新型アコードが2024年3月に登場!魅力や旧車・ライバル車との違いは?
2024年3月に登場した新型アコード。アコードといえば、1976年にホンダから販売された人気のセダンだ。北米や中国での人気も高く、ホンダ屈指のグローバル商品でもある。
今回登場した11代目となる新型アコードは、上級セダンにふさわしくホンダ最新の安全技術や先進装備を搭載している。また、スタイリッシュかつスポーティな見た目や新搭載されたコネクティッド機能などは、従来からのファンだけでなく新しいファンを呼び込むポイントとなるだろう。
この記事では、アコードの進化を詳しく紹介。旧型アコードやライバル社との比較、ホンダの販売戦略についての筆者の見解もお見逃しなく。
※目次※
・旧型に比べて全長が74mm伸びた新型アコード。見た目だけでなく最新技術も多彩に搭載されている
・新型アコードは進化したe:HEV搭載した1グレードのみのラインアップ
・旧型アコードもハイブリッドのみかつ、上級グレードのみのラインアップ。中古車市場では比較的安く購入できるので狙いめでもある
新型アコードの魅力は?6つのポイントをチェック
レジェンドの生産が終了した現在、ホンダのラインアップではフラッグシップに位置するアコード。そんなモデルの新型というだけあって、デザインやメカニズム、インフォテインメントシステムなどほぼ全ての部分がブランニューとなっている印象を受ける。
まずは、新型アコードの代表的な進化について紹介していく。
1.先代モデルを踏襲したパッケージ
新型アコードを一見すると伸びやかになった印象を受ける。全高とホイールベースは先代モデルを踏襲しているが、全長で75㎜、リアトレッドで10㎜延長がされているのがその理由だ。
これによりさらにロー&ワイドなスタイリングになり、上級セダンらしい安定感を強く感じるデザインへと進化した。デザインテーマは「クリエイティブブラックタイ」。ドレススタイルの基本を押さえつつ、個性を引き立てるという意味がある。
2.力強さと流麗さが備わったデザイン
エクステリアデザインは大きく変わった印象だが、特にその印象を強めているのがフロントフェイスだ。ブラック基調のグリルと薄型ヘッドライトでよりシャープで先進的な印象となった。
また、リアは横一文字のコンビネーションランプとなっていて、よりワイドな印象を強調させている。
3.進化したe:HEV
そしてパワーユニットにも大きな変更が見られた。2.0Lの直噴4気筒エンジンを組み合わせたハイブリッドシステムという点はシビックやZR-Vと変わりないが、アコードには新開発の高出力モーターが採用されている。
このモーターは2つ搭載されていて内蔵電気式CVTと組み合わされている。最大トルクを大きく向上させながら高い静粛性を実現しており、まさにフラッグシップセダンにふさわしいパワーユニットとなっている。
4.国内向けホンダ車として初採用したモーションマネジメント
メカニズム的なトピックスとして注目すべき点は、国内向けのホンダ車としては、初めて採用されたモーションマネジメントだ。
これまでは「アジャイルハンドリングアシスト」というメカニズムが採用されており、これはハンドルを切り始めたときに車の動きを予測し、それに合わせて前輪のブレーキを左右独立に制御することで、車の応答性を高めて安定感のあるコーナリングを支援するというシステムだ。
モーションマネジメントでは、新たに前荷重制御を加えた。これにより滑りやすい路面からワインディングにいたるまで、あらゆる走行シーンでドライバーの思い通りのドライビングを実現できるよう進化している。
5.先進の安全支援システムを搭載
もちろん、安全装備も最新のシステムに進化している。搭載されたのは、国内向けのホンダ車としては初装備となるHonda SENSING 360。
フロントセンサーカメラと計5台のミリ波レーダーを装備することにより、360度センシングを実現している。さらに2025年には車両周辺の死角をカバーして、交通事故の回避やドライバーの運転負担軽減をサポートする全方位安全運転支援システムHonda SENSING 360+をアコードに搭載する予定となっている。
6.Googleの各種アプリケーションに対応
新型アコードはGoogleを搭載している。この機能も国内向けのホンダ車としては初採用だ。GoogleアシスタントやGoogleマップ、GooglePlayなどを使用することが可能で、これまで以上に直感的にさまざまなアプリケーションがスムーズかつストレスフリーに使える。
40代〜50代の世代を取り込むべく搭載されたコネクティッドサービス。交通情報や音声操作によるエアコンの温度設定など、便利な機能が詰まっている。
パワートレインはハイブリッドモデルのみ
アコードのメイン市場となる北米市場では1.5Lターボも用意されているが、日本市場では2.0Lのハイブリッドのみとなっている。より先進的かつ上級なモデルであることを全面に日本市場では打ち出したいといった印象を受ける。
スペックと新車価格
新型アコードのスペックや価格は以下の通り。なお、グレードはワングレードのみだ。
グレード |
e:HEV〈FF〉 |
価格 |
544万9,400円(税込) |
全長/全幅/全高 |
4,975/1,860/1,450(m) |
エンジン/パワーシステム |
e:HEV |
トランスミッション |
電気式無段変速機 |
エンジン |
水冷直列4気筒横置 |
総排気量 |
1,993 |
エンジン:最高出力 |
108【147】/6,100(kW【PS】/rpm) |
エンジン:最大トルク |
182【18.6】/4,500(N/m【kgf】/rpm) |
乗車定員 |
5名 |
車両重量 |
1,580㎏ |
燃費 |
23.8㎞/L(WLTCモード) |
最小回転半径 |
5.7m |
新型アコードの乗り心地は?
