイトが用意している保証も候補のひとつです。保証に入る際の金額や内容が異なるので、どの保証がベストかを見比べましょう。
中古車販売店の保証
中古車販売店は独自の保証を付帯しているところも多く、保証の内容は販売店ごとに異なります。保証にはデフォルトで付いているものと代金を支払って追加するものがあり、デフォルトで付いている保証では不安が残るときに有償の保証を追加するのが基本の方法です。
中古車を購入するときは、保証の期間や内容がカバーする範囲をしっかりと確認しましょう。保証期間は短いものでは1か月~3か月程度、または走行距離1,000km~3,000kmほどのものもあり、保証があるからと安心していると肝心なときに切れているケースも考えられます。
保証項目にエンジンやブレーキ、ミッション周りといった車を走行させるのに必要不可欠なパーツが含まれているかチェックすることが重要です。特にエンジンは故障すると修理に多額の費用がかかるので、保証範囲に含まれているかきちんと確認しましょう。
メーカー・ディーラーの保証
メーカーやディーラーの保証というのは、中古車を購入した際に付帯するものではなく、以前のオーナーが購入したときの保証です。高年式のモデルならばメーカーが用意している3年や5年の新車保証によって、故障したパーツを修復してもらえます。
ただし、故障した場合に対応が受けられるのは、保証対象の期間のトラブルであり、保証がしっかりと継承されていることが前提です。
中古車情報サイトの保証
販売店の規模が小さい場合、独自の保証サービスを用意できない場合があります。その場合は、中古車検索サイトなどが提供している保証サービスを使うことも可能です。
サイトによって保証サービスの内容は変わりますが、例えば「最長3年、350以上の保証項目」などの保証サービスを受けられます。ここで注意しておきたいのは、「掲載している全てのお店・車が対象」というわけではないということです。事前にサービス内容の詳細を確認しましょう。
中古車の保証を確かめる際のポイント
中古車を購入する際、保証の内容の確認は重要です。保証内容は中古車販売店ごとに異なるため、契約前に確かめておくのがよいでしょう。
押さえておきたいポイントは、新車保証との併用、走行距離の制限、保証回数の制限の3つです。ケースによっては保証が受けられない場合もあるため、早めに確かめておきましょう。ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
新車保証との併用
中古車を購入する際、新車保証が残っている場合もあるでしょう。しかし、一部のディーラーや中古車販売店では、新車保証と中古車保証の併用を認めていないケースがあります。
このような場合は新車保証が優先され、販売店の中古車保証が適用されない可能性が高いでしょう。エンジンのトラブルが発生した際、新車保証でカバーされる部分と中古車保証でカバーされる部分が異なるケースもあります。
保証の併用が認められない場合、より有利な保証を選択できないかもしれません。一方で併用可能な中古車販売店もあるため、購入の際に尋ねておくとよいでしょう。
走行距離の制限
中古車保証を選ぶ際、見落としがちなポイントのひとつが走行距離の制限です。中古車販売店が提供する保証プランの多くは、走行距離に応じて保証の適用範囲が変わったり適用外になったりします。
例えば、走行距離5,000km以内という条件がある場合、その距離を超えると保証が適用されません。走行距離の制限は、車の使用頻度や用途によって影響が異なるでしょう。長距離通勤や頻繁な遠出をする方の場合、すぐに制限を超えてしまうかもしれません。
中古車販売店の中には、走行距離に制限を設けていない保証プランも存在します。自身の車の使用計画と照らし合わせて、適切な保証を選ぶのが大切です。
また、走行距離制限の有無だけでなく、制限に達した後の対応についての確認もおすすめします。追加料金で保証を延長できる場合、安心して車に乗り続けられるでしょう。
保証回数の制限
中古車の保証で注意しておきたい別のポイントは、保証回数の制限です。無制限に見える保証でも、実際には回数や金額に上限が設けられていることがあります。
保証期間内であれば修理回数に制限はないという場合でも、保証対象部品ごとに累積上限金額が設定されているケースもあるでしょう。
具体的には、エンジン関連の修理で50万円、電装系の修理で30万円といった具合に、パーツごとに上限が決められていることもあります。一方で、「車両本体価格の30%以内であれば何度でも修理可能」といった保証プランを提供している販売店もあるのです。
年式が古い車や走行距離が長い車を購入する場合、十分な注意が必要です。保証回数や累積金額の制限を事前に把握しておくと、予期せぬ高額修理費用の発生を防げます。
中古車の保証で注意が必要なサインとは？
中古車販売店の中には、実質的な保護を提供しないケースもあるため、十分な注意が必要です。確かめないまま購入の契約を結ぶと、思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。
ここでは、中古車の保証で注意が必要なサインを3つご紹介します。契約前に警告サインが見られる場合には、中古車の購入を再考するとよいでしょう。
極端に短い保証期間
保証期間が極端に短い中古車には要注意です。例えば、保証期間が数週間のみといった場合、実質的に保証なしと同等と考えるのがよいでしょう。短期間の保証は、重大な問題が顕在化する前に終了してしまう可能性が高いからです。
また、極端に短い保証期間を設定する中古車販売店は、誠実に顧客をサポートする意思に欠けている可能性があります。保証期間内でも、さまざまな理由で修理を拒否するかもしれません。
こうした状況に遭遇した場合、まずは販売店に理由を尋ねてみましょう。納得できる説明がない場合は、購入の再考をおすすめします。