上級セダンとなると購入を検討する多くの人が気になるのが乗り心地だ。先代モデルも乗り心地に対していい印象を抱いていただけに、さらなる進化が期待されるポイントとなる。
ハイブリッドシステムはさらなる低燃費と静粛性を実現
進化したハイブリッドシステムは、低燃費はもちろんだが静粛性の向上にも貢献している。また減速セレクターが先代モデルの4段から6弾へと多段化されたことで、減速度を高めると同時に減速度のコントロール性の幅が上がった。
よりシームレスな加減速ができるようになり、パワートレインでの乗り心地向上も実現している。
サスペンション周りも進化
先に紹介した「モーションマネジメントシステム」に加えて、新型アコードでは6軸センサーを採用したアダプティブダンパーも装備されている。走行シーンやドライバーの好み(ドライブモード)に合わせて、より快適かつ最適なセッティングを実現。サスペンション周りでも乗り心地は進化しているのだ。
旧型アコードやライバル車との比較
今やすっかりと数が減ってしまった印象のあるこのクラスのセダンだが、確実なファンを付けて生き残っているモデルもある。そんなモデルと比べるとアコードはどう映るのだろうか?
ここからは、旧型アコードやライバル車との比較を、筆者の見解も加えながら見ていこう。
先代アコード
先代モデルは日本市場では2020年から販売されていた。こちらもハイブリッドのみかつ、上級グレードのみの販売展開となっていた。
ロー&ワイドなスタイリングと2モーターを採用したハイブリッドシステムという点は新型モデルと同じだ。年式的には新しいため装備や機能面も比較的充実しているが、中古では比較的リーズナブルな価格に落ち着いてきているので、中古で狙うのもアリな1台といえる。
新型アコードのライバル車:「スカイライン」
日本の数あるモデルの中でも歴史あるスポーツセダンがスカイラインだ。
現行モデルは10年ほど販売しており、モデルライフも長く古臭い部分が隠せてない点も否めないが、改良を細かく行ったり、400Rといったハイパフォーマンスグレードの追加をしたりすることで新鮮さを出している。スポーツセダンとしてのブランド力は高い1台だ。
新型アコードのライバル車:「レクサスIS」
このクラスのセダンで、日本が世界に誇るグローバルモデルとして挙げられるのがISだ。ISもスカイライン同様、10年を超えるモデルライフとなっているが2020年のビッグマイナーチェンジで新鮮さを取り戻した。
デザインや走行性能、インフォテインメントも大幅に進化し最新モデルと遜色のない満足度となっている。スカイラインに比べれば先進性は高いが、パワートレインや運転支援システムに関しては最新モデルにはやや引けを取る印象だ。
しかし、数少ないこのサイズのFRセダンであることや走行性能に大きな進化が見られたことから、ビッグマイナーチェンジ以降、評価は高い。
アコード以外のモデルを通してホンダの販売戦略を探る
今や国内のラインアップの中で、セダンはアコードだけとなってしまったホンダ。今後ホンダはどのような展開や展望を描いているのだろうか?
FCEVのCR-Vを導入予定
まず、直近で確実なのはFCEV仕様のCR-Vが導入予定となっていることだ。CR-Vは日本市場から撤退してしまい、FCEVのクラリティもラインアップから姿を消したが、「CR-V e:FCEV」によって復活する。
FCEVでありながらBEVのような充電機能も搭載している予定となっているので、よりライフスタイルの幅を広げてくれる次世代モデルになることは間違いないだろう。
現場からの声でオデッセイ復活
また、ラインアップの層が薄いという面ではミニバンでも同じようなことが起きていた。販売現場からの声もあり、2023年末に中国生産のオデッセイが日本市場でも復活を果たした。より進化し、質感を高めての登場となり、現場的にも好印象となったようだ。販売現場の声を取り入れていきたいというホンダの1つのビジョンといえるだろう。
まとめ
新型へとフルモデルチェンジしたアコード。ホンダのフラッグシップセダンらしく最新の装備やメカニズムが多く取り入れられているのが特徴だ。
最近はセダンに対しての風向きが厳しいため爆発的なヒットは難しいかもしれないが、ここからホンダの新時代が切り開かれていくことを期待したい。
【この記事の執筆者】
西川昇吾
自動車ライター
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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