曖昧な保証範囲
中古車の保証において、保証対象となるパーツが明確に定義されていない場合には注意が必要です。車両は多くののパーツで構成されており、全てを保証対象とするのは難しいでしょう。中古車販売店では、保証対象のパーツを明確に表記しているのが一般的です。
しかし、一部の販売店では保証付きと表記しながら、保証範囲を曖昧にしているケースがあります。例えば、エンジンやトランスミッションといった大まかな項目のみが記載されていたり、詳細は当社規定によるといった表現が使用されていたりする場合もあるのです。
具体的な保証範囲が明記されていない場合、販売店に詳細な保証範囲のリストを要求したり、主要な部品が明確に保証対象となっているのか確かめたりしてみましょう。
保証内容の不十分な説明
中古車購入時の商談において、保証内容に関する詳細な説明がない場合は要注意です。中古車の保証は新車のメーカー保証と比べて複雑な条件が設定されていることが多く、時間をかけた丁寧な説明が必要になるでしょう。
説明が不十分な場合は、将来保証を利用しようとした際にトラブルが発生するケースも考えられます。主な保証説明として、保証期間、走行距離制限、保証対象となるパーツト、保証の適用条件、除外事項、保証を受ける際の手続き方法、保証修理時の顧客負担などがあります。
説明が不十分な場合は、保証内容の詳細な説明を要求したり、不明点や疑問点を積極的に質問したりしましょう。
中古車の保証を使う方法
実際に故障などの問題が起きた場合、どうすればよいか分からない人も多いかもしれません。ここからは、保障に関する事前確認の方法と、実際に中古車の不具合に気付いた際に保証を使う方法について、具体的に解説します。
事前に販売店のHPなどで確認しよう
中古車の保証に関する考えはだんだんと広まっていますが、いまだに「保証は要らない」「中古車は保証が付かないもの」と考えている人もいます。中古車の保証は、各販売店などのホームページで、内容を確認できます。
気になる保証があれば、実際に連絡をして、保証を付けてもらうようにしましょう。細かい情報の収集や、販売店の人と直接コミュニケーションを取ることもできるので、とにかく「電話で問い合わせる」ことが大事です。
購入後のトラブルはすぐに連絡しよう
中古車の不具合に気付いた場合は、まずはすぐに販売店に連絡をしましょう。自動車の購入後に引越しをし、店舗から離れてしまった場合でも、販売店に連絡します。
その後は販売店の指示を聞き、それに従って行動しましょう。全国に店舗を展開している販売店であれば、最寄りの店舗や提携している工場で修理してくれます。急なトラブルに対応できるよう、手元には常に保証書を置いておくのが大切です。
中古車購入時の有償保証の加入率はどのくらい？
中古車の保証には、無料で付帯する無償保証と、有償保証の2種類があります。有償保証に加入しているユーザーが、どのくらいなのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、ネクステージが独自に実施したアンケート調査（2021年7月10日~8月4日）の結果を参考に、有償保証の加入率や重視されているポイントを解説します。
（参考：『中古車購入時に有償保証は入った方がいい？加入経験者に聞いた不安なポイント！｜新車・中古車の【ネクステージ】』)
有償保証の加入率
中古車には「無償保証」と「有償保証」があります。無償保証は中古車を購入すると自ずと付帯する保証ですが、有償保証は個人の任意です。ネクステージでは、2021年7月10日~8月4日に「車」に関するアンケート調査を行いました。
その中で、有償保証に加入したかどうかをたずねたところ、未加入の方が55.7%、加入した方が44.3%という結果が出ています。中古車は安く買うための手段という印象が強くあるものの、新車同様大切に乗りたいと考える人も多くいることが分かります。
有償保証で重視されているポイント
先ほどの調査では、有償保証を選ぶ際に重視するポイントについても質問をしています。結果は以下の通りです。
・保証範囲 37.1%
・加入費用 25.0%
・保証期間 18.5%
・修理限度額 15.3%
・付帯サービス（無料代車・レンタカー） 4.0%
多くの方が保証は「万が一の備え」と考え、それがあることに安心を感じているようです。実際に、故障箇所が保証範囲内のために安心したと答えた方もいます。中古車を購入する際は、使用想定期間を踏まえながら有償保証も検討してみましょう。
まとめ
中古車を購入する際、保証の有無は重要な検討事項です。保証なしの車は安価ですが、予期せぬ高額修理のリスクがあります。保証内容は販売店によって異なるため、購入前に詳細を確認しておきましょう。
また、極端に短い保証期間や曖昧な保証範囲には要注意です。中古車購入時は、自身の使用計画に合わせて適切な保証を選択し、安心して乗れる車選びを心がけましょう。
■ライタープロフィール
兒島裕和
2018年よりフリーランスのWebライターとして活動。車関係の記事を中心に、これまでに2,000本以上の記事を執筆。日本の普通自動車免許に加えて、EU圏内の自動車免許を2020年に取得。国内に加えて海外の自動車事情にも精通。
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いかがでしたか。今回の記事が中古車購入を検討しているあなたの参考になれば幸いです。
ネクステージでは、他店に負けない数多くの中古車をラインアップしていますので、中古車の購入を検討されている方は、ネクステージの公式Webサイト上で最新の在庫状況をチェックしてみてください。また中古車購入に際して、ネクステージ独自の保証もご準備しております。お気軽にお問い合わせください。
